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第3章 女豹の掟
5 M93RMK2
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「お願いッ! もう、許してッ! あッ、あッ、だめッ……!」
「おかしくなるッ! いやッ! だめえぇッ! 狂っちゃうッ!」
全身の細胞を灼き溶かすほどの壮絶な快感が、玲奈の意識を真っ白に染めた。ウェーブが掛かった濃茶色の髪を舞い乱しながら、玲奈は激しく首を振って悶え啼いた。眉間に深い縦皺を刻み、真っ赤に染まった目尻から随喜の涙を流し、炎の喘ぎを漏らす唇から垂れた涎の糸が揺れていた。
「ひぃいいッ! だめぇえッ! また、イクッ! 許してぇッ! イクぅううッ!」
X字型に縄掛けされた乳房を突き出すように仰け反ると、玲奈はビクンッビックンッと激しく痙攣しながら絶頂を極めた。プシャッと音を立てて蜜液が噴出し、男の腹を淫らに濡らした。
「どっちでイッてるんだ? 前か、後ろか……?」
ベッドに横たわる男が下から玲奈を突き上げながら訊ねた。それとタイミングを合わせるかのように、後ろから玲奈の乳房を揉みしだきながら別の男が猛りきった逸物を突き立てた。
玲奈は膣と尻穴を同時に犯されていたのだ。
「だめぇえッ! 今、イッてるッ! 許してッ! 凄いの来るッ! いやぁああ……!」
二本の男根が薄い粘膜一枚を隔ててゴリゴリと擦れ合い、肉襞と直腸の中で暴れまくった。下半身が灼き溶け、快美の柱が背筋を走り抜けた。脳天を凄まじい落雷が何度も襲い、玲奈の意識を真っ白に灼き溶かした。
絶頂した次の瞬間には、より凄絶な絶頂が襲ってきた。切れ目のない快絶地獄に、玲奈は全身を真っ赤に染めながら本気で悶え啼いた。
「もう、許してぇッ! 死んじゃうッ! また、イクぅううッ!」
ビックンッビックンッと一際大きく痙攣すると、秘唇からシャアッーッという音とともに黄金の潮流が弧を描いて迸った。ガクガクと愉悦の硬直を噛みしめると、玲奈がグッタリと弛緩して男の上に倒れ込んだ。閉じた睫毛がピクピクと震え、全身がビクンビックンッと痙攣を続けていた。
「また気を失ったぜ。壊れちまうんじゃねえのか?」
「そうだな。ボスに献上する前に廃人にしちまったら、さすがにまずいか……」
そう告げると、尻穴を犯していた男が男根を引き抜いた。下から玲奈を突き上げていた男も、彼女の腰を持ち上げながら逸物を濡れた花唇から抜き出した。無造作にベッドの上に横たえられた玲奈は、女性器と尻穴の両方から男たちの放った精液をドロリと垂れ流した。
(やっと……終わった……)
自分の体が痙攣を続けていることさえ、玲奈には分からなかった。限界を遥かに超える快感に、何十回絶頂を極めさせられたのか数え切れなかった。全身が綿のように疲れ切り、指先一本さえ思うように動かせなかった。
(純一郎……、助けて……。あたし……壊れる……)
拉致されてから何日経ったのか、今が昼なのか夜なのかさえも玲奈には分からなかった。分かっているのはしばらくしたら再びこの地獄が続くことだけだった。
最初は二人だった男が、次々と入れ替わった。全部で十人の男に玲奈は輪姦された。多いときには三人の男に一度に犯された。口、女性器、尻穴に同時に男根を挿入されたのだ。限界を超えた快感が拷問であることを、玲奈は初めて知った。
(まただ……)
男たちが玲奈の口にボールギャグを噛ませてきた。同時に黒い布で目を覆われ、視界を奪われた。玲奈が舌を噛んで自殺しないように、また逃げ出さないようにするための措置だった。
「緊縛された美女が目隠しとボールギャグをした姿ってのは、妙にそそるな。もう一回、犯ってもいいか?」
そう告げると男が仰向けに横たわる玲奈の胸を揉みしだき始めた。声からすると、玲奈の尻穴を犯していた男のようだった。
(うそ……まだ、されるの……?)
「ほどほどにしとけよ。本当に壊しちまうぞ……」
「あと一回くらいなら大丈夫さ」
そう告げると、男はヌプリと玲奈の花唇に男根を挿し込んだ。
「んッ、くぅッ……!」
肉襞を抉って膣奥まで貫かれる衝撃に、玲奈が白い喉を仰け反らせた。
「おっ? こいつ、意識を取り戻したぞ。俺のを締め付けてきやがった」
「ほう……。思ったよりも体力があるな。それなら、今度は俺が後ろの穴を担当してやるか」
「分かった。ちょっと待ってろ。起こすから……」
男が貫いたまま、玲奈の体を抱き上げて騎乗位を取った。
(いやッ! もうやめてッ……!)
激しく首を振って髪を舞い乱しながら、玲奈が拒絶の意志を示した。だが、男は玲奈の白い尻を掴むと、羞恥の蕾に男根をめり込ませてきた。
「んッ、ひぃいいいッ……!」
薄い粘膜一枚を隔てて、猛りきった男根が擦れ合い、ぶつかり合った。壮絶な愉悦が腰骨を灼き溶かし、四肢の先端まで甘く痺れさせた。
(いやぁああ……! もう、許してぇえッ!)
黒い目隠しの縁から涙が溢れ、白い頬を伝って流れ落ちた。
姫川玲奈の地獄の時間が再開された。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の銃声が射撃訓練場に響き渡った。十三回の3点射……三十九発の弾丸を撃ち終えると、瑞紀はマガジン・リリース・ボタンを押して空になったマガジンを抜き取った。そして、射座の右脇に設置された自動採点装置のモニターを見た。標的に着弾した弾痕を検出して照準と弾痕のズレを確認したのだ。
(最悪……。照準と弾痕のズレはないわ……)
モニターに表示された点数は2750/3900であり、標的中心円命中率70.051パーセントだった。自己最低記録の更新であった。照準と弾痕にズレがないということは、ベレッタM93RMK2自体には何も問題がないと言うことだ。単純に瑞紀自身が射撃に集中できていない証拠だった。
新しいマガジンを装着すると、瑞紀はスライドを引いて薬室に弾丸を一発送り込んだ。そして、一度マガジンを抜き取り、弾丸を補充してから再度装着した。こうすることにより、薬室内の一発とマガジンの三十八発を合わせて三十九発となり、3点射が十三回撃てるのだ。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
十三回の3点射を終えて空になったマガジンを抜くと、瑞紀は自動採点装置のモニターを確認した。点数は、3180/3900だった。標的中心円命中率81.538パーセントだった。さっきよりはいくらかマシだったが、前回はほとんど100.000パーセントだったのだ。最悪もいいところだった。
(こんなの、弾の無駄だわ。今日は止めよう……)
防音イヤーマフと射撃用ゴーグルを外すと、瑞紀は革グローブを脱いだ。その時、背後から若い女性のはしゃいだ声が聞こえてきた。
「凄いッ! こんなに整った射撃訓練場があるなんてッ! 西新宿署のものとは比べものにならないわッ!」
驚いて振り返ると、アランと一緒に見たことがある女性が立っていた。西新宿署で瑞紀の取り調べをした女性刑事だった。
(何で彼女がここに……?)
「やあ、ミズキ……。ここにいたのか? 紹介しよう。西新宿署組織犯罪対策課の早瀬はるか巡査だ。ハルカ、彼女は<星月夜>の元特別捜査官で、楪瑞紀。今は、<楪探偵事務所>の所長をしている」
「先日はどうも……」
瑞紀が頭を下げた途端、はるかが驚愕に大きく目を見開いた。
「それって、ベレッタM93Rですかッ! 本物って、初めて見たッ! あれ? 違うッ! 三色カラーに、マズルブレーキの形状が違うッ! もしかして、新型ッ……? M93RMK2ですかッ!」
試射台に駆け寄ると、はるかは目を輝かせながらかぶりつくようにM93RMK2を見つめた。
「ち、ちょっと……」
「M93Rだけでも滅多に見られないのに、M93RMK2だなんてッ! 触ってもいいですかッ!」
「だ、だめに決まってるでしょッ! 玩具じゃないんだから……」
はるかの態度に驚きながら、瑞紀が慌ててM93RMK2を手に取った。
「えーッ! そんなぁ……! お願いしますッ! 触るだけでいいですからッ!」
「バカなこと言わないでッ! ちょっと、アラン! どういうことなのッ?」
瑞紀は安全装置をロックしてM93RMK2をバーキンにしまうと、アランの方を見ながら訊ねた。警視庁の刑事をこの<星月夜>の射撃訓練場に案内するなど、聞いたこともなかった。
「いや、さっき上で話をしていて仲良くなってね……。どうしても射撃訓練場が見たいって言うから……。まさか、これほどの拳銃オタクだとは思いもしなかった……」
アランが苦笑いを浮かべながら、頭を掻いた。
「あたしは拳銃オタクなんかじゃありませんッ! 銃器オタクなんですッ! 拳銃だけでなく、アサルトライフルやサブマシンガンなど、何でもOKなんですッ! 一緒にしないでくださいッ!」
はるかの宣言に、瑞紀とアランは顔を見合わせた。
「3180/3900……。標的中心円命中率81.538パーセントですか? まあまあですね。でも、この程度の成績じゃ、せっかくのベレッタM93RMK2が泣いちゃいますよ」
「なッ……!」
遠慮の欠片もないはるかの言葉に、瑞紀はカチンときた。自己ベストである100.000パーセントから比べたら低いが、標的中心円命中率が80パーセント以上という数字は決して悪いものではない。素人では、40パーセントもいけばいい方なのだ。
「あたしがこれ以上の数字を出したら、M93RMK2を撃たせてもらえませんか?」
「そんなこと……」
瑞紀の言葉を遮るように、アランが笑いながら言った。
「特別捜査官の平均値が82.5パーセントくらいだ。西新宿署の刑事の腕前がどの程度か見せてもらおうか?」
「アラン……」
楽しそうなアランの顔を見て、瑞紀は呆れたようにため息をついた。それとは対照的に、はるかは顔を輝かせた。
「はいッ! ぜひ、やらせてくださいッ! あ、でも……警察って緊急時以外の発砲が凄くうるさいんですよね。これ使っちゃうと、後で始末書を書かされちゃいます。何でもいいので、銃を貸してもらえませんか?」
左脇に吊ったホルスターにあるSIG P330を見せながら、はるかがアランに頼み込んだ。アランの視線がP330ではなく、はるかの大きな胸に注がれたことを瑞紀は見逃さなかった。
(どうして男って巨乳に弱いのかしら……?)
西園寺凛桜の胸を思い出しながら、瑞紀はムッとした。
「では、俺の銃を貸してあげよう。これでどうだい?」
「わあッ! ワルサーPDPですかッ! それも、VP5じゃないですかッ! <星月夜>って、凄い高性能な拳銃を使ってるんですねッ! あたし、警察辞めて、<星月夜>に就職しようかな?」
手渡されたワルサーPDP-VP5を手に取ると、はるかが狂喜の叫びを上げた。
ワルサーPDP-VP5は、ワルサーP38やPPKと言った往年の名銃を世に送り出したドイツのカール・ヴァルター社の最新式マシンピストルだ。9mmパラベラム弾を18+1発装弾可能で、695gと軽量にも拘わらず、銃口初速418m/s、有効射程距離60mという性能を誇る。無骨なほど角張ったスライドには、レーザー式の光学照準器を装着可能で、正しい照準姿勢以外でも照準が合わせられる近距離射撃に特化した仕様になっている。
中でもアランが使っているVP5というモデルは、赤外線レーザー式の光学照準器を搭載しており、可視光式のように敵に存在を知られることがなかった。
「じゃあ、撃ちますねッ!」
射撃用ゴーグルと防音イヤーマフを身につけて、はるかがワルサーPDP-VP5の銃口を標的に向けた。その完璧とも言える射撃姿勢を見て、瑞紀が驚いた。
(この娘、できるッ!)
ダンッ……、ダンッ……、ダンッ……!
はるかが続けざまに銃爪を引き絞った。9mmパラベラム弾特有の重い銃声が響き渡り、十九発の銃弾が標的中心円へと着弾した。
モニターの点数は、1820/1900だった。標的中心円命中率は95.789パーセントであった。
「どうですか、あたしの腕は……?」
射撃用ゴーグルを外しながら、はるかがニッコリと笑顔を見せた。
「凄えな……」
「信じられない……。初めて使った拳銃で、命中率95パーセント以上なんて……」
アランと瑞紀が驚愕に目を大きく見開いた。瑞紀でさえも、使い慣れたM93RMK2以外では、標的中心円命中率90パーセントを超えることは難しかった。
「約束通り、81.538パーセントを超えたんですから、ベレッタM93RMK2を撃たせてもらえますか?」
「分かったわ……。マガジン一本分だけよ」
仕方なく頷きながら、瑞紀がバーキンからベレッタを取り出してはるかに渡した。はるかは嬉しそうにM93RMK2のグリップを握ると、驚愕の声を上げた。
「凄い軽いッ! M93Rって確か重量は1,170gのはずなのに、全然そんな感じがしないわッ!」
「このMK2は特殊チタン合金が使われていて、880gしかないのよ。全長もM93Rより10mm短い230mmよ」
瑞紀の説明に、はるかが大きな瞳を丸くした。
「それでいて、装弾数が20+1発から38+1発に増えてるんですかッ!」
「ええ……。でも、本当に凄いのは反動制御力よ。撃ってみれば分かるわ」
「反動制御力……?」
はるかが首を捻りながら、M93RMK2の銃口を標的に向けた。
「撃ちますッ!」
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の銃声が響き渡り、三発の銃弾が標的中心円に集弾した。
「これってッ……?」
はるかが驚愕に目を見開きながら、M93Rを見つめた。
「どうかしら? 私が言ったことが分かった?」
「はいッ! 凄いですッ! 銃口がほとんど跳ね上がらないッ! 五十メートル先の標的なのに、三発の着弾位置が五センチしか離れていないッ!」
自動採点装置に表示された標的中心円の映像を指差して、はるかが叫んだ。点数は300/300で、標的中心円命中率100.000パーセントだった。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
続けざまに3点射の連撃音が鳴り響いた。マガジン一本分、三十九発を撃ち終えて、はるかが射撃用ゴーグルと防音イヤーマフを外した。
モニターの数値は3880/3900、標的中心円命中率99.487パーセントだった。三十九発中三十八発が標的中心円で百点、残りの一発が周辺円で八十点という高得点だった。
「こんなに撃ちやすい自動拳銃、初めてですッ! これ、どうやったら手に入るんですかッ?」
興奮に顔を紅潮させながら、はるかが瑞紀に訊ねた。
「残念ながらM93RMK2はもちろん、M93Rも市販されていないわ。ベレッタ社はM93系のマシンピストルを、法執行機関からの需要があった時にだけ生産し供給しているのよ。民間軍隊と言われる<星月夜>でも、サンプルとして入手できたのはそれ一挺だけよ」
「そんなぁ……」
瑞紀の言葉に、はるかはがっくりと肩を落とした。余程M93RMK2が気に入ったようだった。
「お願いします、楪さんッ! お金はいくらでも払いますッ! そのM93RMK2を売ってくれませんか?」
「何を言って……」
「だって、あなたは標的中心円命中率81.538パーセントですよね? あたしの方がM93RMK2を上手く扱えますッ!」
はるかの言葉に、瑞紀はカチンと頭に来た。
「分かったわ。どっちがこの子に相応しいか、よく見ておきなさいッ!」
はるかからM93RMK2を奪い取ると、瑞紀は新しいマガジンを装着して薬室に一発送り込んだ。そして、マガジン・リリース・ボタンを押して一度マガジンを引き抜き、弾丸を補充してから再度マガジンを装着した。
「お、おい……、ミズキ……」
その様子を見ていたアランが顔色を変えた。瑞紀がはるかと張り合おうとしていることが分かったからだ。
「よく見ていなさいッ!」
そう告げると、瑞紀は射撃用ゴーグルも防音イヤーマフも付けずに、その場でM93RMK2を右手で構えた。射座から五メートルも離れた位置だった。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の連撃音が射撃訓練場に響き渡った。三十九発の銃弾すべてが標的中心円に着弾した。モニターの数字は3900/3900、標的中心円命中率100.000パーセントだった。
「どうかしら……? これでも私はM93RMK2に相応しくないかしら?」
空になったマガジンを抜き取り、新しいマガジンを装着してスライドを引きながら瑞紀が訊ねた。薬室に一発送り込むと、一度マガジンを抜いて弾丸を補充してから再び装着した。
「凄い……。この距離から無造作に撃ったのに、全弾命中なんて……」
「さすがだな、瑞紀。<星月夜>の射撃大会で優勝しただけある」
アランの言葉に、はるかが驚きの表情を浮かべた。
「射撃大会の優勝者……?」
民間軍隊と言われる<星月夜>の射撃大会がどれほどのレベルかは、はるかにも容易に想像が付いた。
「早瀬さん、あなたは銃器の取扱いに関しては天才かも知れない。初めて撃つ銃で、標的中心円命中率99パーセント以上なんて、私には不可能よ。でも、このM93RMK2なら誰にも負けない自信があるわ。この銃はすでに、私の腕の一部なのよ」
「……口惜しいけど、完敗です。でも、あたし、決めました。姫川課長を助け出したら、あたしは警察を辞めます。そして、<星月夜>の採用試験を受けます。合格したら、楪さん、射撃大会で勝負してくださいッ!」
はるかの宣言を聞いて、アランが笑いながら告げた。
「ハルカ、ミズキはすでに<星月夜>を退職しているぞ。射撃大会にはもう出られない」
「あッ、そうだった……。では、楪さんとは別の機会に勝負してもらいます。どっちにしろ、自分が好きな銃を選べるなんて、<星月夜>最高ですッ!」
「まあ、動機はどうあれ、これだけの射撃の腕なら俺は大歓迎だな。じゃあ、一日も早く姫川警視を救出するぞ。ハルカも協力してくれ」
「はいッ! もちろんですッ!」
こうして、<星月夜>は有望な新人の青田買いに成功したのだった。
(あとは玲奈さんを助け出すだけね。待ってて、玲奈さん。必ず救い出すから……)
嬉しそうなはるかとアランの様子を見つめながら、瑞紀は玲奈を救出することを改めて心に誓った。
「おかしくなるッ! いやッ! だめえぇッ! 狂っちゃうッ!」
全身の細胞を灼き溶かすほどの壮絶な快感が、玲奈の意識を真っ白に染めた。ウェーブが掛かった濃茶色の髪を舞い乱しながら、玲奈は激しく首を振って悶え啼いた。眉間に深い縦皺を刻み、真っ赤に染まった目尻から随喜の涙を流し、炎の喘ぎを漏らす唇から垂れた涎の糸が揺れていた。
「ひぃいいッ! だめぇえッ! また、イクッ! 許してぇッ! イクぅううッ!」
X字型に縄掛けされた乳房を突き出すように仰け反ると、玲奈はビクンッビックンッと激しく痙攣しながら絶頂を極めた。プシャッと音を立てて蜜液が噴出し、男の腹を淫らに濡らした。
「どっちでイッてるんだ? 前か、後ろか……?」
ベッドに横たわる男が下から玲奈を突き上げながら訊ねた。それとタイミングを合わせるかのように、後ろから玲奈の乳房を揉みしだきながら別の男が猛りきった逸物を突き立てた。
玲奈は膣と尻穴を同時に犯されていたのだ。
「だめぇえッ! 今、イッてるッ! 許してッ! 凄いの来るッ! いやぁああ……!」
二本の男根が薄い粘膜一枚を隔ててゴリゴリと擦れ合い、肉襞と直腸の中で暴れまくった。下半身が灼き溶け、快美の柱が背筋を走り抜けた。脳天を凄まじい落雷が何度も襲い、玲奈の意識を真っ白に灼き溶かした。
絶頂した次の瞬間には、より凄絶な絶頂が襲ってきた。切れ目のない快絶地獄に、玲奈は全身を真っ赤に染めながら本気で悶え啼いた。
「もう、許してぇッ! 死んじゃうッ! また、イクぅううッ!」
ビックンッビックンッと一際大きく痙攣すると、秘唇からシャアッーッという音とともに黄金の潮流が弧を描いて迸った。ガクガクと愉悦の硬直を噛みしめると、玲奈がグッタリと弛緩して男の上に倒れ込んだ。閉じた睫毛がピクピクと震え、全身がビクンビックンッと痙攣を続けていた。
「また気を失ったぜ。壊れちまうんじゃねえのか?」
「そうだな。ボスに献上する前に廃人にしちまったら、さすがにまずいか……」
そう告げると、尻穴を犯していた男が男根を引き抜いた。下から玲奈を突き上げていた男も、彼女の腰を持ち上げながら逸物を濡れた花唇から抜き出した。無造作にベッドの上に横たえられた玲奈は、女性器と尻穴の両方から男たちの放った精液をドロリと垂れ流した。
(やっと……終わった……)
自分の体が痙攣を続けていることさえ、玲奈には分からなかった。限界を遥かに超える快感に、何十回絶頂を極めさせられたのか数え切れなかった。全身が綿のように疲れ切り、指先一本さえ思うように動かせなかった。
(純一郎……、助けて……。あたし……壊れる……)
拉致されてから何日経ったのか、今が昼なのか夜なのかさえも玲奈には分からなかった。分かっているのはしばらくしたら再びこの地獄が続くことだけだった。
最初は二人だった男が、次々と入れ替わった。全部で十人の男に玲奈は輪姦された。多いときには三人の男に一度に犯された。口、女性器、尻穴に同時に男根を挿入されたのだ。限界を超えた快感が拷問であることを、玲奈は初めて知った。
(まただ……)
男たちが玲奈の口にボールギャグを噛ませてきた。同時に黒い布で目を覆われ、視界を奪われた。玲奈が舌を噛んで自殺しないように、また逃げ出さないようにするための措置だった。
「緊縛された美女が目隠しとボールギャグをした姿ってのは、妙にそそるな。もう一回、犯ってもいいか?」
そう告げると男が仰向けに横たわる玲奈の胸を揉みしだき始めた。声からすると、玲奈の尻穴を犯していた男のようだった。
(うそ……まだ、されるの……?)
「ほどほどにしとけよ。本当に壊しちまうぞ……」
「あと一回くらいなら大丈夫さ」
そう告げると、男はヌプリと玲奈の花唇に男根を挿し込んだ。
「んッ、くぅッ……!」
肉襞を抉って膣奥まで貫かれる衝撃に、玲奈が白い喉を仰け反らせた。
「おっ? こいつ、意識を取り戻したぞ。俺のを締め付けてきやがった」
「ほう……。思ったよりも体力があるな。それなら、今度は俺が後ろの穴を担当してやるか」
「分かった。ちょっと待ってろ。起こすから……」
男が貫いたまま、玲奈の体を抱き上げて騎乗位を取った。
(いやッ! もうやめてッ……!)
激しく首を振って髪を舞い乱しながら、玲奈が拒絶の意志を示した。だが、男は玲奈の白い尻を掴むと、羞恥の蕾に男根をめり込ませてきた。
「んッ、ひぃいいいッ……!」
薄い粘膜一枚を隔てて、猛りきった男根が擦れ合い、ぶつかり合った。壮絶な愉悦が腰骨を灼き溶かし、四肢の先端まで甘く痺れさせた。
(いやぁああ……! もう、許してぇえッ!)
黒い目隠しの縁から涙が溢れ、白い頬を伝って流れ落ちた。
姫川玲奈の地獄の時間が再開された。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の銃声が射撃訓練場に響き渡った。十三回の3点射……三十九発の弾丸を撃ち終えると、瑞紀はマガジン・リリース・ボタンを押して空になったマガジンを抜き取った。そして、射座の右脇に設置された自動採点装置のモニターを見た。標的に着弾した弾痕を検出して照準と弾痕のズレを確認したのだ。
(最悪……。照準と弾痕のズレはないわ……)
モニターに表示された点数は2750/3900であり、標的中心円命中率70.051パーセントだった。自己最低記録の更新であった。照準と弾痕にズレがないということは、ベレッタM93RMK2自体には何も問題がないと言うことだ。単純に瑞紀自身が射撃に集中できていない証拠だった。
新しいマガジンを装着すると、瑞紀はスライドを引いて薬室に弾丸を一発送り込んだ。そして、一度マガジンを抜き取り、弾丸を補充してから再度装着した。こうすることにより、薬室内の一発とマガジンの三十八発を合わせて三十九発となり、3点射が十三回撃てるのだ。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
十三回の3点射を終えて空になったマガジンを抜くと、瑞紀は自動採点装置のモニターを確認した。点数は、3180/3900だった。標的中心円命中率81.538パーセントだった。さっきよりはいくらかマシだったが、前回はほとんど100.000パーセントだったのだ。最悪もいいところだった。
(こんなの、弾の無駄だわ。今日は止めよう……)
防音イヤーマフと射撃用ゴーグルを外すと、瑞紀は革グローブを脱いだ。その時、背後から若い女性のはしゃいだ声が聞こえてきた。
「凄いッ! こんなに整った射撃訓練場があるなんてッ! 西新宿署のものとは比べものにならないわッ!」
驚いて振り返ると、アランと一緒に見たことがある女性が立っていた。西新宿署で瑞紀の取り調べをした女性刑事だった。
(何で彼女がここに……?)
「やあ、ミズキ……。ここにいたのか? 紹介しよう。西新宿署組織犯罪対策課の早瀬はるか巡査だ。ハルカ、彼女は<星月夜>の元特別捜査官で、楪瑞紀。今は、<楪探偵事務所>の所長をしている」
「先日はどうも……」
瑞紀が頭を下げた途端、はるかが驚愕に大きく目を見開いた。
「それって、ベレッタM93Rですかッ! 本物って、初めて見たッ! あれ? 違うッ! 三色カラーに、マズルブレーキの形状が違うッ! もしかして、新型ッ……? M93RMK2ですかッ!」
試射台に駆け寄ると、はるかは目を輝かせながらかぶりつくようにM93RMK2を見つめた。
「ち、ちょっと……」
「M93Rだけでも滅多に見られないのに、M93RMK2だなんてッ! 触ってもいいですかッ!」
「だ、だめに決まってるでしょッ! 玩具じゃないんだから……」
はるかの態度に驚きながら、瑞紀が慌ててM93RMK2を手に取った。
「えーッ! そんなぁ……! お願いしますッ! 触るだけでいいですからッ!」
「バカなこと言わないでッ! ちょっと、アラン! どういうことなのッ?」
瑞紀は安全装置をロックしてM93RMK2をバーキンにしまうと、アランの方を見ながら訊ねた。警視庁の刑事をこの<星月夜>の射撃訓練場に案内するなど、聞いたこともなかった。
「いや、さっき上で話をしていて仲良くなってね……。どうしても射撃訓練場が見たいって言うから……。まさか、これほどの拳銃オタクだとは思いもしなかった……」
アランが苦笑いを浮かべながら、頭を掻いた。
「あたしは拳銃オタクなんかじゃありませんッ! 銃器オタクなんですッ! 拳銃だけでなく、アサルトライフルやサブマシンガンなど、何でもOKなんですッ! 一緒にしないでくださいッ!」
はるかの宣言に、瑞紀とアランは顔を見合わせた。
「3180/3900……。標的中心円命中率81.538パーセントですか? まあまあですね。でも、この程度の成績じゃ、せっかくのベレッタM93RMK2が泣いちゃいますよ」
「なッ……!」
遠慮の欠片もないはるかの言葉に、瑞紀はカチンときた。自己ベストである100.000パーセントから比べたら低いが、標的中心円命中率が80パーセント以上という数字は決して悪いものではない。素人では、40パーセントもいけばいい方なのだ。
「あたしがこれ以上の数字を出したら、M93RMK2を撃たせてもらえませんか?」
「そんなこと……」
瑞紀の言葉を遮るように、アランが笑いながら言った。
「特別捜査官の平均値が82.5パーセントくらいだ。西新宿署の刑事の腕前がどの程度か見せてもらおうか?」
「アラン……」
楽しそうなアランの顔を見て、瑞紀は呆れたようにため息をついた。それとは対照的に、はるかは顔を輝かせた。
「はいッ! ぜひ、やらせてくださいッ! あ、でも……警察って緊急時以外の発砲が凄くうるさいんですよね。これ使っちゃうと、後で始末書を書かされちゃいます。何でもいいので、銃を貸してもらえませんか?」
左脇に吊ったホルスターにあるSIG P330を見せながら、はるかがアランに頼み込んだ。アランの視線がP330ではなく、はるかの大きな胸に注がれたことを瑞紀は見逃さなかった。
(どうして男って巨乳に弱いのかしら……?)
西園寺凛桜の胸を思い出しながら、瑞紀はムッとした。
「では、俺の銃を貸してあげよう。これでどうだい?」
「わあッ! ワルサーPDPですかッ! それも、VP5じゃないですかッ! <星月夜>って、凄い高性能な拳銃を使ってるんですねッ! あたし、警察辞めて、<星月夜>に就職しようかな?」
手渡されたワルサーPDP-VP5を手に取ると、はるかが狂喜の叫びを上げた。
ワルサーPDP-VP5は、ワルサーP38やPPKと言った往年の名銃を世に送り出したドイツのカール・ヴァルター社の最新式マシンピストルだ。9mmパラベラム弾を18+1発装弾可能で、695gと軽量にも拘わらず、銃口初速418m/s、有効射程距離60mという性能を誇る。無骨なほど角張ったスライドには、レーザー式の光学照準器を装着可能で、正しい照準姿勢以外でも照準が合わせられる近距離射撃に特化した仕様になっている。
中でもアランが使っているVP5というモデルは、赤外線レーザー式の光学照準器を搭載しており、可視光式のように敵に存在を知られることがなかった。
「じゃあ、撃ちますねッ!」
射撃用ゴーグルと防音イヤーマフを身につけて、はるかがワルサーPDP-VP5の銃口を標的に向けた。その完璧とも言える射撃姿勢を見て、瑞紀が驚いた。
(この娘、できるッ!)
ダンッ……、ダンッ……、ダンッ……!
はるかが続けざまに銃爪を引き絞った。9mmパラベラム弾特有の重い銃声が響き渡り、十九発の銃弾が標的中心円へと着弾した。
モニターの点数は、1820/1900だった。標的中心円命中率は95.789パーセントであった。
「どうですか、あたしの腕は……?」
射撃用ゴーグルを外しながら、はるかがニッコリと笑顔を見せた。
「凄えな……」
「信じられない……。初めて使った拳銃で、命中率95パーセント以上なんて……」
アランと瑞紀が驚愕に目を大きく見開いた。瑞紀でさえも、使い慣れたM93RMK2以外では、標的中心円命中率90パーセントを超えることは難しかった。
「約束通り、81.538パーセントを超えたんですから、ベレッタM93RMK2を撃たせてもらえますか?」
「分かったわ……。マガジン一本分だけよ」
仕方なく頷きながら、瑞紀がバーキンからベレッタを取り出してはるかに渡した。はるかは嬉しそうにM93RMK2のグリップを握ると、驚愕の声を上げた。
「凄い軽いッ! M93Rって確か重量は1,170gのはずなのに、全然そんな感じがしないわッ!」
「このMK2は特殊チタン合金が使われていて、880gしかないのよ。全長もM93Rより10mm短い230mmよ」
瑞紀の説明に、はるかが大きな瞳を丸くした。
「それでいて、装弾数が20+1発から38+1発に増えてるんですかッ!」
「ええ……。でも、本当に凄いのは反動制御力よ。撃ってみれば分かるわ」
「反動制御力……?」
はるかが首を捻りながら、M93RMK2の銃口を標的に向けた。
「撃ちますッ!」
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の銃声が響き渡り、三発の銃弾が標的中心円に集弾した。
「これってッ……?」
はるかが驚愕に目を見開きながら、M93Rを見つめた。
「どうかしら? 私が言ったことが分かった?」
「はいッ! 凄いですッ! 銃口がほとんど跳ね上がらないッ! 五十メートル先の標的なのに、三発の着弾位置が五センチしか離れていないッ!」
自動採点装置に表示された標的中心円の映像を指差して、はるかが叫んだ。点数は300/300で、標的中心円命中率100.000パーセントだった。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
続けざまに3点射の連撃音が鳴り響いた。マガジン一本分、三十九発を撃ち終えて、はるかが射撃用ゴーグルと防音イヤーマフを外した。
モニターの数値は3880/3900、標的中心円命中率99.487パーセントだった。三十九発中三十八発が標的中心円で百点、残りの一発が周辺円で八十点という高得点だった。
「こんなに撃ちやすい自動拳銃、初めてですッ! これ、どうやったら手に入るんですかッ?」
興奮に顔を紅潮させながら、はるかが瑞紀に訊ねた。
「残念ながらM93RMK2はもちろん、M93Rも市販されていないわ。ベレッタ社はM93系のマシンピストルを、法執行機関からの需要があった時にだけ生産し供給しているのよ。民間軍隊と言われる<星月夜>でも、サンプルとして入手できたのはそれ一挺だけよ」
「そんなぁ……」
瑞紀の言葉に、はるかはがっくりと肩を落とした。余程M93RMK2が気に入ったようだった。
「お願いします、楪さんッ! お金はいくらでも払いますッ! そのM93RMK2を売ってくれませんか?」
「何を言って……」
「だって、あなたは標的中心円命中率81.538パーセントですよね? あたしの方がM93RMK2を上手く扱えますッ!」
はるかの言葉に、瑞紀はカチンと頭に来た。
「分かったわ。どっちがこの子に相応しいか、よく見ておきなさいッ!」
はるかからM93RMK2を奪い取ると、瑞紀は新しいマガジンを装着して薬室に一発送り込んだ。そして、マガジン・リリース・ボタンを押して一度マガジンを引き抜き、弾丸を補充してから再度マガジンを装着した。
「お、おい……、ミズキ……」
その様子を見ていたアランが顔色を変えた。瑞紀がはるかと張り合おうとしていることが分かったからだ。
「よく見ていなさいッ!」
そう告げると、瑞紀は射撃用ゴーグルも防音イヤーマフも付けずに、その場でM93RMK2を右手で構えた。射座から五メートルも離れた位置だった。
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
ダンッ、ダンッ、ダンッ……!
3点射特有の連撃音が射撃訓練場に響き渡った。三十九発の銃弾すべてが標的中心円に着弾した。モニターの数字は3900/3900、標的中心円命中率100.000パーセントだった。
「どうかしら……? これでも私はM93RMK2に相応しくないかしら?」
空になったマガジンを抜き取り、新しいマガジンを装着してスライドを引きながら瑞紀が訊ねた。薬室に一発送り込むと、一度マガジンを抜いて弾丸を補充してから再び装着した。
「凄い……。この距離から無造作に撃ったのに、全弾命中なんて……」
「さすがだな、瑞紀。<星月夜>の射撃大会で優勝しただけある」
アランの言葉に、はるかが驚きの表情を浮かべた。
「射撃大会の優勝者……?」
民間軍隊と言われる<星月夜>の射撃大会がどれほどのレベルかは、はるかにも容易に想像が付いた。
「早瀬さん、あなたは銃器の取扱いに関しては天才かも知れない。初めて撃つ銃で、標的中心円命中率99パーセント以上なんて、私には不可能よ。でも、このM93RMK2なら誰にも負けない自信があるわ。この銃はすでに、私の腕の一部なのよ」
「……口惜しいけど、完敗です。でも、あたし、決めました。姫川課長を助け出したら、あたしは警察を辞めます。そして、<星月夜>の採用試験を受けます。合格したら、楪さん、射撃大会で勝負してくださいッ!」
はるかの宣言を聞いて、アランが笑いながら告げた。
「ハルカ、ミズキはすでに<星月夜>を退職しているぞ。射撃大会にはもう出られない」
「あッ、そうだった……。では、楪さんとは別の機会に勝負してもらいます。どっちにしろ、自分が好きな銃を選べるなんて、<星月夜>最高ですッ!」
「まあ、動機はどうあれ、これだけの射撃の腕なら俺は大歓迎だな。じゃあ、一日も早く姫川警視を救出するぞ。ハルカも協力してくれ」
「はいッ! もちろんですッ!」
こうして、<星月夜>は有望な新人の青田買いに成功したのだった。
(あとは玲奈さんを助け出すだけね。待ってて、玲奈さん。必ず救い出すから……)
嬉しそうなはるかとアランの様子を見つめながら、瑞紀は玲奈を救出することを改めて心に誓った。
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