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三章L:暫時、言を繰るえ
二話:その手は刀を振るうため
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ガーベラと名乗る男は、上等そうな……なんだこれ。腕の辺りにでっかいポケットでも着いていそうなドレス? をまとい、木靴……いや木だがただの板に紐をつけただけ、みたいなふざけたものを履いている。腰に提げたアレは……身の振り方から予測して鉄の塊。恐らく棍棒か剣だ。
声は男。節々に花の意匠。女っぽい出で立ち。
見れば見るほどに奇妙なその姿。……情報量が多すぎて胃もたれしそうだ。思わず口を押さえた。
「うっ……わぁ……。私こんな奴が隣にいたのに、なんで気が付かなかったんでしょう。一生の恥ですよこんなの」
「そなた口悪っ!! 初対面の魔王軍幹部に言うセリフじゃなくない……で、ござるか!?」
「たったの数秒で、記念すべき二つ目が出来ましたよ。貴方に口を開かせるんじゃなかった」
こいつ……最初喋ってた感じは『作って』いたようだ。今の喋り方が、恐らく自然体だ。スラスラと出てきたから間違いない。喋り慣れていない頃の俺と似ている。なんだか小さい頃の俺を見ているようで、嫌悪感が湧いてきた。一生の恥三つ目だ。
額を押さえる俺の隣で、ゼラは身を震わせていた。コイツも突っ込みたくて仕方ないんだろうな。いいぞ言ってやれ。あわよくば追撃もして叩きのめしてくれ。もうコイツを追い払う気すらしなくなってきた。
ゼラはまっすぐガーベラを指さし、わずかに口を開いた。
「アンタ……アンタねえ!! 」
「ど、どうしたかな聖女殿。 その勢いで詰め寄られるとさすがに恐ろしいというかなんというか」
「最っ高にクールねその服!! ちょっとよく見せてよ!!」
「「えっ?」」
ゼラはまっすぐガーベラの胸ぐらをつかみ、目を輝かせながら全身を見廻す。隅々まで、舐めるように。スリットに手を突っ込んで、匂いまで嗅いでいる。いよいよ暑さで頭がおかしくなったようだ。
「手ぇあげなさい!! これ脇にもスリットあるのね!なるほど……!!」
体と至る所をまさぐっている。もうそういう怪異の類だろこれ。妖怪服まさぐりみたいな。
初対面の騎士には罵倒され、初対面の聖女には全身を漁られているのかコイツ……。可哀想に。俺はとりあえず、哀れみの目を向ける。
ガーベラは両手を上げ……頬を赤らめている。
「……んっ/// 」
「艶っぽい声を出すな」
「そなた! 先程は失礼したっ!だっ、だからこの聖女を止めっ……/// や、やめてっそこはっそこだけはっ……!」
俺は無視して焚き火の前に向かい、干し肉をうらがえす。うん。いい焼き加減だ。
「助けてください! お願いします! 人として大事なものが!尊厳が無くなる!」
閑話休題。
俺はガーベラからゼラを引き剥がし、とりあえず焚き火の前に座らせた。コイツ本当に魔王軍幹部の器なのだろうか……。ガーベラは膝を抱え込んで座り、ガタガタ震えている。
「け、汚された……」
「悪かったわよ……これで良ければ食いなさい」
「すまぬ……かたじけない」
「そう言いながら私の分の串を差し出すあたり、本当にいい性格してますよね」
「悔しかったら、今度は名前でも書いとくのね」
ゼラは肉に噛み付きながらそう言った。一体コイツは何を考えているのだろう。考え無しにあんなふざけた真似をするようには思えない。こいつは打算的なのだ。俺が見つめると、口角を上げて見せてきた。
一方ガーベラは俺の肉に、美味しそうにかぶりついている。よく見たらまだあどけない顔立ちだ。俺が数え年で十九。コイツは……十五くらいだろうか? いや、もう少し下か? 口ぶりもそんなくらいだった。とても幹部に成り上がれるほどの歳じゃない。
「お、おいひぃ……」
そう呟くガーベラ。ホロリと涙を流した。さすがに悪いことしたかもしれない。ここは反省すべきだろうな。
しかしこの面妖な姿が目に入ると、どうしても気になってくる。好奇心が自制心を上回った。
「そういえば、その服なんて言うんですか? 見たことすらないんですが」
そう言うと、警戒心も無さそうにつらつらと語った。
「これか。 これはそれがしの国に伝わる『フリソデ』を仕立て直したものでござる。そして履いているこれは『ゲタ』。 故、そこかしこに売ってはござらぬ。 職人に仕立てさせた特注品でござる」
「なるほど……通りで見たことないわけですね」
俺は産まれてこの方王国から出たことがない。ござるござるって言ってるのは、そこの国の方言なのかもしれないな。
「アンタ生まれどこ?聞いたことない口調ね」
ちょうど気になっていたことを、ゼラが聞いた。
「いやはや、それがしの生まれはにっ……ここよりはるか遠き……極東の地よ」
言葉につまりながら、ガーベラは返す。
「随分とぎこちない返しですね。出自を知られると、なにかまずいことでも?」
「い、否! 斯様なことはござらぬ! それがしの言い方が古めかしい故にそう聞こえるのではないか?」
「なんだか古めかしいと言うより……難解な話し方だと私は思いますがね」
そう言って、俺は干し肉の最後の一片を 口に放り込んだ。コイツ何者なんだろうか。色々と裏がありそうだ。
ガーベラをしばらく見ていると、ガーベラはなにか思い出したかのように顔を上げた。そのまま俺らに、
「そうだ。 そなたたちは『リン』という名前の騎士を知らぬか? 最近ここに現れたそうなのだが」
そう聞いてきた。ゼラは喉に詰まらせたか、胸を数度叩いてから答える。
「知ってるも何も、アタシたちもそのリンさんを追いかけてるのよ! 」
「そうか……して、なんのために? 捕らえるつもりか?」
「え? うん。 王国に連れ戻すわよ」
「ならば……」
ガーベラは立ち上がった。
「切らねばならぬ」
背筋が凍った。ガーベラが剣に手をかけただけだと言うのに、どうしようもないほどの身の危険を感じる。
ガーベラはゆっくりと柄に手をかけ……!
「ゼラさん! 頭を下げて!!」
「えっ!? 」
「──『上り閃 一両』」
そうガーベラが呟くと同時、俺らの後ろの巨木が倒れた。
声は男。節々に花の意匠。女っぽい出で立ち。
見れば見るほどに奇妙なその姿。……情報量が多すぎて胃もたれしそうだ。思わず口を押さえた。
「うっ……わぁ……。私こんな奴が隣にいたのに、なんで気が付かなかったんでしょう。一生の恥ですよこんなの」
「そなた口悪っ!! 初対面の魔王軍幹部に言うセリフじゃなくない……で、ござるか!?」
「たったの数秒で、記念すべき二つ目が出来ましたよ。貴方に口を開かせるんじゃなかった」
こいつ……最初喋ってた感じは『作って』いたようだ。今の喋り方が、恐らく自然体だ。スラスラと出てきたから間違いない。喋り慣れていない頃の俺と似ている。なんだか小さい頃の俺を見ているようで、嫌悪感が湧いてきた。一生の恥三つ目だ。
額を押さえる俺の隣で、ゼラは身を震わせていた。コイツも突っ込みたくて仕方ないんだろうな。いいぞ言ってやれ。あわよくば追撃もして叩きのめしてくれ。もうコイツを追い払う気すらしなくなってきた。
ゼラはまっすぐガーベラを指さし、わずかに口を開いた。
「アンタ……アンタねえ!! 」
「ど、どうしたかな聖女殿。 その勢いで詰め寄られるとさすがに恐ろしいというかなんというか」
「最っ高にクールねその服!! ちょっとよく見せてよ!!」
「「えっ?」」
ゼラはまっすぐガーベラの胸ぐらをつかみ、目を輝かせながら全身を見廻す。隅々まで、舐めるように。スリットに手を突っ込んで、匂いまで嗅いでいる。いよいよ暑さで頭がおかしくなったようだ。
「手ぇあげなさい!! これ脇にもスリットあるのね!なるほど……!!」
体と至る所をまさぐっている。もうそういう怪異の類だろこれ。妖怪服まさぐりみたいな。
初対面の騎士には罵倒され、初対面の聖女には全身を漁られているのかコイツ……。可哀想に。俺はとりあえず、哀れみの目を向ける。
ガーベラは両手を上げ……頬を赤らめている。
「……んっ/// 」
「艶っぽい声を出すな」
「そなた! 先程は失礼したっ!だっ、だからこの聖女を止めっ……/// や、やめてっそこはっそこだけはっ……!」
俺は無視して焚き火の前に向かい、干し肉をうらがえす。うん。いい焼き加減だ。
「助けてください! お願いします! 人として大事なものが!尊厳が無くなる!」
閑話休題。
俺はガーベラからゼラを引き剥がし、とりあえず焚き火の前に座らせた。コイツ本当に魔王軍幹部の器なのだろうか……。ガーベラは膝を抱え込んで座り、ガタガタ震えている。
「け、汚された……」
「悪かったわよ……これで良ければ食いなさい」
「すまぬ……かたじけない」
「そう言いながら私の分の串を差し出すあたり、本当にいい性格してますよね」
「悔しかったら、今度は名前でも書いとくのね」
ゼラは肉に噛み付きながらそう言った。一体コイツは何を考えているのだろう。考え無しにあんなふざけた真似をするようには思えない。こいつは打算的なのだ。俺が見つめると、口角を上げて見せてきた。
一方ガーベラは俺の肉に、美味しそうにかぶりついている。よく見たらまだあどけない顔立ちだ。俺が数え年で十九。コイツは……十五くらいだろうか? いや、もう少し下か? 口ぶりもそんなくらいだった。とても幹部に成り上がれるほどの歳じゃない。
「お、おいひぃ……」
そう呟くガーベラ。ホロリと涙を流した。さすがに悪いことしたかもしれない。ここは反省すべきだろうな。
しかしこの面妖な姿が目に入ると、どうしても気になってくる。好奇心が自制心を上回った。
「そういえば、その服なんて言うんですか? 見たことすらないんですが」
そう言うと、警戒心も無さそうにつらつらと語った。
「これか。 これはそれがしの国に伝わる『フリソデ』を仕立て直したものでござる。そして履いているこれは『ゲタ』。 故、そこかしこに売ってはござらぬ。 職人に仕立てさせた特注品でござる」
「なるほど……通りで見たことないわけですね」
俺は産まれてこの方王国から出たことがない。ござるござるって言ってるのは、そこの国の方言なのかもしれないな。
「アンタ生まれどこ?聞いたことない口調ね」
ちょうど気になっていたことを、ゼラが聞いた。
「いやはや、それがしの生まれはにっ……ここよりはるか遠き……極東の地よ」
言葉につまりながら、ガーベラは返す。
「随分とぎこちない返しですね。出自を知られると、なにかまずいことでも?」
「い、否! 斯様なことはござらぬ! それがしの言い方が古めかしい故にそう聞こえるのではないか?」
「なんだか古めかしいと言うより……難解な話し方だと私は思いますがね」
そう言って、俺は干し肉の最後の一片を 口に放り込んだ。コイツ何者なんだろうか。色々と裏がありそうだ。
ガーベラをしばらく見ていると、ガーベラはなにか思い出したかのように顔を上げた。そのまま俺らに、
「そうだ。 そなたたちは『リン』という名前の騎士を知らぬか? 最近ここに現れたそうなのだが」
そう聞いてきた。ゼラは喉に詰まらせたか、胸を数度叩いてから答える。
「知ってるも何も、アタシたちもそのリンさんを追いかけてるのよ! 」
「そうか……して、なんのために? 捕らえるつもりか?」
「え? うん。 王国に連れ戻すわよ」
「ならば……」
ガーベラは立ち上がった。
「切らねばならぬ」
背筋が凍った。ガーベラが剣に手をかけただけだと言うのに、どうしようもないほどの身の危険を感じる。
ガーベラはゆっくりと柄に手をかけ……!
「ゼラさん! 頭を下げて!!」
「えっ!? 」
「──『上り閃 一両』」
そうガーベラが呟くと同時、俺らの後ろの巨木が倒れた。
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