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序章
6 ラブホテルの夜
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首都高横羽線のみなとみらいICで一般道に降りると、二人は国道十六号沿いにあるファミリーレストランに入って遅い夕食を取った。平日の午後八時を過ぎたファミレスは、客の数もまばらだった。
食事を終えてファミレスの近くにあるラブホテルに入った頃には、午後十時を廻っていた。龍成は地下駐車場にワンボックスを駐めると、エスカレーターで一階にあるフロントに向かった。そして、室内の画像が映されている多数のパネルから一室を選ぶと、横にあるスイッチを操作してカードキーを受け取った。
エレベーターで最上階に上ると、龍成はセキュリティ・システムにカードキーを挿し込んで入口のロックを解除した。彼に続いて部屋の中に足を踏み入れながら、瑞紀は物珍しげに周囲を見渡した。
(ラブホテルってイヤらしいイメージがあったけど、思ったよりも清潔でお洒落なんだ……)
部屋の中央には大きなクィーンサイズのベッドが置かれ、その奥にはカラオケセットや冷蔵庫などが配置よく並べられていた。左手はバスルームになっており、寝室との間仕切りには二メートル四方もある大きな鏡がはめられていた。
「こういう場所は初めてか……?」
「はい……。想像していたよりも綺麗で驚いたわ。でも、約束は守ってください……」
龍成と二人きりで個室にいることを意識すると、瑞紀はやや緊張しながら念を押した。相棒を組むために彼に抱かれるという約束は一度だけだったのだ。
瑞紀はベッドの脇にあるソファに腰をかけると、龍成を牽制するように左脇に吊ったホルスターからベレッタM93Rを抜き、これ見よがしにチェックを始めた。スライドを引いて薬室に弾丸を一発送り込むと、マガジンリリースボタンを押してマガジンを引き出し弾丸を補充してからマガジンを再装着した。これで、薬室に送られた一発とマガジンの二十発を合わせて二十一発となり、3点射が七回撃てるようになるのだ。
「心配するな。そんなに警戒しなくても、襲いかかったりはしないさ。お前が誘惑してこない限りはな……」
瑞紀の内心を見透かしたように、龍成が笑いながら告げた。
「誘惑なんて、するはずありません。あんな目に遭うのは二度とゴメンですから……」
「あんな目……? 俺にはずいぶんとお前が悦んでいたように見えたが……。最後には自分から俺を求めてきたと思ったが、違ったか……?」
ニヤリと笑いを浮かべながら、龍成が揶揄するように告げた。
「あ、あれは……、龍成があんなに何度もするから……。よ、悦んでなんて、いませんッ……!」
昨夜の激しいセックスを思い出し、瑞紀は真っ赤になりながら叫んだ。龍成に教え込まれた女の情欲が熱い滾りとなって、体の芯からカアッと燃え上がった。早鐘を打つように鼓動が高まり、全身が熱く汗ばんでくるのが自分でも分かった。
(今日も……あんなこと……されたら……私……)
「まあ、いい……。先にシャワーを浴びていいぞ。硝煙の匂いを付けたまま、いつまでもいたくはないだろう……?」
瑞紀の動揺を手に取るように感じながら、龍成が笑って告げた。彼の言葉を助け船のように感じ、それに縋りついて瑞紀は大きく頷いた。
「え、ええ……。そうさせてもらいます……」
黒革のジャンパーを脱いでショルダーホルスターを外すと、瑞紀はそれらをテーブルの上に重ねて置いた。そして、クローゼットからフェイスタオルを取り出すと、ベレッタM93Rを包み始めた。入浴中に敵の襲撃を受けても即対応できるように、ベレッタM93Rをバスルームに持ち込むためだった。準備を終えると瑞紀はバスルームのドアを開け、逃げるように早足で寝室を後にした。
(思ったよりもやるな……。さっきの銃の腕前といい、想像以上だ。もう少し鍛えれば、かなりモノになるかもな……。まあ、今夜はもう襲われることはないだろうし、ゆっくりと楽しませてもらうか……)
瑞紀の後ろ姿を見送ると、バスルームとの間にある大きな鏡に視線を移しながら龍成はニヤリと笑みを浮かべた。そして、リモコンを手に取ると、常夜灯一つを残して部屋の照明をオフにした。
その瞬間、バスルームと寝室を隔てている鏡が透過して、瑞紀の裸身がくっきりと浮かび上がった。それがマジックミラーであることに気づいていない瑞紀は、その美しい肢体を惜しげもなく龍成に披露していた。
トリートメント・イン・シャンプーで泡立てた髪を手で梳きながら、瑞紀は熱いシャワーで丁寧に洗い流した。長い黒髪が艶やかな輝きを取り戻したことを鏡で確認すると、瑞紀は満足そうな微笑みを浮かべた。
そして、ボディシャンプーを手に受けて泡立てると、ゆっくりと白い裸身を洗い始めた。その手が左胸に触れたとき、瑞紀は困惑した表情で鏡の中の自分を見つめた。
(やだ、薔薇が……。きっと、シャワーを浴びたせいよ……)
左胸に真紅の薔薇が美しく咲いていた。これは、体内の血流が良くなると浮き出てくる顕現刺青と呼ばれる特殊な刺青だった。普段は目立たないが、興奮状態になったりすると浮かび上がってくるのだ。昨夜、龍成に抱かれている間もずっと左胸に紅い薔薇が咲き誇っていた。
だが、瑞紀の体の変化はそれだけではなかった。白い乳房の頂にある薄紅色の乳首が硬く屹立していたのだ。
(何で、こんなに硬くなってるの……?)
「んッ……あッ……!」
ヌルヌルに泡立てた右手で左乳首に触れた瞬間、甘い喜悦が全身を走り抜け、瑞紀は思わず白い顎を仰け反らせた。
(うそ……いつもより、感じやすくなってる……?)
まるで、昨夜の激しいセックスで、自分の体が淫らに作り替えられたようだった。普段とは比較にならないほど、乳首が敏感になっていた。
自分の性感の変化を確認するかのように、瑞紀は両手で豊かな胸を優しく揉み始めた。ヌメリと泡立った手の平で乳首が擦られるたびに、紛れもない官能の愉悦が背筋を舐め上げ、恥ずかしい声が漏れそうになった。
「んッ……んくッ……んはッ……」
(…気持ち、いい……胸だけで……こんなに感じる……なんて……)
無意識に手の動きが速くなっていった。白い乳房を波打つように揉みしだき、ガチガチに尖った乳首を指先で摘まみ上げるとコリコリと扱きながら転がした。その度に峻烈な快感が全身を駆け巡り、白い裸身がビクッビクッと震えた。
(ダメッ……こんなこと、やめないと……龍成に……気づかれる……)
頭ではそう思いながらも、瑞紀は手の動きを止められなかった。熱く燃え上がり始めた女体が、更なる快感を求めていた。抑えきれない喘ぎ声が唇から漏れそうになり、心臓の鼓動が早鐘を打つように激しくなっていった。全身に鳥肌が沸き立ち、膝がガクガクと震え始めた。
(気持ち……いいッ……! だめ……これ以上は……)
だが、瑞紀の意志に逆らうように、右手が滑らかな腹部を撫でながら濡れた叢をかき分けた。瑞紀の女は、自分でも驚くくらいビッショリと濡れていた。
クチュッという音色とともに、瑞紀は花唇に中指を挿し込んだ。そして、ゆっくりと抜き挿ししながら、指先を鉤状に折り曲げると、コリコリと粒だった天井部を擦り始めた。
「あッ、くぅうッ……!」
熱い喘ぎが漏れそうになり、瑞紀は唇を噛みしめながら白い顎を仰け反らせた。腰骨を蕩かせるような愉悦が背筋を這い上がって脳髄を甘く溶かした。
(こんなこと……やめないと……。ダメッ……指、止まらない……)
狭い浴室に、クチュックチュッと卑猥な音色が響き渡った。
「アッ……くぅッ……ア、アッ……気持ち……いいッ……!」
左手で乳房を激しく揉みしだきながら、硬く屹立した薄紅色の乳首を摘まんで捏ね回した。そして、濡れた花唇に挿し入れた右の指先は、入口の天井部にあるツブツブを引っ掻きながら、抜き挿しする速度を速めていった。
瑞紀の脳裏から、龍成の存在が消え失せた。左手全体で乳首を押しつぶしながら豊かな乳房を激しく揉みしだいた。右手は花唇の中で暴れまくり、プシャップシャッと卑猥な音色を奏でながら飛沫を飛び散らせた。
「アッ、アァアア……! ダメッ……! もうッ……!」
(イッちゃうッ……! 声、抑えないと……! だめッ……イクッ……!)
「んッ、クゥ……ううぅ……!!」
唇を強く噛みしめると、瑞紀は白い喉を大きく仰け反らせながら絶頂を極めた。愉悦の激流に身を任せるように、瑞紀はビックンッビックンッと激しく総身を痙攣させた。そして、官能の極みを貪るようにガクガクと裸身を硬直させると、体中の筋肉を弛緩させてグッタリと床に座り込んだ。
「ハア……ハァ……ハアァ……」
(凄い……気持ち……よかった……)
熱い吐息をせわしなく吐く唇の端から、トロリと糸を引きながら涎が一筋垂れ落ちた。白い肌は赤く上気し、ビクンッビクンッと痙攣を続けていた。花唇から溢れ出た蜜液は内股を伝って流れ、浴室の床に淫らな染みを描いていた。
「自慰で俺を誘惑してくるとは、さすがに予想もしてなかったぞ」
不意にバスルームのドアが開かれ、龍成がニヤリと笑みを浮かべながら入ってきた。
「ひッ……」
驚愕のあまり、悲鳴さえ上げられずに瑞紀は愕然として龍成の顔を見上げた。そして、慌てて両手で胸を隠すと、龍成に背を向けて身を縮めた。
「ラブホテルの鏡はマジックミラーになっていることを知らないのか? おかげで滅多に見られない貴重なシーンを思う存分堪能させてもらったぞ」
「うそ……そんな……! いやぁああ……!」」
龍成の言葉の意味に気づくと、瑞紀は羞恥のあまり裸身を真っ赤に染め上げて悲鳴を上げた。
(見られた……? あんな恥ずかしい姿を……全部、見られてた……!?)
(死にたい……! もう、生きていけない……!)
瑞紀の眼が、白いフェイスタオルに包まれた塊を捉えた。次の瞬間、瑞紀は全裸であることも忘れてその塊に飛びついた。巻き付けたタオルを引き剥がすと、黒光りするベレッタM93Rの銃身が姿を現した。
瑞紀は安全装置を外すと、ベレッタM93Rのグリップを握りしめて、銃口を自分の右のこめかみに押しつけた。
ダーンッ……!
狭い浴室内に、轟音が反響した。
初速372mで発射された9mmパラベラム弾が、バスルームの天井に着弾して穴を開けた。
「バカヤロウッ! 何考えてるんだッ!」
間一髪、龍成が瑞紀に飛びかかり、ベレッタM93Rの銃口を上に逸らせたのだった。そして、瑞紀の右手からベレッタM93Rを奪うと、安全装置を掛けて自分の背中に廻し、銃口を下にしてズボンに突っ込んだ。床に投げ捨てるとその衝撃で照準が狂うおそれがあるからだ。紛れもなくプロの対応だった。
「死なせてよッ! あんな姿を見られて、生きてられないッ!」
女として最大の生き恥を晒し、黒瞳から大粒の涙を流しながら瑞紀が叫んだ。想像を絶する恥辱にその美貌は真っ赤に染まり、自分が全裸であることも忘れて全身をブルブルと震わせていた。
「悪かった……。少し、調子に乗りすぎた。許せ……」
そう告げると、龍成は瑞紀の裸身を優しく抱き寄せた。豊かな双乳を龍成の逞しい胸板で押しつぶされながら、瑞紀は彼の左肩に顔を埋めた。
龍成が左手で濡れた黒髪を梳きながら、瑞紀の背中に右手を廻して慰めるように撫ぜ始めた。
「まったく、気が強いにも程があるぞ……。これくらいで死のうだなんて……。昨夜はもっと恥ずかしい姿を何度も晒してただろう?」
「そ、それとこれとは……全然違う……んッ……」
男に抱かれて歓悦の極みに達することと、浅ましく自慰に耽っている姿を見られることは、女にとってまったく意味が違った。
だが、瑞紀の抗議の言葉は、龍成の唇で塞がれた。淡紅色の唇を割って、龍成の舌が挿し込まれた。そして、まるで瑞紀の性感を引き出すかのように、ネットリと舌を絡めてきた。
「んはッ……ん、んくッ……んあッ……」
ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げると、瑞紀は自ら積極的に舌を動かし始めた。愉悦に達した女体の焔を、濃厚な口づけが瞬く間に再燃させた。瑞紀の裸身がビクッビクッと細かく痙攣を始め、膝がガクガクと震え始めた。龍成のシャツに擦られた乳首が痛いほどそそり勃ち、花唇から溢れた蜜液がネットリとした糸を引きながら白い内股を伝って流れ落ちた。
(……気持ち……いい……。うそッ……キスだけで、私……イッちゃうッ……!)
「んッ……ん、くぅううッ……!」
ビックンッっと大きく痙攣すると、瑞紀はガクガクと全身を硬直させて愉悦の奔流を噛みしめた。そして、細い涎の糸を引いて唇を離すと、ハァハァと熱い吐息を漏らしながら官能に蕩けた黒瞳で龍成を見つめた。
「キスだけで、イッたのか……?」
龍成が驚いた表情で、真っ赤に上気した瑞紀の美貌を見つめた。
「イッて……なんて……ない……」
フルフルと小さく首を振ると、瑞紀が消え入りそうな小声で告げた。だが、それが虚勢であることは誰の目にも明白であった。淡紅色の乳首はガチガチに尖り、花唇から溢れた蜜液は白い内股に幾筋も淫らな跡を残して垂れ落ちていた。
そして、その左胸には真紅の薔薇が濡れ光りながら、美しく花開いていた。
「やだ……こんな格好……! 解いて……」
恥ずかしさと怯えとが入り混じった声で、瑞紀が喘いだ。
「自慰の恥ずかしさなんて忘れるくらいの経験をさせてやる」と告げられ、瑞紀はバスルームから連れ出されてベッドに横たえられた。そして、全裸のままX字型に寝かされ、四肢を革の拘束具でベッドの四隅に括りつけられた。その上、アイマスクで目隠しをされ、視界さえも奪われた。
「瑞紀はラブホテルが初めてだろう? ここには面白い玩具がたくさんあるんだ」
そう告げると、龍成はコントロール・スイッチをオンにして、二つの卵形ローターを瑞紀の両耳に近づけた。
「な、何……イヤッ……ヒィイイ……!」
ヴィーンという音を響かせながら、小刻みに振動するローターが瑞紀の耳の中に押しつけられた。その瞬間、白い喉を仰け反らせて、瑞紀が悲鳴を上げた。
「やめッ……アッ、ヒィイイ……! いやッ……止めてッ……! アッ、アァ、アアァッ……!」
小刻みな振動がゾクゾクとした官能を引きずり出して、峻烈な愉悦が脳髄を甘く溶かした。一瞬たりともじっとしていられずに、瑞紀は長い黒髪を振り乱しながら恥ずかしい喘ぎ声を上げた。
「ひッ……いやぁああ……! アッ、アヒィッ……! やめ……アンッ、アッ、アァアア……!」
形の良い両耳を真っ赤に染め上げ、黒いアイマスクの縁を涙で濡らしながら瑞紀はのたうち回った。赤く上気した裸身はビクッビクンッと痙攣を始め、豊かな乳房の中心には薄紅色の乳首がガチガチにそそり勃っていた。
「ハァアア……ひうッ……! いや……ヒッ……ア、アッ、ダメッ……アァアア……!」
龍成がローターをゆっくりと動かした。耳たぶの裏を撫で上げ、首筋から鎖骨に沿って何度も行き交いさせた。その度に白い喉を仰け反らせながら、瑞紀が熱い喘ぎを迸らせた。
仰向けに寝かされていても型崩れしていない乳房を揉みしだきながら、龍成は円を描くようにローターを徐々に麓から頂上へと進めた。だが、ぷっくりと膨らんだ乳輪を一周させると、肝心の乳首には触れずに再び円を描きながら麓へと降りていった。それを何度も繰り返した後、龍成がニヤリと笑みを浮かべながら言った。
「どうした、こんなに乳首をガチガチにして……? これを当てて欲しいのか……?」
龍成の言葉に思わず頷きそうになったが、瑞紀はフイッと顔を横に逸らして唇を噛みしめた。
(こいつ……焦らして遊んでいるわ……。絶対に思い通りなんてならないッ……!)
乳首への刺激を渇望していることは、自分自身が一番分かっていた。だが、それを認めることは瑞紀の自尊心が許さなかった。
「本当に気が強い女だな……。だが、女の躰は快感に耐えられるようにはできていない。いつまでそのやせ我慢が続くかな……?」
そう告げると、龍成は両手で瑞紀の乳房を揉みしだき始めた。形が変わるほど強く絞り上げたかと思うと、撫ぜるように優しく愛撫した。その緩急自在の動きに、瑞紀の性感は否が応でも高まっていった。だが、その間も龍成は、そそり勃つ乳首には一切触れてこなかった。
「くッ……ん、くぅうッ……ん、アッ……やめ……んッ、アァアアッ……!」
胸から広がる甘い快感が背筋を舐め上げ、脳天で弾けた。四肢の先端まで愉悦が走り抜け、瑞紀は白い喉を仰け反らせて抑えきれない嬌声を上げた。
ヴィーンッという律音とともに、甘い振動が乳房の裾野からゆっくりと円を描きながら頂点に向かって動き出した。龍成が再びローターによる責めを始めたのだ。
「ひッ……やめ……いやッ……! ダメッ……あッ、くうぅッ……アッ、アァッ……!」
龍成は左胸に咲く真紅の薔薇に沿ってローターを進めた。乳首に巻き付くように螺旋を描く茎をなぞると、硬くそそり勃つ頂きには触れずに再び薔薇の花びらに向かってローターを下ろしていった。
そして、左手はローターを手の平で転がしながら、瑞紀の右胸を揉みしだいた。こちらもガチガチに尖りきった乳首には一切触れようとしなかった。
「もう……ゆるして……。おかしく……なっちゃう……アッ、アァアア……!」
その焦らし責めを二十分以上も続けられたとき、瑞紀の口から屈服の言葉が漏れた。白い裸身は真っ赤に染まり、アイマスクをされた目尻からは幾筋もの涙が流れて頬を濡らしていた。ハァハァとせわしなく熱い喘ぎを漏らす口元からは、ネットリと涎が糸を引いて垂れ落ちていた。
ビクンッビクンッと総身は痙攣し続け、淡紅色の乳首は限界まで硬く屹立していた。赤く充血した花唇は濡れ光りながら開き始め、溢れ出た蜜液が白いシーツにビッショリと淫らな染みを描いていた。
「どうして欲しいか、言ってみろ……」
龍成がローターで乳輪をなぞりながら告げた。
「アンッ……! おね……がい……、もう……気が狂い……そうなの……」
ローターの刺激に白い喉を仰け反らせながら、瑞紀が切羽詰まった声で啼いた。その様子を満足げに見下ろすと、龍成はローターを擦りつけながら瑞紀の豊かな乳房を揉みしだいた。
「どこを、どうしてもらいたいのか、はっきりと言葉にしろ……」
脳髄さえもドロドロに蕩かされた瑞紀は、龍成の言葉に逆らうことなどできなかった。熱い喘ぎを漏らしながら、瑞紀は小さく頷いた。
「それを……乳首に……当てて……」
恥辱の言葉を口にした瞬間、瑞紀の花唇からトロリと蜜液が溢れ出た。
「そのローターで、イヤらしく尖った私の乳首を虐めてください、龍成様……だ」
「……」
思いもよらない屈辱の台詞を求められ、瑞紀はフイッと顔を背けて拒絶の意思を示した。だが、龍成はそれを予想していたかのように笑みを浮かべると、再びローターによる焦らし責めを再開した。
さらに十五分以上も、龍成によって豊かな乳房を揉みしだかれ、ローターで乳輪をなぞり続けられた瑞紀は、ついに屈辱の言葉を告げた。
「お願い……します……龍成さま……。イヤらしく尖った……私の乳首を……そのローターで……いじめて……ください……!」
火を吐くような熱い喘ぎとともに、瑞紀が龍成に哀願した。淡紅色の乳首は限界までそそり勃ち、花唇から溢れた蜜液は白いシーツをビッショリと濡らしていた。真っ赤に染まった総身はビクンッビクンッと痙攣が止まらなくなり、アイマスクで塞がれた美貌は涙と涎に塗れて濃厚な女の欲情に染まっていた。
「分かった……。だが、虐めるのはこっちだ……」
ニヤリと笑いながらそう告げると、龍成はローターを瑞紀の乳房から離した。そして、花唇の上にある肉の突起の薄皮を、慣れた手つきでクルンッと剥き上げた。真っ赤に充血している真珠粒を剥き出しにすると、龍成は両側から挟み込むように激しく振動するローターを押し当てた。
「ひぃいいいッ……!」
限界まで昂ぶらされた女体が、女の最大の弱点をローターの激震で責められたらたまったものではなかった。腰骨を灼き溶かすほどの凄絶な快感が背筋を走り抜け、脳天で閃光が爆発した。プシャアッと大量の蜜液を迸らせると、ビックンッビックンッと総身を壮絶に痙攣させながら瑞紀は絶頂を極めた。
だが、瑞紀には愉悦の波濤を噛みしめる余裕さえも与えられなかった。龍成の長大な男が濡れた花唇を押し広げ、一気に最奥まで貫いてきたのだ。そして、パンッパンッという肉音を響かせながら、内壁を抉るように激しく抜き挿しを始めた。
「アッ、アッ……アァアアッ……! だめッ……ゆるしてッ……!」
激しい絶頂の最中であるにもかかわらず、瑞紀はその先にある快絶の極みへと押し上げられた。全身の細胞をドロドロに蕩かせるような絶頂が何度も襲いかかり、瑞紀は呼吸さえも満足にできなかった。
「おね……がいッ……! もう、狂っちゃ……うぅうッ! だめッ、また……イッちゃうッ……! 許して……! イクッ……うぅうッ……!」
長い黒髪を振り乱しながら、凄まじい愉悦の奔流から逃げ出そうとするかのように瑞紀が激しく首を振った。しかし、瑞紀の腰を左手で持ち上げると、龍成は一切の手加減もせずに彼女を責め続けた。子宮口まで一気に貫いたかと思えば、入口まで男を引き抜いて粒だった女の弱点を何度も擦り上げた。
「いやぁああ……! だめぇえッ! イクの……止まら……ないッ……! 狂うッ……! 死んじゃうッ……! また、イクッ……! アッ、ヒィイイ……! イグぅううッ……!」
歓悦の頂点を告げる言葉を叫ぶと、瑞紀は何度目かも分からない絶頂を極めた。飛び散った愛蜜はシーツに淫らな模様を描き、赤く染まった裸身は激しい痙攣と硬直を繰り返した。凄まじい力で収縮する膣壁の圧迫に耐えると、龍成はベッドの上で振動している二つのルーターを右手で掴んだ。
そして、パンッパンッと肉のぶつかり合う音を響かせて瑞紀を責め続けながら、濡れ光る真珠粒をルーターで挟み込んだ。
「アッ、ひぃいいい!……!」
その瞬間、瑞紀は大きく総身を跳ね上げると、プシャアアッと大量の蜜液を噴出して壮絶な絶頂を極めた。ビックッ、ビックンッっと激しく裸身を痙攣させると、愉悦の奔流を貪るように全身を硬直させた。
アイマスクの縁からは随喜の涙がツッツーと流れ落ち、噛みしめた唇からはネットリとした涎が糸を引いて垂れ落ちた。そして、次の瞬間、グッタリと全身を弛緩させると、瑞紀はベッドに沈み込むようにして失神した。
せわしなく上下する左胸には、濡れ光った真紅の薔薇が淫らに咲き誇っていた。
食事を終えてファミレスの近くにあるラブホテルに入った頃には、午後十時を廻っていた。龍成は地下駐車場にワンボックスを駐めると、エスカレーターで一階にあるフロントに向かった。そして、室内の画像が映されている多数のパネルから一室を選ぶと、横にあるスイッチを操作してカードキーを受け取った。
エレベーターで最上階に上ると、龍成はセキュリティ・システムにカードキーを挿し込んで入口のロックを解除した。彼に続いて部屋の中に足を踏み入れながら、瑞紀は物珍しげに周囲を見渡した。
(ラブホテルってイヤらしいイメージがあったけど、思ったよりも清潔でお洒落なんだ……)
部屋の中央には大きなクィーンサイズのベッドが置かれ、その奥にはカラオケセットや冷蔵庫などが配置よく並べられていた。左手はバスルームになっており、寝室との間仕切りには二メートル四方もある大きな鏡がはめられていた。
「こういう場所は初めてか……?」
「はい……。想像していたよりも綺麗で驚いたわ。でも、約束は守ってください……」
龍成と二人きりで個室にいることを意識すると、瑞紀はやや緊張しながら念を押した。相棒を組むために彼に抱かれるという約束は一度だけだったのだ。
瑞紀はベッドの脇にあるソファに腰をかけると、龍成を牽制するように左脇に吊ったホルスターからベレッタM93Rを抜き、これ見よがしにチェックを始めた。スライドを引いて薬室に弾丸を一発送り込むと、マガジンリリースボタンを押してマガジンを引き出し弾丸を補充してからマガジンを再装着した。これで、薬室に送られた一発とマガジンの二十発を合わせて二十一発となり、3点射が七回撃てるようになるのだ。
「心配するな。そんなに警戒しなくても、襲いかかったりはしないさ。お前が誘惑してこない限りはな……」
瑞紀の内心を見透かしたように、龍成が笑いながら告げた。
「誘惑なんて、するはずありません。あんな目に遭うのは二度とゴメンですから……」
「あんな目……? 俺にはずいぶんとお前が悦んでいたように見えたが……。最後には自分から俺を求めてきたと思ったが、違ったか……?」
ニヤリと笑いを浮かべながら、龍成が揶揄するように告げた。
「あ、あれは……、龍成があんなに何度もするから……。よ、悦んでなんて、いませんッ……!」
昨夜の激しいセックスを思い出し、瑞紀は真っ赤になりながら叫んだ。龍成に教え込まれた女の情欲が熱い滾りとなって、体の芯からカアッと燃え上がった。早鐘を打つように鼓動が高まり、全身が熱く汗ばんでくるのが自分でも分かった。
(今日も……あんなこと……されたら……私……)
「まあ、いい……。先にシャワーを浴びていいぞ。硝煙の匂いを付けたまま、いつまでもいたくはないだろう……?」
瑞紀の動揺を手に取るように感じながら、龍成が笑って告げた。彼の言葉を助け船のように感じ、それに縋りついて瑞紀は大きく頷いた。
「え、ええ……。そうさせてもらいます……」
黒革のジャンパーを脱いでショルダーホルスターを外すと、瑞紀はそれらをテーブルの上に重ねて置いた。そして、クローゼットからフェイスタオルを取り出すと、ベレッタM93Rを包み始めた。入浴中に敵の襲撃を受けても即対応できるように、ベレッタM93Rをバスルームに持ち込むためだった。準備を終えると瑞紀はバスルームのドアを開け、逃げるように早足で寝室を後にした。
(思ったよりもやるな……。さっきの銃の腕前といい、想像以上だ。もう少し鍛えれば、かなりモノになるかもな……。まあ、今夜はもう襲われることはないだろうし、ゆっくりと楽しませてもらうか……)
瑞紀の後ろ姿を見送ると、バスルームとの間にある大きな鏡に視線を移しながら龍成はニヤリと笑みを浮かべた。そして、リモコンを手に取ると、常夜灯一つを残して部屋の照明をオフにした。
その瞬間、バスルームと寝室を隔てている鏡が透過して、瑞紀の裸身がくっきりと浮かび上がった。それがマジックミラーであることに気づいていない瑞紀は、その美しい肢体を惜しげもなく龍成に披露していた。
トリートメント・イン・シャンプーで泡立てた髪を手で梳きながら、瑞紀は熱いシャワーで丁寧に洗い流した。長い黒髪が艶やかな輝きを取り戻したことを鏡で確認すると、瑞紀は満足そうな微笑みを浮かべた。
そして、ボディシャンプーを手に受けて泡立てると、ゆっくりと白い裸身を洗い始めた。その手が左胸に触れたとき、瑞紀は困惑した表情で鏡の中の自分を見つめた。
(やだ、薔薇が……。きっと、シャワーを浴びたせいよ……)
左胸に真紅の薔薇が美しく咲いていた。これは、体内の血流が良くなると浮き出てくる顕現刺青と呼ばれる特殊な刺青だった。普段は目立たないが、興奮状態になったりすると浮かび上がってくるのだ。昨夜、龍成に抱かれている間もずっと左胸に紅い薔薇が咲き誇っていた。
だが、瑞紀の体の変化はそれだけではなかった。白い乳房の頂にある薄紅色の乳首が硬く屹立していたのだ。
(何で、こんなに硬くなってるの……?)
「んッ……あッ……!」
ヌルヌルに泡立てた右手で左乳首に触れた瞬間、甘い喜悦が全身を走り抜け、瑞紀は思わず白い顎を仰け反らせた。
(うそ……いつもより、感じやすくなってる……?)
まるで、昨夜の激しいセックスで、自分の体が淫らに作り替えられたようだった。普段とは比較にならないほど、乳首が敏感になっていた。
自分の性感の変化を確認するかのように、瑞紀は両手で豊かな胸を優しく揉み始めた。ヌメリと泡立った手の平で乳首が擦られるたびに、紛れもない官能の愉悦が背筋を舐め上げ、恥ずかしい声が漏れそうになった。
「んッ……んくッ……んはッ……」
(…気持ち、いい……胸だけで……こんなに感じる……なんて……)
無意識に手の動きが速くなっていった。白い乳房を波打つように揉みしだき、ガチガチに尖った乳首を指先で摘まみ上げるとコリコリと扱きながら転がした。その度に峻烈な快感が全身を駆け巡り、白い裸身がビクッビクッと震えた。
(ダメッ……こんなこと、やめないと……龍成に……気づかれる……)
頭ではそう思いながらも、瑞紀は手の動きを止められなかった。熱く燃え上がり始めた女体が、更なる快感を求めていた。抑えきれない喘ぎ声が唇から漏れそうになり、心臓の鼓動が早鐘を打つように激しくなっていった。全身に鳥肌が沸き立ち、膝がガクガクと震え始めた。
(気持ち……いいッ……! だめ……これ以上は……)
だが、瑞紀の意志に逆らうように、右手が滑らかな腹部を撫でながら濡れた叢をかき分けた。瑞紀の女は、自分でも驚くくらいビッショリと濡れていた。
クチュッという音色とともに、瑞紀は花唇に中指を挿し込んだ。そして、ゆっくりと抜き挿ししながら、指先を鉤状に折り曲げると、コリコリと粒だった天井部を擦り始めた。
「あッ、くぅうッ……!」
熱い喘ぎが漏れそうになり、瑞紀は唇を噛みしめながら白い顎を仰け反らせた。腰骨を蕩かせるような愉悦が背筋を這い上がって脳髄を甘く溶かした。
(こんなこと……やめないと……。ダメッ……指、止まらない……)
狭い浴室に、クチュックチュッと卑猥な音色が響き渡った。
「アッ……くぅッ……ア、アッ……気持ち……いいッ……!」
左手で乳房を激しく揉みしだきながら、硬く屹立した薄紅色の乳首を摘まんで捏ね回した。そして、濡れた花唇に挿し入れた右の指先は、入口の天井部にあるツブツブを引っ掻きながら、抜き挿しする速度を速めていった。
瑞紀の脳裏から、龍成の存在が消え失せた。左手全体で乳首を押しつぶしながら豊かな乳房を激しく揉みしだいた。右手は花唇の中で暴れまくり、プシャップシャッと卑猥な音色を奏でながら飛沫を飛び散らせた。
「アッ、アァアア……! ダメッ……! もうッ……!」
(イッちゃうッ……! 声、抑えないと……! だめッ……イクッ……!)
「んッ、クゥ……ううぅ……!!」
唇を強く噛みしめると、瑞紀は白い喉を大きく仰け反らせながら絶頂を極めた。愉悦の激流に身を任せるように、瑞紀はビックンッビックンッと激しく総身を痙攣させた。そして、官能の極みを貪るようにガクガクと裸身を硬直させると、体中の筋肉を弛緩させてグッタリと床に座り込んだ。
「ハア……ハァ……ハアァ……」
(凄い……気持ち……よかった……)
熱い吐息をせわしなく吐く唇の端から、トロリと糸を引きながら涎が一筋垂れ落ちた。白い肌は赤く上気し、ビクンッビクンッと痙攣を続けていた。花唇から溢れ出た蜜液は内股を伝って流れ、浴室の床に淫らな染みを描いていた。
「自慰で俺を誘惑してくるとは、さすがに予想もしてなかったぞ」
不意にバスルームのドアが開かれ、龍成がニヤリと笑みを浮かべながら入ってきた。
「ひッ……」
驚愕のあまり、悲鳴さえ上げられずに瑞紀は愕然として龍成の顔を見上げた。そして、慌てて両手で胸を隠すと、龍成に背を向けて身を縮めた。
「ラブホテルの鏡はマジックミラーになっていることを知らないのか? おかげで滅多に見られない貴重なシーンを思う存分堪能させてもらったぞ」
「うそ……そんな……! いやぁああ……!」」
龍成の言葉の意味に気づくと、瑞紀は羞恥のあまり裸身を真っ赤に染め上げて悲鳴を上げた。
(見られた……? あんな恥ずかしい姿を……全部、見られてた……!?)
(死にたい……! もう、生きていけない……!)
瑞紀の眼が、白いフェイスタオルに包まれた塊を捉えた。次の瞬間、瑞紀は全裸であることも忘れてその塊に飛びついた。巻き付けたタオルを引き剥がすと、黒光りするベレッタM93Rの銃身が姿を現した。
瑞紀は安全装置を外すと、ベレッタM93Rのグリップを握りしめて、銃口を自分の右のこめかみに押しつけた。
ダーンッ……!
狭い浴室内に、轟音が反響した。
初速372mで発射された9mmパラベラム弾が、バスルームの天井に着弾して穴を開けた。
「バカヤロウッ! 何考えてるんだッ!」
間一髪、龍成が瑞紀に飛びかかり、ベレッタM93Rの銃口を上に逸らせたのだった。そして、瑞紀の右手からベレッタM93Rを奪うと、安全装置を掛けて自分の背中に廻し、銃口を下にしてズボンに突っ込んだ。床に投げ捨てるとその衝撃で照準が狂うおそれがあるからだ。紛れもなくプロの対応だった。
「死なせてよッ! あんな姿を見られて、生きてられないッ!」
女として最大の生き恥を晒し、黒瞳から大粒の涙を流しながら瑞紀が叫んだ。想像を絶する恥辱にその美貌は真っ赤に染まり、自分が全裸であることも忘れて全身をブルブルと震わせていた。
「悪かった……。少し、調子に乗りすぎた。許せ……」
そう告げると、龍成は瑞紀の裸身を優しく抱き寄せた。豊かな双乳を龍成の逞しい胸板で押しつぶされながら、瑞紀は彼の左肩に顔を埋めた。
龍成が左手で濡れた黒髪を梳きながら、瑞紀の背中に右手を廻して慰めるように撫ぜ始めた。
「まったく、気が強いにも程があるぞ……。これくらいで死のうだなんて……。昨夜はもっと恥ずかしい姿を何度も晒してただろう?」
「そ、それとこれとは……全然違う……んッ……」
男に抱かれて歓悦の極みに達することと、浅ましく自慰に耽っている姿を見られることは、女にとってまったく意味が違った。
だが、瑞紀の抗議の言葉は、龍成の唇で塞がれた。淡紅色の唇を割って、龍成の舌が挿し込まれた。そして、まるで瑞紀の性感を引き出すかのように、ネットリと舌を絡めてきた。
「んはッ……ん、んくッ……んあッ……」
ゾクゾクとした愉悦が背筋を舐め上げると、瑞紀は自ら積極的に舌を動かし始めた。愉悦に達した女体の焔を、濃厚な口づけが瞬く間に再燃させた。瑞紀の裸身がビクッビクッと細かく痙攣を始め、膝がガクガクと震え始めた。龍成のシャツに擦られた乳首が痛いほどそそり勃ち、花唇から溢れた蜜液がネットリとした糸を引きながら白い内股を伝って流れ落ちた。
(……気持ち……いい……。うそッ……キスだけで、私……イッちゃうッ……!)
「んッ……ん、くぅううッ……!」
ビックンッっと大きく痙攣すると、瑞紀はガクガクと全身を硬直させて愉悦の奔流を噛みしめた。そして、細い涎の糸を引いて唇を離すと、ハァハァと熱い吐息を漏らしながら官能に蕩けた黒瞳で龍成を見つめた。
「キスだけで、イッたのか……?」
龍成が驚いた表情で、真っ赤に上気した瑞紀の美貌を見つめた。
「イッて……なんて……ない……」
フルフルと小さく首を振ると、瑞紀が消え入りそうな小声で告げた。だが、それが虚勢であることは誰の目にも明白であった。淡紅色の乳首はガチガチに尖り、花唇から溢れた蜜液は白い内股に幾筋も淫らな跡を残して垂れ落ちていた。
そして、その左胸には真紅の薔薇が濡れ光りながら、美しく花開いていた。
「やだ……こんな格好……! 解いて……」
恥ずかしさと怯えとが入り混じった声で、瑞紀が喘いだ。
「自慰の恥ずかしさなんて忘れるくらいの経験をさせてやる」と告げられ、瑞紀はバスルームから連れ出されてベッドに横たえられた。そして、全裸のままX字型に寝かされ、四肢を革の拘束具でベッドの四隅に括りつけられた。その上、アイマスクで目隠しをされ、視界さえも奪われた。
「瑞紀はラブホテルが初めてだろう? ここには面白い玩具がたくさんあるんだ」
そう告げると、龍成はコントロール・スイッチをオンにして、二つの卵形ローターを瑞紀の両耳に近づけた。
「な、何……イヤッ……ヒィイイ……!」
ヴィーンという音を響かせながら、小刻みに振動するローターが瑞紀の耳の中に押しつけられた。その瞬間、白い喉を仰け反らせて、瑞紀が悲鳴を上げた。
「やめッ……アッ、ヒィイイ……! いやッ……止めてッ……! アッ、アァ、アアァッ……!」
小刻みな振動がゾクゾクとした官能を引きずり出して、峻烈な愉悦が脳髄を甘く溶かした。一瞬たりともじっとしていられずに、瑞紀は長い黒髪を振り乱しながら恥ずかしい喘ぎ声を上げた。
「ひッ……いやぁああ……! アッ、アヒィッ……! やめ……アンッ、アッ、アァアア……!」
形の良い両耳を真っ赤に染め上げ、黒いアイマスクの縁を涙で濡らしながら瑞紀はのたうち回った。赤く上気した裸身はビクッビクンッと痙攣を始め、豊かな乳房の中心には薄紅色の乳首がガチガチにそそり勃っていた。
「ハァアア……ひうッ……! いや……ヒッ……ア、アッ、ダメッ……アァアア……!」
龍成がローターをゆっくりと動かした。耳たぶの裏を撫で上げ、首筋から鎖骨に沿って何度も行き交いさせた。その度に白い喉を仰け反らせながら、瑞紀が熱い喘ぎを迸らせた。
仰向けに寝かされていても型崩れしていない乳房を揉みしだきながら、龍成は円を描くようにローターを徐々に麓から頂上へと進めた。だが、ぷっくりと膨らんだ乳輪を一周させると、肝心の乳首には触れずに再び円を描きながら麓へと降りていった。それを何度も繰り返した後、龍成がニヤリと笑みを浮かべながら言った。
「どうした、こんなに乳首をガチガチにして……? これを当てて欲しいのか……?」
龍成の言葉に思わず頷きそうになったが、瑞紀はフイッと顔を横に逸らして唇を噛みしめた。
(こいつ……焦らして遊んでいるわ……。絶対に思い通りなんてならないッ……!)
乳首への刺激を渇望していることは、自分自身が一番分かっていた。だが、それを認めることは瑞紀の自尊心が許さなかった。
「本当に気が強い女だな……。だが、女の躰は快感に耐えられるようにはできていない。いつまでそのやせ我慢が続くかな……?」
そう告げると、龍成は両手で瑞紀の乳房を揉みしだき始めた。形が変わるほど強く絞り上げたかと思うと、撫ぜるように優しく愛撫した。その緩急自在の動きに、瑞紀の性感は否が応でも高まっていった。だが、その間も龍成は、そそり勃つ乳首には一切触れてこなかった。
「くッ……ん、くぅうッ……ん、アッ……やめ……んッ、アァアアッ……!」
胸から広がる甘い快感が背筋を舐め上げ、脳天で弾けた。四肢の先端まで愉悦が走り抜け、瑞紀は白い喉を仰け反らせて抑えきれない嬌声を上げた。
ヴィーンッという律音とともに、甘い振動が乳房の裾野からゆっくりと円を描きながら頂点に向かって動き出した。龍成が再びローターによる責めを始めたのだ。
「ひッ……やめ……いやッ……! ダメッ……あッ、くうぅッ……アッ、アァッ……!」
龍成は左胸に咲く真紅の薔薇に沿ってローターを進めた。乳首に巻き付くように螺旋を描く茎をなぞると、硬くそそり勃つ頂きには触れずに再び薔薇の花びらに向かってローターを下ろしていった。
そして、左手はローターを手の平で転がしながら、瑞紀の右胸を揉みしだいた。こちらもガチガチに尖りきった乳首には一切触れようとしなかった。
「もう……ゆるして……。おかしく……なっちゃう……アッ、アァアア……!」
その焦らし責めを二十分以上も続けられたとき、瑞紀の口から屈服の言葉が漏れた。白い裸身は真っ赤に染まり、アイマスクをされた目尻からは幾筋もの涙が流れて頬を濡らしていた。ハァハァとせわしなく熱い喘ぎを漏らす口元からは、ネットリと涎が糸を引いて垂れ落ちていた。
ビクンッビクンッと総身は痙攣し続け、淡紅色の乳首は限界まで硬く屹立していた。赤く充血した花唇は濡れ光りながら開き始め、溢れ出た蜜液が白いシーツにビッショリと淫らな染みを描いていた。
「どうして欲しいか、言ってみろ……」
龍成がローターで乳輪をなぞりながら告げた。
「アンッ……! おね……がい……、もう……気が狂い……そうなの……」
ローターの刺激に白い喉を仰け反らせながら、瑞紀が切羽詰まった声で啼いた。その様子を満足げに見下ろすと、龍成はローターを擦りつけながら瑞紀の豊かな乳房を揉みしだいた。
「どこを、どうしてもらいたいのか、はっきりと言葉にしろ……」
脳髄さえもドロドロに蕩かされた瑞紀は、龍成の言葉に逆らうことなどできなかった。熱い喘ぎを漏らしながら、瑞紀は小さく頷いた。
「それを……乳首に……当てて……」
恥辱の言葉を口にした瞬間、瑞紀の花唇からトロリと蜜液が溢れ出た。
「そのローターで、イヤらしく尖った私の乳首を虐めてください、龍成様……だ」
「……」
思いもよらない屈辱の台詞を求められ、瑞紀はフイッと顔を背けて拒絶の意思を示した。だが、龍成はそれを予想していたかのように笑みを浮かべると、再びローターによる焦らし責めを再開した。
さらに十五分以上も、龍成によって豊かな乳房を揉みしだかれ、ローターで乳輪をなぞり続けられた瑞紀は、ついに屈辱の言葉を告げた。
「お願い……します……龍成さま……。イヤらしく尖った……私の乳首を……そのローターで……いじめて……ください……!」
火を吐くような熱い喘ぎとともに、瑞紀が龍成に哀願した。淡紅色の乳首は限界までそそり勃ち、花唇から溢れた蜜液は白いシーツをビッショリと濡らしていた。真っ赤に染まった総身はビクンッビクンッと痙攣が止まらなくなり、アイマスクで塞がれた美貌は涙と涎に塗れて濃厚な女の欲情に染まっていた。
「分かった……。だが、虐めるのはこっちだ……」
ニヤリと笑いながらそう告げると、龍成はローターを瑞紀の乳房から離した。そして、花唇の上にある肉の突起の薄皮を、慣れた手つきでクルンッと剥き上げた。真っ赤に充血している真珠粒を剥き出しにすると、龍成は両側から挟み込むように激しく振動するローターを押し当てた。
「ひぃいいいッ……!」
限界まで昂ぶらされた女体が、女の最大の弱点をローターの激震で責められたらたまったものではなかった。腰骨を灼き溶かすほどの凄絶な快感が背筋を走り抜け、脳天で閃光が爆発した。プシャアッと大量の蜜液を迸らせると、ビックンッビックンッと総身を壮絶に痙攣させながら瑞紀は絶頂を極めた。
だが、瑞紀には愉悦の波濤を噛みしめる余裕さえも与えられなかった。龍成の長大な男が濡れた花唇を押し広げ、一気に最奥まで貫いてきたのだ。そして、パンッパンッという肉音を響かせながら、内壁を抉るように激しく抜き挿しを始めた。
「アッ、アッ……アァアアッ……! だめッ……ゆるしてッ……!」
激しい絶頂の最中であるにもかかわらず、瑞紀はその先にある快絶の極みへと押し上げられた。全身の細胞をドロドロに蕩かせるような絶頂が何度も襲いかかり、瑞紀は呼吸さえも満足にできなかった。
「おね……がいッ……! もう、狂っちゃ……うぅうッ! だめッ、また……イッちゃうッ……! 許して……! イクッ……うぅうッ……!」
長い黒髪を振り乱しながら、凄まじい愉悦の奔流から逃げ出そうとするかのように瑞紀が激しく首を振った。しかし、瑞紀の腰を左手で持ち上げると、龍成は一切の手加減もせずに彼女を責め続けた。子宮口まで一気に貫いたかと思えば、入口まで男を引き抜いて粒だった女の弱点を何度も擦り上げた。
「いやぁああ……! だめぇえッ! イクの……止まら……ないッ……! 狂うッ……! 死んじゃうッ……! また、イクッ……! アッ、ヒィイイ……! イグぅううッ……!」
歓悦の頂点を告げる言葉を叫ぶと、瑞紀は何度目かも分からない絶頂を極めた。飛び散った愛蜜はシーツに淫らな模様を描き、赤く染まった裸身は激しい痙攣と硬直を繰り返した。凄まじい力で収縮する膣壁の圧迫に耐えると、龍成はベッドの上で振動している二つのルーターを右手で掴んだ。
そして、パンッパンッと肉のぶつかり合う音を響かせて瑞紀を責め続けながら、濡れ光る真珠粒をルーターで挟み込んだ。
「アッ、ひぃいいい!……!」
その瞬間、瑞紀は大きく総身を跳ね上げると、プシャアアッと大量の蜜液を噴出して壮絶な絶頂を極めた。ビックッ、ビックンッっと激しく裸身を痙攣させると、愉悦の奔流を貪るように全身を硬直させた。
アイマスクの縁からは随喜の涙がツッツーと流れ落ち、噛みしめた唇からはネットリとした涎が糸を引いて垂れ落ちた。そして、次の瞬間、グッタリと全身を弛緩させると、瑞紀はベッドに沈み込むようにして失神した。
せわしなく上下する左胸には、濡れ光った真紅の薔薇が淫らに咲き誇っていた。
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