時を奏でる境界線

シャオえる

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64. 昔々はそうだった

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「とは言っても、7つも不思議はないと思うけど……」
 そう話して始まる昔話は、慣れ親しんだ食堂。ちょうどお昼時間も相まって、いつも以上に周りは騒がしい。そんな中、カノンの話は続いてく
「この世界は、昔は時間帯関係なく、みんな普通に魔法やら何やら使えていたんだ」

「そうなんですか?!」
 ノエルが驚いて大声を出す。その声で回りの人たちが、ノエル達を凝視する。リエルやクリル、メイナも驚いて固まったまま
 バルバが、何でもないと周りに合図を送ってまたざわつき出す食堂。そしてまた、カノンの話が始まる
「うん。とはいっても、僕らが生まれるずーっと、ずーーっと昔の話。何故こうなったのか記録があまり残っていないくらい昔だから、天変地異でも起こったんじゃないか。と言われてるくらい不思議なことでね」

「しかも、一番の不思議はなぜ、魔法を使う人は必ず時間により変わるのか。ということ。アゼルはこれを一番に調べているよ」
 そう話すとノエルとリエルの方をみる。いきなり父親の話が出てきて、二人に一瞬だけ緊張感が走る
「お父さんが……」
「そう、本部も色々調べてるけど、さっぱり。不思議だよねー」

「両方の時間で使える人はいるのか?」
「残念ながら、今のところはいないね」
 クリルが一番聞きたかった質問は、カノンに即答されて、一瞬落ち込んで、また考え込む

「僕らが生きている間に少しでも謎が解れば良いなぁとは思うけど、もう数年間少しも進展なしだからねぇ……」
 カノンの話が終わり、何か考えているのか黙りこむ四人
「さて、続きはまた今度。お腹も一杯になったし、ノエル君とメイナちゃんと後で練習しようかな」
 上機嫌で話すカノン。ノエルとリエルは前の練習で
、対戦早々倒されたので、いつも以上に嫌そうな顔
 そんな二人を見ないふりをして、食事の片付けを始めるカノン
「元気になるには体をたくさん動かないとねー」
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