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ゴブダン 12話 (幕間) 新たな侵入者達
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都市ラースから西の辺境へ向かう馬車がある。
「ねぇねぇシャーラ~未踏破のダンジョンてどんなとこかな~?」
ミリシャが目を輝かせながら聞く。
「さぁ、調査隊の報告では、居場所らしき洞窟を見つけただけで、中の詳細については不明とのことですから、どんな場所と聞かれても、わかるわけありませんわ」
ミリシャはわからない事があると、何でもシャーラに聞く癖があるが、シャーラも何でも知っているわけではない。
「気になるのは、それだけじゃないさ。襲われた開拓民の話じゃ、ゴブリンごときが、かなりの高価な装備をしてたっていうじゃないか」
ミリシャとシャーラの話にヒルダが加わる。
「そう、ソレ! 本当かな~だってゴブリンじゃない? 聞いたことないよねぇ~」
ミリシャは首をかしげる。
「まぁ、普通なら信じないだろうよ。でも、C級冒険者チームが帰ってこないとなれば、案外本当かもしれない」
ヒルダは、今回の依頼をうける際にアリーシャから話を聞いて、信憑性は高いと思っているようだ。
「それもまだ確定情報じゃありませんわ。調査隊が調べたのは、C級冒険者チームが、そのダンジョンがある未開の地の森に入って行ったと言うことと、発見したダンジョンの入り口に複数人の足跡があった、と言うことだけですから。中には一切入って調べてませんもの」
ミリシャ達Sランクチームが、ラースに帰還する前に、手の空いているD級やC級で、詳細の調査を行ったようだ。
すると、確かに行方不明のC級冒険者チームは、未開の森へ入っていったところを、開拓村の村長が見たと言う。
そして、そのまま帰って来なかったことと、未踏破のダンジョンを発見し、その入り口に、大勢の足跡があったことから、恐らくそこがゴブリンか、または他のモンスターの棲家ではないかと言うことで、C級チームが全滅した可能性もあることから、攻略難易度はA級以上と認定され、内部の調査はおこなっていないとのこと。
「わからないことを、今あれこれ言っても仕方ないです。そんなことよりついたのです」
どうやら話してる間に、最初に襲撃をうけた開拓村についたようだ。
この先は森になるので、馬車では行けない。
「お待ちしてました」
開拓村についたミリシャ達を、調査隊の男が出迎える。
「ご苦労様です」
シャーラが、調査隊の男に礼を言う。
「よーし、みんな準備はいいーー? それじゃ~ダンジョンに行くよ~」
何故か目を輝かせているミリシャ。
ミレー以外のメンバーが、少し不安がる。
「はぁ~、それではダンジョンまで案内して下さるかしら?」
シャーラはため息をつきながら、案内を調査隊の男に頼む。
「わかりました、こちらです」
淡々と自分の職務を全うする調査隊の男。
それに、ミリシャ達6人がついていく。
■□■□■□■□■
未開の森に入って、2時間くらい歩いただろうか。
開拓村から北西に歩くと、その場所についた。
「ここがそうか」
ヒルダの声にも緊張がうかがえる。
「ミレー、ウィネ、どう?」
シャーラが、二人に尋ねる。
ミレーは罠を、ウィネは探索魔法で、すでに調査を始めていた。
「入り口付近に罠はなさそう~」
「魔法で空間領域を調べましたけど、確かにダンジョンです。しかもかなり大きい。ここからでは、地下3階があることしかわかりませんでしたが、ダンジョンコアが見つからないことから、もっと深いと思うです。しかも、この前のオークの棲家何かとは比べ物にならないほど、複雑な構造をしてるです」
C級冒険者チームのように油断することなく、しっかり調べる。
「おぉぉ、ということは、結構期待していいのかな~~」
ミリシャの目がいっそう輝く。
「ミリシャ、いい加減になさい。どんな危険があるかわからないのだから、油断なんてできないのよ」
シャーラが、ミリシャを咎める。
「うふ、ミリシャちゃんはいつも元気ですよね~」
マリアベルが笑顔で微笑む。
「まぁ、ミリシャだからね~」
ミレーも、何時ものことだから仕方ないと思っている。
「私達ならどんな所でも、大丈夫だって~それより、折角の未踏破ダンジョンなんだから、楽しもう~よ~」
ミリシャは既に楽しむ気満々だ。
「やれやれ、全くよ。うちのリーダーがこれじゃーな。シャーラ、何時も通りバックアップは頼むよ、あんたがしっかりミリシャを見てないと、何するかわからないからね」
ミリシャの管理は、副リーダーのシャーラの仕事と、ヒルダは言う。
「結局、良くも悪くも、いつも通りですわね……それではダンジョンですから、ミレーを先頭にヒルダと私が続きます、ウィネとマリアベルはその後に続いて下さい、回り込まれた時の対策に、ミリシャを後衛に配置して、進んで行きましょう。異論はありませんね?」
『あぁ、問題ない』
ミリシャ以外のメンバーは、問題ないと了承する。
「異議あり!!」
そして、ミリシャは、当然異論を唱える。
「一番後ろなんて、つまんないじゃーーーん、ヤダヤダ~私も前が良い~」
ミリシャは、子供のように駄々をこねる。
「ヒルダ、前衛変わって!?」
ヒルダに配置を代わってもらおうとするミリシャ。
「イヤ、あたしは駄目だろ……重戦士が後ろにいてどうすんだよ……」
当然無理である。
「それじゃ、シャーラ!?」
どうしても前衛になりたいミリシャは粘る。
「それも駄目ですわ。何が起きるかわからない場所ですもの。僅かな判断遅れが、命の危険に繋がる場合もありますから、大人しく後衛で我慢して下さい」
ならばと、ミレーを見つめるミリシャ。
「当然私も駄目だかんね~、理由は言わなくてもわかるよね~」
「ぶーーー」
頬を膨らませながら、駄々をこねるが、ここまでのようだ。
他に変わる者もいないので、仕方ないと諦める。
「他に異論はありませんわね。それでは参りましょうか」
こうしてミリシャ達のS級冒険者チームが、ダンジョンの探索を開始した。
「ねぇねぇシャーラ~未踏破のダンジョンてどんなとこかな~?」
ミリシャが目を輝かせながら聞く。
「さぁ、調査隊の報告では、居場所らしき洞窟を見つけただけで、中の詳細については不明とのことですから、どんな場所と聞かれても、わかるわけありませんわ」
ミリシャはわからない事があると、何でもシャーラに聞く癖があるが、シャーラも何でも知っているわけではない。
「気になるのは、それだけじゃないさ。襲われた開拓民の話じゃ、ゴブリンごときが、かなりの高価な装備をしてたっていうじゃないか」
ミリシャとシャーラの話にヒルダが加わる。
「そう、ソレ! 本当かな~だってゴブリンじゃない? 聞いたことないよねぇ~」
ミリシャは首をかしげる。
「まぁ、普通なら信じないだろうよ。でも、C級冒険者チームが帰ってこないとなれば、案外本当かもしれない」
ヒルダは、今回の依頼をうける際にアリーシャから話を聞いて、信憑性は高いと思っているようだ。
「それもまだ確定情報じゃありませんわ。調査隊が調べたのは、C級冒険者チームが、そのダンジョンがある未開の地の森に入って行ったと言うことと、発見したダンジョンの入り口に複数人の足跡があった、と言うことだけですから。中には一切入って調べてませんもの」
ミリシャ達Sランクチームが、ラースに帰還する前に、手の空いているD級やC級で、詳細の調査を行ったようだ。
すると、確かに行方不明のC級冒険者チームは、未開の森へ入っていったところを、開拓村の村長が見たと言う。
そして、そのまま帰って来なかったことと、未踏破のダンジョンを発見し、その入り口に、大勢の足跡があったことから、恐らくそこがゴブリンか、または他のモンスターの棲家ではないかと言うことで、C級チームが全滅した可能性もあることから、攻略難易度はA級以上と認定され、内部の調査はおこなっていないとのこと。
「わからないことを、今あれこれ言っても仕方ないです。そんなことよりついたのです」
どうやら話してる間に、最初に襲撃をうけた開拓村についたようだ。
この先は森になるので、馬車では行けない。
「お待ちしてました」
開拓村についたミリシャ達を、調査隊の男が出迎える。
「ご苦労様です」
シャーラが、調査隊の男に礼を言う。
「よーし、みんな準備はいいーー? それじゃ~ダンジョンに行くよ~」
何故か目を輝かせているミリシャ。
ミレー以外のメンバーが、少し不安がる。
「はぁ~、それではダンジョンまで案内して下さるかしら?」
シャーラはため息をつきながら、案内を調査隊の男に頼む。
「わかりました、こちらです」
淡々と自分の職務を全うする調査隊の男。
それに、ミリシャ達6人がついていく。
■□■□■□■□■
未開の森に入って、2時間くらい歩いただろうか。
開拓村から北西に歩くと、その場所についた。
「ここがそうか」
ヒルダの声にも緊張がうかがえる。
「ミレー、ウィネ、どう?」
シャーラが、二人に尋ねる。
ミレーは罠を、ウィネは探索魔法で、すでに調査を始めていた。
「入り口付近に罠はなさそう~」
「魔法で空間領域を調べましたけど、確かにダンジョンです。しかもかなり大きい。ここからでは、地下3階があることしかわかりませんでしたが、ダンジョンコアが見つからないことから、もっと深いと思うです。しかも、この前のオークの棲家何かとは比べ物にならないほど、複雑な構造をしてるです」
C級冒険者チームのように油断することなく、しっかり調べる。
「おぉぉ、ということは、結構期待していいのかな~~」
ミリシャの目がいっそう輝く。
「ミリシャ、いい加減になさい。どんな危険があるかわからないのだから、油断なんてできないのよ」
シャーラが、ミリシャを咎める。
「うふ、ミリシャちゃんはいつも元気ですよね~」
マリアベルが笑顔で微笑む。
「まぁ、ミリシャだからね~」
ミレーも、何時ものことだから仕方ないと思っている。
「私達ならどんな所でも、大丈夫だって~それより、折角の未踏破ダンジョンなんだから、楽しもう~よ~」
ミリシャは既に楽しむ気満々だ。
「やれやれ、全くよ。うちのリーダーがこれじゃーな。シャーラ、何時も通りバックアップは頼むよ、あんたがしっかりミリシャを見てないと、何するかわからないからね」
ミリシャの管理は、副リーダーのシャーラの仕事と、ヒルダは言う。
「結局、良くも悪くも、いつも通りですわね……それではダンジョンですから、ミレーを先頭にヒルダと私が続きます、ウィネとマリアベルはその後に続いて下さい、回り込まれた時の対策に、ミリシャを後衛に配置して、進んで行きましょう。異論はありませんね?」
『あぁ、問題ない』
ミリシャ以外のメンバーは、問題ないと了承する。
「異議あり!!」
そして、ミリシャは、当然異論を唱える。
「一番後ろなんて、つまんないじゃーーーん、ヤダヤダ~私も前が良い~」
ミリシャは、子供のように駄々をこねる。
「ヒルダ、前衛変わって!?」
ヒルダに配置を代わってもらおうとするミリシャ。
「イヤ、あたしは駄目だろ……重戦士が後ろにいてどうすんだよ……」
当然無理である。
「それじゃ、シャーラ!?」
どうしても前衛になりたいミリシャは粘る。
「それも駄目ですわ。何が起きるかわからない場所ですもの。僅かな判断遅れが、命の危険に繋がる場合もありますから、大人しく後衛で我慢して下さい」
ならばと、ミレーを見つめるミリシャ。
「当然私も駄目だかんね~、理由は言わなくてもわかるよね~」
「ぶーーー」
頬を膨らませながら、駄々をこねるが、ここまでのようだ。
他に変わる者もいないので、仕方ないと諦める。
「他に異論はありませんわね。それでは参りましょうか」
こうしてミリシャ達のS級冒険者チームが、ダンジョンの探索を開始した。
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