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49. 悲しみの唄、戸惑いの願い
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「ミク……」
深夜、ミクの部屋でリコ達もみんな並んで寝ていると、名前を呼ばれて目を覚ます。辺りは真っ暗で、リコ達の姿もない。だが、戸惑いつつも聞き覚えのある懐かしいその声に暗闇の中、声のする方に歩いていく
「お母様……どこ?」
と、呟いた声に答えるように、ミクの前に現れたアマネ。姿を見ると笑顔で走り出し、ぎゅっと抱きついた
「毎日どう?楽しい?」
ミクを強く抱きしめ返すアマネ。強い力にミクは少し苦しそうな表情。でも、すぐに嬉しそうに顔をあげてアマネの顔を見る
「はい。皆さん、優しくて、お母様にお話ししたいことが、たくさんあります」
「そう。それは嬉しいわ」
話をしながら二人、見つめ合い微笑んでいると、突然、アマネがミクを抱きしめていた手を緩め少し離れた
「でも、ミク……」
ミクの名前を呼ぶアマネの表情は暗く、ミクも一気に不安そうな表情に変わっていく
「どうして、うたを唄ってくれないの?」
「それは……皆さんがダメというので……」
と、アマネの質問にミクが困った様子で、あたふたと答えていると、突然ハッと目が覚めたミク。体を起こし隣を見ると、ミクの隣でリコ達が寝息をたてて寝ていた
「リコさん、起きてください……」
隣で寝ているリコの体を揺らして、起こそうとするが、熟睡していて、起きる気配のないリコ。ミクの左側に並んで眠るクルミとモモカの間に移動して二人の体を揺する
「クルミさん、モモカさん。お母様が……」
だが、二人も熟睡して起きそうな気配もない。仕方なしに、ゆっくりとベットから降りると、テーブルに置いていた絵本を取りソファーに座って、読みはじめた。だが、読んだことのある物語に、すぐにパタンと本を閉じ、ふぅ。と一つため息ついた。すると、どこからともなく唄声がミクの部屋に聞こえてきた
「……お母様?」
どこから聞こえてくるのかと、部屋のなかを起こさないようにそーっと歩きはじめたミク。ちょっと狭い部屋を見回しても、唄の聞こえてくる場所は見当たらず、窓を開けて、前に人影が現れた木の上を、確認していく
「あれ?ミク……」
ミクが木の上を見たのとほぼ同時、寝返りをうつと、隣にいたはずのミクがいないことに気づいたリコが目を覚ましていた
「モモカ!クルミ!起きて!」
慌てて二人を叩き起こすと、クルミとモモカもミクがいないことに気づいて、一気に目が覚めた、部屋の中を見渡すと、途切れ途切れに聞こえる聞いたことのある唄声とともに、カタンと物音が聞こえて振り向くと、ミクが窓に顔を出していた
「私、このうたの続き、覚えてる……」
「ミク、待って!うたっちゃダメ!」
慌てて駆け寄り、リコ達の叫ぶ声も虚しく、途切れ途切れの唄声の続きを、ミクが唄おうと深呼吸した時、誰かに口を塞がれ声がこもる
「君が唄うのは、まだ少し早い」
ミクの口を手で塞ぎながらそうミクに話すレイ。ミクが唄うのを止めると、聞こえていた途切れ途切れの唄声が消えた
「急かさなくても、もうすぐ本は描かれる」
と、呟いたレイの言葉が聞こえたのか、人影はガサッと木の音を鳴らし、どこかへ行ってしまった
「……いなくなった」
人影の姿が見えなくなりホッとするリコ達。三人に引っ張られ部屋の中に戻るミク。レイも窓から部屋の中に入ると、リコ達三人に、語気を強めて話しかけた
「三人とも、ちゃんと見張るように言っていたはずだが」
「すみません……」
レイに怒られたうえに、異変に気づけなかったことに落ち込む三人。しょんぼりするリコ達にレイが呆れた様子で、はぁ。とため息ついていると、ミクが絵本を片手に、リコの服をぎゅっとつかんで話しかけてきた
「あの人、私のお母様です。うたを唄ってほしいって夢の中で言ってました。私が、ずっと唄っていなくて悲しいって言って……」
と、ミクが話しはじめた内容に静まり返る部屋。またレイが、はぁ。と一つため息ついて部屋の入り口の方に歩きはじめた
「眠れるなら、また眠るように。三人は、ちゃんと見張っておくようにな」
「……はい」
「私は少し出掛ける。その間、問題を起きないようにな」
と、リコ達に話したレイの横顔を見て、ミクがポツリと呟いた
「……お父様に会いに行くんですか?」
レイの顔を絵本で少し隠し不安そうに聞くミクに、驚きつつもクスッと笑ってミクの頭を撫でた
「会えたらね。君と早く会えるように伝えておくよ」
深夜、ミクの部屋でリコ達もみんな並んで寝ていると、名前を呼ばれて目を覚ます。辺りは真っ暗で、リコ達の姿もない。だが、戸惑いつつも聞き覚えのある懐かしいその声に暗闇の中、声のする方に歩いていく
「お母様……どこ?」
と、呟いた声に答えるように、ミクの前に現れたアマネ。姿を見ると笑顔で走り出し、ぎゅっと抱きついた
「毎日どう?楽しい?」
ミクを強く抱きしめ返すアマネ。強い力にミクは少し苦しそうな表情。でも、すぐに嬉しそうに顔をあげてアマネの顔を見る
「はい。皆さん、優しくて、お母様にお話ししたいことが、たくさんあります」
「そう。それは嬉しいわ」
話をしながら二人、見つめ合い微笑んでいると、突然、アマネがミクを抱きしめていた手を緩め少し離れた
「でも、ミク……」
ミクの名前を呼ぶアマネの表情は暗く、ミクも一気に不安そうな表情に変わっていく
「どうして、うたを唄ってくれないの?」
「それは……皆さんがダメというので……」
と、アマネの質問にミクが困った様子で、あたふたと答えていると、突然ハッと目が覚めたミク。体を起こし隣を見ると、ミクの隣でリコ達が寝息をたてて寝ていた
「リコさん、起きてください……」
隣で寝ているリコの体を揺らして、起こそうとするが、熟睡していて、起きる気配のないリコ。ミクの左側に並んで眠るクルミとモモカの間に移動して二人の体を揺する
「クルミさん、モモカさん。お母様が……」
だが、二人も熟睡して起きそうな気配もない。仕方なしに、ゆっくりとベットから降りると、テーブルに置いていた絵本を取りソファーに座って、読みはじめた。だが、読んだことのある物語に、すぐにパタンと本を閉じ、ふぅ。と一つため息ついた。すると、どこからともなく唄声がミクの部屋に聞こえてきた
「……お母様?」
どこから聞こえてくるのかと、部屋のなかを起こさないようにそーっと歩きはじめたミク。ちょっと狭い部屋を見回しても、唄の聞こえてくる場所は見当たらず、窓を開けて、前に人影が現れた木の上を、確認していく
「あれ?ミク……」
ミクが木の上を見たのとほぼ同時、寝返りをうつと、隣にいたはずのミクがいないことに気づいたリコが目を覚ましていた
「モモカ!クルミ!起きて!」
慌てて二人を叩き起こすと、クルミとモモカもミクがいないことに気づいて、一気に目が覚めた、部屋の中を見渡すと、途切れ途切れに聞こえる聞いたことのある唄声とともに、カタンと物音が聞こえて振り向くと、ミクが窓に顔を出していた
「私、このうたの続き、覚えてる……」
「ミク、待って!うたっちゃダメ!」
慌てて駆け寄り、リコ達の叫ぶ声も虚しく、途切れ途切れの唄声の続きを、ミクが唄おうと深呼吸した時、誰かに口を塞がれ声がこもる
「君が唄うのは、まだ少し早い」
ミクの口を手で塞ぎながらそうミクに話すレイ。ミクが唄うのを止めると、聞こえていた途切れ途切れの唄声が消えた
「急かさなくても、もうすぐ本は描かれる」
と、呟いたレイの言葉が聞こえたのか、人影はガサッと木の音を鳴らし、どこかへ行ってしまった
「……いなくなった」
人影の姿が見えなくなりホッとするリコ達。三人に引っ張られ部屋の中に戻るミク。レイも窓から部屋の中に入ると、リコ達三人に、語気を強めて話しかけた
「三人とも、ちゃんと見張るように言っていたはずだが」
「すみません……」
レイに怒られたうえに、異変に気づけなかったことに落ち込む三人。しょんぼりするリコ達にレイが呆れた様子で、はぁ。とため息ついていると、ミクが絵本を片手に、リコの服をぎゅっとつかんで話しかけてきた
「あの人、私のお母様です。うたを唄ってほしいって夢の中で言ってました。私が、ずっと唄っていなくて悲しいって言って……」
と、ミクが話しはじめた内容に静まり返る部屋。またレイが、はぁ。と一つため息ついて部屋の入り口の方に歩きはじめた
「眠れるなら、また眠るように。三人は、ちゃんと見張っておくようにな」
「……はい」
「私は少し出掛ける。その間、問題を起きないようにな」
と、リコ達に話したレイの横顔を見て、ミクがポツリと呟いた
「……お父様に会いに行くんですか?」
レイの顔を絵本で少し隠し不安そうに聞くミクに、驚きつつもクスッと笑ってミクの頭を撫でた
「会えたらね。君と早く会えるように伝えておくよ」
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