時を奏でる境界線

シャオえる

文字の大きさ
上 下
4 / 132

4. 深夜なのに大暴れ

しおりを挟む
 境界線本部の女子部屋、リエルとメイナが、ベットでゴロゴロと仲良く、お喋り中

「ウサギさん可愛いね」
 メイナのぬいぐるみを、もふもふ触るリエル
「ありがとう。この子は、リーリル。私の魔力の元なの」
 メイナもぬいぐるみを、もふもふ触る
「そうなの?」
 リエルは、ぬいぐるみから魔力は感じてない様子
「うん、この子がなきゃ魔力使えないんだ。リエルさんと、名前似ているし、仲良くしてね!」
 大事そうに、ぬいぐるみをぎゅっと、抱きしめる
「うん!」
 二人で仲良く、リーリルをもふもふと触る
「ところで、リエルさんの魔法は?」

「リエルでいいよ!私はねー……」

 と、その時

「ざけんなこらー!」
 大声と共に、物が壊れる音が、本部全体から聞こえてくる
「アゼルの子供だとー?!」
 男子寮で暴れまくっている一人の男性 
「どこだっ、どこにいる!」
 カノン隊長や、バルバ大佐が一生懸命止めているが
ムダな努力に終わっている

「なっなに?」
 近くから聞こえるスゴい音に、飛びだすノエルとクリル

「おちつけ!まだアイツの子供と決まった訳じゃない!」 
「だったらどうする!」
「それは……いやだ!」

「なあ、お前の父親なんなんだ?」
「……さあ?」

 大人達の気迫に、強ばる二人の元に、様子を見に来たリエルと、メイナがやってきた
「お兄ちゃん……」
 リエルの声に、ノエルと、クリルが気づく

「あっリエル、来てたのか」
「メイナもどうした?」

 四人の会話が聞こえたのか、ずかずかと、近寄ってくる、暴れまくっていた男性

「お前の父親っていったな、アゼルの子供というのはどっちだ?」

「僕らですが……」
 ずいっと、前屈みで二人の顔を見比べる
「似てるような、似てないような」
 男性の迫力に怯えるノエルと、リエル
お構い無しに、ガン見をする男性
心配そうに、クリルとメイナも二人を見ている

「アゼルに会ったことはあるのか?」
  
「いえ、1度も……」
 ノエルは、声が少し震えていて、ちょっと怯えている様子
「そうか、奴らしいが」
 うーんと、悩みだす男性

「とにかく出ろ、午前レクト一時だ。子供は寝かせと決まっているだろうがっ!」
 カノン隊長、バルバ大佐が無理矢理引っ張り、部屋から出るように押し出している
 が、やはりピクリとも動かずムダな努力になっている
「そうだったな。すまない」
 カノン隊長の言葉にしぶしぶ暴れるのを終える男性

「すまないな、四人とも。ゆっくり休めは難しいだろうが、なるべく休むように」
 バルバ大佐の言葉を残し、三人はそそくさと帰っていく

「お前の父ちゃん、マジで何者なんだ?」
 そう話すクリルの側は、男性が暴れて周りは、壊れた物で溢れている

「お兄ちゃん……」
 ノエルの袖をつかみ、心配そうな様子
「大丈夫。心配ないよ……多分」
 リエルをぎゅっと抱きしめるノエル
「メイナも部屋に戻って休みな」
 わしゃわしゃと頭を撫でてあげるクリル
だが、メイナの顔は少し痛そうな表情

「リエルさん、メイナさん、大丈夫ですか?」
 パタパタと、遅れてやってきたのは、二人を寮へと案内してくれたカリア
「あっカリアさん」
 
「本部の者がごめんなさいね。一緒に部屋に行きましょ。ノエルさん、クリルさんの部屋も、すぐ新しく用意しますので……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!

藤なごみ
ファンタジー
簡易説明 転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です 詳細説明 生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。 そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。 そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。 しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。 赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。 色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。 家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。 ※小説家になろう様でも投稿しております

フツウな日々―ぼくとあいつの夏休み―

神光寺かをり
ライト文芸
【完結しました】 ごくフツウな小学生「龍」には親友がいる。 何でも知っている、ちょっと嫌なヤツだけど、先生に質問するよりずっと解りやすく答えてくれる。 だから「龍」はそいつに遭いに行く。 学校の外、曲がりくねった川の畔。雨が降った翌々日。石ころだらけの川原。 そいつに逢えるのはその日、その場所でだけ……のハズだった。 ある暑い日、そいつと学校で逢った。 会話するまもなく、そいつは救急車にさらわれた。 小学生「龍」と、学校の外だけで会える友人『トラ』の、何か起きそうで、何事もなさそうな、昭和の日常。

クロノザクロン

ジャック・アーズ
ファンタジー
この内容の紹介より本編のテイルタイムの1話と内容紹介を読んでくれたら解りやすいと思われる…少々、内容の紹介もあまりわからなくてね…ただ私が言えることは…これは運が悪かったとしか私には言えない、この時間の最期を見て私は思った言葉さ、全てがわかったとき私はようやく帰れた…そう…帰れたんだ…さて、私は行かないとな……さぁ君達の物語を始めようか…?

3年F組クラス転移 帝国VS28人のユニークスキル~召喚された高校生は人類の危機に団結チートで国を相手に無双する~

代々木夜々一
ファンタジー
高校生3年F組28人が全員、召喚魔法に捕まった! 放り出されたのは闘技場。武器は一人に一つだけ与えられた特殊スキルがあるのみ!何万人もの観衆が見つめる中、召喚した魔法使いにざまぁし、王都から大脱出! 3年F組は一年から同じメンバーで結束力は固い。中心は陰で「キングとプリンス」と呼ばれる二人の男子と、家業のスーパーを経営する計算高きJK姫野美姫。 逃げた深い森の中で見つけたエルフの廃墟。そこには太古の樹「菩提樹の精霊」が今にも枯れ果てそうになっていた。追いかけてくる魔法使いを退け、のんびりスローライフをするつもりが古代ローマを滅ぼした疫病「天然痘」が異世界でも流行りだした! 原住民「森の民」とともに立ち上がる28人。圧政の帝国を打ち破ることができるのか? ちょっぴり淡い恋愛と友情で切り開く、異世界冒険サバイバル群像劇、ここに開幕! ※カクヨムにも掲載あり

名の無い魔術師の報復戦線 ~魔法の天才が剣の名家で産まれましたが、剣の才能がなくて追放されたので、名前を捨てて報復します~

トンボ
ファンタジー
 アレフ・ブレイブは優秀な剣聖の家系に生まれたものの、剣の才能が全くなかった。  けれど、ひょんな事から魔法に興味を持ち、自室である物置小屋で独学で魔法をマスターしていくも、ある日父親ジャコブ・ブレイブに魔法の入門書が見つかってしまう。 「剣技も録に会得できないくせに、魔法なんぞにかまけていたのか! 剣も振れないお前など、ブレイブ家の恥さらしだ! もう出て行け!」 「そ、そんな……!」  アレフは剣の稽古をサボっていたわけでもなく、魔法の研究は空いた小さな時間でやっていたのに、ジャコブに家から追放されてしまう。  さらには、ジャコブにより『アレフ・ブレイブ』は病死したことにされてしまい、アレフは名前すら失ってしまった。 「うっ……」  今までずっと住んできた屋敷から追い出され、それによりアレフ――否、名無しの少年が得たものは不安だけだった。  大粒の涙をこぼして、追い出された屋敷の近くの森の中で静かに泣いた。外はもう暗くなっていて、そこら中から獣のうめき声が聞こえる。  とてつもない悲しみに少年は打ちひしがれていた。けれど、彼は立ち上がる。 「……行かなきゃ」  ぽつぽつと一人、少年は歩み始めた。――生まれ育った屋敷に背を向けて。 「アレフ・ブレイブは……死んじゃったんだ……僕はもう、アレフじゃないんだ……」  名前を失った少年はただ暗い森の中を歩く。  その先に明日があるのかも分からないけれど、とにかく歩いた。  少年はぼそっと呟く。 「……そうだ。まずは僕が誰なのか、名前をつけないと……僕が僕であるために……」 「名前……そういえば、男の魔法使いはウィザードって呼ばれることがあるんだっけ……。なら僕は……」 「――ウィズ。そう名乗ろう」    足を止めていたウィズはまた歩き出した。その先には何があるのか分からないけど、後ろには戻れない。 「……さようなら、アレフ・ブレイブ」  ウィズは今までの自分に別れを告げると、暗闇の中に消えていったのだった。  ――物語が動き出すのは、『ウィズ』と名乗る青年が雑貨店を営み始め、数年後のことになる――。

拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~

藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――  子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。  彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。 「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」  四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。  そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。  文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!? じれじれ両片思いです。 ※他サイトでも掲載しています。 イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

婚約破棄で命拾いした令嬢のお話 ~本当に助かりましたわ~

華音 楓
恋愛
シャルロット・フォン・ヴァーチュレストは婚約披露宴当日、謂れのない咎により結婚破棄を通達された。 突如襲い来る隣国からの8万の侵略軍。 襲撃を受ける元婚約者の領地。 ヴァーチュレスト家もまた存亡の危機に!! そんな数奇な運命をたどる女性の物語。 いざ開幕!!

処理中です...