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いつの間にか意識は途切れていたらしく、再び目をあけるとそこは、何処なのかもわからない原っぱだった。今度は、シリウス…天使としての記憶が引き継がれたまま、地上に戻してもらう事にした。
以前は親というものを持っていたからこそ余計なしがらみがあってやりたい事もできなかったけれど、今度は天使の記憶を持ったまま、地上に降りてみたいと言った。ただ、同じ地域だと不安はあるから、離れた国にしてもらう事にした。
加えて、天使としての力も半分だけ、戻してもらう異にした。以前は地上に降りていた時、その力がなかったから馴染めなかった部分が多大にある。だからこそ、必要だと思うんだよな。
誰もいないであろう原っぱの中で俺は、自分の力を少しだけ解放してみる。
力は、持っている羽を出すだけで解放することができる。
俺の力は、ウリエル様の多空間への干渉の力に近いものでいて少し違う。
干渉するという意味では同じなのかもしれないけれど、俺が干渉していく先はまだ、目の前にある生物に限定している。けれどそれは、回復、再生、攻撃の三法は可能であるという事実でもある。
地上で行う天使の力はあまりに大きすぎる。一昔前、伝説と言われたシヴァトゥルカという伝承の中にこんな一節が刻まれている。
光の天使・ミカエラ様が地上に降りたった際、ヒトがミカエラ様を化け物と罵り、侮蔑するあまり、普段怒ることをしないミカエラ様はショックのあまり、力をすべて解放してしまったと。その放った力は甚大なもので、一つの大国が消えたという、そんな話。
それだけ大きな力をすべて持っていては天使の力は壊滅の道にも繋がりかねないという側面を持った話は、俺達天族にとっては余計な力は蓋をしてしまうに越したことがないと勉強している。その為に俺はこうして半分の力だけ、持つことを許された。
今、力を解放し展開するために形作る翼は、左翼のみ。右翼は封印されている為に出る事はない。
封印は、俺の肩甲骨の下にウリエル様が封印の印をつけた事によって成功している。
飛ぶ事はできないけれど、力を発動させるには十分なもの。
イメージしていく。
展開、展開、サーチ、サーチ。
ここは、どこだ?馬車がある時代?それとも車がある時代?
そして、何と言う国だ。
ここが地上なら、唯の原っぱな訳がない。うっすらと見えてくる先に移るのは、建物…?
スーパーマーケットらしいけれど、警察がうろついているのが見えた。
どこでも問題はあるんだなあと、げんなりする。
警察が見ている先には…男と女が鋭利な刃物で刺されたのか、血が出ているのが解るぐらいにぐったりしているのが天使の基本魔法でもある索敵の効果で鮮明に俺の視界に映っていった。
さて、俺はどう動こう。
今は特に行きたいとこもないし、あの顔色のわるい夫婦らしい人達のところに行ってみよう。
以前は親というものを持っていたからこそ余計なしがらみがあってやりたい事もできなかったけれど、今度は天使の記憶を持ったまま、地上に降りてみたいと言った。ただ、同じ地域だと不安はあるから、離れた国にしてもらう事にした。
加えて、天使としての力も半分だけ、戻してもらう異にした。以前は地上に降りていた時、その力がなかったから馴染めなかった部分が多大にある。だからこそ、必要だと思うんだよな。
誰もいないであろう原っぱの中で俺は、自分の力を少しだけ解放してみる。
力は、持っている羽を出すだけで解放することができる。
俺の力は、ウリエル様の多空間への干渉の力に近いものでいて少し違う。
干渉するという意味では同じなのかもしれないけれど、俺が干渉していく先はまだ、目の前にある生物に限定している。けれどそれは、回復、再生、攻撃の三法は可能であるという事実でもある。
地上で行う天使の力はあまりに大きすぎる。一昔前、伝説と言われたシヴァトゥルカという伝承の中にこんな一節が刻まれている。
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それだけ大きな力をすべて持っていては天使の力は壊滅の道にも繋がりかねないという側面を持った話は、俺達天族にとっては余計な力は蓋をしてしまうに越したことがないと勉強している。その為に俺はこうして半分の力だけ、持つことを許された。
今、力を解放し展開するために形作る翼は、左翼のみ。右翼は封印されている為に出る事はない。
封印は、俺の肩甲骨の下にウリエル様が封印の印をつけた事によって成功している。
飛ぶ事はできないけれど、力を発動させるには十分なもの。
イメージしていく。
展開、展開、サーチ、サーチ。
ここは、どこだ?馬車がある時代?それとも車がある時代?
そして、何と言う国だ。
ここが地上なら、唯の原っぱな訳がない。うっすらと見えてくる先に移るのは、建物…?
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どこでも問題はあるんだなあと、げんなりする。
警察が見ている先には…男と女が鋭利な刃物で刺されたのか、血が出ているのが解るぐらいにぐったりしているのが天使の基本魔法でもある索敵の効果で鮮明に俺の視界に映っていった。
さて、俺はどう動こう。
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