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四章RL:探り当てし交渉の地
六話:切れぬ腐れ縁
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「「ふんぬぅぅっ!!!」」
俺らを結ぶヒモを、ゼラは全力で引っ張る。俺はピンと張られた箇所に折れた剣を必死に擦り付ける。
開始から一時間はたっただろう。この他にも火であぶったりビオサに踏ませたりと色々試しているが、傷一つ付かない。
しかし俺とゼラは諦めることなくどうにか切れないかと模索している。
剣は切られただけでなく刃こぼれしており、お世辞にも切れるとは言い難い。しかしゼラの力さえあれば紐を少しでも劣化させられないかと試してみているのだ。
それから十分ほどだった頃のことだ。
[バキン!!]
なんとも安っぽい音がして、剣はさらに短くなった。
俺は無言で目頭を押さえる。一方ゼラはヒモの先程剣を当てていた箇所を凝視している。
そして俺の方を揺すった
「ローレル! 見なさい! 傷がついたわよ!!」
「なんですって!?」
ゼラが指さした箇所を見てみると、若干毛羽立っていた。
「間違いないです! このまま続けましょう!」
「もちろんよ! 頑張るわよー!!」
そう言ってゼラが手を掲げたその時だ。傷の着いたあたりが橙色に輝き始めた。
「うそ! 待って待ってまってぇっ!!!」
ゼラがそう叫ぶも、次の瞬間にはもう新品のような仕上がりになってしまっていた。
馬鹿みたいに頑丈なくせに、少し毛羽立ってもすぐ治ってしまうのだ。何なんだ、ふざけてるのかこのヒモは。
ゼラと俺は大の字になって寝転んだ。
「マジでどうしよう……もうトイレ行けないじゃない……」
「そういうこと言わないでくださいよ。行きたくなるじゃないですか……」
打ちひしがれる俺たちの顔を、交互に舐めた。鼻先で頭をつつき、出発だと言っている。
俺はため息一つついて、起き上がる。
「とりあえず歩きましょう。何か方法を探す必要がありそうですし」
「ええ……ありがとね、ビオサ。アンタがいてくれて助かったわ」
「ブルル」
ビオサはいなないて返事をする。俺らは立ち上がり、向き合った。
「これからどこに向かいます? リンたちはどういう訳か角尾村を脱したようですが」
「角尾村は避けるわよ。今そこに行っても危険すぎるわ。 他にどこに行くとか言ってなかった?」
「確か『星見村』? そんな名前を口にしていましたが……ご存知ですか?」
「うーん……知らないわ。 その村についても調べてみましょう」
俺らはとりあえず、リンとガーベラが戦っている辺りから遠ざかるように森を進み始めた。
歩き始めると同時、喫緊の課題を口にして整理する。
「現状、はっきりさせないとならない課題はいくつもあります。ステラと名乗る魔術師がリンに言い寄る目的、私たちを助けたガーベラの意図、ヒモの外し方。 あと、個人的な疑問なんですが、聖剣についてですね」
そういう俺の顔を不思議そうに覗き込む。
「聖剣についてって……確かアンタ色々調べたのよね? まだ調べ足りないの?」
「あらかた調べは着いているんですが、伝説ベースの話なので妙にふわっとしているところがあるんですよ」
「ふわっとって……具体的に何が足りないの?」
「まずは聖剣を引き抜く方法。聖剣を引き抜く前に野垂れ死にした人はいますが、中には実力がありながら引き抜けなかった人たちがいます。そんな人たちも国には一人も帰ってきていないのです」
「つまり……どういうこと?」
「見たものを徹底的に殺すための仕掛けがあるか、後ろめたくて帰って来れないかのどちらかでしょう」
「前者は盗難防止って考えりゃ納得ね。後者は聖剣抜けなかった人たちのOGOB会みたいなのがあるってこと?」
「俗っぽい言い方ですけど、そんなところでしょう。私の見立てだと、リンが持っているペンダントが引き抜くための儀式を受けるための鍵なのだと思いますが」
「そういや誰一人帰ってきてないのにペンダントは戻ってきてるってのは不思議な話よね」
「ええ。戻ってきてませんよ」
「え、じゃあリンさんに渡したっていうアレは?」
「アレは私が作った複製品です。 文献に寸法が書かれていましたから、恐らく歴代の勇者もあのペンダントを複製して持っていたのだと思います」
「アレあんたのハンドメイドなの……? なんで??」
「ええ。鍛冶屋に任せようとしたところ、このレベルの金属加工は金がかかると言われまして、それなら自分で作って浮かせようと……」
細い目でゼラは俺を見た。その眼差しから憐れみに近いものを感じる。やめろそんな目で見るな惨めになるだろ。
しばらくすると、ハッとしたように目を開いてゼラは首を傾げた。
「そういえばだけど、アンタは聖剣のことを破壊兵器かなんかだと思ってるの? アレは一応魔王を浄化するらしいけど、本来は儀礼用の宝剣よ?」
「ええ。そちらも知っています」
「そっちも……ってどういうこと?」
「騎士団に伝わる聖剣の力は破壊。修道院に伝わる聖剣の伝承は豊穣。側面が分けられて伝えられている……というのが近年最も有力な説です」
「あくまで説なのね。……聖剣という存在を、そのどちらでも受け入れられるように分割して伝えたってこと?」
「憶測の範疇を出ませんが恐らくそうです。文献全てに『聖剣』と明記されているものの、その役割は大きく違います。
事実、騎士団の伝承では敵を焼き尽くす場面ばかりが語られがちですが、修道院の伝承では聖人が多くの人を癒したり田畑を実らせたりと言う場面が語られがちです」
「確かに……。剣ってちゃんと言われてるから、切ったりとかしないの?って聞いたら、マザーに言われたのよ。そうよ!思い出したわ! マザーは『聖剣は多分儀式用の剣だから人は切れないんじゃないんじゃないか?』ってって!
みんな知ってるハズなのに、ある一定以上の知識となるとみんな曖昧とか変な話よね……」
「ええ、何かがおかしいんですよ。まるで煙に巻かれているような……」
俺がそこまで言うと、ゼラはわずかに吹き出した。俺の熱量が少し面白く思えたのだろう。
「アンタ、よくそこまで調べられたわね。どうやったのよ?」
「私はこの手で聖剣にまつわる文献を片っ端から調べました」
「へぇ……リンさんを貶めるために?」
ズキリと胸が痛んだ。
「……世界平和のためです」
小さくそう言った。
「ダウトね。 一生分の給料かけてもいいわ」
「ゼラ、貴女素寒貧だったでしょうが。概念を賭けないで貰えますか?」
「バレたか。 金の勘定は異様に早いのよねアンタ」
「そりゃ……趣味みたいなもんですからね」
「とうとう隠しすらしなくなったわね……帰ったら牢屋にぶち込んでやるんだからね! ふふふ……」
「その前にトンズラさせていただきますよ」
「下調べしてまでリンさんを貶めようとした、愛すべき相棒を私が追わないとでも? さあさっさと進むわよ!」
そう言って俺の右手を引っ張るゼラ。俺はその背中を追った。
「貶めるために……ねえ。さあ、どうでしょう」
愛すべき、愚かな聖女に聞こえないように。ささやかな抵抗をするように呟いた。
俺らを結ぶヒモを、ゼラは全力で引っ張る。俺はピンと張られた箇所に折れた剣を必死に擦り付ける。
開始から一時間はたっただろう。この他にも火であぶったりビオサに踏ませたりと色々試しているが、傷一つ付かない。
しかし俺とゼラは諦めることなくどうにか切れないかと模索している。
剣は切られただけでなく刃こぼれしており、お世辞にも切れるとは言い難い。しかしゼラの力さえあれば紐を少しでも劣化させられないかと試してみているのだ。
それから十分ほどだった頃のことだ。
[バキン!!]
なんとも安っぽい音がして、剣はさらに短くなった。
俺は無言で目頭を押さえる。一方ゼラはヒモの先程剣を当てていた箇所を凝視している。
そして俺の方を揺すった
「ローレル! 見なさい! 傷がついたわよ!!」
「なんですって!?」
ゼラが指さした箇所を見てみると、若干毛羽立っていた。
「間違いないです! このまま続けましょう!」
「もちろんよ! 頑張るわよー!!」
そう言ってゼラが手を掲げたその時だ。傷の着いたあたりが橙色に輝き始めた。
「うそ! 待って待ってまってぇっ!!!」
ゼラがそう叫ぶも、次の瞬間にはもう新品のような仕上がりになってしまっていた。
馬鹿みたいに頑丈なくせに、少し毛羽立ってもすぐ治ってしまうのだ。何なんだ、ふざけてるのかこのヒモは。
ゼラと俺は大の字になって寝転んだ。
「マジでどうしよう……もうトイレ行けないじゃない……」
「そういうこと言わないでくださいよ。行きたくなるじゃないですか……」
打ちひしがれる俺たちの顔を、交互に舐めた。鼻先で頭をつつき、出発だと言っている。
俺はため息一つついて、起き上がる。
「とりあえず歩きましょう。何か方法を探す必要がありそうですし」
「ええ……ありがとね、ビオサ。アンタがいてくれて助かったわ」
「ブルル」
ビオサはいなないて返事をする。俺らは立ち上がり、向き合った。
「これからどこに向かいます? リンたちはどういう訳か角尾村を脱したようですが」
「角尾村は避けるわよ。今そこに行っても危険すぎるわ。 他にどこに行くとか言ってなかった?」
「確か『星見村』? そんな名前を口にしていましたが……ご存知ですか?」
「うーん……知らないわ。 その村についても調べてみましょう」
俺らはとりあえず、リンとガーベラが戦っている辺りから遠ざかるように森を進み始めた。
歩き始めると同時、喫緊の課題を口にして整理する。
「現状、はっきりさせないとならない課題はいくつもあります。ステラと名乗る魔術師がリンに言い寄る目的、私たちを助けたガーベラの意図、ヒモの外し方。 あと、個人的な疑問なんですが、聖剣についてですね」
そういう俺の顔を不思議そうに覗き込む。
「聖剣についてって……確かアンタ色々調べたのよね? まだ調べ足りないの?」
「あらかた調べは着いているんですが、伝説ベースの話なので妙にふわっとしているところがあるんですよ」
「ふわっとって……具体的に何が足りないの?」
「まずは聖剣を引き抜く方法。聖剣を引き抜く前に野垂れ死にした人はいますが、中には実力がありながら引き抜けなかった人たちがいます。そんな人たちも国には一人も帰ってきていないのです」
「つまり……どういうこと?」
「見たものを徹底的に殺すための仕掛けがあるか、後ろめたくて帰って来れないかのどちらかでしょう」
「前者は盗難防止って考えりゃ納得ね。後者は聖剣抜けなかった人たちのOGOB会みたいなのがあるってこと?」
「俗っぽい言い方ですけど、そんなところでしょう。私の見立てだと、リンが持っているペンダントが引き抜くための儀式を受けるための鍵なのだと思いますが」
「そういや誰一人帰ってきてないのにペンダントは戻ってきてるってのは不思議な話よね」
「ええ。戻ってきてませんよ」
「え、じゃあリンさんに渡したっていうアレは?」
「アレは私が作った複製品です。 文献に寸法が書かれていましたから、恐らく歴代の勇者もあのペンダントを複製して持っていたのだと思います」
「アレあんたのハンドメイドなの……? なんで??」
「ええ。鍛冶屋に任せようとしたところ、このレベルの金属加工は金がかかると言われまして、それなら自分で作って浮かせようと……」
細い目でゼラは俺を見た。その眼差しから憐れみに近いものを感じる。やめろそんな目で見るな惨めになるだろ。
しばらくすると、ハッとしたように目を開いてゼラは首を傾げた。
「そういえばだけど、アンタは聖剣のことを破壊兵器かなんかだと思ってるの? アレは一応魔王を浄化するらしいけど、本来は儀礼用の宝剣よ?」
「ええ。そちらも知っています」
「そっちも……ってどういうこと?」
「騎士団に伝わる聖剣の力は破壊。修道院に伝わる聖剣の伝承は豊穣。側面が分けられて伝えられている……というのが近年最も有力な説です」
「あくまで説なのね。……聖剣という存在を、そのどちらでも受け入れられるように分割して伝えたってこと?」
「憶測の範疇を出ませんが恐らくそうです。文献全てに『聖剣』と明記されているものの、その役割は大きく違います。
事実、騎士団の伝承では敵を焼き尽くす場面ばかりが語られがちですが、修道院の伝承では聖人が多くの人を癒したり田畑を実らせたりと言う場面が語られがちです」
「確かに……。剣ってちゃんと言われてるから、切ったりとかしないの?って聞いたら、マザーに言われたのよ。そうよ!思い出したわ! マザーは『聖剣は多分儀式用の剣だから人は切れないんじゃないんじゃないか?』ってって!
みんな知ってるハズなのに、ある一定以上の知識となるとみんな曖昧とか変な話よね……」
「ええ、何かがおかしいんですよ。まるで煙に巻かれているような……」
俺がそこまで言うと、ゼラはわずかに吹き出した。俺の熱量が少し面白く思えたのだろう。
「アンタ、よくそこまで調べられたわね。どうやったのよ?」
「私はこの手で聖剣にまつわる文献を片っ端から調べました」
「へぇ……リンさんを貶めるために?」
ズキリと胸が痛んだ。
「……世界平和のためです」
小さくそう言った。
「ダウトね。 一生分の給料かけてもいいわ」
「ゼラ、貴女素寒貧だったでしょうが。概念を賭けないで貰えますか?」
「バレたか。 金の勘定は異様に早いのよねアンタ」
「そりゃ……趣味みたいなもんですからね」
「とうとう隠しすらしなくなったわね……帰ったら牢屋にぶち込んでやるんだからね! ふふふ……」
「その前にトンズラさせていただきますよ」
「下調べしてまでリンさんを貶めようとした、愛すべき相棒を私が追わないとでも? さあさっさと進むわよ!」
そう言って俺の右手を引っ張るゼラ。俺はその背中を追った。
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