時を奏でる境界線

42. 三人だけの秘密の会話

　時間を少し戻して、ノエル達が会議に参加している頃、カリアがメイナをおんぶして、部屋へと連れてきた。部屋に入ると静かな雰囲気で、リエルもまだ寝ている様子。二人を起こさないように、そっとメイナをベットに寝かせる
　静かな部屋に、二人の寝息がかすかに聞こえてくる
。しばらく部屋で二人を見つめているカリア。ふぅ。とため息をついてると、リエルがもぞもぞと起き出した
「あれ？カリアさん……」
　起きたは良いけど、大きな寝癖もついてまだ眠そう
「リエルちゃん、おはよう」

　カリアの側で、爆睡しているメイナを見つけたリエル
「朝一緒に稽古して疲れて眠っちゃたの」
　
「メイナ、練習好きだねぇ」

　二人でメイナを見ていたら突然、リエルがカリアに抱きついた
「どうしたの？」
　驚くカリア。でもすぐ、リエルの頭を撫でてると、リエルが、もっと強く抱きしめる
「カリアさんって、何だかお母さんみたい……」
「……そう？」
　まだ、母の妹だとは、話していない。ちょっとドキッとする
「うん、優しいところとか……」
　
「メイナもお母さんいないのに、寂しくないのかな？
」
　カリアの隣、寝ているメイナと、今の自分と重ねる
リエル
「そうね……寂しいのかな」
　二人の境遇に何も言えないカリア

　会話が途切れて、二人でメイナを見ていると
「二人がいるから、大丈夫！」
　突然、声を出して、飛び起きるメイナ
「ビックリした！」
「起きたの？」
　驚く二人をよそに、ぐいぐいっと二人の腕を取り、思いっきり引っ張る。メイナの小さめなベットに倒れる三人
「痛い……どうしたの？」
　二人に囲まれて、今起きたとは思いないくらい、嬉しさが顔に出るくらい笑顔のメイナ
「カリアさん、お話しして」
「お話？」
「お兄ちゃん達が来るまで、本部の事とか学校の事とか聞きたい」
　メイナからの提案にうんうんと、頷くリエル
仕事中だったカリア。でも、二人に囲まれて断れない。仕方ないとちょっと笑って、仕事を諦めて笑ってしまう
「そうね、じゃあ何を話しましょうか……」