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第三十五話
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強い光が顔にあたっているようで、眩しい。
「ん・・・」
喉が渇いてひりひりする。目を開けると、外はすっかり明るくなっていて、呆然としてしまう。昨夜は、夕暮れにすらなる前にセヴランにこの部屋に連れ込まれて、傷の治療をするから服を脱げとか言われて、治療は治療でも非科学的極まりない治療をされた。そのまま、治療以外にもとんでもないことをされて、腕と太腿の内側がガクガクになって・・・。
背後から誰かに包まれて、腕の中で眠っていたのだと理解するのに、十数秒かかった。なめし皮のようにキレイな肌に包まれた、強靭な筋肉の腕枕。規則正しい寝息が、髪にかかる。状況を理解した瞬間、飛び起きそうになったけれど、がっちりとセヴランの腕に包み込まれていて、動けない。
動けない理由は、セヴランの腕だけではない。身体中の筋肉、特に腕と太腿の内側が完全に硬直して、岩になってしまったように痛くて痛くて、ぎしぎしと鉛のように重くて、身体を動かすことができない。
「ん・・・」
奈々実を包み込んでいるセヴランが、背後で身じろぎする。腕枕をしてくれているのではないほうの腕がもぞもぞ動いたかと思うと、奈々実の胸の無駄にでかいふくらみを探り当て、ゆっくりと揉み始めた。
「ひゃあっ」
目が覚めているくせに寝ているふりをしているのだと、すぐにわかった。まがりなりにも軍人だし、セヴランの性格的に考えても、人の気配には奈々実よりも敏感なはずで、腕の中の女に後れを取るようなことなど、ありえない。
「んぎいっ、痛っ、いたたたた・・・」
セヴランの腕を必死ではらいのけ、身体を起こそうとするが、筋肉痛の痛みに身体中がばきばきと音をたてて軋み、瀕死のアザラシもしくはトドがのたうちまわっているような動きにしかならない。
「なにをやっている?」
さも不思議そうだが、声は笑っている。絶対にわかっているのだと思う。
「ん・・・」
喉が渇いてひりひりする。目を開けると、外はすっかり明るくなっていて、呆然としてしまう。昨夜は、夕暮れにすらなる前にセヴランにこの部屋に連れ込まれて、傷の治療をするから服を脱げとか言われて、治療は治療でも非科学的極まりない治療をされた。そのまま、治療以外にもとんでもないことをされて、腕と太腿の内側がガクガクになって・・・。
背後から誰かに包まれて、腕の中で眠っていたのだと理解するのに、十数秒かかった。なめし皮のようにキレイな肌に包まれた、強靭な筋肉の腕枕。規則正しい寝息が、髪にかかる。状況を理解した瞬間、飛び起きそうになったけれど、がっちりとセヴランの腕に包み込まれていて、動けない。
動けない理由は、セヴランの腕だけではない。身体中の筋肉、特に腕と太腿の内側が完全に硬直して、岩になってしまったように痛くて痛くて、ぎしぎしと鉛のように重くて、身体を動かすことができない。
「ん・・・」
奈々実を包み込んでいるセヴランが、背後で身じろぎする。腕枕をしてくれているのではないほうの腕がもぞもぞ動いたかと思うと、奈々実の胸の無駄にでかいふくらみを探り当て、ゆっくりと揉み始めた。
「ひゃあっ」
目が覚めているくせに寝ているふりをしているのだと、すぐにわかった。まがりなりにも軍人だし、セヴランの性格的に考えても、人の気配には奈々実よりも敏感なはずで、腕の中の女に後れを取るようなことなど、ありえない。
「んぎいっ、痛っ、いたたたた・・・」
セヴランの腕を必死ではらいのけ、身体を起こそうとするが、筋肉痛の痛みに身体中がばきばきと音をたてて軋み、瀕死のアザラシもしくはトドがのたうちまわっているような動きにしかならない。
「なにをやっている?」
さも不思議そうだが、声は笑っている。絶対にわかっているのだと思う。
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