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序章
8 拉致
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「失敗しただと……? それだけの人数を揃えておいて、女一人攫えないのかッ?」
レオナルド=ベーカーは目の前に座る男を冷めた視線で見据えると、呆れたように告げた。小太りで下ぶくれした丸顔の男だった。見事にはげ上がった頭に、残忍さと冷酷さを兼ね備えた眼と大きな鷲鼻が印象的な男だった。<蛇咬会>の下部組織である<狗神会《こうじんかい》>の会長、李昊天である。武闘派集団である<狗神会《こうじんかい》>を束ねるだけあり、自らも少林寺拳法三段の猛者であった。その李がレオナルドを前にして冷や汗を拭っていた。
「申し訳ありません。あの女、凄まじい射撃の腕を持ってまして……。十五人送り込んだ連中のうち、十三人が三発ずつ喰らって病院送りでして……」
「三発ずつだと……? 3点射……ベレッタM93Rか……?」
「はい、そのようで……。撃たれた奴らの話では、銃声が三回ずつ鳴っていたというので間違いないかと……」
ベレッタM93Rは一九七七年にイタリアで開発された対テロ用マシンピストルだ。今から八十年前の旧式な拳銃だが、その火力と命中精度は最新の拳銃に勝るとも劣らなかった。9mmパラベラム弾を最大二十一発装填できる上、3点射が可能な高い制圧力を持った銃である。
3点射とは、トリガーを一度引くだけで三発の弾丸を発射する機構で、フルオートに比べると銃身の跳ね上がりが制御し易く弾丸も節約できる。使用する9mmパラベラム弾は最新の弾丸と比べれば貫通力や威力が劣るが、三発同時に着弾可能なことで、そのデメリットをカバーするには余りあった。
「ベレッタ社は93Rを民間には販売していない。法執行機関からの需要があった時にだけ生産し供給しているはずだ。<星月夜>は民間とはいえ、軍隊並みの戦力を有するアジア最大の総合警備コンツェルンだ。ベレッタM93Rの供給ルートを持っていても不思議ではないか……」
レオナルドが腕を組みながら、ニヤリと笑みを浮かべた。その笑いは、レオナルドの捕獲者としての興味から漏れ出たものだった。狩りは困難を極めるほど面白いのだ。
「どんな手を使ってもいい。必ず楪瑞紀を私の前に連れてこい。ただし、絶対に殺したり傷つけたりはするな。あの女は<蛇咬会>会長が長年捜し続けていた女だ。髪の毛一筋ほどでも傷をつけたら、会長のお怒りを買って<狗神会《こうじんかい》>は取り潰されることになると思え……」
「はい……。肝に銘じて……」
レオナルドの言葉に、李は額から流れ落ちる汗をハンカチで拭いながら大きく頷いた。構成員三千人以上と言われる中国系最大のマフィア<蛇咬会>を敵にする気など、起きようはずもなかった。
「この任務を成功させたら、<蛇咬会>の盃をやろう。期待しているぞ、李昊天……」
レオナルドの凍てつくような蒼青色の瞳が、真っ直ぐに<狗神会《こうじんかい》>会長の顔を見据えた。
「では、一時間後に俺の部屋に来い……。相手は<蛇咬会>だ。油断するなよ。銃は肌身離さず携帯していろ……」
「心配しすぎよ、龍成……。ここは<星月夜>の独身寮よ。このリスト・タブレットがなければ入れないし、そもそも捜査員の住居は<星月夜>でもトップ・シークレット扱いよ。<蛇咬会>も私たちがここに住んでいることまでは掴めないわよ」
龍成の危惧を笑い流すと、瑞紀は彼に手を振って自室のある七階でエレベーターを降りた。「それもそうだな……」と苦笑いを浮かべながら呟くと、龍成を乗せたエレベーターは十三階へと上っていった。それを見送りながら、瑞紀は期待と不安に胸を高鳴らせた。
「俺の部屋に来い、か……」
瑞紀は今から着替えなどを取りに自分の部屋に戻るのだ。そして、十三階にある龍成の部屋に行き、今夜も一緒に過ごすことになっていた。
(これから、私はまた龍成に抱かれるんだ……)
一昨日から今朝にかけて、三日連続で瑞紀は龍成に抱かれた。
最初は龍成の相棒となるために、一度だけ抱かれる約束だった。だが、龍成のセックスはかつて経験したこともないほどの凄まじい快感を瑞紀に与えた。この三日間で瑞紀が絶頂に達した回数は数え切れなかった。壮絶すぎる歓悦に二回も失神させられたのだ。
(セックスがあんなに気持ちいいなんて、知らなかった……。あんなの覚えたら、私、龍成から離れられなくなる……)
瑞紀は自分の体が龍成によって淫らに開発されていくのが分かった。抱かれるたびに感じやすくなり、その快感が大きく深くなっているのだ。
(毎日のようにあんなセックスをされたら、私、絶対におかしくなるわ……。きっと、龍成とのセックスのことしか考えられなくなる……)
これから龍成に抱かれると思うだけで、子宮が疼き、花唇が濡れ始めているのが自分でも分かった。たぶん、すでに左胸の真紅の薔薇も咲いているに違いなかった。
「やっぱり、今夜は龍成のところに行くのはやめよう……」
自分の部屋のセキュリティ・システムに左腕のリスト・タブレットを翳しながら、瑞紀が呟いた。カシャンと音がしてロックが解除されると、瑞紀はドアを開いて部屋の中に入った。玄関で革ブーツを脱ぐと、黒い革ジャケットとベレッタM93Rを挿したショルダーホルスターをリビングのソファに置いた。
「連絡するなら、早い方がいいわよね……」
龍成を呼び出すために、瑞紀は左腕のリスト・タブレットを操作し始めた。その時、凄まじい衝撃が全身を襲った。
「ひぃいいい……!」
愉悦の硬直のように、四肢の先端まで痺れて指一本動かせなかった。それがスタンガンの高圧電流によるものだと気づいた時には、瑞紀は床に崩れ落ちていた。
(何……? 自室で襲われる……なんて……)
スタンガンで意識を失うというのは都市伝説である。高圧電流によって全身の筋肉が麻痺して言葉さえも発せなくなるが、余程のことがない限り意識は保ったままだ。横たわる瑞紀の背後から人の気配が近づいていた。どうやら二人いるようだった。電圧にもよるが、筋力が戻るまでには数十秒から数分かかるはずだ。瑞紀はすぐに反撃できるように、ソファに置いたベレッタM93Rの位置を眼で確認した。
だが、敵は瑞紀に反撃の機会を与えるつもりはなかった。顔を左に向けてうつ伏せになっている瑞紀の口元に、背後から白い布が押しつけられた。その強烈な刺激臭を嗅いだ途端、瑞紀の意識は急速に薄れていった。
(クロロフォルム……? 龍成……たすけ……て……)
その思考を最後に、瑞紀の意識は完全に途切れた。瑞紀が部屋の中に入ってから、一分も経過していなかった。
「遅い……」
左腕に付けたリスト・タブレットで時間を確認すると、午後十時十五分だった。約束の時間を十五分も過ぎていた。<星月夜>の特別捜査官は時間を厳守することを徹底的に叩き込まれる。危険な任務が多いため、一秒の誤差が命取りになる可能性があるからだ。優秀な特別捜査官である瑞紀が、無断で十五分も遅れることはあり得なかった。
「何かあったか……?」
龍成は厳しい表情を浮かべながら呟いた。
瑞紀は女であり、女は一般的に身支度に時間がかかるものだ。その上、今は任務中ではなく、プライベートだ。それらを考慮して、龍成は十五分間待ったのだ。
しかし、その判断が悔やまれた。瑞紀の身に危険が迫ったのだとしたら、この十五分は取り返しがつかない致命的な時間だった。
龍成は黒革のジャンパーを羽織ると、左脇に吊ったショルダーホルスターから愛用のB&T USW P320を抜いて安全装置を解除した。昼間の襲撃では瑞紀が一人で相手を撃ち倒したため、P320のマガジンには二十発の弾丸がそのまま残っていた。
龍成はP320を右手に持つと、七階にある瑞紀の部屋へと急いだ。
「ここは……?」
意識を取り戻すと、瑞紀は自分の置かれている状態に気づき、愕然とした。
両手を革の拘束具で一括りに纏められ、天井から太い鎖で吊られていた。両足首にも同様に革の拘束具が填められており、床から伸びた鎖で大きく足を開かされていた。文字通り、人型の状態で拘束されていたのだ。
薄暗い部屋の中には窓一つなく、どこかの地下倉庫のようだった。いや、地下牢と言った方が近いかも知れない。二十平方メートルほどの狭い部屋の片隅には、簡易ベッドとトイレが設置されていた。部屋の入口のドアは鉄製で、開閉にかなりの力が必要そうだった。天井、壁、床とすべてがコンクリートの打ちっぱなしで、まるで囚人の逃亡する気力を奪い取るかのように装飾一つない無機質な部屋だった。
(取りあえず、衣服の乱れはない……。犯されてはいない……)
瑞紀は自分の着衣を確認すると、ホッと胸を撫で下ろした。黒革のジャンパーとショルダーホルスターを自室で外した状態のままだった。上は長袖の白いブラウスを着ており、下はスキニータイプの黒いデニムジーンズを履いていた。靴は履いておらず、素足にベージュのストッキングのままだった。
(リスト・タブレットがない……)
左手首にあるはずのリスト・タブレットは外されていた。部屋の中を見渡しても、それらしき物は見当たらなかった。つまり、どこにも連絡できず、誰にも助けを求めることが出来ないということだった。
(約束の時間に部屋に行かなかったから、龍成は私の身に何かあったと気づくはずだわ。リスト・タブレットさえあれば、この場所を龍成に知らせることができるのに……)
<星月夜>の特別捜査官に支給されているリスト・タブレットは、民間の物に比べて遥かに高機能だった。音声電話、TV電話、インターネット、メールなどのタブレット機能は当然のこと、各種セキュリティ・キーとしての機能やクレジット機能、無線機能、GPS機能などを備えていた。特に無線機能とGPS機能は<星月夜>特有の回線を使っており、傍受や解析が極めて困難な仕様となっていた。
「どうやら、お目覚めのようだな……楪瑞紀……」
ギィイーっと重厚な音を響かせて鉄製の扉が開き、三人の男たちが地下牢に入ってきた。その真ん中にいる小太りの男がニヤリと笑みを浮かべながら告げた。見事にはげ上がった頭部と、冷酷さを秘めた鋭い目つきの男だ。両脇の男たちは、この男の部下かボディガードのようだった。
「あなたは……?」
この男が自分の拉致を命じた男だと、瑞紀の直感が告げた。黒曜石の瞳に激しい怒りの焔を浮かべながら、瑞紀が男を睨みつけた。
「私は<狗神会《こうじんかい》>会長の李昊天だ。ある友人に君を引き合わせるためにご足労願った……」
李の視線が瑞紀の肢体を舐めるように這った。その嫌悪感に歯を噛みしめながらも、瑞紀は気丈に告げた。
「ご足労、ね……? スタンガンを当てたり、クロロフォルムを嗅がせて女を拉致することが、あんたたちの招待っていうわけ……? そんなのお断りだわ。この鎖を解いて、早く私を解放しなさい!」
その啖呵に李は一瞬驚いた表情を浮かべたが、再び厭らしい笑みを浮かべると瑞紀に近づいてきた。
「なかなかのじゃじゃ馬だな……。だが、気の強い女は嫌いじゃないぞ……」
そう告げると、李は右手で瑞紀の左胸を掴み、その弾力を楽しむように揉みしだいた。
「汚い手で触らないでッ……!」
瑞紀は李の顔を目掛けて唾を吐いた。李の瞳が驚愕に見開かれ、怒りの焔を浮かべた。次の瞬間、瑞紀は左頬を激しくビンタされていた。手加減の欠片もない平手打ちだった。唇の端から血が流れ落ち、口の中に鉄の味が広がった。
「また、唾を吐かれてはたまらん……。おい、こいつにボールギャグを噛ませろッ!」
李の命令を受けて、彼の右側の男が瑞紀の背後に回った。そして、瑞紀の口にピンポン球のような物を無理矢理入れると、それに付いている革ひもを後頭部に廻して固定した。
「んッ……ん、んぅんッ……ん、やぁあッ……!」
ピンポン球には小さな穴が多数空いているため、息苦しさはなかった。だが、大きく口を開かされたことにより、唾を飲み込むことが困難だった。必然的に、瑞紀の唇の端から涎が垂れ落ちた。
「お前は明日にでもあの方に献上するが、その前に我々を嗅ぎ回っている鼠をおびき寄せる餌になってもらおう」
(鼠……餌……? どういう意味……?)
瑞紀はキッと李の顔を睨みつけながら考えた。李の告げた<狗神会《こうじんかい》>というのは、新宿に本拠を置く中国系マフィアの一つだ。<蛇咬会>の下部組織であるとも言われている。
昨日、<蛇咬会>の息のかかった連中から瑞紀たちは襲撃を受けた。その理由は、龍成が<サキュバス>の流通経路を調査しているためらしい。つまり、瑞紀を餌として龍成をおびき出し、彼を始末することが<狗神会《こうじんかい》>の目的だと気づいた。
(龍成に助けを求めることは、彼を殺してしまうことに繋がる……。私一人で、どうにかここを脱出しないと……)
「おい、ビデオを廻せ……」
李の命令を受けて、左側の男が三脚にポータブル・ビデオをセットして瑞紀の姿を録画しだした。
(ビデオ……? どういうつもり……? まさかッ……!?)
瑞紀は背筋がゾッとし、蒼白になった。
(こいつら、私を凌辱して、その映像を龍成に送るつもりじゃ……?)
「これから、お前が失神するまでこれで責め抜いてやる。そして、その映像を<星月夜>に送りつけ、奴らとの交渉材料とする。どこまでその強気な態度が続くか見物だな。簡単に屈服してくれるなよ……」
そう告げると、李は瑞紀に見せつけるようにそれを彼女の眼前に掲げた。その異様な形と大きさを見て、瑞紀は竦み上がった。
男を模した巨大なバイブレーターだった。幹の部分の太さは七、八センチあり、長さは三十センチくらいあった。黒光りした漆黒の色をしており、血管の筋もリアルに再現されていた。その上、直径一センチちかい半球状の塊が、ヤクザが自分の男に真珠を入れたようにビッシリと幹に付いていた。
(あんなの……入るはず……ない……)
紛れもない恐怖に、瑞紀は全身がブルブルと震え、その美しい黒瞳から涙が溢れだした。気が強いと言っても、瑞紀は若い女性だ。女を責め抜くことに特化した凶器を前にして、怯えないはずはなかった。
「十三人の男を撃ち倒したお前でも、恐怖は感じるのか? ついでに、こいつの性能を教えておいてやろう。このスイッチで、動きが三段階変わる。よく見ておけ……」
「ヒッ……!」
李が手元のスイッチをオンにした瞬間、巨大なバイブレーターがウィーンと唸りを上げて動き出した。幹全体がウネリながら、全体が高速で細かく振動していた。こんな人間離れした動きを自分の中でされたら、気が狂いそうだった。
「ヒィイッ……!」
ボールギャグを噛まされた瑞紀の口から、短い悲鳴が上がった。バイブレーターの動きが変わったのだ。今度は、幹全体が大きくウネっていた。その振り幅は優に十センチを超えていた。瑞紀が感じている恐怖をニヤリと笑いながら見つめると、李がスイッチを最大に切り替えた。
「ん、んやぁああ……!」
その動きを眼にした瞬間、瑞紀はボールギャグを噛まされていることさえ忘れて悲鳴を上げた。第二段階の大きなウネリに加えて、幹全体が高速で回転しだしたのだ。幹にビッシリとつけられているイボイボが不規則に膣壁を抉り取る様子が、まざまざと見えるようだった。
(あんなのを使われたら……私、壊れる……)
この数日で急激に開発された瑞紀の体が、その巨大なバイブレーターの刺激に耐えられるはずはなかった。
「心配するな。いきなりこんなモノを入れたら、どんな女でもアソコが裂けちまう。我々三人でお前の体を隅々まで蕩かせてやる。二、三回イカせて十分に濡らしてからこいつで可愛がってやるから、楽しみにしていろ……」
「んッ……ん、んんッ……ん、んやぁあ……!」
李の言葉を拒むように、瑞紀が激しく首を振った。長い黒髪がバサバサと舞い靡いた。その様子を楽しげに見つめると、李がニヤリと笑いながら告げた。
「ひん剥いて、素っ裸にしろッ……!」
李の命令を受けて、二人の男たちが瑞紀に群がってきた。
「んッ、んやぁああ……!]
瑞紀にボールギャグを噛ませた男が、力任せに瑞紀のブラウスを引き裂いた。プチップチッという音とともにボタンが千切れ飛び、淡青色のブラジャーに包まれた白い胸元が露わになった。男はナイフを手に取ると、ブラウスを切り裂いて布きれに変えていった。瑞紀の上半身は、あっという間にブラジャー一枚だけが残された。
もう一人の男はデニムのジッパーを開け、スキニーパンツを一気に太股まで下ろした。そして、ナイフでスキニーパンツを切り裂いていき、瑞紀の体から完全に取り払った。そして、ベージュのストッキングを力任せに破り裂くと、これもナイフを使ってすべて布きれに変えた。
「いい躰をしているな。胸もでかいし、腰つきもいい。鍛えているだけあって、ウエストの締まりも十分だ。これは楽しめそうだな……」
舌舐めずりしそうな口調でそう告げると、李はブラジャーとパンティ一枚にされた瑞紀の肢体を視姦するように見つめた。
レオナルド=ベーカーは目の前に座る男を冷めた視線で見据えると、呆れたように告げた。小太りで下ぶくれした丸顔の男だった。見事にはげ上がった頭に、残忍さと冷酷さを兼ね備えた眼と大きな鷲鼻が印象的な男だった。<蛇咬会>の下部組織である<狗神会《こうじんかい》>の会長、李昊天である。武闘派集団である<狗神会《こうじんかい》>を束ねるだけあり、自らも少林寺拳法三段の猛者であった。その李がレオナルドを前にして冷や汗を拭っていた。
「申し訳ありません。あの女、凄まじい射撃の腕を持ってまして……。十五人送り込んだ連中のうち、十三人が三発ずつ喰らって病院送りでして……」
「三発ずつだと……? 3点射……ベレッタM93Rか……?」
「はい、そのようで……。撃たれた奴らの話では、銃声が三回ずつ鳴っていたというので間違いないかと……」
ベレッタM93Rは一九七七年にイタリアで開発された対テロ用マシンピストルだ。今から八十年前の旧式な拳銃だが、その火力と命中精度は最新の拳銃に勝るとも劣らなかった。9mmパラベラム弾を最大二十一発装填できる上、3点射が可能な高い制圧力を持った銃である。
3点射とは、トリガーを一度引くだけで三発の弾丸を発射する機構で、フルオートに比べると銃身の跳ね上がりが制御し易く弾丸も節約できる。使用する9mmパラベラム弾は最新の弾丸と比べれば貫通力や威力が劣るが、三発同時に着弾可能なことで、そのデメリットをカバーするには余りあった。
「ベレッタ社は93Rを民間には販売していない。法執行機関からの需要があった時にだけ生産し供給しているはずだ。<星月夜>は民間とはいえ、軍隊並みの戦力を有するアジア最大の総合警備コンツェルンだ。ベレッタM93Rの供給ルートを持っていても不思議ではないか……」
レオナルドが腕を組みながら、ニヤリと笑みを浮かべた。その笑いは、レオナルドの捕獲者としての興味から漏れ出たものだった。狩りは困難を極めるほど面白いのだ。
「どんな手を使ってもいい。必ず楪瑞紀を私の前に連れてこい。ただし、絶対に殺したり傷つけたりはするな。あの女は<蛇咬会>会長が長年捜し続けていた女だ。髪の毛一筋ほどでも傷をつけたら、会長のお怒りを買って<狗神会《こうじんかい》>は取り潰されることになると思え……」
「はい……。肝に銘じて……」
レオナルドの言葉に、李は額から流れ落ちる汗をハンカチで拭いながら大きく頷いた。構成員三千人以上と言われる中国系最大のマフィア<蛇咬会>を敵にする気など、起きようはずもなかった。
「この任務を成功させたら、<蛇咬会>の盃をやろう。期待しているぞ、李昊天……」
レオナルドの凍てつくような蒼青色の瞳が、真っ直ぐに<狗神会《こうじんかい》>会長の顔を見据えた。
「では、一時間後に俺の部屋に来い……。相手は<蛇咬会>だ。油断するなよ。銃は肌身離さず携帯していろ……」
「心配しすぎよ、龍成……。ここは<星月夜>の独身寮よ。このリスト・タブレットがなければ入れないし、そもそも捜査員の住居は<星月夜>でもトップ・シークレット扱いよ。<蛇咬会>も私たちがここに住んでいることまでは掴めないわよ」
龍成の危惧を笑い流すと、瑞紀は彼に手を振って自室のある七階でエレベーターを降りた。「それもそうだな……」と苦笑いを浮かべながら呟くと、龍成を乗せたエレベーターは十三階へと上っていった。それを見送りながら、瑞紀は期待と不安に胸を高鳴らせた。
「俺の部屋に来い、か……」
瑞紀は今から着替えなどを取りに自分の部屋に戻るのだ。そして、十三階にある龍成の部屋に行き、今夜も一緒に過ごすことになっていた。
(これから、私はまた龍成に抱かれるんだ……)
一昨日から今朝にかけて、三日連続で瑞紀は龍成に抱かれた。
最初は龍成の相棒となるために、一度だけ抱かれる約束だった。だが、龍成のセックスはかつて経験したこともないほどの凄まじい快感を瑞紀に与えた。この三日間で瑞紀が絶頂に達した回数は数え切れなかった。壮絶すぎる歓悦に二回も失神させられたのだ。
(セックスがあんなに気持ちいいなんて、知らなかった……。あんなの覚えたら、私、龍成から離れられなくなる……)
瑞紀は自分の体が龍成によって淫らに開発されていくのが分かった。抱かれるたびに感じやすくなり、その快感が大きく深くなっているのだ。
(毎日のようにあんなセックスをされたら、私、絶対におかしくなるわ……。きっと、龍成とのセックスのことしか考えられなくなる……)
これから龍成に抱かれると思うだけで、子宮が疼き、花唇が濡れ始めているのが自分でも分かった。たぶん、すでに左胸の真紅の薔薇も咲いているに違いなかった。
「やっぱり、今夜は龍成のところに行くのはやめよう……」
自分の部屋のセキュリティ・システムに左腕のリスト・タブレットを翳しながら、瑞紀が呟いた。カシャンと音がしてロックが解除されると、瑞紀はドアを開いて部屋の中に入った。玄関で革ブーツを脱ぐと、黒い革ジャケットとベレッタM93Rを挿したショルダーホルスターをリビングのソファに置いた。
「連絡するなら、早い方がいいわよね……」
龍成を呼び出すために、瑞紀は左腕のリスト・タブレットを操作し始めた。その時、凄まじい衝撃が全身を襲った。
「ひぃいいい……!」
愉悦の硬直のように、四肢の先端まで痺れて指一本動かせなかった。それがスタンガンの高圧電流によるものだと気づいた時には、瑞紀は床に崩れ落ちていた。
(何……? 自室で襲われる……なんて……)
スタンガンで意識を失うというのは都市伝説である。高圧電流によって全身の筋肉が麻痺して言葉さえも発せなくなるが、余程のことがない限り意識は保ったままだ。横たわる瑞紀の背後から人の気配が近づいていた。どうやら二人いるようだった。電圧にもよるが、筋力が戻るまでには数十秒から数分かかるはずだ。瑞紀はすぐに反撃できるように、ソファに置いたベレッタM93Rの位置を眼で確認した。
だが、敵は瑞紀に反撃の機会を与えるつもりはなかった。顔を左に向けてうつ伏せになっている瑞紀の口元に、背後から白い布が押しつけられた。その強烈な刺激臭を嗅いだ途端、瑞紀の意識は急速に薄れていった。
(クロロフォルム……? 龍成……たすけ……て……)
その思考を最後に、瑞紀の意識は完全に途切れた。瑞紀が部屋の中に入ってから、一分も経過していなかった。
「遅い……」
左腕に付けたリスト・タブレットで時間を確認すると、午後十時十五分だった。約束の時間を十五分も過ぎていた。<星月夜>の特別捜査官は時間を厳守することを徹底的に叩き込まれる。危険な任務が多いため、一秒の誤差が命取りになる可能性があるからだ。優秀な特別捜査官である瑞紀が、無断で十五分も遅れることはあり得なかった。
「何かあったか……?」
龍成は厳しい表情を浮かべながら呟いた。
瑞紀は女であり、女は一般的に身支度に時間がかかるものだ。その上、今は任務中ではなく、プライベートだ。それらを考慮して、龍成は十五分間待ったのだ。
しかし、その判断が悔やまれた。瑞紀の身に危険が迫ったのだとしたら、この十五分は取り返しがつかない致命的な時間だった。
龍成は黒革のジャンパーを羽織ると、左脇に吊ったショルダーホルスターから愛用のB&T USW P320を抜いて安全装置を解除した。昼間の襲撃では瑞紀が一人で相手を撃ち倒したため、P320のマガジンには二十発の弾丸がそのまま残っていた。
龍成はP320を右手に持つと、七階にある瑞紀の部屋へと急いだ。
「ここは……?」
意識を取り戻すと、瑞紀は自分の置かれている状態に気づき、愕然とした。
両手を革の拘束具で一括りに纏められ、天井から太い鎖で吊られていた。両足首にも同様に革の拘束具が填められており、床から伸びた鎖で大きく足を開かされていた。文字通り、人型の状態で拘束されていたのだ。
薄暗い部屋の中には窓一つなく、どこかの地下倉庫のようだった。いや、地下牢と言った方が近いかも知れない。二十平方メートルほどの狭い部屋の片隅には、簡易ベッドとトイレが設置されていた。部屋の入口のドアは鉄製で、開閉にかなりの力が必要そうだった。天井、壁、床とすべてがコンクリートの打ちっぱなしで、まるで囚人の逃亡する気力を奪い取るかのように装飾一つない無機質な部屋だった。
(取りあえず、衣服の乱れはない……。犯されてはいない……)
瑞紀は自分の着衣を確認すると、ホッと胸を撫で下ろした。黒革のジャンパーとショルダーホルスターを自室で外した状態のままだった。上は長袖の白いブラウスを着ており、下はスキニータイプの黒いデニムジーンズを履いていた。靴は履いておらず、素足にベージュのストッキングのままだった。
(リスト・タブレットがない……)
左手首にあるはずのリスト・タブレットは外されていた。部屋の中を見渡しても、それらしき物は見当たらなかった。つまり、どこにも連絡できず、誰にも助けを求めることが出来ないということだった。
(約束の時間に部屋に行かなかったから、龍成は私の身に何かあったと気づくはずだわ。リスト・タブレットさえあれば、この場所を龍成に知らせることができるのに……)
<星月夜>の特別捜査官に支給されているリスト・タブレットは、民間の物に比べて遥かに高機能だった。音声電話、TV電話、インターネット、メールなどのタブレット機能は当然のこと、各種セキュリティ・キーとしての機能やクレジット機能、無線機能、GPS機能などを備えていた。特に無線機能とGPS機能は<星月夜>特有の回線を使っており、傍受や解析が極めて困難な仕様となっていた。
「どうやら、お目覚めのようだな……楪瑞紀……」
ギィイーっと重厚な音を響かせて鉄製の扉が開き、三人の男たちが地下牢に入ってきた。その真ん中にいる小太りの男がニヤリと笑みを浮かべながら告げた。見事にはげ上がった頭部と、冷酷さを秘めた鋭い目つきの男だ。両脇の男たちは、この男の部下かボディガードのようだった。
「あなたは……?」
この男が自分の拉致を命じた男だと、瑞紀の直感が告げた。黒曜石の瞳に激しい怒りの焔を浮かべながら、瑞紀が男を睨みつけた。
「私は<狗神会《こうじんかい》>会長の李昊天だ。ある友人に君を引き合わせるためにご足労願った……」
李の視線が瑞紀の肢体を舐めるように這った。その嫌悪感に歯を噛みしめながらも、瑞紀は気丈に告げた。
「ご足労、ね……? スタンガンを当てたり、クロロフォルムを嗅がせて女を拉致することが、あんたたちの招待っていうわけ……? そんなのお断りだわ。この鎖を解いて、早く私を解放しなさい!」
その啖呵に李は一瞬驚いた表情を浮かべたが、再び厭らしい笑みを浮かべると瑞紀に近づいてきた。
「なかなかのじゃじゃ馬だな……。だが、気の強い女は嫌いじゃないぞ……」
そう告げると、李は右手で瑞紀の左胸を掴み、その弾力を楽しむように揉みしだいた。
「汚い手で触らないでッ……!」
瑞紀は李の顔を目掛けて唾を吐いた。李の瞳が驚愕に見開かれ、怒りの焔を浮かべた。次の瞬間、瑞紀は左頬を激しくビンタされていた。手加減の欠片もない平手打ちだった。唇の端から血が流れ落ち、口の中に鉄の味が広がった。
「また、唾を吐かれてはたまらん……。おい、こいつにボールギャグを噛ませろッ!」
李の命令を受けて、彼の右側の男が瑞紀の背後に回った。そして、瑞紀の口にピンポン球のような物を無理矢理入れると、それに付いている革ひもを後頭部に廻して固定した。
「んッ……ん、んぅんッ……ん、やぁあッ……!」
ピンポン球には小さな穴が多数空いているため、息苦しさはなかった。だが、大きく口を開かされたことにより、唾を飲み込むことが困難だった。必然的に、瑞紀の唇の端から涎が垂れ落ちた。
「お前は明日にでもあの方に献上するが、その前に我々を嗅ぎ回っている鼠をおびき寄せる餌になってもらおう」
(鼠……餌……? どういう意味……?)
瑞紀はキッと李の顔を睨みつけながら考えた。李の告げた<狗神会《こうじんかい》>というのは、新宿に本拠を置く中国系マフィアの一つだ。<蛇咬会>の下部組織であるとも言われている。
昨日、<蛇咬会>の息のかかった連中から瑞紀たちは襲撃を受けた。その理由は、龍成が<サキュバス>の流通経路を調査しているためらしい。つまり、瑞紀を餌として龍成をおびき出し、彼を始末することが<狗神会《こうじんかい》>の目的だと気づいた。
(龍成に助けを求めることは、彼を殺してしまうことに繋がる……。私一人で、どうにかここを脱出しないと……)
「おい、ビデオを廻せ……」
李の命令を受けて、左側の男が三脚にポータブル・ビデオをセットして瑞紀の姿を録画しだした。
(ビデオ……? どういうつもり……? まさかッ……!?)
瑞紀は背筋がゾッとし、蒼白になった。
(こいつら、私を凌辱して、その映像を龍成に送るつもりじゃ……?)
「これから、お前が失神するまでこれで責め抜いてやる。そして、その映像を<星月夜>に送りつけ、奴らとの交渉材料とする。どこまでその強気な態度が続くか見物だな。簡単に屈服してくれるなよ……」
そう告げると、李は瑞紀に見せつけるようにそれを彼女の眼前に掲げた。その異様な形と大きさを見て、瑞紀は竦み上がった。
男を模した巨大なバイブレーターだった。幹の部分の太さは七、八センチあり、長さは三十センチくらいあった。黒光りした漆黒の色をしており、血管の筋もリアルに再現されていた。その上、直径一センチちかい半球状の塊が、ヤクザが自分の男に真珠を入れたようにビッシリと幹に付いていた。
(あんなの……入るはず……ない……)
紛れもない恐怖に、瑞紀は全身がブルブルと震え、その美しい黒瞳から涙が溢れだした。気が強いと言っても、瑞紀は若い女性だ。女を責め抜くことに特化した凶器を前にして、怯えないはずはなかった。
「十三人の男を撃ち倒したお前でも、恐怖は感じるのか? ついでに、こいつの性能を教えておいてやろう。このスイッチで、動きが三段階変わる。よく見ておけ……」
「ヒッ……!」
李が手元のスイッチをオンにした瞬間、巨大なバイブレーターがウィーンと唸りを上げて動き出した。幹全体がウネリながら、全体が高速で細かく振動していた。こんな人間離れした動きを自分の中でされたら、気が狂いそうだった。
「ヒィイッ……!」
ボールギャグを噛まされた瑞紀の口から、短い悲鳴が上がった。バイブレーターの動きが変わったのだ。今度は、幹全体が大きくウネっていた。その振り幅は優に十センチを超えていた。瑞紀が感じている恐怖をニヤリと笑いながら見つめると、李がスイッチを最大に切り替えた。
「ん、んやぁああ……!」
その動きを眼にした瞬間、瑞紀はボールギャグを噛まされていることさえ忘れて悲鳴を上げた。第二段階の大きなウネリに加えて、幹全体が高速で回転しだしたのだ。幹にビッシリとつけられているイボイボが不規則に膣壁を抉り取る様子が、まざまざと見えるようだった。
(あんなのを使われたら……私、壊れる……)
この数日で急激に開発された瑞紀の体が、その巨大なバイブレーターの刺激に耐えられるはずはなかった。
「心配するな。いきなりこんなモノを入れたら、どんな女でもアソコが裂けちまう。我々三人でお前の体を隅々まで蕩かせてやる。二、三回イカせて十分に濡らしてからこいつで可愛がってやるから、楽しみにしていろ……」
「んッ……ん、んんッ……ん、んやぁあ……!」
李の言葉を拒むように、瑞紀が激しく首を振った。長い黒髪がバサバサと舞い靡いた。その様子を楽しげに見つめると、李がニヤリと笑いながら告げた。
「ひん剥いて、素っ裸にしろッ……!」
李の命令を受けて、二人の男たちが瑞紀に群がってきた。
「んッ、んやぁああ……!]
瑞紀にボールギャグを噛ませた男が、力任せに瑞紀のブラウスを引き裂いた。プチップチッという音とともにボタンが千切れ飛び、淡青色のブラジャーに包まれた白い胸元が露わになった。男はナイフを手に取ると、ブラウスを切り裂いて布きれに変えていった。瑞紀の上半身は、あっという間にブラジャー一枚だけが残された。
もう一人の男はデニムのジッパーを開け、スキニーパンツを一気に太股まで下ろした。そして、ナイフでスキニーパンツを切り裂いていき、瑞紀の体から完全に取り払った。そして、ベージュのストッキングを力任せに破り裂くと、これもナイフを使ってすべて布きれに変えた。
「いい躰をしているな。胸もでかいし、腰つきもいい。鍛えているだけあって、ウエストの締まりも十分だ。これは楽しめそうだな……」
舌舐めずりしそうな口調でそう告げると、李はブラジャーとパンティ一枚にされた瑞紀の肢体を視姦するように見つめた。
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