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第一章 春

第十五話 前期球技大会④

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 千波の試合を見た後、急いで碧のバレーの試合へと向かった。
 俺が到着すると、当然だがすでに試合が始まっており、大喜達も来ていた。
 先に到着して観戦していた彼らから「遅せ~ぞ」だの、「何してたんだよ」だの声をかけられるのを上手くいなしつつ得点板を見ると、今は十二対十一で九組が五組にリードしていることが分かった。なんだかんだうちのクラス、バレーも強いじゃん。

 試合を見ながら辺りを軽く見渡すと、観戦エリアの端の方に友達数人と地面に腰を下ろして試合を見ている杏実さんの姿を見つけることができた。まだ先ほどの酸欠から回復しきっていないのかいつもよりやや元気が無いようには思えるが。

 そう思っているうちに試合はどんどん進み、一点差を保ったまま気づけばあと一点で九組の勝利というところまできていた。
 九組のサーブで試合が再開する。それを拾った相手が攻撃に転じると強烈なスパイクが碧の下へ。勢いを殺しきれなかったボールはそのまま地面に落ち、相手チームの応援席から歓声が沸く。これでお互いに二十四点ずつとなり、デュース(どちらかが二点差をつけるまで試合を続ける)に突入する。

 そのまま長引くかと思われた試合は、予想に反して呆気なく終わりを告げた。
 相手のサーブがネットに当たって九組のコート内に落ちて相手に点が入ると、勢いに乗った相手はそのまま次のラリーも制し、決着した。

 沸きに沸く相手の応援席に対して、逆転負けを喫したこちらの応援席は嘆きとため息がこだまする。そこに試合を終えたバレーメンバーがやってくる。メンバーの大半は当然ながら少し落ち込んでいるが、碧はそういう素振りを見せていない。

「あ~、ごめん、負けちゃったわ」
と碧は笑って言った。
 それに対してクラスメイトが「悔しくないのか?あの負け方で」と聞く。
 それに碧はこう答える。

「う~ん、悔しいには悔しいけど……それよりもいい試合ができて楽しかったから。せっかくの楽しい行事なんだから勝負にこだわりすぎるのもよくないでしょ。もちろん勝ちたいとは思ってるけどね」

 その言葉に俺は、ハッとさせられた。本当に碧の言う通りだ。負けた試合の直後にこんなことを言えるのは碧らしいな。

 そして、続けて碧が周り全体に向けて言う。

「俺たちこの後すぐにもう一試合あるから応援頼むわ~。次勝てれば予選は抜けれそうだから」

 え、この後すぐ?まずいなこれはしっかり伝えとかないと。

「あー、ごめん碧。この後ドッヂボールも試合あるんだ。だから俺らは応援行けないわ」
「うわ~、マジか。ま、仕方ない!お互い頑張ろう」
「おう」



 ドッヂボールのコートに着くと、少し早すぎたのか、それとも今の試合が長引いているのか、一つ前の試合がまだやっていた。なので、それを見て、強い人がいないかなどを調べていると不意に後ろから声をかけられる。

「ねぇ、佑君」
「うお!?なんだ、杏実さんか……」

 試合を見るのに意識を向けすぎていて、必要以上に驚いてしまった。それにしてもびびった………先生か他のクラスの子に偵察を咎められたのかと思った……。

「そういえば、杏実さん体調大丈夫?」
「うん、しばらく座ってたおかげで万全ではないけど大分回復できたよ~、心配してくれてありがと」

 杏実さんは、そんなことよりも、と前置きをすると、

「さっきの試合、惜しかったね」
と少し声を落として呟いた。

「さっきの試合って……碧の?」
「うん。………勝てると思ったのに」
「確かにあれは惜しかったね。……けど、碧も言ってた通り、勝負にこだわりすぎるよりも楽しめた方がいいと俺は思うよ」
「でもっ……!これで碧君達が次の試合負けちゃったら、もう碧君の活躍見れないんだよ?!」

 ああ、なるほどね。確かにそれは杏実さんにとっては死活問題かもしれない。

「まあ、今から試合がある俺達はあいつが勝つって信じとこう。それに、俺達の試合が早く終われば最後の方だけでも応援できるかもだし」
「………うん!そうだね、頑張ろう!」

 そう言いながら自分の頬を軽く張り、自分を鼓舞する杏実さんがすごく可愛らしかった。


 前の試合が決着し、いよいよ俺達の試合が始まるという時に、大喜がみんなを集めて話をした。

「えー、俺達は今二連勝中で、予選グループの一位につけてるけど、今から戦う七組も同様に二連勝中だ。だから、これを負けると、一位から陥落することになる上に他の試合の結果次第では予選の突破すらできない可能性がある。だから!勝つぞ!」

 そう言われてモチベーションがとても高まった俺達は勢いを持って、試合に臨んだ。
 その勢いのままに、またもや先に試合となった俺達男子チームは大喜を中心に相手を倒し、終始優勢で試合を進めると、残員七名対三名で試合終了。
 これなら女子が残員四名差以上で負けない限り勝つことができる。

 そんな風に、なんとなく余裕を持ってしまい、男子ほど勢いを持たずに試合に臨んでしまったのが良くなかったのか。それとも普通に相手が強かったのか。原因は定かではないが、女子は苦戦を強いられていた。
 試合時間は残り僅か、残員は………九組が四名、七組が九名。男子と合計しても現在相手にリードされている。
 そんなピンチの最中、ボールは常に九組が保持し、内野と外野の間をボールが飛び交っている。
 内野が相手を倒せば、相手の残員が八名になり、男女合計で同数になり、延長戦に持ち込めるし、外野が相手を倒せば、相手の残員が八名になる上、九組は外野から一人内野へと帰ってこれるので、男女合計で相手を逆転できる。
 だが、相手もそれを分かっていて、必死にボールを避けているため誰も被弾せず、時間だけが刻一刻と減っていく。
 そんな中、俺達が試合をしているコートに歓声の塊が近づいてくる。その先頭にいるのは──────

「碧?なんでここにいる?」

 思わず声が溢れた俺に対して、こちらに碧が走り込みながら俺の疑問に答え、尋ねる。

「相手が思ったより弱くて、速攻で勝ってきた!今の状況は?!」
「このままだと負ける!けど、こっちの外野が相手を倒せば逆転できる!」
「なるほど!だったら………もう全力で応援するぞ!」

 碧のその言葉に呼応するように、バレーのメンバーや、バレーの応援に行っていた人達が応援に加わると、声援の圧が一気に高まる。
 それでも、相手は意地でボールを避け続け、残るは恐らく数秒。その状況でボールは外野の杏実さんへと渡る。

 その瞬間、俺の頭を二つのことがよぎった。
 一つは、好きな人から声援を受けながらプレーしていることでいいボールを投げ、相手を倒してくれるのではないかという期待。
 もう一つは、周りからの期待と、好きな人から応援されているということに緊張して、ボールを投げる練習をし始めた時のように、あらぬ方向にボールが飛んで行ってしまうのではないかという不安。

 それらを一身で受けながらボールを持った杏実さんが振りかぶり、ボールを放つ。その瞬間、碧が叫ぶ。

「いけ!!杏実!」

 その言葉が杏実さんに届いた時、彼女の腕に力がこもるのが分かった。
 それを見た俺は、次の瞬間に何が起こるかを理解してしまった。杏実さんが力んだ。それはつまり、ボールが予想外の方向に飛んでいくことが確定したのと同義。
 予想通り、杏実さんの放ったボールはほぼ真上へと飛んだ。それを見た全員が、九組の敗北を確信した。
 ただ無言で空に浮かぶボールを眺めると、ボールは僅かに前方に飛んでいたらしく、相手コート内に落ちそうであると分かった。
 自分たちのコートにボールが落下してくることを感じ取った相手チームはボール補足しようとし、空を見上げる。
 現在の時刻は正午を迎えたところ。つまり太陽は真上に位置する。
 ボールを視認しようと真上を向いた相手は、結果的に太陽と目を合わせることとなり、反射的に手で顔を覆った。──────そこに、ボールが、落下した。相手の手に当たったボールがそのまま地面に転がる。

 観客席が、何が起こったかを理解せず、静まり返っている中、審判をしていた生徒だけが事態を把握して、七組の生徒のアウトと、外野からボールを当てた杏実さんの復活を命じ、残員が五名対八名となり、男女合計で九組が相手を上回る。それと同時にタイマーが鳴り、試合時間の終了を告げると、何が起こったかを把握した観客席から爆発的な歓声が巻き起こる。

 何人もの生徒がドッヂボールコートに飛び込み、歓喜の輪を作っている。その中心にいるのは勿論、試合に決着をつけた杏実さん。当の本人はみんなに注目された緊張と、投げるのを失敗してたまたま相手に当たったことに対する羞恥で真っ赤になっているが。

 そんな中、碧が杏実さんに話しかけに行く。おーい、碧、これ以上は杏実さんの致命傷になるぞー、なんて言えるわけもなく、碧が口を開き、杏実さんを賞賛する。

「勝てて良かった!最後のあれはちょっと驚いたけど………うん、結果オーライ!」
「あ、う、うん。あ…碧君も応援ありがとう」

 若干しどろもどろになりつつもどうにか杏実さんは受け答えをしていて、一安心。

 そうして杏実さんを見守っていると、彼女は碧にこんなことを言い出した。

「あ………碧君、ハイタッチ、しない?さっき碧君も応援ありがと~ってハイタッチしてたでしょ?」
「ああ、そういえばそんなこともやったね」
「じゃあ、はい!応援ありがと!」
「うん、杏実も勝利おめでとう!」

 そんな言葉と共にハイタッチをすることに成功した杏実さんはそのまま小走りで友達の方へと走って行った。



 その後、顔の火照りが収まらない杏実さんを木陰で見つけてしまったのは内緒である。
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