時を奏でる境界線

シャオえる

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61. 待ってる間に強くならねば

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 まだまだ、ノエル達が話し込んでいる頃、女子寮で、書類の仕事をしているカリアと、それを見ているリエルがいた
「寝過ぎた……」
 やっと目が覚めて体を起こすメイナ。寝過ぎてちょっとだけ、寝起きは不機嫌そう

「おはよう、メイナ」
 リエルが声をかける。二人が居たことに気づいて、不機嫌も一瞬で吹き飛び、笑顔になる
「カリアさん、リエルもおはよう」
 二人の元へ駆け寄るメイナ。今朝、カリアと練習をしていたので、まだ擦り傷が残っている
「傷はどう?大丈夫?」
「はい、私よりお兄ちゃんが傷だらけだったし。大丈夫です」
 心配そうに聞くカリアに、不安を無くそうと、大きな声で元気よく答えてエヘヘと笑うメイナ。つられて二人も笑い、ほんわかした雰囲気が部屋になっていく

「あっもう、6時……」
 リエルが時計をみる。窓の外は、暗くなってきている頃
「お兄ちゃん、起きたかな?」
「そういや、ずっと見てないね」
 クリルの心配をするメイナ。リエル達も、ほぼずっと女子寮に籠りっきり。本部にいるのか、ノエル達が帰ってきているのか、分からない状態
「男子寮は、私も入れないから、一度本部に行ってみる?」


「あ、お兄ちゃん……」
 本部のいつものソファーに、一人で座っていたクリル。いつからいたのか、退屈そうにみんなを待っていた様子。話し声でメイナに気づいて、ちょっとホッとしている
「メイナ、起きたのか。ノエルは一緒じゃないのか?」
 やって来たのは、カリア達のみ。起きてから、カノンも見てないクリルは、さすがにちょっと不安そう
「お兄ちゃんは、カノンさんとお出掛けしたよ。まだ来てないんだ……」
 まだ帰ってきてないノエルに、別れて約4時間ほどだけど、落ち込んでいた様子だったので、帰ってきてない今に、心配そうなリエル
「しばらく、ここで帰ってくるの待つ?」
 カリアの質問に、小さく頷いて待つことなった


「お腹すいた……」
 リエルのお腹がなり、お腹が空く時刻はもう8時。待てど暮らせど、帰ってこない。
お昼から何も食べてないので、さすがにみんなお腹すいてきた
「ご飯行こうよ」
 ずっとメイナが話しかけても、嫌がり続けていて、こんな時間になっていた
「私もお腹すいたし、ご飯食べに行きましょ」
 カリアが諭しても、動かないリエル。困ったカリア、ため息をつく
「きっと、ノエル君も美味しいもの食べてると思うから……」
 暇潰しにリーリルを投げて遊んでいたクリル。ソファーから立ち上がる。隣にいた三人突然のことに驚く
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「行くぞ。メイナ」
 そう言うとリーリルをメイナに渡すと、一人どこかへ行こうとする
「ど、どこに?」
 あたふたと、クリルの後を追う。リエルとカリアも、ちょっとだけ焦り出す
「メシだよ。食わなきゃな。ノエルに負けてられんからな」
 そう話ながら、食堂へ向かうクリルに、呆れるメイナ
「……なにそれ?」

「なあ、カリアさん」
 突然、話しかけられ驚くカリア。クリルからの話す、その強い言葉を感じて、うん。と頷く
「そうですね。たくさん食べて、強くならないといけませんからね……」
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