時を奏でる境界線

シャオえる

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50. 居ないと寂しい、待ちぼうけ

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 メイナ達がはしゃいでいる、ほぼ同時刻。男子部屋ではまだ寝ているノエルと、起こさないように部屋を出ようとしているクリルがいた
 部屋を出て、本部へと一人向かう。玄関近くの待ち合わせ広場のソファーに座り、外を眺めて物思いにふけるクリル。
 バタバタ忙しそうな本部の人達に背を向けて、時間がのんびり流れてく

「……クリル・バータナ君かな?」
 突然名前を呼ばれ、振り向くと、知らない男性が側にいた
「はい」
 服装から本部の人だと分かるその人に、返事をする
「一人?なら、ちょっとお話いい?」


「ヤバい……寝過ぎた……」
 クリルが部屋を出て大分経った午後ラクト1時。クリルが居ないのを確認すると寝ぼけながら、本部へ向かうノエル
 さっきまでクリルがいたソファーに、メイナとリエルが仲良く座っている
「お兄ちゃん、おはよう」
 リエルが先に気づいて、手を振り、ノエルを呼ぶ
「おはよう。クリルも一緒?」
 居るかどうか確認しながら座るノエル。だが、ソファーにはメイナとリエルしかいない
「来てないよ?一緒じゃないの?」
 一人で来たノエルに、リエルが問いかける
「起きたら居なかったんだけど……」
「お散歩かな?」
 外を見るメイナ。今日も、外は散歩日和の良い天気

「カノンさん達も、今日はいないね……」
「そういえば、カリアさんも来ないね」
 辺りを見渡すノエル。本部の人達が慌ただしく歩いている。けど、バルバ大佐やカノン隊長も見当たらない
「カリアさんは私たちの部屋で寝てるよ」
 昨晩、リエル達と一緒に女子寮に行っていたので、ああ。と納得するノエル
「そっか……どうしよ……」

「しばらくここで待つ?」
 誰もいない状況。ふぅ。とため息つくノエル
「そうするしかないか……待てる?」


 待てど暮らせど、誰も来ない。もう時間は3時になる頃。さすがに、待ちくたびれた三人。どうしようかと悩み始める
「……みんな遅いね」
 不安になってきたリエル。段々と気持ちが落ち込んでいく
「カリアさん起こす?」
「疲れてるんだからダメだよ」
 朝よりも声が小さく、リエル同様不安になってくメイナ
「なあメイナ、クリルどこ行くか聞いてない?」
 ノエルもまだ来ないクリルの事も気になり、不安がつのる
「聞いてない。今日は、逃げないと思うけど……」

「やあ、おはよう。みんな今日は、早いねー。一人足りないみたいだけど……」
 三人とは、明らかに違うテンションのカノンがやって来た。聞きなれた声にホッとする三人
「カノンさん、お兄ちゃん知らない?」
 来てすぐ、クリルの行方を聞くメイナ。何だかんだと心配している様子
「クリル君?さあ?僕は今出勤したからねぇ……」

「あっ、来た」
 話をしていればクリルがうつ向いて、落ち込んでいるような雰囲気を出しながらやって来た。
「お兄ちゃんどこ行ってたの?!」
「ゴメン……」
 心配しすぎて怒りだすメイナ。心ここにあらずなクリル。適当に返事をしているような態度で、更にメイナが怒り始めている
「あらあら、来て早々テンション低いねぇ」
 カノンが笑って励まそうとしても、無表情のまま

「ところで今日なんですがね……」
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