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第3章 蒼龍神刀

2 初めての依頼

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 冒険者ギルド・ザルーエク支部に戻ったアトロポスは、クロトーが<蒼龍神刀アスール・ドラーク>のことをアイザックに相談しに行っている間、掲示板に張られている依頼を見ていた。
(そう言えば、まだ一度も依頼を受けていないわ。何か一つ受けてみようかな? <蒼龍神刀アスール・ドラーク>も一度使ってみたいし……)

 試験官を依頼されている剣士クラスBの昇格試験は、明後日だった。それには絶対に出ないとアイザックにまた怒られると思い、アトロポスは明日一日で済むような依頼を探した。
 その時、横にいた冒険者が声を掛けてきた。
「君、固定パーティに入っていないのかな? 良かったら、俺たちと一緒にこの依頼を受けないかい?」
 男の指した依頼の内容をアトロポスは確認した。

【アーサー・ゴブリンの討伐(D級)】

・アーサー・ゴブリンを倒し、魔石を一つ持ち帰る。
・報酬……金貨十枚
・期限……三日以内
・依頼達成ポイント……二百ポイント

「これって、明日一日で終わりますか? 明後日の朝から用事があるんです」
 アトロポスは男を見上げながら訊ねた。
 男の身長はアトロポスより頭半分高く、百八十セグメッツェくらいあった。ガッシリとした体格で、腰に長剣を差していることから剣士クラスのようだった。
 年齢は十代後半から二十歳くらいで、肩まで伸ばした赤茶色の髪と濃茶色の瞳を持つなかなかの美青年だった。

「アーサー・ゴブリンのいるダンジョンは、ここから馬で二ザンくらいだから、余裕で日帰りできるよ。俺はランクDパーティ<紅神楽>のリーダーをしているギルバートだ。君の名前は?」
「ローズです」
 『夜薔薇ナイト・ローズ』だとバレるかと思ったが、ギルバートは気づかなかったようだった。

「ローズさんか、覚えやすいね。<紅神楽>には、俺の他に三人いる。盾士クラス、弓士クラス、術士クラスだ。全員がクラスDだから、アーサー・ゴブリンくらい余裕だよ」
 ギルバートの言葉に、アトロポスの心は揺れた。だが、<星月夜スターリーナイト>の一員である以上、リーダーであるクロトーの許可なく勝手なことはできなかった。

「行ってみたいんですが、パーティ・リーダーの許可をもらわないと勝手に他のパーティには入れません。すみません」
 ギルバートに頭を下げたとき、クロトーが二階から戻ってきた。

「ローズ、どうしたの? 何かもめ事?」
 クロトーが厳しい視線でギルバートを睨みながら訊ねた。
「いえ、D級依頼の勧誘を受けただけです。リーダーの許可がないと無理だって、断ってたんです」
「ああ、そういうこと……。どんな依頼なの?」
 クロトーの質問に答えたのは、ギルバートだった。

「すみません。てっきりフリーの冒険者かと思って誘ってしまいました。アーサー・ゴブリンの討伐依頼です」
 ギルバートは壁に貼られた依頼書を指しながら謝罪した。
(アーサー・ゴブリンなら危険もほとんどないし、初めての依頼にはいいかもね。この子も礼儀正しいし、悪い感じはしない。一人で行かせてみてもいいわね)

「どこのダンジョンに行くつもりなの?」
「ここから馬でニザンほど北に行った『風魔の谷』です。そこの五階層くらいまではゴブリン狩りで有名ですから……」
 ギルバートが緊張しながら答えた。クロトーとの面識はなかったが、彼女が格上の冒険者であることは雰囲気から分かったのだ。

「『風魔の谷』の五階層くらいなら、日帰りできるわね。ローズ、行ってもいいわよ」
「本当ですか? ありがとうございます」
 アトロポスが笑顔でクロトーに礼を言った。
「ただし、あなた、ローズはダンジョンに入るのが初めてなの。きちんと面倒を見て、絶対に死なせないようにしなさい。念のため、これを渡しておくわ」
 そう告げると、クロトーは革鞄から小瓶を取り出してギルバートに手渡した。

「こ、これは……!」
 渡された小瓶を見て、ギルバートは驚愕した。
 上級回復ポーションだった。クラスD冒険者であるギルバートは、実物を見るのは初めてだった。
「あなたのパーティ名とクラスを教えて」
「は、はい。ランクDパーティ<紅神楽>のリーダーをしているギルバートと言います。剣士クラスDです」
 ほとんど直立不動になりながら、ギルバートが答えた。一本で白金貨三枚もする上級回復ポーションをくれるなど、有名な冒険者に違いないとギルバートは考えた。

「あたしは、クロトー。ローズのことをよろしくね」
「クロトーって、まさかあの『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』……?」
 ギルバートは驚愕のあまり、濃茶色の瞳を大きく見開いた。艶然と微笑みを浮かべると、クロトーはアトロポスに向かって言った。

「ローズ、ギルバートくんたちに迷惑を掛けちゃダメよ。クラスはあなたの方が上でも、冒険者としては彼らの方が大先輩なんだから……」
「はい、クロトー姉さん。ありがとう……」
 ニッコリと微笑みながら、アトロポスはクロトーに礼を言った。それに頷くと、クロトーはアトロポスに手を振りながら告げた。

「ギルバートくんたちと、依頼について打ち合わせをしてきなさい。あたしは先に帰ってるわね。彼らと一緒に夕食でも食べてきなさい」
「はい。そうします。では、クロトー姉さん、また後で……」
 アトロポスは軽く手を振りながら、クロトーを見送った。

「ローズさん、君は一体……?」
「冒険者になって、まだ一週間足らずの初心者です。クロトー姉さんが言ったように、ダンジョンに入るのも初めてなんです。よろしくお願いします」
「あ、ああ……。取りあえずメンバーを紹介しておくよ。食堂にいるから、ついてきてくれ」
 そう告げると、ギルバートはアトロポスを率いて食堂へと向かった。そして、食堂に足を踏み入れた時、ギルバートは思い出した。

(そう言えば、先週、クラスFからAに特別昇格した女の子がいたって聞いた。たしか、二つ名は……! それが、彼女ローズか?」
 ギルバートは慌てて振り返ると、アトロポスの顔を見つめた。
「思い出したよ。『夜薔薇ナイト・ローズ』だよね、君は?」
「はい。でも恥ずかしいから、ローズって呼んでください」
 人前で二つ名を呼ばれることに慣れていないアトロポスは、ニッコリと微笑みながらギルバートに告げた。

(剣士クラスAだったんて……。全員クラスDだから余裕だなんて、恥ずかしいことを俺は……)
 黒歴史が増えてしまったことに、ギルバートは恥ずかしさのあまり、大声でのたうち回りたくなった。


 アトロポスはギルバートに案内され、食堂の奥にある八人掛けの席に座った。壁側のギルバートの隣りに腰を下ろすと、彼が<紅神楽>のメンバーを紹介した。
「俺の隣りにいるのが盾士クラスDのデビット、その前の女性が術士クラスDのノーマだ。そして、君の正面が弓士クラスDのメルビン。みんな、こちらは剣士クラスAのローズさんだ」
 ギルバートがアトロポスを紹介した途端、全員が驚きの表情を浮かべた。

「剣士クラスAって? ギルバート、どういうことだ?」
「それより、ローズってあの『夜薔薇ナイト・ローズ』じゃないのか?」
「バカギル! 『夜薔薇ナイト・ローズ』って言えば、『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』が勧誘した奴は喧嘩を売ったと見做すって宣言したはずよ! あんた、どうするのよッ!?」
 全員がギルバートに詰め寄るかのように騒ぎ出した。

「あっ、すみません。私がギルバートさんに無理を言って勧誘してもらったんです。クロトー姉さんの許可はもらってますから、大丈夫です」
 集中砲火に晒されたギルバートを援護するように、アトロポスが笑顔を見せながら言った。
「そ、そういうことだ。クロトーさんとは直接話をさせてもらった。ローズさんはダンジョンに入るのが初めてだから、面倒を見るように言われたよ」
 アトロポスの助け船に乗りながら、ギルバートが三人に説明した。

「それならいいけど……。あたしは術士のノーマよ。歳は十八歳。ローズさんも同じくらいかしら?」
「ノーマさんの方が年上です。私は十六なので……」
「そうなんだ。十六歳で剣士クラスAって、ローズさん凄いわね」
「いえ……。試験官の方がいい人だったので、たまたま受かったんです」
(試験官を殺しかけたなんて、絶対に言えないわね……)

 ノーマは金髪碧眼に、そばかす顔の少女だった。十八歳と言った割には幼さが残っており、本人の言うとおりアトロポスと同じくらいの年齢に見えた。
 術士というだけあり、紺色のローブを身につけ、魔道杖を膝の上に置いていた。
(クロトー姉さんの魔道杖とずいぶん違うのね。初心者用の魔道杖なのかな?)
 四大龍筆頭である天龍の黄色い宝玉がついたクロトーの魔道杖と比べると、ノーマの魔道杖は宝玉も赤く小さかった。杖自体の材質も、一見して普通の木に見えた。

「俺は盾士のデビット。年齢はギルバートと同じ二十歳だ。剣士クラスAの攻撃を見られるのを楽しみにしているよ」
「攻撃と言っても、私は対人しかしたことがないので、魔獣の倒し方なんて知らないんです。色々と教えてください」
 そう告げると、アトロポスはぺこりと頭を下げた。クラスAに頼りにされて、デビットは気分良く告げた。
「そうか、ローズさんはダンジョンが初めてだって言ったな。俺で良ければ、色々と相談に乗るぜ」
「はい、よろしくお願いします」

 デビットは盾士というだけあり、ガッシリとした体格の持ち主だった。銀色の髪を短く刈り上げ、目の色は灰色だった。座っているので正確には分からないが、身長もギルバートより高そうだった。横幅は明らかに大きく、二の腕の筋肉はアトロポスの太ももくらいはありそうだった。
 右側に立て掛けてある大盾は鉄製のようで、アトロポスにはかなり重そうに見えた。

「弓士のメルビンです。年齢は二十二歳で、<紅神楽>では一番の年長です。リーダーが抜けているので、僕が参謀のようなこともしています。よろしく、ローズさん」
「おい、抜けてるってのは余計だろ?」
 苦笑いを浮かべながら、ギルバートが文句を言った。だが、完全に否定できないところを見ると事実のようだった。

「こちらこそ、よろしくお願いします」
 アトロポスは笑顔でそう言うと、メルビンの顔を見つめた。彫りの深い整った容貌で、いかにも女性にもてそうな雰囲気だった。長い茶髪を無造作に後ろで束ね、弓士らしい革鎧を身につけていた。左横に立て掛けてある弓は中型で、矢筒の中には二十本以上の矢が入っていた。
 身長はギルバートよりもやや低そうで、男の割には細身だった。だが、二の腕の筋肉は発達しており、弓を引くことで鍛え上げたように見えた。

「ローズさんはどこに泊まっているの? まだ宿を取ってなければ、あたしたちと同じところに泊まったら?」
 ノーマが笑顔を浮かべながら誘った。
「ありがとう、ノーマさん。でも、クロトー姉さんの家に居候しているので……」
「あ、そうなんだ。『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』と一緒に住んでいるなんて凄いわね。怖くないの?」
 ノーマの言葉の意味が分からず、アトロポスは首を傾げた。

「怖い? 何でですか? クロトー姉さんって凄く面倒見がいいし、優しいですよ」
「そうなのか? ムズンガルド大陸最強の魔道士クラスSだろ? すげえおっかないイメージなんだけど、違うの?」
 デビットが驚いたように、アトロポスに訊ねた。
「そんなことは……」
 笑いながらデビットの言葉を否定しようとしたアトロポスの背後から、突然声が降ってきた。

「クロトーのおばあちゃん、怒らせるとめちゃくちゃ怖いよ。ギルマスのアイザックさんが涙目になるくらいだからね」
「レオンハルトさん! いつも突然、驚かさないでください」
 左後ろに立つ淡青色の髪をした青年を見上げながら、アトロポスが文句を言った。

「レオンハルトって、あの槍士クラスSSの……?」
「ほ、本物なのか……?」
「きゃあ、『焔星イェンシー』さま! あたし、ファンなんですッ!」
「俺、今日一日で『妖艶なる殺戮ウィッチ・マダー』と『焔星イェンシー』の二人に会うなんて……」
 突然のレオンハルトの出現に、<紅神楽>のメンバーが騒ぎ出した。

「ところで、ローズは何してるの?」
 許可もなくアトロポスの隣りに腰掛けながら、レオンハルトが訊ねた。
「明日、<紅神楽>の皆さんとダンジョンに行くので、その打ち合わせです」
「おばあちゃんの許可は取ってあるんだよね? 勝手に行くとまずいよ?」
「もちろん、クロトー姉さんは了承してくれてますよ。いい経験だって思ったみたいです」
 馴れ馴れしく肩に回してきたレオンハルトの右手をつねりながら、アトロポスが言った。

「君たち、クラスは?」
 赤くなった右手の甲を擦りながら、レオンハルトがギルバートたちを見渡して訊ねた。
「全員、クラスDです。明日、アーサー・ゴブリンの討伐に『風魔の谷』に行く予定です」
 メンバーを代表して、ギルバートが告げた。
「クラスDね。おばあちゃん、ずいぶんとローズに過保護だね。どうせなら、木龍討伐くらいやらせてあげればいいのにね」
 レオンハルトの言葉に、<紅神楽>のメンバー全員が驚愕の表情を浮かべた。

「木龍ですか? さすがにそれは……」
 アトロポスが苦笑いを浮かべながら言った。
 四大龍の序列第四位である木龍は、S級魔獣だった。通常はランクSパーティが複数で討伐するS級依頼である。
「そうかな? ローズなら余裕で倒せるでしょ? 何しろ、槍士クラスSSの僕を模擬戦で圧倒したんだから……。おばあちゃんが助けてくれなかったら、僕はローズに殺されてたしね」
 笑いながら告げたレオンハルトの言葉に、<紅神楽>のメンバーは呆然として固まった。

「『焔星イェンシー』を圧倒って……?」
「それよりも、レオンハルト様が殺されそうになったって、どういうこと?」
 ギルバートとノーマがほとんど同時に訊ねた。他のメンバーは二人の問いにハッと我に返って頷いていた。

「ローズは強いよ。たぶん、今戦ったら僕は瞬殺されちゃうんじゃないかな?」
「そんなことありませんよ。この間のはまぐれです」
 アトロポスの言葉に、ギルバートは呆然として呟いた。
「ホントに『焔星イェンシー』に勝ったんだ……」

「それが例の新しい刀かい? 凄い刀だね。僕の神槍<ラグナロック>以上だ」
 <蒼龍神刀アスール・ドラーク>に秘められた力を一目で見抜くと、レオンハルトは驚きに濃紺の瞳を大きく見開いた。そして、ギルバートたちに向かって真剣な表情で告げた。

「君たち、ローズと一緒に行くのはやめた方がいい。悪いが君たちと彼女とでは、レベルが違いすぎるよ。もし、どうしてもローズと行きたいのなら、明後日の剣士クラスB昇格試験を見てから判断することを勧めるよ。ローズはその昇格試験で、試験官をする予定だからね」
「レオンハルトさん、私がギルバートさんに連れて行ってくれるように頼んだんです。そんなこと、言わないでください!」
 レオンハルトの言葉にカチンときて、アトロポスが声を荒げた。

「ローズ、落ち着いて。これは彼らのために言っていることなんだよ。どんなダンジョンにでも死の危険はあるんだ。君の戦いを見たら、彼らは必ず自信を喪失する。ダンジョンの中でそんな精神状態になることが、どれだけ危険か君に分かるかい? だから、冒険者は自分と同じくらいのレベルの者とパーティを組むんだ。その方がお互いに切磋琢磨して自分を高められるからね」
 レオンハルトの言いたいことは、アトロポスにも理解できた。だが、自分とギルバートたちとの差がそれほどあるとはアトロポスには思えなかった。

「でも、ギルバートさんと私がそんなに違うなんてことは……」
「ローズ、君は今、剣士クラスAだ。でも、本来の君の実力は剣士クラスSSだよ。天龍や水龍も単独で倒せるだけの力がある。それに対して、彼らはクラスDだ。B級魔獣が一体出たら全滅してしまう。それだけの差がある者がパーティを組むメリットは、一つもないよ。今回の件は、おばあちゃんの完全なミスだ。いや、ミスと言うより、過保護が原因かな?」
「そんな……」
 アトロポスが食い下がろうとした時、ギルバートがレオンハルトに向かって言った。

「お話しはよく分かりました。でも、俺たちも冒険者の端くれです。レオンハルトさんが言われるローズさんとの差を、この目で見てから決めたいと思います。明後日の昇格試験を見学させてください」
 そう告げると、ギルバートはレオンハルトに頭を下げた。それを見て、<紅神楽>のメンバーも全員がレオンハルトに頭を下げ始めた。

「ギルバートさん……」
「分かった。僕の話を理解してもらえて嬉しいよ。明後日の昇格試験は、朝の六つ鐘に地下訓練場で行う。ぜひ、ローズの実力をその眼で見て欲しい」
 そう告げると、レオンハルトは席を立った。そして、立ち去る直前に片目を瞑りながらアトロポスに言った。
「ローズ、どうしてもダンジョンに行きたければ、僕が連れて行ってあげるよ。ただし、相手は四大龍のどれかにするけどね。それから、明後日の昇格試験だけど、優勝者相手に絶対に本気は出しちゃダメだよ。間違いなく相手を殺しちゃうからね」

 そう告げると、レオンハルトは片手を上げて挨拶をし、食堂から出て行った。それを見送ると、アトロポスはレオンハルトたちに謝罪した。
「皆さん、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
 だが、<紅神楽>のメンバーたちは、アトロポスに悪意がないことをよく理解していた。

「気にしないで。それより、明後日の昇格試験、がんばりなさいよ。応援しているからね」
「バカ、がんばったら相手を殺しちゃうって、レオンハルトさんが言ってただろ?」
「それにしても、ローズさん。『焔星イェンシー』に勝つなんて、すげえな」
「明後日の試験、いいとこ見せてくれよ。でも、相手は殺しちゃダメだからな」
 最後のギルバートの言葉に、全員が声を立てて笑った。

(みんな、いい人たちで良かった。もしかしたら、クロトー姉さんはギルバートさんの人柄を見抜いて私を預けたのかも知れない。食事をして来いって言ったのも、私に同年代の友人を作るきっかけを与えてくれたのかも……)
 クロトーの好意に気づくと、アトロポスは<紅神楽>のメンバーを夕食に誘う決心をした。
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