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第百十八話
しおりを挟む 「ん・・・?」
背中を生暖かい手で撫で上げられたような気がした。
―――なにをやっている・・・?―――
奈々実が魔力を使っていることは、繋留者であるセヴランに伝わる。離れた場所にいてもすぐにわかる。しかし、いつものようにチョーカーでコントロールしながら細く絞って圧縮している様子とは、全然違うことに戸惑う。最初、生暖かい程度だった感触が、すぐに耐えがたいほどの熱さになり、汗が噴き出てくる。頭がくらくらする。溜まった書類をやっつけるために執務室にいたことが幸いだった。兵馬の訓練や港湾設備の現場の見まわりをしている時だったら、対処に困っただろう。
「セヴラン様?」
斜め前方の机で書類の整理をしていたカミーユが、怪訝な顔で見ている。
「なんでもない、ちょっと根を詰め過ぎたかもしれん。休憩させてくれ」
デスクワークは頭が痛くなるんだ、と誤魔化して、セヴランは久しく使っていなかった仮眠室に逃げ込んだ。鍵をかけ、汗を乱雑に拭い、思春期のように膨れ上がって制御できない自分の下半身を握る。
―――何をやっているんだ!? ナナミッ・・・!―――
奈々実が全力で魔力を使っているのがわかる。それがなぜ、自分の下半身に異変をもたらすのかはわからない。屈辱的だが痛いほど熱く、硬く勃ちあがった下半身を扱き始めると、止めようにも止められなくなった。少し前に、奈々実にたどたどしく擦り上げられたあのむず痒いようなじれったい快感とは完全に種類の違う、目が眩むような強烈な性の衝動に、腰が砕けそうになる。絶対に認めたくなかったが、未成年の奈々実が泣き叫ぶのを無視して押し倒し、荒々しく引き裂いて無理矢理に突き刺し、野獣のようにめちゃくちゃに犯しているかのような、危険な熱さだった。奈々実の泣き顔が脳裏に浮かび、痛々しいのに、可哀想なのに、こんなことをしてはいけない、絶対にしないと誓ったはずなのに、突き上げて突き上げて突き上げて、止めることができない。その罪悪感に横っ面を張り倒されるような、それでも止められない獰猛な性衝動に背筋が凍った。自分が男なのだ、オスなのだということが厭わしくなるほどに、原始的、野性的な衝動が出口を求めて下半身へと押し寄せてくる。唾棄したくなるくらいに本能に忠実で、恥ずかしくて、それなのに下半身を扱く手を止められない。もしも奈々実が目の前にいたら、獣欲のままにむさぼり喰らうのは確実だと思う。
「く・・・、うっ・・・!」
五分とたたずに放出する。しかし下半身の滾りはおさまらず、木石のように硬くなったまま、身体中の血が溶岩のように熱くなったまま、奈々実を求める衝動はおさまらないままで、セヴランは自分の手を止めることができない。右手が疲れてしまって、左手で扱く。右利きなので左手では少し、力の入れ方や握り方、動かし方の加減が違って、じれったくて右手にもどす。奈々実の肌、奈々実の身体がそこにあるかのように、奈々実の吐息や泣き声が耳元に聞こえるかのように、五感のすべてが奈々実に飲み込まれて、包み込まれている。ぷにぷにムチムチした雲のような身体に溺れ、窒息しそうになる。仮眠室の簡易寝台に辿り着くこともできず、セヴランは床に崩れ込んだ。
背中を生暖かい手で撫で上げられたような気がした。
―――なにをやっている・・・?―――
奈々実が魔力を使っていることは、繋留者であるセヴランに伝わる。離れた場所にいてもすぐにわかる。しかし、いつものようにチョーカーでコントロールしながら細く絞って圧縮している様子とは、全然違うことに戸惑う。最初、生暖かい程度だった感触が、すぐに耐えがたいほどの熱さになり、汗が噴き出てくる。頭がくらくらする。溜まった書類をやっつけるために執務室にいたことが幸いだった。兵馬の訓練や港湾設備の現場の見まわりをしている時だったら、対処に困っただろう。
「セヴラン様?」
斜め前方の机で書類の整理をしていたカミーユが、怪訝な顔で見ている。
「なんでもない、ちょっと根を詰め過ぎたかもしれん。休憩させてくれ」
デスクワークは頭が痛くなるんだ、と誤魔化して、セヴランは久しく使っていなかった仮眠室に逃げ込んだ。鍵をかけ、汗を乱雑に拭い、思春期のように膨れ上がって制御できない自分の下半身を握る。
―――何をやっているんだ!? ナナミッ・・・!―――
奈々実が全力で魔力を使っているのがわかる。それがなぜ、自分の下半身に異変をもたらすのかはわからない。屈辱的だが痛いほど熱く、硬く勃ちあがった下半身を扱き始めると、止めようにも止められなくなった。少し前に、奈々実にたどたどしく擦り上げられたあのむず痒いようなじれったい快感とは完全に種類の違う、目が眩むような強烈な性の衝動に、腰が砕けそうになる。絶対に認めたくなかったが、未成年の奈々実が泣き叫ぶのを無視して押し倒し、荒々しく引き裂いて無理矢理に突き刺し、野獣のようにめちゃくちゃに犯しているかのような、危険な熱さだった。奈々実の泣き顔が脳裏に浮かび、痛々しいのに、可哀想なのに、こんなことをしてはいけない、絶対にしないと誓ったはずなのに、突き上げて突き上げて突き上げて、止めることができない。その罪悪感に横っ面を張り倒されるような、それでも止められない獰猛な性衝動に背筋が凍った。自分が男なのだ、オスなのだということが厭わしくなるほどに、原始的、野性的な衝動が出口を求めて下半身へと押し寄せてくる。唾棄したくなるくらいに本能に忠実で、恥ずかしくて、それなのに下半身を扱く手を止められない。もしも奈々実が目の前にいたら、獣欲のままにむさぼり喰らうのは確実だと思う。
「く・・・、うっ・・・!」
五分とたたずに放出する。しかし下半身の滾りはおさまらず、木石のように硬くなったまま、身体中の血が溶岩のように熱くなったまま、奈々実を求める衝動はおさまらないままで、セヴランは自分の手を止めることができない。右手が疲れてしまって、左手で扱く。右利きなので左手では少し、力の入れ方や握り方、動かし方の加減が違って、じれったくて右手にもどす。奈々実の肌、奈々実の身体がそこにあるかのように、奈々実の吐息や泣き声が耳元に聞こえるかのように、五感のすべてが奈々実に飲み込まれて、包み込まれている。ぷにぷにムチムチした雲のような身体に溺れ、窒息しそうになる。仮眠室の簡易寝台に辿り着くこともできず、セヴランは床に崩れ込んだ。
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