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第1章 神社幻影隊
5.闇を支配する者
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太古より神は光に属し、魔は闇に属すと言われている。
その魔の中でも最も闇に愛され、最大の力を持つ一族がいた。血と不死と快楽を司る傲岸にして高潔なる絶対者……吸血鬼である。
ブラム=ストーカーの『ドラキュラ』、シェリダン=レ=ファニュの『カーミラ』など、多くの創作に登場してきた吸血鬼は、生死を超越した者、または生と死の狭間に存在する者、不死者の王と呼ばれている。その名は時代や国々によって異なり、ヴァンパイア、ノスフェラトゥ 、ヴァンピールなどとも伝えられている。だが、どのような異名で呼ばれようとも、吸血鬼が闇に君臨する不死の帝王であることに変わりはなかった。
吸血鬼伝承の発祥には諸説あるが、いずれも確固たる根拠に欠けている。最も信憑性が高いのは、強硬症を発症した人を死亡したものだと思い込んで埋葬し、棺の中で蘇生したという説だ。また、死蝋など埋葬された時の条件によって腐りにくかった死体への錯誤、あるいは黒死病の蔓延による噂の流布により生まれたとも言われている。
だが、それらの説が虚飾に満ちた誤りであることを、咲希はその身を持って実感した。
将成を担いで走る澤村彰人の後を追ってきて、咲希はその男に出遭ったのである。澤村はその男の横に将成を横たえると、身を投げ出すように彼に向かって土下座をした。そして、澤村が全身をガタガタと震撼させていることを、咲希は実感を込めて理解できた。
「あ……あ……あッ……」
その男の姿を眼にした瞬間、全身を襲う凄絶な恐怖のあまり咲希は硬直して言葉を失った。
人として……いや、種としての根源から来る絶対的な畏怖が、細胞の一つ一つさえも凍りつかせ、身動き一つ取れなかった。
不死者の王……、闇の帝王……。そんな言葉さえも、目の前に佇む存在を言い表すには不完全であった。人の叡智など嘲笑うかのような圧倒的な存在感が、咲希の全身を、その精神を縛り付けていた。それは、種としての格がまったく異なる存在だった。
強いて言うのであれば、『原初の混沌』そのものであった。
身長は百九十センチくらいか。美の化身とも言えるほど整った容貌に、漆黒の髪をオールバックに流した精悍な男だった。細身だが引き締まった肉体に、上質な黒いスリーピースのスーツを身につけた見る者を魅了するほどの美青年であった。
その眼と口元が人間のそれであれば……。
切れ長の眼には爛々と赤光を放つ真紅の瞳が輝き、男にしては紅すぎる唇からは、長い乱杭歯が二本伸びていた。
だが、真に驚愕すべきはその外見ではなく、この男が放つ妖気であった。圧倒的な……膨大な……凄まじい……どのような形容詞も、この妖気を表現するには不十分すぎた。
二週間前、咲希が倒した鬼族など、この男が放つ妖気とは比較できないほど卑小であった。象と蟻どころか、恐竜と羽虫ほど存在そのものの格が違っていた。
咲希から見たら圧倒的な力を持つ咲耶でさえも、この男には遥かに及ばないのではないかと思った。
(こんなの……勝てる……はず……ない……)
ガクガクと全身を震撼させながら、咲希は目の前に立つ男を見つめた。凄絶な恐怖のあまり、黒曜石の瞳を限界まで見開き、無意識に溢れ出た涙が白い頬を伝って流れ落ちた。すでに右手の<咲耶刀>は消滅し、股間からは異臭を放つ生暖かい液体が溢れて内股を濡らしていた。
『お前が神守咲希か?』
突然、男が流暢な日本語で訊ねてきた。いや、言葉を発したのではなかった。咲希の脳裏に男の意志そのものが響き渡ったのだ。その壮絶な意志の力に抗う気力も起こらず、咲希はガクガクと頷いた。
『お前の中にいる者は誰だ?』
「そ……れは……」
咲耶の名を絶対に告げてはならないと、咲希の本能が命じた。だが、男は咲希の思考を読み取ったかのようにニヤリと微笑を浮かべながら告げた。
『木花咲耶か……。奴め、まだ生きておったか?』
咲耶のことを知っているかのような口ぶりに、咲希は驚愕して男を見つめた。
『約二千年前……、天照の命を受けた瓊瓊杵尊が我を滅すべく挑んできた』
男は咲希に聞かせるかのように、話し始めた。その話に出て来た神の御名に、咲希は聞き覚えがあった。
(瓊瓊杵尊って、咲耶の旦那さん……?)
初めて聞く話に驚愕して、咲希は男が言葉を続けるのを待った。
『天照本人であるならいざ知らず、例え<草薙剣>を持っていたとしても瓊瓊杵尊など我が敵にあらず。一刀のもとに斬り捨て、<草薙剣>を奪ってやった……』
(……! この男が、咲耶の旦那さんをッ……?)
愕然とする咲希の表情を楽しげに見つめると、男が続けた。
『夫を殺された木花咲耶が我の前に現れたのは、それから三十年後くらいであったか? 彼奴め、それだけの時間をかけて必死で己を鍛えていたらしい』
(三十年もの間、旦那さんの仇討ちをするために……? 咲耶が……)
瓊瓊杵尊に対する咲耶の深い愛情を知り、咲希は驚きと同時に誇らしさで一杯になった。
『月詠尊から渡されたという白銀の刀……たしか、<咲耶刀>とか言ったか……。それを手にした木花咲耶は確かに強かったぞ』
男が楽しそうに昔を述懐しながら笑みを浮かべた。
(咲耶……これほどの相手に、本当に戦いを挑んだんだ……)
その勇気は八岐大蛇伝説に勝るとも劣らないものだと咲希は思った。そして、それほどの壮挙が何故神話として伝わっていないのか不思議だった。
『彼奴との戦いは三日三晩続いた。奴の<咲耶刀>は我が右腕を斬り落とし、我が覇気は奴の左腕を消滅させた。磐長姫が止めに入らねば、我ら両名とも二度と恢復できぬまま消滅していたであろう』
(磐長姫って……?)
咲希の考えを読み取ったかのように、男が告げた。
『磐長姫は木花咲耶の姉だ。外見は醜いが、不老長寿の女神だ』
(咲耶にお姉さんがいたんだ? それも、不老長寿の女神だなんて……)
『磐長姫は我から<草薙剣>を奪うと、木花咲耶を扶けて姿を消した。その場に残された我は、すべての力を取り戻し全癒するまでに百年近くもかかった……』
述懐にも似た男の話を聞いて、咲希は疑問に思った。
(咲耶は傷を治した後で、再びこの男に戦いを挑まなかったのかしら……?)
『木花咲耶が再び我を捜し出すことはできなかった。本来、我よりも力が劣る彼奴は、完治するまでに五百年はかかったと聞く。その間、我はこの国を出て、様々な国で同胞を増やしておったからな。木花咲耶が我の気を捜すことは不可能だった……』
(そうだったんだ……。でも、この男と引き分けただなんて、咲耶ってやっぱり凄い女神だったんだ……)
その咲耶と比べて、自分は恐怖に震えて失禁までしてしまったことを咲希は恥じた。
『神守咲希……。お前の中にいる木花咲耶はまだ目覚めておらぬようだ。今ならば、お前ごと彼奴を滅するなど、赤児の手を捻るよりも容易い』
「……ッ!」
目の前の男の気が急激に増大した。その濃密な闇そのものとも言える妖気を正面から受けて、咲希はビクンと全身を跳ね上げガタガタと震えだした。
「あ、あなたの……名前……は……?」
湧き上がる絶対的な恐怖に抗いながら、咲希がガチガチと歯を鳴らして訊ねた。己の中で眠っている咲耶を守らねばならない一心であった。
『我が名を問うか? それを知れば、我から逃れられぬぞ。それでもよいか、娘……』
「さ……咲耶の……愛する人を……殺した相手が……誰だか……、あたしにも……知る権利が……あるわ……」
凄絶な恐怖と闘い、咲希が全身を震撼させながら告げた。その様子を満足げに見つめながら、男が薄らと笑みを浮かべた。
『この世に三大妖魔と呼ばれる存在がいる。九尾狐、阿修羅、そして我……夜叉だ』
「夜……叉……」
その名は、咲希の心の奥底に呪いのように刻みつけられた。
『九尾狐は火焔の女王……。阿修羅は鬼神の王……。そして、我、夜叉は闇の王とも呼ばれておる』
(闇の王……夜叉……)
ゴクリと生唾を飲み込むと、咲希は涙で濡れた黒曜石の瞳で夜叉の顔を見据えた。だが、原初からなる凄まじい恐怖は、咲希の意志を裏切って全身をガタガタと震撼させていた。
『この者はお前の夫か……?』
意識を失ったまま足元に横たわっている将成に視線を移しながら、夜叉が訊ねた。
「将成……!」
最愛の将成の姿を眼にして、恐怖の呪縛から解き放たれたように咲希が叫んだ。今の今まで、想像を絶する恐怖に支配されていて、将成の姿さえ咲希の黒瞳には映っていなかったのだ。そして、その横には土下座しながら全身を震わせている澤村彰人の姿があった。
『この男の命を救いたくば、木花咲耶ともどもお前の生命を差し出すがよい』
「……ッ!」
夜叉の告げた理不尽な命令に、咲希は言葉を失った。自分ひとりだけならまだしも、咲耶と将成の生命を天秤にかけるわけにはいかなかった。
『何を迷っておる? お前に選択肢などありはせぬぞ。お前が自ら生命を差し出せば、それに免じてこの男は助けてやろう。だが、断るのであればお前もこの男も殺し、その血を啜ってやろうぞ』
「なッ……!」
夜叉の言葉通り、どちらにしても咲希と咲耶は殺される運命であった。それであれば、将成だけでも助けることを咲希は考えた。
(ダメだッ! 夜叉が約束を守る保証なんて、どこにもない! 唯一可能性があるとしたら、将成の意識を取り戻して逃げてもらうことだけだわ!)
咲希は唯一この難局を脱する手段を思いついた。だが、その成功率はゼロにも等しいほど低かった。そのためには、少しでも時間を稼ぐ必要があった。
(どんなに成功の確率が低くても、他に手段はないわ!)
咲希は、たった一つの可能性に賭ける決意を固めた。
「分かったわ。将成だけは必ず助けると約束して……!」
『その言や潔し。では、二千年前の雪辱、今こそ果たしてやろう……』
夜叉が右手を咲希に向けると、ゆっくりと手の平を広げた。恐らく手の平から妖気の波動を撃ち出すつもりだと咲希は思った。
「待ってッ! 最後に一つだけ、願いを叶えさせてッ!」
『願い……?』
咲希の言葉に、夜叉が動きを止めた。そして、楽しそうな微笑を浮かべながら咲希に訊ねた。
(やっぱり、予想通りだッ! 三大妖魔と言われるだけあって、知能も相当に高い。だからこそ、こうやって会話もできるし、意思の疎通も図れる。殺される直前の人間が何を考えているのか、きっと興味があるはずだわ!)
「あたしは将成を愛している。だから、死ぬ前に将成に触れたい。それができれば、思い残すことはないわッ!」
咲希はすべての気力を奮い起こして、夜叉に向かって叫んだ。原初の恐怖を凌駕する将成への愛情が、咲希に最後の勇気を与えた。
『愛という感情が何なのか、我は知らぬ。だが、木花咲耶も同じことを告げておった。よかろう。その男に触れることを許してやろう』
「ありがとう……」
そう告げると、咲希はゆっくりと将成に向かって歩き出した。そして、精神を統一しながら心を静めた。
(咲耶でさえ辛うじて引き分けた相手に、あたしが勝てるはずない……。だから、将成……。あなただけでも逃げて……)
仰向けに倒れている将成の横に跪くと、長い漆黒の髪を揺らしながら咲希はゆっくりと屈み込んだ。
(あたしの神気のすべてを、あなたに渡すわ……。だから、気づいて……)
咲希の魅惑的な唇が、将成の唇に重なった。生まれて初めての口づけが、最後の口づけとなるかも知れなかった。
(将成……そして……)
咲希の全身が神々しい光輝に包まれた。
大気、土、竹林、月……生きとし生けるものの気が咲希に注がれ、その周囲に光の螺旋を描きだした。長い漆黒の髪が舞い上がり、咲希の全身が直視できないほどの閃光を放った。
その超絶な光輝のすべてを収斂して、咲希は将成の唇に注ぎ込んだ。
(お願い、気づいて……建御雷神ッ!)
次の瞬間、咲希が放った光輝を遥かに上回る光の奔流が将成の体から迸った。その圧倒的な奔流が、想像を絶する超烈な意志となって二人の全身を包み込んだ。
「SA係数五三七か……。赤塚公園の時ほどではないが、十分過ぎるほどの数値だ。どうやら、神守咲希は本物だな……」
ドローンに設置したSA測定器の測定値を見ながら、国城大和がニヤリと笑みを浮かべた。
このSA測定器は従来よりも小型軽量化された最新式で、SA係数の計測上限値も二千まで測定することが可能だった。二週間前の赤塚公園での事件をきっかけに、神宮特別対策部の研究チームが徹夜を続けて改良したものだった。ドローンに設置したは、昨日のことであった。
「これならば、神守咲希のSA係数が正確に測定できるはずだ。さすがに二千を超えることはないだろう……」
だが、大和の言葉を嘲笑うかのように、次の瞬間、SA測定器が過負荷となって爆発した。その衝撃によって、ドローン本体さえも炎上しながら『狛江弁財天池特別緑地保全地区』の敷地内に墜落していった。
「馬鹿なッ……!」
茫然としてブラックアウトしたスクリーンを見つめていた大和は、最後に送信されてきたSA係数の数値を見て驚愕した。
「に、二千だとッ……! いや、過負荷になったってことは、二千以上だッ! 百や二百オーバーした程度で爆発することなんてあり得ないッ! 数百……いや千以上の過剰なSA係数を測定したんだッ!」
自分が叫んだ言葉を、大和は信じられなかった。それが事実だとしたら、SA係数三千以上の精神エネルギーが放射されたことになるのだ。
大和は震える指先でスマートフォンを操作すると、天城色葉に電話をかけた。そして、色葉が出た瞬間に、大声で叫んだ。
「色葉ッ! 今、どこだッ! すぐに戻れッ!」
「大和ッ! 凄まじい精神エネルギーを感じたわッ! 今、『狛江弁財天池特別緑地保全地区』の目の前に着いたッ! すぐに現地に向かうわッ!」
興奮したハスキーな美声が、スピーカーから響き渡った。
「危険すぎるッ! すぐに戻るんだッ! SA係数三千以上かもしれないッ!」
「えッ……? 何を言って……? 三千って……?」
驚愕に言葉を途切れさせながら、色葉が告げた。
「SA係数二千まで測定可能なSA測定器が、過負荷で爆発したッ! 計測上限値を千以上超えないと、爆発するなんてあり得ないッ!」
「だったら、なおさらよッ! それが神守咲希によるものかどうか、確認してくるわッ!」
色葉の言葉を聞いて、大和が凄まじい怒声を上げた。
「ダメだッ! すぐに戻れッ! 危険すぎるッ!」
色葉のSA係数は神社幻影隊で最強の三七五だ。だが、『狛江弁財天池特別緑地保全地区』で測定された数値の十分の一程度でしかない。下手をしたら近づいただけで消滅させられるか、運がよくても脳が焼き切れて廃人になる可能性が高かった。
「色葉、頼むッ! 戻ってくれッ! お前を失いたくないッ!」
「大和……?」
思いもしないほど真剣な大和の声に、色葉が驚きの表情を浮かべた。
「お前を愛しているッ! だから、頼むッ! 戻ってくれッ! 色葉ッ!」
「大和……分かったわ。『狛江弁財天池特別緑地保全地区』に入るのは止める……。でも、外から中の様子を見るだけなら……」
突然、愛の告白をされ、色葉は黒茶色の瞳を大きく見開きながら告げた。大和の気持ちは嬉しかったが、神社幻影隊の主任宮司としての職務は別だった。
「ダメだッ! 下手をしたら、その辺一帯が吹き飛ぶかもしれないッ! すぐに戻るんだッ!」
「そんなこと……キャアァアッ……!」
「色葉ッ! どうした、色葉ッ! 色葉ぁあッ……!」
鼓膜を引き裂くような悲鳴を最後に、色葉との通信が途絶えた。大和はすぐに色葉のスマートフォンに電話をかけ直したが、虚しい音声が流れるだけだった。
「おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないためかかりません……」
「色葉ッ……!」
大和は左腕に付けたダイバーズウォッチで時間を確認した。午後八時五分だった。
スマートフォンをジーンズの尻ポケットに押し込むと、大和は神社幻影隊本部室のドアを蹴破るように開けて廊下へ飛び出た。
(この時間なら、タクシーを使った方が速いッ!)
神社本庁の正面玄関を走り抜けると、大和はJR代々木駅のタクシー乗り場に向かって全力で駆け出した。代々木駅までの距離はおよそ五百メートル。全力で走れば、三分で到着するはずだった。
(無事でいろよ、色葉ッ……)
代々木駅でタクシーに飛び乗ると、大和は運転手に向かって叫んだ。
「狛江駅前にある『狛江弁財天池特別緑地保全地区』まで……!」
そして、尻ポケットからスマートフォンを抜き出すと、色葉の携帯番号を表示させて通話アイコンを押した。しかし、何度電話をかけても音声案内しか流れず、メールやLINEを送っても返事は届かなかった。
(色葉ッ……!)
首都高速四号線を走るタクシーの窓からは、西新宿のビル街の明かりが流れては消えていった。それが色葉との想い出が消え去っていくかのように感じて、大和は両手の拳を固く握り締めた。
その魔の中でも最も闇に愛され、最大の力を持つ一族がいた。血と不死と快楽を司る傲岸にして高潔なる絶対者……吸血鬼である。
ブラム=ストーカーの『ドラキュラ』、シェリダン=レ=ファニュの『カーミラ』など、多くの創作に登場してきた吸血鬼は、生死を超越した者、または生と死の狭間に存在する者、不死者の王と呼ばれている。その名は時代や国々によって異なり、ヴァンパイア、ノスフェラトゥ 、ヴァンピールなどとも伝えられている。だが、どのような異名で呼ばれようとも、吸血鬼が闇に君臨する不死の帝王であることに変わりはなかった。
吸血鬼伝承の発祥には諸説あるが、いずれも確固たる根拠に欠けている。最も信憑性が高いのは、強硬症を発症した人を死亡したものだと思い込んで埋葬し、棺の中で蘇生したという説だ。また、死蝋など埋葬された時の条件によって腐りにくかった死体への錯誤、あるいは黒死病の蔓延による噂の流布により生まれたとも言われている。
だが、それらの説が虚飾に満ちた誤りであることを、咲希はその身を持って実感した。
将成を担いで走る澤村彰人の後を追ってきて、咲希はその男に出遭ったのである。澤村はその男の横に将成を横たえると、身を投げ出すように彼に向かって土下座をした。そして、澤村が全身をガタガタと震撼させていることを、咲希は実感を込めて理解できた。
「あ……あ……あッ……」
その男の姿を眼にした瞬間、全身を襲う凄絶な恐怖のあまり咲希は硬直して言葉を失った。
人として……いや、種としての根源から来る絶対的な畏怖が、細胞の一つ一つさえも凍りつかせ、身動き一つ取れなかった。
不死者の王……、闇の帝王……。そんな言葉さえも、目の前に佇む存在を言い表すには不完全であった。人の叡智など嘲笑うかのような圧倒的な存在感が、咲希の全身を、その精神を縛り付けていた。それは、種としての格がまったく異なる存在だった。
強いて言うのであれば、『原初の混沌』そのものであった。
身長は百九十センチくらいか。美の化身とも言えるほど整った容貌に、漆黒の髪をオールバックに流した精悍な男だった。細身だが引き締まった肉体に、上質な黒いスリーピースのスーツを身につけた見る者を魅了するほどの美青年であった。
その眼と口元が人間のそれであれば……。
切れ長の眼には爛々と赤光を放つ真紅の瞳が輝き、男にしては紅すぎる唇からは、長い乱杭歯が二本伸びていた。
だが、真に驚愕すべきはその外見ではなく、この男が放つ妖気であった。圧倒的な……膨大な……凄まじい……どのような形容詞も、この妖気を表現するには不十分すぎた。
二週間前、咲希が倒した鬼族など、この男が放つ妖気とは比較できないほど卑小であった。象と蟻どころか、恐竜と羽虫ほど存在そのものの格が違っていた。
咲希から見たら圧倒的な力を持つ咲耶でさえも、この男には遥かに及ばないのではないかと思った。
(こんなの……勝てる……はず……ない……)
ガクガクと全身を震撼させながら、咲希は目の前に立つ男を見つめた。凄絶な恐怖のあまり、黒曜石の瞳を限界まで見開き、無意識に溢れ出た涙が白い頬を伝って流れ落ちた。すでに右手の<咲耶刀>は消滅し、股間からは異臭を放つ生暖かい液体が溢れて内股を濡らしていた。
『お前が神守咲希か?』
突然、男が流暢な日本語で訊ねてきた。いや、言葉を発したのではなかった。咲希の脳裏に男の意志そのものが響き渡ったのだ。その壮絶な意志の力に抗う気力も起こらず、咲希はガクガクと頷いた。
『お前の中にいる者は誰だ?』
「そ……れは……」
咲耶の名を絶対に告げてはならないと、咲希の本能が命じた。だが、男は咲希の思考を読み取ったかのようにニヤリと微笑を浮かべながら告げた。
『木花咲耶か……。奴め、まだ生きておったか?』
咲耶のことを知っているかのような口ぶりに、咲希は驚愕して男を見つめた。
『約二千年前……、天照の命を受けた瓊瓊杵尊が我を滅すべく挑んできた』
男は咲希に聞かせるかのように、話し始めた。その話に出て来た神の御名に、咲希は聞き覚えがあった。
(瓊瓊杵尊って、咲耶の旦那さん……?)
初めて聞く話に驚愕して、咲希は男が言葉を続けるのを待った。
『天照本人であるならいざ知らず、例え<草薙剣>を持っていたとしても瓊瓊杵尊など我が敵にあらず。一刀のもとに斬り捨て、<草薙剣>を奪ってやった……』
(……! この男が、咲耶の旦那さんをッ……?)
愕然とする咲希の表情を楽しげに見つめると、男が続けた。
『夫を殺された木花咲耶が我の前に現れたのは、それから三十年後くらいであったか? 彼奴め、それだけの時間をかけて必死で己を鍛えていたらしい』
(三十年もの間、旦那さんの仇討ちをするために……? 咲耶が……)
瓊瓊杵尊に対する咲耶の深い愛情を知り、咲希は驚きと同時に誇らしさで一杯になった。
『月詠尊から渡されたという白銀の刀……たしか、<咲耶刀>とか言ったか……。それを手にした木花咲耶は確かに強かったぞ』
男が楽しそうに昔を述懐しながら笑みを浮かべた。
(咲耶……これほどの相手に、本当に戦いを挑んだんだ……)
その勇気は八岐大蛇伝説に勝るとも劣らないものだと咲希は思った。そして、それほどの壮挙が何故神話として伝わっていないのか不思議だった。
『彼奴との戦いは三日三晩続いた。奴の<咲耶刀>は我が右腕を斬り落とし、我が覇気は奴の左腕を消滅させた。磐長姫が止めに入らねば、我ら両名とも二度と恢復できぬまま消滅していたであろう』
(磐長姫って……?)
咲希の考えを読み取ったかのように、男が告げた。
『磐長姫は木花咲耶の姉だ。外見は醜いが、不老長寿の女神だ』
(咲耶にお姉さんがいたんだ? それも、不老長寿の女神だなんて……)
『磐長姫は我から<草薙剣>を奪うと、木花咲耶を扶けて姿を消した。その場に残された我は、すべての力を取り戻し全癒するまでに百年近くもかかった……』
述懐にも似た男の話を聞いて、咲希は疑問に思った。
(咲耶は傷を治した後で、再びこの男に戦いを挑まなかったのかしら……?)
『木花咲耶が再び我を捜し出すことはできなかった。本来、我よりも力が劣る彼奴は、完治するまでに五百年はかかったと聞く。その間、我はこの国を出て、様々な国で同胞を増やしておったからな。木花咲耶が我の気を捜すことは不可能だった……』
(そうだったんだ……。でも、この男と引き分けただなんて、咲耶ってやっぱり凄い女神だったんだ……)
その咲耶と比べて、自分は恐怖に震えて失禁までしてしまったことを咲希は恥じた。
『神守咲希……。お前の中にいる木花咲耶はまだ目覚めておらぬようだ。今ならば、お前ごと彼奴を滅するなど、赤児の手を捻るよりも容易い』
「……ッ!」
目の前の男の気が急激に増大した。その濃密な闇そのものとも言える妖気を正面から受けて、咲希はビクンと全身を跳ね上げガタガタと震えだした。
「あ、あなたの……名前……は……?」
湧き上がる絶対的な恐怖に抗いながら、咲希がガチガチと歯を鳴らして訊ねた。己の中で眠っている咲耶を守らねばならない一心であった。
『我が名を問うか? それを知れば、我から逃れられぬぞ。それでもよいか、娘……』
「さ……咲耶の……愛する人を……殺した相手が……誰だか……、あたしにも……知る権利が……あるわ……」
凄絶な恐怖と闘い、咲希が全身を震撼させながら告げた。その様子を満足げに見つめながら、男が薄らと笑みを浮かべた。
『この世に三大妖魔と呼ばれる存在がいる。九尾狐、阿修羅、そして我……夜叉だ』
「夜……叉……」
その名は、咲希の心の奥底に呪いのように刻みつけられた。
『九尾狐は火焔の女王……。阿修羅は鬼神の王……。そして、我、夜叉は闇の王とも呼ばれておる』
(闇の王……夜叉……)
ゴクリと生唾を飲み込むと、咲希は涙で濡れた黒曜石の瞳で夜叉の顔を見据えた。だが、原初からなる凄まじい恐怖は、咲希の意志を裏切って全身をガタガタと震撼させていた。
『この者はお前の夫か……?』
意識を失ったまま足元に横たわっている将成に視線を移しながら、夜叉が訊ねた。
「将成……!」
最愛の将成の姿を眼にして、恐怖の呪縛から解き放たれたように咲希が叫んだ。今の今まで、想像を絶する恐怖に支配されていて、将成の姿さえ咲希の黒瞳には映っていなかったのだ。そして、その横には土下座しながら全身を震わせている澤村彰人の姿があった。
『この男の命を救いたくば、木花咲耶ともどもお前の生命を差し出すがよい』
「……ッ!」
夜叉の告げた理不尽な命令に、咲希は言葉を失った。自分ひとりだけならまだしも、咲耶と将成の生命を天秤にかけるわけにはいかなかった。
『何を迷っておる? お前に選択肢などありはせぬぞ。お前が自ら生命を差し出せば、それに免じてこの男は助けてやろう。だが、断るのであればお前もこの男も殺し、その血を啜ってやろうぞ』
「なッ……!」
夜叉の言葉通り、どちらにしても咲希と咲耶は殺される運命であった。それであれば、将成だけでも助けることを咲希は考えた。
(ダメだッ! 夜叉が約束を守る保証なんて、どこにもない! 唯一可能性があるとしたら、将成の意識を取り戻して逃げてもらうことだけだわ!)
咲希は唯一この難局を脱する手段を思いついた。だが、その成功率はゼロにも等しいほど低かった。そのためには、少しでも時間を稼ぐ必要があった。
(どんなに成功の確率が低くても、他に手段はないわ!)
咲希は、たった一つの可能性に賭ける決意を固めた。
「分かったわ。将成だけは必ず助けると約束して……!」
『その言や潔し。では、二千年前の雪辱、今こそ果たしてやろう……』
夜叉が右手を咲希に向けると、ゆっくりと手の平を広げた。恐らく手の平から妖気の波動を撃ち出すつもりだと咲希は思った。
「待ってッ! 最後に一つだけ、願いを叶えさせてッ!」
『願い……?』
咲希の言葉に、夜叉が動きを止めた。そして、楽しそうな微笑を浮かべながら咲希に訊ねた。
(やっぱり、予想通りだッ! 三大妖魔と言われるだけあって、知能も相当に高い。だからこそ、こうやって会話もできるし、意思の疎通も図れる。殺される直前の人間が何を考えているのか、きっと興味があるはずだわ!)
「あたしは将成を愛している。だから、死ぬ前に将成に触れたい。それができれば、思い残すことはないわッ!」
咲希はすべての気力を奮い起こして、夜叉に向かって叫んだ。原初の恐怖を凌駕する将成への愛情が、咲希に最後の勇気を与えた。
『愛という感情が何なのか、我は知らぬ。だが、木花咲耶も同じことを告げておった。よかろう。その男に触れることを許してやろう』
「ありがとう……」
そう告げると、咲希はゆっくりと将成に向かって歩き出した。そして、精神を統一しながら心を静めた。
(咲耶でさえ辛うじて引き分けた相手に、あたしが勝てるはずない……。だから、将成……。あなただけでも逃げて……)
仰向けに倒れている将成の横に跪くと、長い漆黒の髪を揺らしながら咲希はゆっくりと屈み込んだ。
(あたしの神気のすべてを、あなたに渡すわ……。だから、気づいて……)
咲希の魅惑的な唇が、将成の唇に重なった。生まれて初めての口づけが、最後の口づけとなるかも知れなかった。
(将成……そして……)
咲希の全身が神々しい光輝に包まれた。
大気、土、竹林、月……生きとし生けるものの気が咲希に注がれ、その周囲に光の螺旋を描きだした。長い漆黒の髪が舞い上がり、咲希の全身が直視できないほどの閃光を放った。
その超絶な光輝のすべてを収斂して、咲希は将成の唇に注ぎ込んだ。
(お願い、気づいて……建御雷神ッ!)
次の瞬間、咲希が放った光輝を遥かに上回る光の奔流が将成の体から迸った。その圧倒的な奔流が、想像を絶する超烈な意志となって二人の全身を包み込んだ。
「SA係数五三七か……。赤塚公園の時ほどではないが、十分過ぎるほどの数値だ。どうやら、神守咲希は本物だな……」
ドローンに設置したSA測定器の測定値を見ながら、国城大和がニヤリと笑みを浮かべた。
このSA測定器は従来よりも小型軽量化された最新式で、SA係数の計測上限値も二千まで測定することが可能だった。二週間前の赤塚公園での事件をきっかけに、神宮特別対策部の研究チームが徹夜を続けて改良したものだった。ドローンに設置したは、昨日のことであった。
「これならば、神守咲希のSA係数が正確に測定できるはずだ。さすがに二千を超えることはないだろう……」
だが、大和の言葉を嘲笑うかのように、次の瞬間、SA測定器が過負荷となって爆発した。その衝撃によって、ドローン本体さえも炎上しながら『狛江弁財天池特別緑地保全地区』の敷地内に墜落していった。
「馬鹿なッ……!」
茫然としてブラックアウトしたスクリーンを見つめていた大和は、最後に送信されてきたSA係数の数値を見て驚愕した。
「に、二千だとッ……! いや、過負荷になったってことは、二千以上だッ! 百や二百オーバーした程度で爆発することなんてあり得ないッ! 数百……いや千以上の過剰なSA係数を測定したんだッ!」
自分が叫んだ言葉を、大和は信じられなかった。それが事実だとしたら、SA係数三千以上の精神エネルギーが放射されたことになるのだ。
大和は震える指先でスマートフォンを操作すると、天城色葉に電話をかけた。そして、色葉が出た瞬間に、大声で叫んだ。
「色葉ッ! 今、どこだッ! すぐに戻れッ!」
「大和ッ! 凄まじい精神エネルギーを感じたわッ! 今、『狛江弁財天池特別緑地保全地区』の目の前に着いたッ! すぐに現地に向かうわッ!」
興奮したハスキーな美声が、スピーカーから響き渡った。
「危険すぎるッ! すぐに戻るんだッ! SA係数三千以上かもしれないッ!」
「えッ……? 何を言って……? 三千って……?」
驚愕に言葉を途切れさせながら、色葉が告げた。
「SA係数二千まで測定可能なSA測定器が、過負荷で爆発したッ! 計測上限値を千以上超えないと、爆発するなんてあり得ないッ!」
「だったら、なおさらよッ! それが神守咲希によるものかどうか、確認してくるわッ!」
色葉の言葉を聞いて、大和が凄まじい怒声を上げた。
「ダメだッ! すぐに戻れッ! 危険すぎるッ!」
色葉のSA係数は神社幻影隊で最強の三七五だ。だが、『狛江弁財天池特別緑地保全地区』で測定された数値の十分の一程度でしかない。下手をしたら近づいただけで消滅させられるか、運がよくても脳が焼き切れて廃人になる可能性が高かった。
「色葉、頼むッ! 戻ってくれッ! お前を失いたくないッ!」
「大和……?」
思いもしないほど真剣な大和の声に、色葉が驚きの表情を浮かべた。
「お前を愛しているッ! だから、頼むッ! 戻ってくれッ! 色葉ッ!」
「大和……分かったわ。『狛江弁財天池特別緑地保全地区』に入るのは止める……。でも、外から中の様子を見るだけなら……」
突然、愛の告白をされ、色葉は黒茶色の瞳を大きく見開きながら告げた。大和の気持ちは嬉しかったが、神社幻影隊の主任宮司としての職務は別だった。
「ダメだッ! 下手をしたら、その辺一帯が吹き飛ぶかもしれないッ! すぐに戻るんだッ!」
「そんなこと……キャアァアッ……!」
「色葉ッ! どうした、色葉ッ! 色葉ぁあッ……!」
鼓膜を引き裂くような悲鳴を最後に、色葉との通信が途絶えた。大和はすぐに色葉のスマートフォンに電話をかけ直したが、虚しい音声が流れるだけだった。
「おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないためかかりません……」
「色葉ッ……!」
大和は左腕に付けたダイバーズウォッチで時間を確認した。午後八時五分だった。
スマートフォンをジーンズの尻ポケットに押し込むと、大和は神社幻影隊本部室のドアを蹴破るように開けて廊下へ飛び出た。
(この時間なら、タクシーを使った方が速いッ!)
神社本庁の正面玄関を走り抜けると、大和はJR代々木駅のタクシー乗り場に向かって全力で駆け出した。代々木駅までの距離はおよそ五百メートル。全力で走れば、三分で到着するはずだった。
(無事でいろよ、色葉ッ……)
代々木駅でタクシーに飛び乗ると、大和は運転手に向かって叫んだ。
「狛江駅前にある『狛江弁財天池特別緑地保全地区』まで……!」
そして、尻ポケットからスマートフォンを抜き出すと、色葉の携帯番号を表示させて通話アイコンを押した。しかし、何度電話をかけても音声案内しか流れず、メールやLINEを送っても返事は届かなかった。
(色葉ッ……!)
首都高速四号線を走るタクシーの窓からは、西新宿のビル街の明かりが流れては消えていった。それが色葉との想い出が消え去っていくかのように感じて、大和は両手の拳を固く握り締めた。
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