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序章

2 相棒

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 西暦二〇五五年、全世界は同時電子テロに襲われた。すべての電子機器がウィルスに冒されてダウンし、世界経済、国家防衛、各セキュリティシステムだけでなく、各企業の生産ラインなどありとあらゆる経済活動が停止した。先進国は当然のことながら、発展途上国においても歴史上類を見ないほどの大混乱が起こった。電気、ガス、水道などのライフラインが停止し、その原因究明と復旧には約六ヶ月という膨大な時間を要した。人々は恐慌パニックに陥り、水と食料を求めて暴徒と化した。百貨店やスーパー、小売店だけでなく、銀行や役所、一般企業までもが暴徒の襲撃を受けた。

 この六ヶ月間でアメリカやヨーロッパ諸国を始めとする多くの国々が国家としての機能を失った。現在のアメリカは合衆国としての体裁を成しておらず、各州が独自の政策を採っている州自治国家となっていた。
 日本においてもその傾向は同様で、各都道府県が独立自治をしているような状態であった。特に東京都や大阪府などの大都市においてはさらに分裂し、隣接するいくつかの区や市が協力して自治区を形成していた。

 世界同時電子テロからおよそ二年を経過した現在においても、世界人口を正確に把握している国や自治区は存在していなかった。一説によれば、テロに続いて勃発した暴動による死者数は全世界人口の三割以上だと言われていた。その事実の是非はともかく、想像を絶する死傷者がいたことは紛れもない事実であった。そして、その死傷者数の割合は先進国になればなるほどより顕著であった。

 日本においては世界同時電子テロ以前に一億四千万人を超えていた人口が、およそ八千万人まで減少したと言われていた。総人口の約四十三パーセントに当たる人々が生命を落としたと推定されているのだ。
 特に警察や自衛隊の殉職者は多く、それぞれの機関で五十パーセント以上が暴徒によって殺されていた。そして、その際に奪われた銃火器はそのまま暴徒の勢力を助長させることとなった。

 このような世相を背景に急成長を遂げたのが、警備やセキュリティを事業の中枢とした企業であった。西暦二〇五七年現在、アジア最大の総合警備コンツェルンと呼ばれている<星月夜シュテルネンナハト>もその一つであった。


(今日こそ、何をしているのか突き止めてやるわ!)
 午前四時に起床して手早く洗顔と着替えを済ませると、瑞紀は左腕にはめたリスト・タブレットを立ち上げた。3.5インチのヴァーチャル・スクリーンに、十三階に設置したマイクロカメラの映像が映った。この<星月夜シュテルネンナハト>独身寮の十三階にある外廊下の映像だった。

 昨日、瑞紀は特別捜査部長の藤井に談判して、二人組ツインを組まされた白銀龍成りゅうせいの住所を聞き出したのだ。エージェントの個人情報は<星月夜シュテルネンナハト>におけるトップシークレット扱いであるため、藤井が簡単に口を割る可能性は皆無に近かった。そこで、瑞紀は奥の手を使ったのである。

「部長は奥様と三歳になる娘さんがいらっしゃいますよね?」
 瑞紀はニッコリと微笑みながら藤井の顔を見つめた。藤井は黙ったまま瑞紀の顔を見つめ返した。彼女が告げた台詞の意味を図りかねるように……。
「水島麗華……」
 瑞紀は情報部情報課に配属されている女性のフルネームを小声で告げた。その瞬間、藤井の眼が大きく見開かれた。彼は水島麗華と不倫関係にあったのだ。
 別に瑞紀は藤井の身辺調査をしたわけではない。麗華とは同期であり、時々一緒に飲みに行く友人だったのだ。先日、二人で飲んだ時に、泥酔した麗華が藤井と不倫をしていることを告白して、その相談に乗ったのだった。

(さて、どう出るかしら……?)
 藤井の様子を観察しながら、瑞紀はしばらくの間、黙って彼の顔を真っ直ぐに見つめた。藤井も同様に黙秘しながら瑞紀の表情を見つめ返していた。
「何が知りたいんだ……?」
 不意にボソリと呟くように藤井が訊ねてきた。瑞紀は賭けに勝った喜びを隠しながら、平静を装って告げた。
「白銀さんの住所です……」

 瑞紀の言葉に、藤井が再び沈黙した。彼の瞳の中には、驚きと怒り、苦悩と葛藤……様々な感情が浮かんでは消えていった。
「お前と同じ独身寮の一三〇二号室だ……」
 時間にして一分くらいだろうか。不意に藤井は小声でそう告げると、デスクに顔を伏せて書類のチェックを再開した。
「ありがとうございます、部長。水島麗華は私の友人です。出来れば、泣かせるようなことはしないでください」
 そう告げると、瑞紀は敬礼をして部長席を後にした。


(来たッ……!)
 一三〇二号室のドアが開かれ、白銀が外廊下に姿を現した。時間は、午前五時十三分だった。
 彼の姿を確認した瞬間、瑞紀は玄関に向かって走った。そして、革のロングブーツを履いて部屋を飛び出すと、自室の施錠をして外階段を駆け足で降り始めた。
 エレベータを使うわけにはいかなかった。白銀と鉢合わせになる可能性があるからだ。

(地下の駐車場だわ!)
 この時間、始発電車はまだ動いていなかった。この独身寮は裏通りにあるため、タクシーを使う可能性も低かった。瑞紀は自室のある七階から地下一階までを一気に駆け下りた。息を切らせながら駐車場に飛び込むと、一台の車が目の前を横切った。グレーのワンボックスだった。エージェントは目立つ車を利用してはならないという教えを遵守しているような車だった。

 愛車のハーレー・ダビットソン・ソフテイルブレイクアウト225に飛び乗ると、瑞紀はセルフスターター・スイッチを押した。急いでヘルメットを被るとフットシフトを一速に入れ、アクセルを廻してクラッチを繋げた。V型2気筒1,800ccエンジンが唸りを上げて、315㎏の車体を急発進させた。ヘルメットのうなじ部分から伸びた黒髪が風で煽られ、後ろに靡いた。

 独身寮の駐車場を出ると、瑞紀は左右を見渡した。
(いた……ッ!)
 左手二百メートルほど前方を走るグレーのワンボックスが、左折ウインカーを点滅させていた。甲州街道を左に曲がるようだ。瑞紀は再びハーレー・ダビットソンを急発進させると、ワンボックスの後を追いかけて甲州街道を左折した。

 午前五時半という時間帯のため、甲州街道を走っている車の数は少なかった。瑞紀は百メートルほど距離を空けながらワンボックスを追跡した。
(これ、絶対にバレるわね……)
 <星月夜シュテルネンナハト>のトップ・エージェントである白銀が、瑞紀の尾行に気づかないはずはなかった。交通量の多い時間帯であるならまだしも、距離を取っているとはいえワンボックスの後方を走っているのは瑞紀のハーレー・ダビットソン一台だけなのだ。
 だが、尾行に代わる手段などないため、追尾を続けるしかなかった。

 ワンボックスが左ウインカーを点滅し、甲州街道から西新宿五丁目方面へ続く道を左に曲がった。ハーレー・ダビットソンを左折させると、瑞紀は白銀が尾行に気づいていることを確信した。西新宿五丁目駅や新宿西口公園に向かうのであれば、独身寮を出て甲州街道方面へ行く必要などないからだ。最初から反対方向へ向かった方が時間的にも距離的にも圧倒的に早道だった。つまり、白銀は最初から尾行を疑い、その有無を確認していたということだった。

(さすがね。トップ・エージェントというのも伊達じゃないわ……)
 ワンボックスが西新宿五丁目交差点を直進し、ハザードランプを点灯しながら新宿西口公園沿いで停止した。やはり、白銀は瑞紀の尾行に気づいていたようだった。ワンボックスからおよそ十メートルの距離を取ってハーレー・ダビットソンを停止させると、瑞紀はヘルメットを外して素顔を晒した。頭を振って乱れた黒髪を大きく靡かせると、エンジンを掛けたままハーレー・ダビットソンから降りてワンボックスの方へ歩いて行った。

 運転席側のドアが開き、白銀がワンボックスから降りてきた。
 よく日焼けした浅黒い顔に、漆黒の髪を肩まで伸ばした精悍な男だ。百八十センチを超える長身に見合った筋肉質の体に、濃紺色のセーターと黒い革ジャケットを着込んでいる。下はカーキ色のスラックスと焦げ茶色の革靴を履いていた。
 彼の強い意志を表徴する太い眉の下で、獲物を見据えるような鋭い視線が真っ直ぐに瑞紀を見据えていた。

「どういうつもりだ?」
 力強さと渋さを併せ持つバリトンの声で、白銀が短く告げた。怒っている口調ではなかった。それどころか、瑞紀には彼が面白がっているようにさえ聞こえた。
「それは私の台詞よ。相棒バディを無視して一週間も単独捜査ソロ・サーチするなんて、あなたこそどういうつもりなんですか?」
 瑞紀が白銀を尾行しようと思った目的は、彼が一人で何を捜査しているのかを知ることだった。しかし、早朝という交通量の少ない時間帯のため、あっという間に尾行がバレてしまった。そこで、瑞紀は白銀本人の口からそれを聞き出そうと決意した。

「藤井部長は、私とあなたを二人組ツインに命じたわ。<準星クエーサー>は私たち二人のチームよ。勝手なことはやめてください!」
 白銀は三十一歳のはずだ。瑞紀よりも七歳も年上である。<星月夜シュテルネンナハト>の特別捜査部でのキャリアは、エージェントになって一年半しか経っていない瑞紀から見れば大先輩だ。軍隊並みに上下関係が厳しい<星月夜シュテルネンナハト>では、本来であれば上長や先輩に楯突くなど許されることではなかった。

「藤木さんの許可は取ってある。俺が何をしようと、お前に指図されるいわれはない」
 言い方はきつかったが、白銀の口調にはどこか興じている雰囲気があった。
「許可は取ってあるって……?」
(そういえば部長は、一ヶ月以内に白銀さんが認める相棒バディになれって言っていた)
 藤木が告げた言葉を思い出しながら、瑞紀は白銀に訊ねた。
「あなたにとって、私は相棒バディではないんですか?」
「違うな……」
 ニヤリと笑いながら、白銀は瑞紀の問いかけを即座に否定した。

「お前、俺と寝られるか?」
「なッ……!?」
 突然告げられた白銀の質問に、瑞紀は絶句した。
「俺にとって相棒バディとは、男なら絶対の信頼を預けられる奴のことだ。そして、女なら生命を賭けて愛し護るべき者のことだ」
「……」
「俺に抱かれる覚悟ができたら、お前を相棒バディと認めてやるよ」
 そう告げて瑞紀に手を振ると、白銀は再び運転席に乗り込んでワンボックスを発進させた。

(何なの、あいつ……)
 しばらくの間、呆然として小さくなっていくワンボックスのテールランプを見つめると、瑞紀は沸々と怒りが湧いてくるのを実感した。
(あんなの、セクハラじゃない! チームを組むのに体を要求してくるなんて! どんなに実績があるエース・エージェントだか知らないけど、人としては最低よ!)
 今度こそ絶対に二人組ツインを解消してもらおうと決意すると、瑞紀はヘルメットを被って荒々しくハーレー・ダビットソンを急発進させた。


「この女です……」
 レオナルド=ベーカーはプリントアウトした一枚の写真を黒檀で作られた広いデスクの上に置いた。
 そこには、漆黒の髪を背中までストレートに伸ばした美しい女が写っていた。モデルのように整った容貌は白く滑らかで、細く通った鼻筋と魅惑的な淡紅色ローズピンクの唇が魅力的な女だ。大きめの瞳は黒曜石のように輝き、意志の強さとともに優しげな光を放っていた。

「名前は、ゆずりは瑞紀。二十四歳です。七日前から白銀龍成りゅうせいとペアを組んでいます」
 レオナルドの言葉に満足げに頷くと、わん雲嵐うんらんは冷然とした笑みを浮かべながらデスクの上に肘を乗せて両手を組んだ。

さらえ……」
 獲物を見つけた鷹のように鋭い視線で写真を見据えながら、雲嵐が短く告げた。
「はッ! 白銀龍成の方はどうしますか?」
「殺していい。死体はいつものように始末しろ」
「かしこまりました」
 雲嵐の言葉にニヤリと笑みを浮かべると、レオナルドは一礼して会長室を退出した。

(やっと見つけた……。あれから六年か……)
 ハーマンミラーのエグゼクティブ・チェアから立ち上がると、雲嵐はデスクと同じ黒檀製の飾り棚キャビネットからレミーマルタン・ルイ13世のボトルを取り出した。そして、バカラのブランデー・グラスに琥珀色の液体をゆっくりと注ぎ始めた。

(瑞紀……。お前の左胸に彫った真紅の薔薇を早く見たいものだ……)
 中国人にしては彫りの深い精悍な顔を歓喜に染めると、雲嵐は芳醇な香りを楽しみながら琥珀色の液体をゆったりと呷った。
 その背後の壁には絡み合う二匹の金蛇の代紋と、<蛇咬会じゃこうかい>と大きく書かれた額が掛けられていた。


「入れ……」
 重厚な木製のドアをノックすると、その内側から低い男の声が聞こえた。瑞紀は大きく深呼吸をしてからドアを開き、統合作戦本部長室へ足を踏み入れた。
「失礼します。お呼びでしょうか?」
 背筋を伸ばして敬礼しながら、瑞紀は正面の執務机に座っている高城雄斗ゆうとの顔を見つめた。

「そう固くならんでもいい。まあ、座りなさい」
 笑顔でそう告げると、高城は瑞紀から見て左側にある応接セットを指した。大理石の天板でできたテーブルを挟んで、黒い本革のパーソナル・ソファが二脚ずつ置かれていた。
「はい、失礼します……」
 瑞紀が入口に近い右側のソファに腰を下ろすと、高城も執務机のエグゼクティブ・チェアから立って瑞紀と対角線上のソファに座った。

「お久しぶりです、叔父様……いえ、本部長」
「二人きりのときは、叔父様で構わんよ。右腕の調子はどうだね?」
 <鬼元帥>と異名を取る高城だが、父親のゆずりは一也とは大学時代からの親友であり、瑞紀は幼い頃から実の娘のように可愛がられていた。二年前の世界同時電子テロに続いて暴徒が起こした爆破テロにより右腕を失った瑞紀に、<星月夜シュテルネンナハト>が開発した高性能義手を手配してくれた恩人でもある。その義手の筋力は、通常男性の六倍以上もあった。

「当初は力が強すぎて色々な物を壊しましたが、今は慣れましたので日常生活に支障はありません。特に射撃ではこの筋力パワー銃口の跳ね上がりマズルジャンプを抑えるのに役立ち、照準が安定します」
「それは良かった。そう言えば、先月の射撃大会シューティング・コンペで優勝したそうだな。おめでとう……」
「ありがとうございます。それも、叔父様にいただいたこの腕のおかげです」
 ニッコリと微笑みを浮かべると、瑞紀は改めて高城の顔を見つめた。

 高城は亡くなった瑞紀の父親と大学の同期生なので、五十三歳のはずだ。だが、毎日のトレーニングを欠かさないためか、四十代半ばと言われても十分通るほど若々しかった。軍人のように短くクルー・カットした髪は黒く、スーツの上からでも鍛え上げられた肉体が見て取れた。統合作戦本部長という重責を担っているために目つきは鋭いが、瑞紀に対しては優しい眼差しを向けてくれていた。

「ところで、白銀君とは上手くやっているかね?」
(やはり、呼び出されたのはその件だった……)
 今朝、白銀の尾行に失敗した瑞紀は、そのままハーレー・ダビットソンを駆って<星月夜シュテルネンナハト>本部に出社すると、特殊捜査部長の藤井に<準星クエーサー>解散を直談判したのだった。その話し合い・・・・はヒートアップして、他のエージェントたちが仲裁に入るほどの大騒動になってしまった。高城はそれをどこからか聞きつけたのに違いなかった。

「白銀さんと二人組ツインを命じられてから今日で一週間になりますが、私は彼と二回しか会っていません。それも、時間にして五分足らずです。いかにトップクラスのエージェントとは言え、彼はあまりにも自分勝手な行動が目立ちすぎます」
 部長の藤井が<準星クエーサー>解散を認めないのであれば、本部長である高城の了承を得ようと思いながら瑞紀が告げた。

「彼はトップクラスのエージェントではないよ」
「え……?」
 笑いながら告げた高城の言葉に、瑞紀は驚いて思わず彼の顔を見つめた。
「現在の<星月夜シュテルネンナハト>において、白銀君は紛れもなくトップ・エージェントだ。判断力、実行力、戦闘能力……そのいずれにおいても他の追随を許さない」
 笑顔でそう告げたが、高城の眼には笑いの欠片も存在していなかった。瑞紀に初めて見せる<星月夜シュテルネンナハト>の統合作戦本部長としての顔だった。

「君を白銀君の相棒バディに選んだのは、他ならぬこの私だ。千五百人いるエージェントを抑えて射撃大会シューティング・コンペを制した君の射撃の腕を私は買った。その期待に応えてはもらえないかね?」
「叔父様……いえ、本部長……」
 鷹のような鋭い眼光で見据えられ、瑞紀は緊張した。民間軍隊プライベート・アーミーとも言われる<星月夜シュテルネンナハト>において、目の前に座る男が<鬼元帥>と呼ばれていることを改めて実感した。

「分かりました。本部長には二度も生命を救って頂きました。六年前の拉致事件……そして、二年前の爆破テロ……。私は本部長のご命令であれば、どんなことでも遂行します」
相棒バディになるために白銀さんが私の体を要求するなら、抱かれてやるわ。どうせ、六年前に散々穢された体じゃない。今更、清純ぶる必要なんて何もないわ)
「ありがとう。期待させてもらうよ」
 瑞紀の決意に気づいていない高城は、笑顔を浮かべながら右手を差し出してきた。その手を握りしめながら、瑞紀はニッコリと微笑んだ。
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