157 / 200
第百五十六話
しおりを挟む*
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
種族【半神】な俺は異世界でも普通に暮らしたい
穂高稲穂
ファンタジー
旧題:異世界転移して持っていたスマホがチートアイテムだった
スマホでラノベを読みながら呟いた何気ない一言が西園寺玲真の人生を一変させた。
そこは夢にまで見た世界。
持っているのはスマホだけ。
そして俺は……デミゴッド!?
スマホを中心に俺は異世界を生きていく。

黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる