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第2章 櫻華の嵐
3 限界なき快絶
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「昨日の今日で連絡をもらうとは思わなかった……」
テーブルに置かれた赤ワインのグラスを手に取ると、神崎が一口飲んでから告げた。
麗華が話があると連絡すると、神崎は新宿プリンスホテルの最上階にあるこのラウンジを指定してきた。窓際のカップル・シートからは、西新宿の高層ビルの夜景が一望できた。「宝石箱をひっくり返したような夜景」という言葉があるが、まさにその通りだった。
(こんなお店来るの、いつ以来かしら……?)
昔付き合っていた男と夜景が見えるレストランに来たのは、たしか二十歳の誕生日だったことを麗華は思い出した。麗華は手に持ったワイングラス越しに神崎を見つめると、ドキドキと高まる鼓動を抑えながら口を開いた。
「あたし、<星月夜>の情報部員なの。<櫻華会>とあなたのことを調べたわ」
赤ワインを一口飲むと、木なりの果実の香りとともに芳醇でコクのある味わいが口の中に広がった。想像以上のワインの味に驚きながら、麗華はメインディッシュである子牛のシャトーブリアンにナイフを入れた。一口サイズに切り取って口に入れると、舌の上で蕩けるように柔らかかった。
「ほう……。そんなに俺のことが気になるのか? それとも、昨日のセックスが忘れられないのか?」
「バカなこと、言わないでッ! そんなんじゃないわッ!」
図星を突いた神崎の言葉に、麗華はカアッと顔を赤らめながら叫んだ。思いの外に声が大きくなり、周囲の客が麗華を見つめてきた。その視線を感じ、さらに麗華は顔を赤らめた。
だが、実際に神崎とのセックスは、麗華が今まで経験したどれよりも凄かった。あれほど感じたことは、いまだかつて一度もなかった。数え切れないほどの絶頂を極め、女として最も恥ずかしい失禁までしたのだ。セックスで失神したことなど、生まれて初めてだった。
今夜の待ち合わせに新宿プリンスホテルを指定されたとき、麗華の女は期待に疼いた。急いで家に戻ると、シャワーを浴びてラペルラの真っ赤なランジェリーを身につけた。上下セットで十万円もする、いわゆる大人の勝負下着と言われるブランドだった。今夜も神崎に抱かれることを期待している自分がいるのは、隠しようもない事実だった。
「神崎純一郎……。西暦二〇二七年十一月二十六日生まれ。三十一歳。指定暴力団<櫻華会>若頭。東京大学法学部を三年生の五月に中退して、<櫻華会>に入る。育ての親であり会頭の鳴門讓司の後見で早くから頭角を現し、二十七歳という若さで若頭補佐に就任する。その後、二十九歳で若頭となって、実質的に<櫻華会>の全権を掌握する……」
麗華が<星月夜>のサーバーにあった神崎のデータを告げた。そして、挑むような視線で神崎の顔を真っ直ぐに見つめた。
「よく調べたな。だが、それが俺のすべてじゃないぞ」
楽しそうな笑みを浮かべながら、神崎が言った。麗華が自分に興味を持ったことなど、まるで見通しているような笑いだった。
(口惜しい……。あたしばっかり夢中になってるみたいじゃない)
「そんなこと、分かっているわ。あたしがあなたに連絡した理由はこれからよ」
そう告げると、麗華はグラスに半分ほど残っていたワインを一気に飲み干した。神崎がワインボトルを手に取って、麗華のグラスに赤ワインを注いだ。ワイン通でもない麗華でも聞いたことがある銘柄だった。これ一本で数万円はするだろうと思った。
「<櫻華会>の歴史は思ったよりもずっと古かったわ。第二次世界大戦前から続いていて、今年で百三十八年にもなる。今の会頭である鳴門讓司は七代目だけど、すでに七十八歳と高齢だわ。その跡目として最も有力なのは、若頭であるあなた、神崎純一郎……」
「そんなに俺のことが気になるのか?」
「茶化さないでッ!」
カアッと顔を赤らめながら神崎の言葉を遮ると、麗華が話を続けた。
「<櫻華会>の構成員は現在二百七十三人。そして、あなたの他に若頭がもう一人いるわ。<一条組>組長の一条天翔よ。彼の下には、<櫻華会>きっての武闘派である若頭補佐、九鬼雷銅が付いているわ」
「そこまでにしておけ。遊び半分で首を突っ込むと、火傷じゃすまねえぞ」
神崎が鋭い視線で麗華を見据えた。一条と九鬼が<櫻華会>の跡目を狙っていることは十分に承知していた。そして、彼らがどれほど危険な存在かも理解していた。麗華が彼らのことを嗅ぎ回っていると知ったら、どんな危険が彼女に及ぶか容易に想像できた。
「あなたは今、非常に危うい立場にいる。一条たちとあなたの間で跡目争いが起こる確率は、非常に高いわ。そこで、あたしはあなたのために一条たちの動向を探ることにした。本来ならヤクザの内部抗争なんて興味ないんだけど、知り合いがそれに巻き込まれて死んだら寝覚めが悪いしね……」
そう告げると、麗華はワイングラスを右手で掴んで一口飲んだ。そして、神崎の反応を伺うように、上目遣いでチラリと彼を見た。
「麗華、お前、そんなに俺に抱かれたいのか?」
「ば、バカなこと言わないでッ! あたしは、あなたのために……」
神崎の言葉にカアッと顔を赤らめると、麗華はそれを否定した。だが、神崎は麗華に最後まで言わせなかった。
「抱かれたいのなら、抱いてやる。部屋を取ってある。ついて来いッ!」
そう告げると、神崎は伝票を手に取って席を立った。そして、麗華を振り向きもせずに入口のレジカウンターに向かって歩き出した。
「ち、ちょっと、待って……、待ちなさいよッ!」
麗華はバッグを掴んで慌てて席を立つと、神崎の背中に向かって叫んだ。だが、神崎は麗華の声など聞こえないかのようにそのまま歩き去った。
(何なのよ、こいつ……。このまま付いていったら、抱いてくださいってお願いしているみたいじゃない! 冗談じゃないわ! このまま帰ってやるッ!)
入口のレジカウンターで会計をしている神崎を無視して、麗華はエレベーターホールに向かった。そして、苛つく気持ちのままに、エレベーターの呼び出しボタンを何度も押した。エレベーターはなかなか来なかった。
不意に視界が滲んだ。茶色い瞳から涙が溢れて、ツッツゥーっと白い頬を伝って流れ落ちた。
(せっかく気合いを入れてお洒落してきたのに、バカみたい……)
自分で自分が情けなくなった。プラダの新しい靴を下ろして、ラペルラの真っ赤なランジェリーまで着てきたのがすべて無駄になった。
麗華は自分が神崎に惹かれていることに気づいていた。いや、すでに好きになっていた。
神崎がどんな男なのか知りたくて、瑞紀に連絡を取った。情報部情報課という立場を利用して、神崎のことを調べた。そして、神崎が危険な立場にいることを知ると、力になりたいと思った。それ以上に、神崎にもう一度会いたかった。抱いて欲しかった。
そのすべてを否定されたのだ。単に神崎とのセックスだけを求める厭らしい女だと見られたのだ。
「……くッ……やだ……もう……こんなの……」
気づいたら嗚咽が止まらなくなっていた。麗華はエレベーターホールに膝をつくと、両手で顔を覆って泣き出した。
しばらく肩を震わせていると、目の前に人の気配がした。真っ赤に泣きはらした眼で見上げると、神崎が優しい眼差しで麗華を見下ろしていた。
「悪かった……。少し、言い方がきつかったな」
その言葉を聞くと、麗華は立ち上がって神崎の胸の中に飛び込んだ。そして、両手を握り締めると、神崎の胸を叩き始めた。
「ばかッ……! あんたなんて、嫌いッ!」
泣きじゃくる麗華の背中に、神崎の力強い腕が廻された。そして、麗華を強く抱き締めながら、神崎が耳元で囁いた。
「俺はお前みたいな面倒くさい女、嫌いじゃないぞ……」
「ばか……あたしは、あなたみたいな男、大っ嫌いよ……」
そう告げると、麗華は神崎の背中に腕を廻して抱きついた。
エレベーターの到着音が鳴り、扉が開いた。神崎は床に落ちていた麗華のバッグを拾い上げると、彼女の肩を抱きながらエレベーターに乗り込んだ。そして、予約した部屋がある二十四階のボタンを押した。
新宿プリンスホテルの二十四階にあるスイートルームに入ると、神崎はリビングのソファに麗華を座らせた。そして、備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを一本取り出すと、キャップを開けて麗華に渡した。
「このホテルはルームサービスがないらしい。悪いが、これで我慢してくれ……」
「ありがとう……」
真っ赤になった鼻をハンカチで隠しながら、麗華は差し出されたペットボトルを受け取った。よく冷えたミネラルウォーターは、心地よく渇いた喉を潤してくれた。
(きっと、あたし、ひどい顔している……。メイクが落ちて、お化けになってるかも……)
外で泣いたのはいつ以来だろうと、麗華は考えた。三年前、男に捨てられたときが最後かも知れなかった。
「麗華、お前が俺のために色々と調べようとしてくれたことは分かった。だが、これ以上は首を突っ込まないでくれ……」
「……」
麗華は黙って神崎の顔を見つめた。
(やっぱり、迷惑なんだ……)
「たぶん、今の俺はお前が考えている以上に危険な立場にいる。命を狙われたのも、一度や二度じゃない。相手はさっきお前が言った一条たちだ……」
「それなら、なおさら情報を……」
神崎はさっき、自分のことを嫌いじゃないと言って抱き締めてくれた。そうであれば、なおのこと神崎の力になりたいと麗華は思った。
「これ以上深入りすると、お前の身が危険なんだ。お前が俺のアキレス腱だと知ったら、奴らはお前に何をしてくるか分からない。それくらい、一条たちは危ない連中だ」
「あたしが、神崎さんのアキレス腱……?」
まるで、お前は俺の大切な女だと言われた気がした。
(だめよ、この人はヤクザ……。甘い言葉で女を騙すのが商売よ……)
頭ではそう考えるのだが、気持ちはそれを否定した。
「隠し立てするのは性に合わない。確かに、俺はお前に惹かれている。だからこそ、俺にこれ以上近づいて欲しくない。本当に危険なんだ」
「神崎さん……」
驚きと嬉しさのあまり、麗華は神崎の顔を見つめた。神崎が麗華の左隣に腰を下ろしてきた。彼の右手が肩に廻され、麗華は強い力で抱き寄せられた。神崎の広い胸に抱きすくめられながら、麗華は潤んだ瞳で神崎を見つめた。
「純一郎でいい……」
(だめ……、流されちゃ……)
近づいてきた神崎の顔を避けるように、麗華はフイッと顔を逸らしながら囁いた。
「あたし、純一郎さんのこと……嫌いです……」
「そうか……」
神崎が麗華の左耳に口づけをした。そして、舌をすぼめて耳穴に入れると、熱い息とともに舐りだした。
「あッ……いやッ……嫌いって……言ったのに……アッ、アァッ……!」
ゾクゾクとした愉悦とともに、脳髄さえ蕩かせるような峻烈な快感が走った。麗華は白い喉を仰け反らせると、ビクンッと体を震わせながら大きく喘いだ。その瞬間を待っていたかのように、純一郎が麗華の唇を塞いだ。そして、ネットリと麗華の舌を絡め取ると濃厚な口づけを交わしてきた。
「んッ……んはッ……んぁ……んくッ……んはぁッ……」
嫌いという言葉を否定するかのように、麗華は自ら積極的に舌を絡めた。
(気持ちいい……純一郎のキス……。あッ……脱がされる……)
純一郎の左手が麗華の背中に廻された。そしてうなじにあるファスナーを探り当てると、ゆっくりと下ろしていった。腰までファスナーを下げると、純一郎は濃紺色のワンピースを麗華の両腕から抜き取った。
「イヤらしい下着だな……。俺好みだ……」
ラペルラの真っ赤なブラジャーが純一郎の目の前に晒された。薄いレース地に花の模様をあしらったセクシーなデザインだ。白い乳房は当然のこと、ツンと突き勃った乳首さえも透けて見えた。
「いや……恥ずかしい……」
カアッと顔を赤らめると、麗華は両手で胸を掻き抱いた。麗華はこの下着を選んだことを後悔した。誰が見ても、抱かれに来ましたと告げているようなものだった。
「下も見せてみろ……」
「あッ……やだ……やめッ……」
純一郎は麗華の腰を左手で持ち上げると、ワンピースをずり下げて両脚から抜き払った。ブラジャーと同じ薄いレースの下着が純一郎の視線に晒された。柔らかな叢だけでなく、羞恥の肉扉さえも透けていた。純一郎が慣れた手つきでくるくると黒いストッキングを丸めながら脱がせた。真っ白な裸身に真紅のラペルラが鮮やかに際立ち、濃艶な女の色気を放った。
(やっぱり、着てくるんじゃなかった……。恥ずかしいッ……)
耳まで真っ赤に染め上げると、麗華は右手で豊かな乳房を、左手で羞恥の源泉を慌てて隠した。全裸にされるよりも恥ずかしかった。
「凄い下着だな。よく見せてくれ……」
「きゃッ……いやッ……!」
純一郎は麗華の両手首を握り締めると、万歳をするように後ろの壁に押しつけた。麗華は羞恥に赤く染まった顔を横に逸らすと、純一郎の欲望に滾った視線に耐えた。まるで体中を舌で舐め廻されているように感じ、見られているだけで全身がカアッと燃え上がった。
「いつもこんな下着を着けているのか?」
「ちがう……。純一郎に会うから……」
そこまで言って、麗華は自分が何を口走ったのか気づき、全身を真っ赤に染めた。抱かれに来ましたと自分から告白したようなものだった。
「そうか……。俺に見せに来たんだな」
「……」
ニヤリと笑みを浮かべながら告げた純一郎の言葉に、麗華は恥ずかしそうに小さく頷いた。今更、誤魔化しようもなかった。
「高いんだろう……? いくらした……?」
「十万……」
「そうか……。では、汚したら俺が買ってやる……」
そう告げると、純一郎は下着の上から麗華の左乳首を唇で啄んだ。そして、硬く尖った媚芯を転がすように舌で舐り始めた。左手で右の乳房をシナシナと揉みしだくと、その中心でツンと尖りきった蕾をコリコリと扱いてきた。
そして、右手は羞恥の肉扉を何度も擦り上げ、その上にある肉の尖りを爪先で引っ掻き始めた。
「あッ、だめッ……! いやッ……! そこ、やぁあッ! アッ、アッ、アァアアッ……!」
何カ所もの女の弱点を同時に責められ、麗華はグンッと顎を突き出しながら大きく仰け反った。無意識に純一郎の頭を両手で抱くと、豊かな乳房を押しつけるように引き寄せた。腰骨が灼けるように熱くなり、羞恥の源泉から蜜が溢れるのが自分でも分かった。ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げ、脳天に落ちた雷撃が四肢の先端まで甘く痺れさせた。
「お願い……ここじゃ、いや……ベッドに……」
熱い喘ぎを漏らしながら、麗華が官能に蕩けた瞳で純一郎の顔を見つめた。革張りのソファを蜜液で汚すのが恥ずかしかったのだ。
「分かった。俺のことを好きだと認めたら連れて行ってやる」
「嫌いって……言ってるでしょ……」
そう告げると、麗華は純一郎に抱きついた。そして、その魅力的な唇を自分から純一郎に重ねた。これが答えだと言うように、激しく舌を絡めて濃厚な口づけを交わした。
純一郎が麗華を抱き上げると、隣の寝室まで運んだ。そして、クィーンサイズの大きなベッドの上に、麗華の体を横たえた。
「もう一度聞く……。俺のことを好きか?」
「嫌い……です」
右手で豊かな胸を、左手で羞恥の源泉を隠しながら麗華が答えた。その言葉を聞くと、純一郎は嬉しそうな笑みを浮かべた。
「では、本当に俺を嫌っているのかをお前の体に聞いてやる」
純一郎は麗華の体にのしかかると、慣れた手つきでブラジャーのフロントホックを外した。ラペルラの赤いブラジャーが二つに割れ、白く豊かな乳房がプルンと揺れながら外気に晒された。
「いや……はずかしい……」
真っ赤に顔を染めながら、麗華は慌てて両手で胸を隠そうとした。だが、純一郎は麗華の両手首を一つに纏めて左手で握ると、頭の上でベッドに押しつけた。そして、右手で左の乳房をシナシナと揉み上げると、ツンと突き勃った媚芯を指先で摘まんでコリコリと扱いた。。
「あんッ……! いやッ……! だめッ……!」
純一郎の唇が、右乳房の中心で硬く屹立している乳首を啄んだ。そして、歯で甘噛みしながら舌先でその先端を転がし始めた。二つの蕾から峻烈な快感が迸り、麗華は白い喉を仰け反らせて熱い喘ぎを漏らした。
麗華の両手から力が抜けたことを確認すると、純一郎は左手で乳房を揉みしだきながら、麗華の首筋から耳にかけてネットリと舌を這わせた。そして、真っ赤に染まっている耳たぶを甘噛みすると、耳穴に舌を挿し込んでピチャピチャと音を立てながら舐り始めた。
純一郎を見つめる瞳がトロンッと蕩け、麗華の声色が甘く変わってきた。
「あッ……だめッ……! それッ……いやッ……! ひぃッ……アッ、アッ、アァアッ!」
純一郎の右手が、麗華の脇腹を撫ぜながらパンティの中へと入っていった。そして、その繊毛の柔らかさをしばらく楽しんだ後、濡れた肉扉をなぞりあげた。
女の最も秘めたい花苑に指を這わされ、麗華は赤く染まった貌をフルフルと横に振った。亜麻色の髪が舞い乱れ、濃厚な色香を撒き散らした。
「あッ、だめぇえッ……! そこッ、いやぁッ……! アッ、ヒィッ、アッ、アアァッ……!」
グチュッという樹液の音を奏でながら、純一郎が右手の指を二本濡れた花唇に挿し入れた。そして、鉤状に折り曲げると、天井の粒だった肉襞をコリコリと刺激し始めた。
女の急所の一つである天井部分を襲う淫撃に、麗華はビクンと腰を浮かせると大きく仰け反った。クチュクチュと淫猥な音色が鳴り響き、ラペルラの下着が赤黒く色を変えていった。
「嫌いな男の手でイッたりしないよな……」
「当然……よ……。イクはず……ない……」
官能に蕩けきった瞳で純一郎を見つめながら、麗華が小さく頷いた。腰骨が熱く燃え上がり、全身に鳥肌が沸き立っているのが自分でも分かった。ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げ、全身がビクッビクッと震えていた。このまま続けられたら、すぐにでも愉悦の頂点を極めそうだった。
「では、絶対にイクなよ……」
「あッ、いやッ……!」
純一郎が両手を麗華の腰に当てると、ラペルラの下着をずり下ろして両脚から抜き去った。そして、麗華の太股を掴むと、大きく両脚を開いた。秘しておきたい羞恥の源泉を露わにされて、恥ずかしさで麗華は真っ赤に顔を染め上げた。
ズプッと樹液の音を奏でて、純一郎が右手の中指と薬指を花唇に挿し込んできた。その指を鉤状に折り曲げると、麗華の快感の源を激しく擦り始めた。
「いやッ……やめッ……ひぃいッ!」
麗華の白い喉が、グンッと仰け反った。純一郎が左手で叢をかきわけ、その下にある突起の薄皮をクルンと剥き上げたのだ。そして、真っ赤に充血している真珠粒をネットリと舌で舐り始めた。
Gスポットと真珠粒という女の二大弱点を同時に責められ、麗華は亜麻色の髪を振り乱しながら激しく顔を振った。指先まで痺れるような快感に、一瞬たりともじっとしていられなかった。
腰骨を灼き溶かすような愉悦に、麗華の腰が淫らに動いた。ビッショリと濡れた花唇からは、恥ずかしい飛沫が散ってシーツに模様を描いた。
「あッ……だめッ……ひぃッ……いやッ……アッ、アァッ……だめぇッ!」
快美の炎が麗華の全身を灼いた。凄まじい快感が背筋を駆け抜けて、脳天に雷撃を落とした。
(だめッ、イッちゃうッ……! アッ、アァッ……! イクッ……!)
麗華が絶頂を極めようと仰け反った瞬間、純一郎がすべての動きを止めた。
「あッ……、あぁ……?」
(何で……? もう少し、だったのに……?)
目尻から涙を滲ませながら、麗華が純一郎の顔を恨めしそうに見つめた。愉悦の直前で放り出された女体は、狂おしいほど渇望にブルブルと震えていた。
「嫌いな男の手で、イクはずないんだよな……?」
ニヤリと笑みを浮かべながら、純一郎が告げた。その笑いを見て、麗華はカアッと顔を赤らめた。
(わざとだわッ……! この人、焦らすつもりなんだッ……!)
純一郎の意図を察すると、麗華はプイッと横を向いた。文句を言おうと思ったが、ハァハァと息が切れて言葉にならなかったのだ。
「生意気な態度だな。まあ、いい……。イキたければ、素直になれ。俺を好きだと認めろ。そうすれば、イカせてやるッ……!」
そう告げると、純一郎は猛りきった男を麗華の花唇に充てがい、グチュッっと音を立てて貫いてきた。
「アァアァアアッ……!」
快美の火柱が肉襞を抉りながら最奥まで貫いた瞬間、麗華は背中を大きく仰け反らせながら啼いた。カアッと腰骨が灼かれて、快絶の炎が全身に広がった。体中にザワッと鳥肌が沸き立ち、ビクッビクッと麗華は痙攣を始めた。
(だめッ……! 気持ちいいッ……! イッちゃうッ……!)
そう思った瞬間、ズズッと肉襞を擦りながら、男が引き抜かれた。
「あ……はぁああ……」
麗華の腰が男を追いかけるように動いた。女の本能がそうさせたのだ。
「どうした、麗華? そんなにイヤらしく腰を振って……? これが欲しいのか……?」
ニヤリと笑みを浮かべると、純一郎は自分の男で真っ赤に濡れ光る真珠粒をコリコリと擦り上げた。
「あッ、いやッ……アッ、アッ、アァアアッ……!」
昂ぶりきった女体が、その暴虐に耐えられるはずなどなかった。男の動きに合わせて、麗華の腰が浅ましくうねった。だが、純一郎はすっと男を外して麗華を見下ろした。
「欲しいなら、素直になれ。『麗華のオマ×コに、大好きな純一郎様のチ×ポを挿れててください』と、お願いしてみろッ……!」
「そんなこと……言えない……」
純一郎の告げた言葉を耳にした瞬間、麗華は恥ずかしさのあまり真っ赤に染まった貌をフイッと横に逸らせた。そんな恥ずかしい言葉を口に出せるはずがなかった。だが、純一郎は麗華の拒絶を嘲笑うかのように、ヌプリと音を立てて猛りきった男を麗華の女に挿し入れた。
「アッ、アッ、アッ……いやぁあ……!」
純一郎の男が女の急所をゴリゴリと三回擦り上げた。そして、肉襞を抉りながら一気に最奥まで貫いた。
「ひぃいいぃいッ……!
麗華が大きく仰け反った瞬間、純一郎は彼女の中から男を抜き去った。麗華の腰が、純一郎の男を追いかけるように激しく動いた。
「麗華、お願いしたら挿れてやるぞ……」
「……言え……ない……」
麗華が羞恥に赤く染まった貌をフルフルと横に振った。だが、その焦げ茶色の瞳には女の情欲が火焔となって燃えていた。
(こんなの、我慢できない……! 早く、欲しいッ……!)
純一郎の両手が豊かな乳房をわしづかみ、激しく揉みしだき始めた。同時に、ツンと突き勃った媚芯を指先で摘まみ上げた。
「アッ、アッ、アァアアッ……!」
胸から広がる甘い喜悦と乳首からの峻烈な愉悦に、麗華は全身に鳥肌を沸き立てながらビクンッと大きく仰け反った。その瞬間、猛りきった男で肉襞を擦り上げられ、最奥まで一気に貫かれた。
「ひぃいいいッ……! だめぇえッ!」
腰骨を灼き溶かすような凄まじい愉悦が全身を襲った。麗華はグンッと白い顎を仰け反らせると、絶頂への階段を駆け上った。赤く染まった目尻から随喜の涙が溢れ、熱い喘ぎを放った唇の端から涎の糸が垂れ落ちた。
(イッちゃうッ……! だめッ、イクッ……!)
歓喜の頂点を極めようとした寸前に、純一郎の両手が乳房から離れ、快美の火柱が引き抜かれた。
「いやぁあッ……!」
麗華は本気で悶え啼いた。絶頂の直前で放り出された女体は、ブルブルと震えていた。
(こんなの……非道いッ! おかしく……なるッ……!)
凄まじい淫欲と渇望とが、麗華の意識を灼き尽くした。その様子を見極めるかのように、純一郎が耳元で囁いた。
「麗華、素直になれ……。どうして欲しい……?」
「挿れて……。突いて……。もう、我慢できないの……」
これ以上焦らされたら、気が狂いそうだった。麗華は大粒の涙を流しながら哀願した。
「何て言うか、覚えているか……?」
ニヤリと笑みを浮かべて告げた純一郎の言葉に、麗華は唇を噛みしめた。だが、何度も絶頂の直前で放り出された女体は、愉悦への欲求に勝てなかった。麗華の濡れた唇から、恥ずかしい言葉が溢れ出た。
「……大好きな……純一郎様のチ×ポを……、麗華のオマ×コに……挿れてください……」
そう告げると、麗華はカアッと耳まで真っ赤に染め上げて、純一郎の視線から逃げるように視線を逸らせた。その瞬間、麗華の花唇から蜜液がトロリと溢れて、白いシーツに淫らな模様を描いた。
純一郎がグイッと腰を突き出し、濡れた蜜壺の最奥まで一気に貫いた。同時に、怒濤の勢いを持って激しく抜き挿しし始めた。快美の火柱が、昂ぶりきった女体を快絶の炎で灼き尽くした。
「ひぃいいいぃッ……!」
ビックンッビックンッと激しく裸身を痙攣させると、麗華が壮絶な絶頂を極めた。凄まじい快感が腰骨を灼き尽くし、背筋を舐め上げて脳天で弾けた。四肢の先端まで愉悦の奔流が駆け抜け、麗華の意識は真っ白な閃光に包まれた。
ガクンッガクンッと総身を凄絶に硬直させると、麗華はグッタリと弛緩して寝台に沈み込んだ。
だが、たった一撃だけで純一郎が果てるはずもなかった。凄絶な愉悦にビクンッビックンッと痙攣を続ける麗華を、純一郎は一切の手加減をせずに責め抜いた。
快感の源泉を三度擦り上げると、グッと腰を入れて子宮口まで一気に貫いた。純一郎はその悪魔のような三浅一深の動きを繰り返し、麗華を官能の地獄へと追い込んだ。
同時に豊かな乳房を揉みしだき、ガチガチに尖りきった乳首を咥えながら舌で嬲り、真っ赤に充血した真珠粒をコリコリと扱き上げた。
「あッ、あッ、だめぇえッ! 今、イッてるッ……! おね……がいッ! ゆるしてぇ……!」
「ひぃいいッ……! また、イッっちゃうッ……! おかしく……なるッ……!」
「アッ、アッ、アァアアッ……! 狂っ……ちゃうッ! イクの……とまらないッ! アッ、アァアアッ……!」
亜麻色の髪を振り乱し、シーツを固く握り締めながら、麗華は切れ目のない絶頂の連鎖に翻弄された。歓悦の頂点を極めたと思った次の瞬間には、その先にある凄絶な愉悦の激流に襲われた。全身の痙攣は止まらなくなり、花唇からはプシャップシャッと音を立てて愛蜜が迸った。
「おねがいッ! 許してぇッ! 死んじゃうッ! だめぇえッ! また、イグッぅぅううッ……!」
真っ赤に染まった裸身を限界まで仰け反らせると、麗華は凄まじい痙攣を始めた。羞恥の源泉からシャァアーッという音が響き渡り、黄金の水流が迸って虚空に淫らな弧を描いた。
焦点を失った瞳からツッツゥーと涙が流れ落ち、ワナワナと震える唇からはネットリと涎が長い糸を引いて垂れ落ちた。
その壮絶な快美の爆発を噛みしめると、麗華はグッタリと全身を弛緩させた。そして、次の瞬間にはガクリと首を折って、シーツの波間に沈むように失神した。
亜麻色の乱れ髪を唇に咥え、熱い吐息を漏らしながら、麗華はビクンッビクンッと痙攣を続けていた。真っ赤に充血した秘唇からは、蜜液とともに純一郎が放った熱精がドロリと垂れ落ちていた。
限界を超える官能の奔流に弄ばれたその姿は、切ない女の色香と悲哀とに塗れていた。
テーブルに置かれた赤ワインのグラスを手に取ると、神崎が一口飲んでから告げた。
麗華が話があると連絡すると、神崎は新宿プリンスホテルの最上階にあるこのラウンジを指定してきた。窓際のカップル・シートからは、西新宿の高層ビルの夜景が一望できた。「宝石箱をひっくり返したような夜景」という言葉があるが、まさにその通りだった。
(こんなお店来るの、いつ以来かしら……?)
昔付き合っていた男と夜景が見えるレストランに来たのは、たしか二十歳の誕生日だったことを麗華は思い出した。麗華は手に持ったワイングラス越しに神崎を見つめると、ドキドキと高まる鼓動を抑えながら口を開いた。
「あたし、<星月夜>の情報部員なの。<櫻華会>とあなたのことを調べたわ」
赤ワインを一口飲むと、木なりの果実の香りとともに芳醇でコクのある味わいが口の中に広がった。想像以上のワインの味に驚きながら、麗華はメインディッシュである子牛のシャトーブリアンにナイフを入れた。一口サイズに切り取って口に入れると、舌の上で蕩けるように柔らかかった。
「ほう……。そんなに俺のことが気になるのか? それとも、昨日のセックスが忘れられないのか?」
「バカなこと、言わないでッ! そんなんじゃないわッ!」
図星を突いた神崎の言葉に、麗華はカアッと顔を赤らめながら叫んだ。思いの外に声が大きくなり、周囲の客が麗華を見つめてきた。その視線を感じ、さらに麗華は顔を赤らめた。
だが、実際に神崎とのセックスは、麗華が今まで経験したどれよりも凄かった。あれほど感じたことは、いまだかつて一度もなかった。数え切れないほどの絶頂を極め、女として最も恥ずかしい失禁までしたのだ。セックスで失神したことなど、生まれて初めてだった。
今夜の待ち合わせに新宿プリンスホテルを指定されたとき、麗華の女は期待に疼いた。急いで家に戻ると、シャワーを浴びてラペルラの真っ赤なランジェリーを身につけた。上下セットで十万円もする、いわゆる大人の勝負下着と言われるブランドだった。今夜も神崎に抱かれることを期待している自分がいるのは、隠しようもない事実だった。
「神崎純一郎……。西暦二〇二七年十一月二十六日生まれ。三十一歳。指定暴力団<櫻華会>若頭。東京大学法学部を三年生の五月に中退して、<櫻華会>に入る。育ての親であり会頭の鳴門讓司の後見で早くから頭角を現し、二十七歳という若さで若頭補佐に就任する。その後、二十九歳で若頭となって、実質的に<櫻華会>の全権を掌握する……」
麗華が<星月夜>のサーバーにあった神崎のデータを告げた。そして、挑むような視線で神崎の顔を真っ直ぐに見つめた。
「よく調べたな。だが、それが俺のすべてじゃないぞ」
楽しそうな笑みを浮かべながら、神崎が言った。麗華が自分に興味を持ったことなど、まるで見通しているような笑いだった。
(口惜しい……。あたしばっかり夢中になってるみたいじゃない)
「そんなこと、分かっているわ。あたしがあなたに連絡した理由はこれからよ」
そう告げると、麗華はグラスに半分ほど残っていたワインを一気に飲み干した。神崎がワインボトルを手に取って、麗華のグラスに赤ワインを注いだ。ワイン通でもない麗華でも聞いたことがある銘柄だった。これ一本で数万円はするだろうと思った。
「<櫻華会>の歴史は思ったよりもずっと古かったわ。第二次世界大戦前から続いていて、今年で百三十八年にもなる。今の会頭である鳴門讓司は七代目だけど、すでに七十八歳と高齢だわ。その跡目として最も有力なのは、若頭であるあなた、神崎純一郎……」
「そんなに俺のことが気になるのか?」
「茶化さないでッ!」
カアッと顔を赤らめながら神崎の言葉を遮ると、麗華が話を続けた。
「<櫻華会>の構成員は現在二百七十三人。そして、あなたの他に若頭がもう一人いるわ。<一条組>組長の一条天翔よ。彼の下には、<櫻華会>きっての武闘派である若頭補佐、九鬼雷銅が付いているわ」
「そこまでにしておけ。遊び半分で首を突っ込むと、火傷じゃすまねえぞ」
神崎が鋭い視線で麗華を見据えた。一条と九鬼が<櫻華会>の跡目を狙っていることは十分に承知していた。そして、彼らがどれほど危険な存在かも理解していた。麗華が彼らのことを嗅ぎ回っていると知ったら、どんな危険が彼女に及ぶか容易に想像できた。
「あなたは今、非常に危うい立場にいる。一条たちとあなたの間で跡目争いが起こる確率は、非常に高いわ。そこで、あたしはあなたのために一条たちの動向を探ることにした。本来ならヤクザの内部抗争なんて興味ないんだけど、知り合いがそれに巻き込まれて死んだら寝覚めが悪いしね……」
そう告げると、麗華はワイングラスを右手で掴んで一口飲んだ。そして、神崎の反応を伺うように、上目遣いでチラリと彼を見た。
「麗華、お前、そんなに俺に抱かれたいのか?」
「ば、バカなこと言わないでッ! あたしは、あなたのために……」
神崎の言葉にカアッと顔を赤らめると、麗華はそれを否定した。だが、神崎は麗華に最後まで言わせなかった。
「抱かれたいのなら、抱いてやる。部屋を取ってある。ついて来いッ!」
そう告げると、神崎は伝票を手に取って席を立った。そして、麗華を振り向きもせずに入口のレジカウンターに向かって歩き出した。
「ち、ちょっと、待って……、待ちなさいよッ!」
麗華はバッグを掴んで慌てて席を立つと、神崎の背中に向かって叫んだ。だが、神崎は麗華の声など聞こえないかのようにそのまま歩き去った。
(何なのよ、こいつ……。このまま付いていったら、抱いてくださいってお願いしているみたいじゃない! 冗談じゃないわ! このまま帰ってやるッ!)
入口のレジカウンターで会計をしている神崎を無視して、麗華はエレベーターホールに向かった。そして、苛つく気持ちのままに、エレベーターの呼び出しボタンを何度も押した。エレベーターはなかなか来なかった。
不意に視界が滲んだ。茶色い瞳から涙が溢れて、ツッツゥーっと白い頬を伝って流れ落ちた。
(せっかく気合いを入れてお洒落してきたのに、バカみたい……)
自分で自分が情けなくなった。プラダの新しい靴を下ろして、ラペルラの真っ赤なランジェリーまで着てきたのがすべて無駄になった。
麗華は自分が神崎に惹かれていることに気づいていた。いや、すでに好きになっていた。
神崎がどんな男なのか知りたくて、瑞紀に連絡を取った。情報部情報課という立場を利用して、神崎のことを調べた。そして、神崎が危険な立場にいることを知ると、力になりたいと思った。それ以上に、神崎にもう一度会いたかった。抱いて欲しかった。
そのすべてを否定されたのだ。単に神崎とのセックスだけを求める厭らしい女だと見られたのだ。
「……くッ……やだ……もう……こんなの……」
気づいたら嗚咽が止まらなくなっていた。麗華はエレベーターホールに膝をつくと、両手で顔を覆って泣き出した。
しばらく肩を震わせていると、目の前に人の気配がした。真っ赤に泣きはらした眼で見上げると、神崎が優しい眼差しで麗華を見下ろしていた。
「悪かった……。少し、言い方がきつかったな」
その言葉を聞くと、麗華は立ち上がって神崎の胸の中に飛び込んだ。そして、両手を握り締めると、神崎の胸を叩き始めた。
「ばかッ……! あんたなんて、嫌いッ!」
泣きじゃくる麗華の背中に、神崎の力強い腕が廻された。そして、麗華を強く抱き締めながら、神崎が耳元で囁いた。
「俺はお前みたいな面倒くさい女、嫌いじゃないぞ……」
「ばか……あたしは、あなたみたいな男、大っ嫌いよ……」
そう告げると、麗華は神崎の背中に腕を廻して抱きついた。
エレベーターの到着音が鳴り、扉が開いた。神崎は床に落ちていた麗華のバッグを拾い上げると、彼女の肩を抱きながらエレベーターに乗り込んだ。そして、予約した部屋がある二十四階のボタンを押した。
新宿プリンスホテルの二十四階にあるスイートルームに入ると、神崎はリビングのソファに麗華を座らせた。そして、備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを一本取り出すと、キャップを開けて麗華に渡した。
「このホテルはルームサービスがないらしい。悪いが、これで我慢してくれ……」
「ありがとう……」
真っ赤になった鼻をハンカチで隠しながら、麗華は差し出されたペットボトルを受け取った。よく冷えたミネラルウォーターは、心地よく渇いた喉を潤してくれた。
(きっと、あたし、ひどい顔している……。メイクが落ちて、お化けになってるかも……)
外で泣いたのはいつ以来だろうと、麗華は考えた。三年前、男に捨てられたときが最後かも知れなかった。
「麗華、お前が俺のために色々と調べようとしてくれたことは分かった。だが、これ以上は首を突っ込まないでくれ……」
「……」
麗華は黙って神崎の顔を見つめた。
(やっぱり、迷惑なんだ……)
「たぶん、今の俺はお前が考えている以上に危険な立場にいる。命を狙われたのも、一度や二度じゃない。相手はさっきお前が言った一条たちだ……」
「それなら、なおさら情報を……」
神崎はさっき、自分のことを嫌いじゃないと言って抱き締めてくれた。そうであれば、なおのこと神崎の力になりたいと麗華は思った。
「これ以上深入りすると、お前の身が危険なんだ。お前が俺のアキレス腱だと知ったら、奴らはお前に何をしてくるか分からない。それくらい、一条たちは危ない連中だ」
「あたしが、神崎さんのアキレス腱……?」
まるで、お前は俺の大切な女だと言われた気がした。
(だめよ、この人はヤクザ……。甘い言葉で女を騙すのが商売よ……)
頭ではそう考えるのだが、気持ちはそれを否定した。
「隠し立てするのは性に合わない。確かに、俺はお前に惹かれている。だからこそ、俺にこれ以上近づいて欲しくない。本当に危険なんだ」
「神崎さん……」
驚きと嬉しさのあまり、麗華は神崎の顔を見つめた。神崎が麗華の左隣に腰を下ろしてきた。彼の右手が肩に廻され、麗華は強い力で抱き寄せられた。神崎の広い胸に抱きすくめられながら、麗華は潤んだ瞳で神崎を見つめた。
「純一郎でいい……」
(だめ……、流されちゃ……)
近づいてきた神崎の顔を避けるように、麗華はフイッと顔を逸らしながら囁いた。
「あたし、純一郎さんのこと……嫌いです……」
「そうか……」
神崎が麗華の左耳に口づけをした。そして、舌をすぼめて耳穴に入れると、熱い息とともに舐りだした。
「あッ……いやッ……嫌いって……言ったのに……アッ、アァッ……!」
ゾクゾクとした愉悦とともに、脳髄さえ蕩かせるような峻烈な快感が走った。麗華は白い喉を仰け反らせると、ビクンッと体を震わせながら大きく喘いだ。その瞬間を待っていたかのように、純一郎が麗華の唇を塞いだ。そして、ネットリと麗華の舌を絡め取ると濃厚な口づけを交わしてきた。
「んッ……んはッ……んぁ……んくッ……んはぁッ……」
嫌いという言葉を否定するかのように、麗華は自ら積極的に舌を絡めた。
(気持ちいい……純一郎のキス……。あッ……脱がされる……)
純一郎の左手が麗華の背中に廻された。そしてうなじにあるファスナーを探り当てると、ゆっくりと下ろしていった。腰までファスナーを下げると、純一郎は濃紺色のワンピースを麗華の両腕から抜き取った。
「イヤらしい下着だな……。俺好みだ……」
ラペルラの真っ赤なブラジャーが純一郎の目の前に晒された。薄いレース地に花の模様をあしらったセクシーなデザインだ。白い乳房は当然のこと、ツンと突き勃った乳首さえも透けて見えた。
「いや……恥ずかしい……」
カアッと顔を赤らめると、麗華は両手で胸を掻き抱いた。麗華はこの下着を選んだことを後悔した。誰が見ても、抱かれに来ましたと告げているようなものだった。
「下も見せてみろ……」
「あッ……やだ……やめッ……」
純一郎は麗華の腰を左手で持ち上げると、ワンピースをずり下げて両脚から抜き払った。ブラジャーと同じ薄いレースの下着が純一郎の視線に晒された。柔らかな叢だけでなく、羞恥の肉扉さえも透けていた。純一郎が慣れた手つきでくるくると黒いストッキングを丸めながら脱がせた。真っ白な裸身に真紅のラペルラが鮮やかに際立ち、濃艶な女の色気を放った。
(やっぱり、着てくるんじゃなかった……。恥ずかしいッ……)
耳まで真っ赤に染め上げると、麗華は右手で豊かな乳房を、左手で羞恥の源泉を慌てて隠した。全裸にされるよりも恥ずかしかった。
「凄い下着だな。よく見せてくれ……」
「きゃッ……いやッ……!」
純一郎は麗華の両手首を握り締めると、万歳をするように後ろの壁に押しつけた。麗華は羞恥に赤く染まった顔を横に逸らすと、純一郎の欲望に滾った視線に耐えた。まるで体中を舌で舐め廻されているように感じ、見られているだけで全身がカアッと燃え上がった。
「いつもこんな下着を着けているのか?」
「ちがう……。純一郎に会うから……」
そこまで言って、麗華は自分が何を口走ったのか気づき、全身を真っ赤に染めた。抱かれに来ましたと自分から告白したようなものだった。
「そうか……。俺に見せに来たんだな」
「……」
ニヤリと笑みを浮かべながら告げた純一郎の言葉に、麗華は恥ずかしそうに小さく頷いた。今更、誤魔化しようもなかった。
「高いんだろう……? いくらした……?」
「十万……」
「そうか……。では、汚したら俺が買ってやる……」
そう告げると、純一郎は下着の上から麗華の左乳首を唇で啄んだ。そして、硬く尖った媚芯を転がすように舌で舐り始めた。左手で右の乳房をシナシナと揉みしだくと、その中心でツンと尖りきった蕾をコリコリと扱いてきた。
そして、右手は羞恥の肉扉を何度も擦り上げ、その上にある肉の尖りを爪先で引っ掻き始めた。
「あッ、だめッ……! いやッ……! そこ、やぁあッ! アッ、アッ、アァアアッ……!」
何カ所もの女の弱点を同時に責められ、麗華はグンッと顎を突き出しながら大きく仰け反った。無意識に純一郎の頭を両手で抱くと、豊かな乳房を押しつけるように引き寄せた。腰骨が灼けるように熱くなり、羞恥の源泉から蜜が溢れるのが自分でも分かった。ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げ、脳天に落ちた雷撃が四肢の先端まで甘く痺れさせた。
「お願い……ここじゃ、いや……ベッドに……」
熱い喘ぎを漏らしながら、麗華が官能に蕩けた瞳で純一郎の顔を見つめた。革張りのソファを蜜液で汚すのが恥ずかしかったのだ。
「分かった。俺のことを好きだと認めたら連れて行ってやる」
「嫌いって……言ってるでしょ……」
そう告げると、麗華は純一郎に抱きついた。そして、その魅力的な唇を自分から純一郎に重ねた。これが答えだと言うように、激しく舌を絡めて濃厚な口づけを交わした。
純一郎が麗華を抱き上げると、隣の寝室まで運んだ。そして、クィーンサイズの大きなベッドの上に、麗華の体を横たえた。
「もう一度聞く……。俺のことを好きか?」
「嫌い……です」
右手で豊かな胸を、左手で羞恥の源泉を隠しながら麗華が答えた。その言葉を聞くと、純一郎は嬉しそうな笑みを浮かべた。
「では、本当に俺を嫌っているのかをお前の体に聞いてやる」
純一郎は麗華の体にのしかかると、慣れた手つきでブラジャーのフロントホックを外した。ラペルラの赤いブラジャーが二つに割れ、白く豊かな乳房がプルンと揺れながら外気に晒された。
「いや……はずかしい……」
真っ赤に顔を染めながら、麗華は慌てて両手で胸を隠そうとした。だが、純一郎は麗華の両手首を一つに纏めて左手で握ると、頭の上でベッドに押しつけた。そして、右手で左の乳房をシナシナと揉み上げると、ツンと突き勃った媚芯を指先で摘まんでコリコリと扱いた。。
「あんッ……! いやッ……! だめッ……!」
純一郎の唇が、右乳房の中心で硬く屹立している乳首を啄んだ。そして、歯で甘噛みしながら舌先でその先端を転がし始めた。二つの蕾から峻烈な快感が迸り、麗華は白い喉を仰け反らせて熱い喘ぎを漏らした。
麗華の両手から力が抜けたことを確認すると、純一郎は左手で乳房を揉みしだきながら、麗華の首筋から耳にかけてネットリと舌を這わせた。そして、真っ赤に染まっている耳たぶを甘噛みすると、耳穴に舌を挿し込んでピチャピチャと音を立てながら舐り始めた。
純一郎を見つめる瞳がトロンッと蕩け、麗華の声色が甘く変わってきた。
「あッ……だめッ……! それッ……いやッ……! ひぃッ……アッ、アッ、アァアッ!」
純一郎の右手が、麗華の脇腹を撫ぜながらパンティの中へと入っていった。そして、その繊毛の柔らかさをしばらく楽しんだ後、濡れた肉扉をなぞりあげた。
女の最も秘めたい花苑に指を這わされ、麗華は赤く染まった貌をフルフルと横に振った。亜麻色の髪が舞い乱れ、濃厚な色香を撒き散らした。
「あッ、だめぇえッ……! そこッ、いやぁッ……! アッ、ヒィッ、アッ、アアァッ……!」
グチュッという樹液の音を奏でながら、純一郎が右手の指を二本濡れた花唇に挿し入れた。そして、鉤状に折り曲げると、天井の粒だった肉襞をコリコリと刺激し始めた。
女の急所の一つである天井部分を襲う淫撃に、麗華はビクンと腰を浮かせると大きく仰け反った。クチュクチュと淫猥な音色が鳴り響き、ラペルラの下着が赤黒く色を変えていった。
「嫌いな男の手でイッたりしないよな……」
「当然……よ……。イクはず……ない……」
官能に蕩けきった瞳で純一郎を見つめながら、麗華が小さく頷いた。腰骨が熱く燃え上がり、全身に鳥肌が沸き立っているのが自分でも分かった。ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げ、全身がビクッビクッと震えていた。このまま続けられたら、すぐにでも愉悦の頂点を極めそうだった。
「では、絶対にイクなよ……」
「あッ、いやッ……!」
純一郎が両手を麗華の腰に当てると、ラペルラの下着をずり下ろして両脚から抜き去った。そして、麗華の太股を掴むと、大きく両脚を開いた。秘しておきたい羞恥の源泉を露わにされて、恥ずかしさで麗華は真っ赤に顔を染め上げた。
ズプッと樹液の音を奏でて、純一郎が右手の中指と薬指を花唇に挿し込んできた。その指を鉤状に折り曲げると、麗華の快感の源を激しく擦り始めた。
「いやッ……やめッ……ひぃいッ!」
麗華の白い喉が、グンッと仰け反った。純一郎が左手で叢をかきわけ、その下にある突起の薄皮をクルンと剥き上げたのだ。そして、真っ赤に充血している真珠粒をネットリと舌で舐り始めた。
Gスポットと真珠粒という女の二大弱点を同時に責められ、麗華は亜麻色の髪を振り乱しながら激しく顔を振った。指先まで痺れるような快感に、一瞬たりともじっとしていられなかった。
腰骨を灼き溶かすような愉悦に、麗華の腰が淫らに動いた。ビッショリと濡れた花唇からは、恥ずかしい飛沫が散ってシーツに模様を描いた。
「あッ……だめッ……ひぃッ……いやッ……アッ、アァッ……だめぇッ!」
快美の炎が麗華の全身を灼いた。凄まじい快感が背筋を駆け抜けて、脳天に雷撃を落とした。
(だめッ、イッちゃうッ……! アッ、アァッ……! イクッ……!)
麗華が絶頂を極めようと仰け反った瞬間、純一郎がすべての動きを止めた。
「あッ……、あぁ……?」
(何で……? もう少し、だったのに……?)
目尻から涙を滲ませながら、麗華が純一郎の顔を恨めしそうに見つめた。愉悦の直前で放り出された女体は、狂おしいほど渇望にブルブルと震えていた。
「嫌いな男の手で、イクはずないんだよな……?」
ニヤリと笑みを浮かべながら、純一郎が告げた。その笑いを見て、麗華はカアッと顔を赤らめた。
(わざとだわッ……! この人、焦らすつもりなんだッ……!)
純一郎の意図を察すると、麗華はプイッと横を向いた。文句を言おうと思ったが、ハァハァと息が切れて言葉にならなかったのだ。
「生意気な態度だな。まあ、いい……。イキたければ、素直になれ。俺を好きだと認めろ。そうすれば、イカせてやるッ……!」
そう告げると、純一郎は猛りきった男を麗華の花唇に充てがい、グチュッっと音を立てて貫いてきた。
「アァアァアアッ……!」
快美の火柱が肉襞を抉りながら最奥まで貫いた瞬間、麗華は背中を大きく仰け反らせながら啼いた。カアッと腰骨が灼かれて、快絶の炎が全身に広がった。体中にザワッと鳥肌が沸き立ち、ビクッビクッと麗華は痙攣を始めた。
(だめッ……! 気持ちいいッ……! イッちゃうッ……!)
そう思った瞬間、ズズッと肉襞を擦りながら、男が引き抜かれた。
「あ……はぁああ……」
麗華の腰が男を追いかけるように動いた。女の本能がそうさせたのだ。
「どうした、麗華? そんなにイヤらしく腰を振って……? これが欲しいのか……?」
ニヤリと笑みを浮かべると、純一郎は自分の男で真っ赤に濡れ光る真珠粒をコリコリと擦り上げた。
「あッ、いやッ……アッ、アッ、アァアアッ……!」
昂ぶりきった女体が、その暴虐に耐えられるはずなどなかった。男の動きに合わせて、麗華の腰が浅ましくうねった。だが、純一郎はすっと男を外して麗華を見下ろした。
「欲しいなら、素直になれ。『麗華のオマ×コに、大好きな純一郎様のチ×ポを挿れててください』と、お願いしてみろッ……!」
「そんなこと……言えない……」
純一郎の告げた言葉を耳にした瞬間、麗華は恥ずかしさのあまり真っ赤に染まった貌をフイッと横に逸らせた。そんな恥ずかしい言葉を口に出せるはずがなかった。だが、純一郎は麗華の拒絶を嘲笑うかのように、ヌプリと音を立てて猛りきった男を麗華の女に挿し入れた。
「アッ、アッ、アッ……いやぁあ……!」
純一郎の男が女の急所をゴリゴリと三回擦り上げた。そして、肉襞を抉りながら一気に最奥まで貫いた。
「ひぃいいぃいッ……!
麗華が大きく仰け反った瞬間、純一郎は彼女の中から男を抜き去った。麗華の腰が、純一郎の男を追いかけるように激しく動いた。
「麗華、お願いしたら挿れてやるぞ……」
「……言え……ない……」
麗華が羞恥に赤く染まった貌をフルフルと横に振った。だが、その焦げ茶色の瞳には女の情欲が火焔となって燃えていた。
(こんなの、我慢できない……! 早く、欲しいッ……!)
純一郎の両手が豊かな乳房をわしづかみ、激しく揉みしだき始めた。同時に、ツンと突き勃った媚芯を指先で摘まみ上げた。
「アッ、アッ、アァアアッ……!」
胸から広がる甘い喜悦と乳首からの峻烈な愉悦に、麗華は全身に鳥肌を沸き立てながらビクンッと大きく仰け反った。その瞬間、猛りきった男で肉襞を擦り上げられ、最奥まで一気に貫かれた。
「ひぃいいいッ……! だめぇえッ!」
腰骨を灼き溶かすような凄まじい愉悦が全身を襲った。麗華はグンッと白い顎を仰け反らせると、絶頂への階段を駆け上った。赤く染まった目尻から随喜の涙が溢れ、熱い喘ぎを放った唇の端から涎の糸が垂れ落ちた。
(イッちゃうッ……! だめッ、イクッ……!)
歓喜の頂点を極めようとした寸前に、純一郎の両手が乳房から離れ、快美の火柱が引き抜かれた。
「いやぁあッ……!」
麗華は本気で悶え啼いた。絶頂の直前で放り出された女体は、ブルブルと震えていた。
(こんなの……非道いッ! おかしく……なるッ……!)
凄まじい淫欲と渇望とが、麗華の意識を灼き尽くした。その様子を見極めるかのように、純一郎が耳元で囁いた。
「麗華、素直になれ……。どうして欲しい……?」
「挿れて……。突いて……。もう、我慢できないの……」
これ以上焦らされたら、気が狂いそうだった。麗華は大粒の涙を流しながら哀願した。
「何て言うか、覚えているか……?」
ニヤリと笑みを浮かべて告げた純一郎の言葉に、麗華は唇を噛みしめた。だが、何度も絶頂の直前で放り出された女体は、愉悦への欲求に勝てなかった。麗華の濡れた唇から、恥ずかしい言葉が溢れ出た。
「……大好きな……純一郎様のチ×ポを……、麗華のオマ×コに……挿れてください……」
そう告げると、麗華はカアッと耳まで真っ赤に染め上げて、純一郎の視線から逃げるように視線を逸らせた。その瞬間、麗華の花唇から蜜液がトロリと溢れて、白いシーツに淫らな模様を描いた。
純一郎がグイッと腰を突き出し、濡れた蜜壺の最奥まで一気に貫いた。同時に、怒濤の勢いを持って激しく抜き挿しし始めた。快美の火柱が、昂ぶりきった女体を快絶の炎で灼き尽くした。
「ひぃいいいぃッ……!」
ビックンッビックンッと激しく裸身を痙攣させると、麗華が壮絶な絶頂を極めた。凄まじい快感が腰骨を灼き尽くし、背筋を舐め上げて脳天で弾けた。四肢の先端まで愉悦の奔流が駆け抜け、麗華の意識は真っ白な閃光に包まれた。
ガクンッガクンッと総身を凄絶に硬直させると、麗華はグッタリと弛緩して寝台に沈み込んだ。
だが、たった一撃だけで純一郎が果てるはずもなかった。凄絶な愉悦にビクンッビックンッと痙攣を続ける麗華を、純一郎は一切の手加減をせずに責め抜いた。
快感の源泉を三度擦り上げると、グッと腰を入れて子宮口まで一気に貫いた。純一郎はその悪魔のような三浅一深の動きを繰り返し、麗華を官能の地獄へと追い込んだ。
同時に豊かな乳房を揉みしだき、ガチガチに尖りきった乳首を咥えながら舌で嬲り、真っ赤に充血した真珠粒をコリコリと扱き上げた。
「あッ、あッ、だめぇえッ! 今、イッてるッ……! おね……がいッ! ゆるしてぇ……!」
「ひぃいいッ……! また、イッっちゃうッ……! おかしく……なるッ……!」
「アッ、アッ、アァアアッ……! 狂っ……ちゃうッ! イクの……とまらないッ! アッ、アァアアッ……!」
亜麻色の髪を振り乱し、シーツを固く握り締めながら、麗華は切れ目のない絶頂の連鎖に翻弄された。歓悦の頂点を極めたと思った次の瞬間には、その先にある凄絶な愉悦の激流に襲われた。全身の痙攣は止まらなくなり、花唇からはプシャップシャッと音を立てて愛蜜が迸った。
「おねがいッ! 許してぇッ! 死んじゃうッ! だめぇえッ! また、イグッぅぅううッ……!」
真っ赤に染まった裸身を限界まで仰け反らせると、麗華は凄まじい痙攣を始めた。羞恥の源泉からシャァアーッという音が響き渡り、黄金の水流が迸って虚空に淫らな弧を描いた。
焦点を失った瞳からツッツゥーと涙が流れ落ち、ワナワナと震える唇からはネットリと涎が長い糸を引いて垂れ落ちた。
その壮絶な快美の爆発を噛みしめると、麗華はグッタリと全身を弛緩させた。そして、次の瞬間にはガクリと首を折って、シーツの波間に沈むように失神した。
亜麻色の乱れ髪を唇に咥え、熱い吐息を漏らしながら、麗華はビクンッビクンッと痙攣を続けていた。真っ赤に充血した秘唇からは、蜜液とともに純一郎が放った熱精がドロリと垂れ落ちていた。
限界を超える官能の奔流に弄ばれたその姿は、切ない女の色香と悲哀とに塗れていた。
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