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第9章 獅子王と氷姫

3 水龍の革鎧(その2)

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 アトロポスは、ギルドに戻るとギルマスのジーナに面会を求め、魔道通信機の使用を申請した。ダスガール支部の魔道通信機は、ギルドマスター室の隣りにある通信室に設置されていた。

「これが魔道通信機……?」
 高さ三メッツェを超える小芥子こけし状の巨大な機械を見上げながら、イーディスが呆然と呟いた。アトロポスは操作盤にある手形に右手を重ねながら、彼女の様子を見て微笑んだ。
「それじゃあ、通信を始めるわよ」
 アトロポスは右手に魔力を流すと、左手で緑色のスイッチを押した。ブーンと稼働音が鳴り響き、魔道通信機の上部に設置された球状部分が光輝に包まれた。

「こちら、ザルーエク支部。私はギルドマスターのアイザックです」
 上部の球状部分から、アイザックの声が響き渡った。十七日ぶりに聞くその声に、アトロポスは懐かしさを覚えた。
「アイザックさん、お久しぶりです。ローズです。今、ダスガール支部にいます。クロトー姉さんはそこにいますか?」

「いるわよ。久しぶりね、ローズ。元気でやってそうね」
 優しい口調でクロトーが訊ねてきた。その声に込められたクロトーの愛情を感じて、アトロポスは嬉しくなった。
「はい。クロトー姉さんもお元気そうでなによりです。今日は報告とお願いがあって、魔道通信機を使わせてもらいました」
「イーディスといったかしら? <闇姫ノクス・コンチュア>に新しく入ったメンバーは……?」
 クロトーの言葉に、アトロポスが驚いた。

「どうしてそれを……?」
「剣士クラスDからいきなりクラスSに昇格した辞令が届いて、どんな娘なのか興味があったのよ。そうしたら、今日、所属パーティが<闇姫ノクス・コンチュア>に変わったじゃない? それで、ローズが絡んでいることを知ったって訳よ」
 クロトーが楽しそうに笑いながら告げた。アトロポスはイーディスの顔を見て頷いた。それが自己紹介しろという合図だと知り、イーディスがアトロポスの横に立った。

「初めまして、イーディスと申します。今日から<闇姫ノクス・コンチュア>に加入させてもらいました。よろしくお願いいたします」
「クロトーよ。顔が見られないのは残念だけど、よろしくね。ザルーエクに戻ったら会いに来てね」
 ムズンガルド大陸最強の魔道士と呼ばれる『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』と話をすることに、イーディスはガチガチに緊張していた。だが、思いも寄らない優しい言葉をクロトーから掛けてもらい、驚きと嬉しさに笑顔を浮かべながら告げた。
「はい、必ずお伺いします」

「クロトー姉さん、お願いというのは、イーディスの装備のことなんです。剣はドゥリンさんの弟であるゾゥリンさんに打ってもらいました」
「ゾゥリンに会ったの? あいつ、元気だった?」
 驚いたようなクロトーの言葉が聞こえてきた。
「はい。クロトー姉さんに会いたがっていましたよ。姉さんに足を向けて寝られないって、今でも凄く感謝しています」
「そう。もう十年以上も会ってないわ。懐かしいわね」
 アトロポスは嬉しそうなクロトーの言葉に笑みを浮かべた。

「今回のお願いは、イーディスの鎧のことなんです。ダスガール支部で紹介された『真龍の呼び声』という武具屋に行ったんですが、四大龍の鎧は置いていないし、店員の態度は最悪だったので出て来てしまいました」
 男性店員の態度を思い出し、アトロポスは思わず口調に怒りがこもった。その感情を感じ取ったのか、クロトーが笑いながら告げた。

「ああ、あのお店、まだあるんだ? 昔から生意気なのよね、あそこは……」
「そうなんですか? それで、クロトー姉さんならダスガールにも詳しいかと思って……。どこかお勧めの武具屋があったら教えてもらえませんか?」
 アトロポスの言葉を補足するように、横からバッカスが口を挟んだ。
「クロトーの姉御、バッカスです。『真龍の呼び声』では、アトロポスが<蒼龍神刀アスール・ドラーク>を抜いて店の鎧を切り刻もうとしたんですよ。そうならない店を紹介してください」

「バッカスッ! ちょっと、何言ってるのよ!?」
 自分の行動を暴露されて、アトロポスが慌ててバッカスに文句を言った。その様子を聞いて、クロトーが笑い出した。
「あらあら……。相変わらずね、ローズは……」
「ち、違うんです、クロトー姉さん! あれは……」
「バッカス、上手くローズの手綱を握っているみたいで安心したわ」

「そうでもありませんよ。最近、調子に乗ってるって、今朝はアトロポスに殺されそうになりましたから……」
 笑いながら告げたバッカスの言葉に、イーディスが驚愕した。会った時にバッカスの顔色が悪かった理由が、まさかアトロポスに殺されかけたなど想像もしていなかった。
「どうせ、あんたがまたポーションを飲ませるようなことをしたんでしょ? 自業自得よ」
「ちょ……ク、クロトー姉さん!」
 すべてを見抜いているクロトーの言葉に、アトロポスが真っ赤に染まった。

「まあ、仲が良いのはいいことだわ。ところで、武具屋だったわね。残念ながら、ダスガールは『真龍の呼び声』がほとんどの武具を取り仕切ってるのよ。だから、他に有名な武具屋は存在しないはずよ」
「そうなんですか……。それじゃあ、仕方ありません。イーディスの鎧は、次の街で買うことにします」
 クロトーの言葉にガッカリと肩を落としながら、アトロポスが言った。

「イーディス、あなた、魔力属性は何?」
「は、はい。水属性です」
 突然声を掛けられて、イーディスが驚きながら答えた。
「分かったわ。『銀狼の爪』で水龍の革鎧ヴァッサードラーク・ハルナスを買っておいてあげる。付与の希望はある?」
「い、いえ……でも……」
 ザルーエクにいるクロトーに鎧を買っておくと言われ、イーディスは戸惑ってアトロポスの顔を見つめた。

「でも、クロトー姉さん。ザルーエクに戻るのはかなり先になります。出来れば、イーディスには一日でも早く装備を調えてもらいたいんですが……」
 イーディスの視線を受けて、アトロポスが代弁した。
「心配いらないわ。こっちで買った鎧を、そこに次元転移で送ってあげるわよ」
「次元転移魔法ですか!? そんなことまで出来るんですか?」
 予想もしていないクロトーの提案に、アトロポスが驚いた。

「ええ、そのくらいなら問題ないわ。魔法付与もしてあげるから、希望の付与を言いなさい」
「ありがとうございます。イーディス、希望はある?」
 鎧を送るなどと、話が見えないイーディスは戸惑いながら訊ねた。
「次元転移って、何ですか?」
「詳しいことは省略するけど、別の次元を通して物体を他の場所に移動する魔法よ。バッカスのバックパックにもその魔法を付与してあるわ」
 クロトーの言葉に、イーディスが驚いてバッカスの背中を見つめた。火龍の革で出来たバックパックに、そんな凄い魔法が付与されているとは思いもしなかった。

「突然のことで、まだ何も考えていません。すみません……」
「ローズ、イーディスの戦闘って、どういう感じ?」
 イーディスの答えを聞いて、クロトーはアトロポスに訊ねてきた。
「はい。ゾゥリンさんに打ってもらった剣は、細剣レイピアです。私と同じで、力より速さっていう感じですね。重量軽減とサイズ調整、速度強化と筋力強化がいいかと思います」

「分かったわ。それで行きましょう。ローズの鎧に付与したのと同じく、速度強化と筋力強化は十倍付与をしておくわ。悪いけど、鎧のデザインはあたしが勝手に選ぶわよ」
「はい。クロトー姉さんのセンスなら安心です。たぶん、私たちが選ぶよりずっといいですから……」
 嬉しそうに告げたアトロポスの言葉に、クロトーが笑った。
「それはどうかしらね? まあ、気に入らないって言っても、文句は受けつけないけどね」
「文句なんて言いませんよ。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いいたします」
 アトロポスに続いて、イーディスも慌てて頭を下げた。

「それじゃあ、明日の今頃、もう一度魔道通信機で連絡を入れなさい。それまでに水龍の革鎧ヴァッサードラーク・ハルナスを買って、魔法付与をしておくわ」
「はい。それから、鎧代と付与代は私に請求をお願いします」
 そう告げたアトロポスの言葉を、クロトーは笑いながら否定した。
「いいわよ。高くても三、四万でしょ? 大した金額じゃないから、イーディスの昇格祝いにあげるわ」

「三、四万って……!?」
 白金貨三、四万枚の鎧を簡単にあげると言われて、イーディスは驚愕した。それだけあれば、首都レウルーラで豪邸が建てられた。
「いいんですか、クロトー姉さん?」
「ローズの新しい仲間になったんだから、このくらい気にしなくていいわ」
「ありがとうございます。お言葉に甘えます」
「あ、ありがとうございます。クロトーさん」
 イーディスも慌ててアトロポスに倣って頭を下げた。

「それじゃあ、また明日ね」
「はい、失礼します」
 そう告げると、クロトーが通信を切ったのを見計らって、アトロポスは操作盤の赤いスイッチを押した。

「相変わらずだな、クロトーの姉御は……」
 バッカスが苦笑いを浮かべながら告げた。
「で、でも、白金貨三、四万の鎧を昇格祝いだなんて……。本当にいいんですか?」
「イーディス、お前はあの『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』に、あなたからそんな物はいただけませんって言う勇気があるのか?」
 バッカスが笑いながら、イーディスに告げた。

「ま、まさか……」
「だったら、ありがたく貰っておけ。クロトーの姉御が選んでくれるなら、間違いなく一流品だぞ」
「そうね。今回はクロトー姉さんに甘えなさい、イーディス」
 バッカスの言葉に頷くと、アトロポスも笑顔を浮かべながら告げた。

「はい。そうするわ」
(思ったより優しかったけど、想像以上に凄い人ね……。あの『伝説の鍛治士レジェンド・スミス』のゾゥリンさんが、足を向けて寝られないって言ったのがよく分かったわ……)
 初めて言葉を交わしたクロトーに圧倒され、イーディスは小さくため息をついた。

「ところで、バッカス。クロトー姉さんに余計なこと言わないでよ!」
「あ、あれは、つい……」
 ギロリとアトロポスに睨まれて、バッカスが顔を引き攣らせた。
「あんまり調子に乗ってると、本当に斬り落とすわよ」
 アトロポスが、左腰の<蒼龍神刀アスール・ドラーク>の柄を握りながら告げた。
「わ、悪かった……! か、勘弁してくれ……!」
 黒曜石の瞳で睨まれ、バッカスは本気でビビりながら蒼白な表情で叫んだ。

「何を斬り落とすんです、バッカスさん?」
 事情を知らないイーディスが、キョトンとした表情で訊ねた。
「し、知らなくていい! イーディスは知らなくていいんだ!」
 その慌て振りを見て、アトロポスが思わず笑った。理由は分からなかったが、イーディスもアトロポスに釣られて笑い出した。

(ちくしょう! 夜はあんなに可愛いのに……! 昼と夜とで別人じゃねえか!)
 自分の腕の中で悶え啼くアトロポスと、<蒼龍神刀アスール・ドラーク>を手にしたアトロポスとのギャップに、バッカスは額から冷や汗を流した。


 その日の午後は、ギルドの地下訓練場でイーディスの訓練をした後、アトロポスたちはダスガールでの常宿にしている『星光館』に向かった。『星光館』はダスガール支部を出て、西に徒歩五分の場所にある三階建ての上級宿だった。昨夜までキャシーたちと一緒の中級宿に泊まっていたイーディスも、今日からここに宿泊することになった。

「あたし、上級宿なんて初めてだわ。ロビーからして中級宿とは全然違うのね」
 広く高級感漂う雰囲気に圧倒されて、イーディスが呆然と呟いた。
「俺もアトロポスと知り合う前は、上級宿なんか泊まったことはなかったさ。まあ、慣れれば中級宿と大して変わらないぞ」
「バッカスが上級宿に泊まれなかった理由は、娼館に入り浸っていたからでしょ? イーディスと一緒にしたら可哀想よ」
 ニヤリと悪戯そうな笑みを浮かべながら、アトロポスがバッカスの黒歴史を暴露した。

「娼館って、バッカスさん、そんなところに行ってたんですか?」
 驚きの表情を浮かべたイーディスに、バッカスが慌てて弁明を始めた。
「そ、それは、悪友に誘われて……時々……」
「入り浸るのと時々では、意味が違うんじゃないかな?」
「ア、アトロポス、その話は今は関係ないんじゃないか?」
 ジト目で見つめるイーディスの視線から逃れるように、バッカスが冷や汗を流しながら言った。

「イーディス、バッカスの昔話を聞いたら絶対に幻滅するわよ。今度、詳しく教えて上げるわね」
「ええ、お願い、アトロポス。とっても興味があるわ」
 美少女二人が顔を見合わせて微笑む姿に、バッカスは顔を引き攣らせた。
「た、大した話じゃないぞ、イーディス。それより、部屋はどうする?」

「私はイーディスと二人部屋に泊まるから、バッカスは一人部屋でお願いね」
「そ、そうか……」
 予想通りの答えを聞いて、バッカスはアトロポスがまだ昨夜の行為を許していないことを知った。そして、悄然と肩を落としながら、受付で二人部屋と一人部屋の予約を入れた。

(そう言えば、これからイーディスが毎日一緒だってことは、アトロポスを抱ける日がないってことか? いや、アトロポスだって俺に抱かれたくなる日があるはずだ。でも、それって、いったいいつなんだ?)
 今まで、アトロポスが生理になった時以外は、ほとんど毎日のように愛し合っていた。その愛の営みが極端に減ることに気づき、バッカスは愕然とした。

(こっそりと、娼館にでも行くか? いや、そんなことがバレたら、本当に斬り落とされるぞ! くそッ! どうすりゃいいんだ?)
 イーディスが加わったことによる新しい悩みが、バッカスを苦しめだした。バッカスは楽しそうに話をしながら階段を上る二人の後ろ姿を、恨めしそうに見つめた。
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