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第6章 火焔黒剣

4 シリウスの兄弟

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「もう許して……。おかしくなっちゃう……」
 黒曜石の瞳から大粒の涙を流しながら、アトロポスが哀願した。ビクンッビクンッと総身を震わせながら、アトロポスは四肢の先端まで甘く痺れて指一本動かすことができなかった。

「お前が二回までって言ったんだ。ちゃんと約束は守ったぞ」
 寝台の横にあるナイトテーブルの上には、空になった中級回復ポーションの小瓶が二本・・並べられていた。バッカスはニヤリと笑みを浮かべながら、右手でアトロポスの長い黒髪を梳いた。

二回も失神・・・・・させていいなんて、言ってない……)
 昨夜からアトロポスは、凄まじい官能の愉悦に翻弄され続けていた。歓悦の頂点を極めているにもかかわらず、バッカスはアトロポスを責め続けて更なる高みへと導いた。凄絶な絶頂の奔流にアトロポスはき狂わされ、二度も意識を失ったのだった。

「でも、よかっただろう?」
「ばか……知らないわ……」
 恥ずかしさのあまり真っ赤になって、アトロポスはバッカスから顔を逸らした。数え切れないほど女の悦びを刻み込まれ、何度も淫らに痙攣する姿を晒したことを思い出すと、アトロポスはバックスの顔をまともに見られなかった。
 だが、バッカスは右手をアトロポスの左頬に添えると、顔を振り向かせて口づけをしてきた。そして、濃厚に舌を絡ませながら、苦みのある液体を流し込んできた。中級回復ポーションだった。

 三回に分けて口移しでポーションを飲ませると、バッカスが優しい口調で告げた。
「そろそろ朝の六つ鐘が鳴る頃だ。一階したで朝飯を食ったら、出かけようぜ」
「うん……。でも、ポーションの使い方、絶対に間違ってると思う……」
 即効性の回復効果のおかげで体の痙攣も治まり、アトロポスは寝台から半身を起こすと、三本・・に増えたポーションの空き瓶を見つめながらため息をついた。

 白い裸身を隠すため、アトロポスは左手で毛布を引き寄せた。その薬指に嵌められた<鳳凰蒼輝フェニックス・ブルー>の指輪が、朝の陽光を反射してキラリと輝きを放った。


「バッカスの剣が出来るまで、あと三日あるわね。その間、何か依頼でも受ける?」
 『銀の白鳥亭』の一階にある食堂で遅めの朝食を取ると、アトロポスはバッカスの濃茶色の瞳を見つめながら訊ねた。彼の顔を見るだけで昨夜の自分を思い出し、無意識に顔が火照った。

「それも悪くないが、馬を見に行きたいな。やはり、借りた馬じゃシリウスの脚についていけない。シリウスほどの駿馬はなかなかいないと思うが、それなりの馬を手に入れたい」
 エールの残りを飲み干すと、バッカスが真面目な口調で告げた。
「そうね。ギルドに行って、アイザックさんにどこで馬を手に入れたらいいか相談してみる?」
「そうだな。ギルマスなら知っているかも知れないしな」
 アトロポスの意見にバッカスが頷きながら答えた。

「馬っていくらくらいするの?」
「普通の馬なら、白金貨数十枚だと思うが、シリウスのような最上級の軍馬になると白金貨数百枚、もしかしたら千枚以上するかも知れないな。そもそも、そんな軍馬が売られているかも分からないが……」
 バッカスの言葉を聞いて、アトロポスの脳裏にある考えが浮かんだ。

(軍馬って言えば軍……つまり、騎士団よね? ダリウス将軍に頼めないかな?)
 近衛騎士団長であるダリウスから、騎士団の優秀な軍馬を売ってもらうことができないだろうか。それが難しければ、優秀な馬の購入先を教えてもらえないだろうか?
(やっぱり、バッカスを乗せるからには力のある馬じゃないと……)
 バッカスの身長は百九十五セグメッツェだ。ガッシリとした筋肉に覆われたその巨体は、アトロポスの倍近い体重がありそうだった。並みの馬ではすぐに乗り潰してしまいそうだとアトロポスは思った。

「ねえ、バッカス。模擬戦をしてくれない?」
「え……? 模擬戦って、アトロポスとか? か、勘弁してくれ……」
 突然告げられた内容に、バッカスは驚いてアトロポスの顔を見つめた。剣士クラスAになったとは言え、アトロポスとの実力差は身に染みて分かっていた。
「あ、私とじゃないわよ。ダリウス将軍と模擬戦をする気はない?」
「ダリウス将軍? どういうことだ?」
 アトロポスの言いたいことが分からずに、バッカスが怪訝な表情を浮かべた。

「軍馬なら、ダリウス将軍に頼めないかなと思って……。でも、ダリウス将軍に話をすると、絶対に模擬戦の相手をさせられるのよ。私はこの間、相手を務めたから、今度はバッカスを指名するはずよ」
 笑顔で告げたアトロポスに、バッカスは呆れながら訊ねた。
「ダリウス将軍って、そんなに好戦的なのか?」

「好戦的っていうよりも、純粋に自らの剣技を磨きたいって考えているみたい。だから、一対一の模擬戦こそが、最上の鍛錬になると思っているんじゃないかな?」
「ダリウス将軍って、王宮最強の騎士と呼ばれている人だろう? アトロポスは実際に模擬戦をしてみて、どうだった?」
 ダリウスの強さに興味を抱いて、バッカスが訊ねた。

「そうね。天龍の革鎧ヘルムドラーク・ハルナスの速度強化や筋力強化をまったく使わないでやったら、かなりいい勝負だったわよ。王宮最強の騎士というよりも、レウルキア王国最強の騎士じゃないかな?」
「おいおい……。そんな人と模擬戦をやれっていうのか?」
 若干引きながら、バッカスが顔を引き攣らせた。その様子を笑って見ながら、アトロポスが続けた。

「たぶん、剣技ではダリウス将軍、覇気の強さではバッカスだと思うわ。二人の実力はかなり伯仲していると思う」
「つまり、剣士クラスAってことか? 覇気攻撃なんて余裕がなければ出来ないから、剣技で押されたら勝てそうもないぞ……」
 アトロポスの話からダリウスの実力を想像して、バッカスが難しい表情を浮かべた。

「それでいいのよ。というか、勝ったらダメよ。ダリウス将軍はレウルキア王国の侯爵でもあるのよ。部下の前で一介の冒険者に負けたら、ダリウス将軍の立場が丸つぶれになるわ。出来れば引き分けにもしないで、僅差で負けるようにして……」
「無茶言うな。僅差でわざと負けるなんて、相当の実力差がなければ無理だぞ」
 バッカスが苦笑いを浮かべながら告げた。

「覇気を出来るだけ使わずに本気でやれば、結果的にそうなると思うわよ。そうと決まったら、近衛騎士団本部に行ってみましょう」
「お、おい、アトロポス……」
 嬉しそうに席を立ったアトロポスに向かって、ダリウスが慌てて声を掛けた。だが、アトロポスは伝票を掴むと、決済をしに会計に向かって歩いて行った。

(まったく……。人の話を聞きやしねえな。夜はあんなに素直で可愛いのに、昼間のあいつと来たら……。まあ、そこが魅力でもあるんだけどな……)
「早く行くわよ、バッカス。何やってるの……?」
 不埒なバッカスの考えに気づきもせずに、アトロポスが食堂の入口で手を振っていた。


「冒険者ギルドの剣士クラスSでローズと言います。こちらはパーティ・メンバーのバッカスです。ダリウス将軍にお取り次ぎ願います」
 ニッコリと微笑みながら、アトロポスは近衛騎士団本部の守衛に声を掛けた。通常であれば、一介の冒険者が侯爵でもある近衛騎士団の団長に面会など叶うはずもなかった。
 だが、守衛をしている若い騎士は、アトロポスの顔を覚えていた。

「ローズさんですか? 先日のダリウス将軍との模擬戦、見学していました。素晴らしかったです、あのダリウス将軍と引き分けるなんて……! 少々お待ちください。将軍に取り次いで参ります!」
 二十代半ばの騎士は興奮に顔を赤らめながら、アトロポスに一礼すると近衛騎士団本部に入っていった。

「アトロポスはダリウス将軍と引き分けたんだ?」
「うん。でも、力を隠していたことを見破られちゃったわ。見物をしていた他の騎士たちを持ち場に返した後、ダリウス将軍に本当の力を見せろって言われた……」
 アトロポスが苦笑いを浮かべながら、バッカスに告げた。
「それで実力を見せたのか?」
「半分くらいね。さすがに本気を出すと、近衛騎士団本部に被害が出そうだったから……」

(まあ、そうだろうな……。こんなところでアトロポスが覇気を解放したら、悲惨な結果になるのが目に見える……)
 アトロポスの本気をバッカスも見たことはなかったが、実力の半分も出さずに火龍を瞬殺したことは知っていた。その上、クロトーからは天龍の革鎧ヘルムドラーク・ハルナスと<蒼龍神刀アスール・ドラーク>の性能についても聞かされていた。もし本当にアトロポスが実力のすべてを解放したら、レウルキア王国の誇る全騎士団五万人をも瞬く間に倒すだろうと言うことを、バッカスは信じて疑わなかった。

(昼は最強の女剣士……。そして、夜は淫らな女……)
 思わず口元がニヤけた時、先ほどの若い騎士が走って戻ってきた。バッカスは慌てて真面目な表情を取り繕った。
「ダリウス将軍がお会いになるそうです。応接室にご案内します」
 アトロポスに一礼をすると、若い騎士が嬉しそうな表情を浮かべながら告げた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 笑顔で若い騎士に礼を言うと、アトロポスは彼の後に続いて近衛騎士団本部に足を踏み入れた。不埒な妄想を振り払って、バッカスもアトロポスの後に続いた。


 ノックの音が二回響くと、アトロポスとバッカスは応接ソファから立ち上がった。応接室に入ってきたダリウス将軍は、アトロポスの顔を見ると機嫌良さそうに笑顔で告げた。
「よく来たな、アトロポス。まあ、座ってくれ」
「はい、ありがとうございます。その前に、紹介を……。私と同じ冒険者ランクSパーティのメンバーで、バッカスです」
「初めまして、ダリウス将軍。剣士クラスAのバッカスです」
 アトロポスの紹介を受けて、バッカスがダリウスに頭を下げた。

「ダリウスだ。ふむ……。剣士クラスAか? ガタイもいいし、強そうだな」
 濃茶色の瞳を興味深そうに輝かせながら、ダリウスが右手を差し出した。この瞬間、バッカスの模擬戦は決まったなと、アトロポスは確信した。
「話というのは何だ、アトロポス? 例の件はまだこれと言った進捗はないぞ」
 二人にソファを勧めると、ダリウスがアトロポスの黒瞳を見つめながら告げた。

「いえ、今日伺ったのは別件です。本題に入る前に、マグノリアは元気ですか? 予定では三日前から将軍のご自宅に移ったと思いますが……」
「ああ。元気でやっている。初めは緊張していたようだが、今ではすっかり慣れたようだ。今朝も、手作りの弁当を持たせてくれた。我がむすめながら、よく出来ただ」
 ダリウスが嬉しそうな表情を浮かべて、自慢げに告げた。
(親馬鹿ぶりに拍車がかかってるわね。これは当分の間、マグノリアの結婚はなさそうね……)

「それはよかったです。今度、会いに行ってもいいですか?」
「おお、是非来てくれ。マグノリアも喜ぶだろう」
 どこから見ても、これ以上ないというほどにダリウスは機嫌良く答えた。このタイミングを見計らっていたように、アトロポスが微笑みながら本題に入った。

「ところで、今日伺ったのは、ダリウス将軍にお願いを聞いていただけないかと思いまして……」
「何だ? お前にはずいぶんと世話になったから、出来る範囲の礼はしよう。遠慮せずに、言ってみろ」
 上機嫌な様子のままで、ダリウスが告げた。

「ありがとうございます。実は、このバッカスの馬を探しているんです。見ての通り、バッカスはかなりの巨体ですので、彼の乗馬とする馬がなかなか見つからないんです。そこで、ダリウス将軍のお力をお借りできないかと思い立ったのです。近衛騎士団なら、強い馬がたくさんいるのではないかと思いまして……。大きくて力の強い馬を一頭、売っていただけませんか?」
 笑顔で告げたアトロポスの話を聞くと、ダリウスは眉間に皺を寄せて難しい表情を浮かべた。

「話は分かった。バッカスと言ったな? たしかにお前のガタイでは、並みの馬ではすぐに乗り潰してしまうだろう」
 ダリウスがバッカスを見据えながら告げた。
「はい。それもそうなんですが、借り馬ではアトロポスのシリウスについていけず、困っております」
 バッカスの言葉に、ダリウスが驚いたようにアトロポスの顔を見つめた。

「アトロポス、シリウスに乗っているのか?」
「はい。私の愛馬にしろとシルヴァが譲ってくれたのです」
 正直にアトロポスはダリウスに告げた。
「そうか……。ならば、尚更だな。シリウスの脚に追いつける馬など、滅多にいるはずがない。俺の持ち馬の中でも、エクリプスくらいだな」
「エクリプスですか?」
 シリウスについていける馬ということに、アトロポスは興味を持った。

「シリウスの兄弟馬だ。エクリプスが兄になる。もともと、シリウスは俺がシルヴァレート王子に献上した馬だ」
「そうだったんですか? 初めて聞きました」
 ダリウスの言葉に、アトロポスが驚いて言った。
「マグノリアの件もあるしな……。よし、エクリプスを譲ってやろう」
「え……? シリウスの兄と言えば、この国でも一、二を争う駿馬では……?」
 驚愕するアトロポスに、ダリウスがニヤリと笑みを浮かべた。

「もちろん、タダじゃないぞ」
「はい。おいくらでしょう?」
 話を聞いただけでも、エクリプスの価値は白金貨数千枚はするだろうとアトロポスは予想した。
「金はいらん。恩人から金を取ったなど、俺の矜持に傷がつく。バッカス、エクリプスを譲ってやる条件として、俺と模擬戦をしろ!」
「はあ?」
 まさか、このタイミングで模擬戦を申し込まれるとは思ってもいなかったバッカスは、思わず奇声を上げた。

「もちろん、誰かのように手加減などしたらこの話はなしだ」
 そう告げると、ダリウスはニヤリと笑いながらアトロポスの顔を見つめた。
(これって、この間のことを根に持っているとか……?)
 アトロポスは苦笑いを浮かべると、ダリウスに向かって告げた。
「では、私が審判に入ってもいいですか? 手加減なしと言うことは、覇気攻撃も自由という意味ですよね? こう見えてもバッカスの覇気は、剣士クラスS並みなんです。ダリウス将軍の身が危険だと判断したら、私が介入することをお許しください」

 黒曜石の瞳に真剣な光を浮かべながら告げたアトロポスを、しばらくの間ダリウスは無言で見つめていた。聞きようによっては、アトロポスの言葉はダリウスを侮辱するものだった。だが、アトロポスの実力を知っているダリウスは、その言葉が事実であることを認めた。そして、アトロポスに向かって頷きながら告げた。

「いいだろう。だが、俺も手加減をするつもりはないぞ、バッカス。お互いに全力を出し切るぞ!」
「ハッ、ダリウス将軍。俺もアトロポスの目の前で情けない姿は晒したくないですから……」
 強面の顔に獰猛な笑いを浮かべながら、バッカスが告げた。その言葉を合図に、ダリウスとバッカスが席を立った。アトロポスも二人を見つめながら、ソファから立ち上がった。

 ダリウスを先頭に、三人は応接室を後にして中庭の訓練場へと移動を開始した。
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