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第六章 魔道笛

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「ティア、ホントにごめんなさい。あたし……」
 お互いにかけ湯をして湯船に浸かると、アンジェは沈んだ表情で再びティアに謝罪した。調子に乗ってティアに失禁までさせてしまったことを、今更ながら後悔していた。
「アンジェ、肩を揉んで上げるわ」
「え……?」
「いいから、後ろを向いて……」
 さすがにやり過ぎたことを責めはしたものの、ティアにはアンジェを恨む気持ちはなかった。アンジェが純粋に自分を気持ちよくさせたいと思っていたことを、ティアは十分に分かっていた。

「お湯に浸かりながら筋肉を揉みほぐすと、体にいいんだって。どう? 気持ちいい?」
 アンジェの首から肩にかけて指圧をしながら、ティアが訊ねた。
「はい。とっても気持ちいいです」
「さっきは私も凄く気持ちよかったわ。でも、アンジェにもわかるでしょ? 女にとって何度も絶頂させられることは、逆に辛いことだって……」
「はい……。ごめんなさい、ティア」
 肩越しに振り返ったアンジェは、金色の瞳に涙を浮かべながらティアの顔を見つめた。

「アンジェが私を気持ちよくさせようとしてくれたことは分かっているわ。でも、次からはもっと手加減してね」
「はい……」
「うふふ……。大好きよ、アンジェ」
 そう告げると、ティアはアンジェの唇を塞いだ。そして、両手を前に回して、アンジェの白い乳房を包み込むと、ゆっくりと揉み始めた。

「ん……んは……ん、んぁ……んはぁ……」
(ティア、優しいです。あたしもティアが大好きです)
 アンジェは積極的に舌を絡めると、ティアの甘い唾液を味わった。愛するティアと口づけを交わし、胸を揉みしだかれていると思うと、ゾクゾクとした喜悦が全身に広がってアンジェは熱い吐息を漏らした。

「アンジェ、出かける前に私もアンジェを愛したい……」
 ネットリとした糸を引きながら唇を離すと、ティアは潤んだ瞳でアンジェを見つめた。
 エルフの里まではこのユーストベルクから徒歩で五日だと聞いた。その間は野宿のはずだった。ティアは今を逃すと、しばらくの間はアンジェを愛することが出来ないと思った。

「ティア……、でもアルフィさんたちが下で……」
 アンジェがティアを見つめながら言った。だが、その官能に蕩けきった瞳が愛して欲しいと告げてることにティアは気づいた。
「一度だけ……ね。浴槽に腰掛けて、アンジェ」
 ティアの言葉に小さく頷くと、アンジェは立ち上がってティアの目の前で浴槽の縁に腰を下ろした。

「足を開いて……」
「恥ずかしい……です」
 美しい顔を赤く染めながら、アンジェはゆっくりと両足を開いた。濡れた秘唇がティアの目の前に晒された。
「アンジェのここ、すごく綺麗でいやらしいわ」
 そう告げると、ティアは顔を近づけてネットリと秘唇を舐め上げた。

「ひっ! いや……」
 腰骨をビクンと震わせると、アンジェは慌てて足を閉じようとした。だが、ティアは両手でアンジェの太ももを押さえると、ピチャピチャと音を立てながら溢れ出る愛液を舌で舐め取った。
「ん……んあ……ダメです、ティア……あ、あっ……んあぁ!」
 アンジェは握りしめた右手を口に当てて声を抑えようとしたが、腰骨を灼き溶かせるような峻烈な快感が背筋を舐め上げると、大きく体を仰け反らせた。

「アンジェ、こんなになってるわよ」
 ティアは右人差し指を秘唇に這わせて愛液を掬い取ると、アンジェの目の前で親指と人差し指でネットリとした糸を引かせた。
「いや……知りません……」
 恥ずかしさのあまり顔を背けると、アンジェは真っ赤に染まった。

「こっちも可愛がって上げるわね……」
 ティアは秘唇の上にある肉豆を摘まむと、クルンと薄皮を剥き上げた。そして、愛液を塗りつけるとコリコリと扱きながら転がした。
「ひぃいいい! だめです、そこ! あ、あっ、あぁあああ!」
 アンジェはビクンッビクンッと腰骨を震撼させると、両手でティアの肩に縋り付いてきた。凄まじい愉悦が全身を駆け巡り、アンジェは秘唇から一気に愛液を溢れさせた。

「可愛い声ね、アンジェ。もっと聞かせて」
 ティアは右手の人差し指と中指を揃えると、ぐちゅっと音を立てて秘唇に差し込んだ。そして、膣壁を抉るように何度も出し入れを始めた。同時に、剥き出した陰核を舌でネットリと舐め上げ、激しく転がした。

「あ、あっ、あっ……だ、だめぇえ! い、いっちゃうぅ! あ、あっ……い、いくぅうう!」
 ビックンッビックンッと総身を痙攣させると、アンジェは大きく仰け反りながら絶頂を極めた。真っ赤に染まった目尻から随喜の涙を溢れさせ、口元から涎の糸を垂らしながら全身を硬直させた。そして、グッタリと弛緩した裸身を震わせながら、アンジェはティアにもたれかかるように倒れ込んだ。

「アンジェ、まだ愛したりないわ。もっと気持ちよくしてあげる」
 そう告げると、ティアはアンジェの中で指を鉤状に折り曲げた。そして、入口の天井部分を抉りながら激しく振動させた。
「ひっ! だ、だめぇえ! いま、いった……あ、あっ、あぁあああ! いやぁあ!」
 プシャァアっと音を立てて愛液を迸ると、アンジェは休む間もなく二度目の絶頂を迎えた。ビックンッビックンッと激しく痙攣し、凄絶な歓悦が四肢の先端まで痺れさせた。

「アンジェ、凄い締め付けね。指がちぎれちゃいそうよ」
 だが、ティアはアンジェを責める手を止めなかった。それどころか、最も敏感な膣壁を抉りながら親指で陰核を押しつぶすように転がし始めた。
「ひぃいいい! やめてぇえ! おかしくなるっ! だめぇえ!」
 長い銀髪を振り乱しながら、アンジェが啼き悶えた。全身の痙攣は治まる気配さえなく、壮絶な愉悦が腰骨を灼き尽くして、脳天を虹色の雷撃が何度も襲った。

「あ、あっ、あぁああ! やぁああ! やめてぇ! また、いくっ! いくうっ……」
 アンジェが昇りつめようとした瞬間、ティアは秘唇から手を抜いた。そして、ニヤリと笑みを浮かべるとビクンッビクンッと総身を痙攣させているアンジェに向かって告げた。
「ごめんね、アンジェ。何度もいかされると辛いわよね。ここでやめてあげるわ」
「あ……あっ……て、ティア……」
 絶頂を極める寸前で放り出されたアンジェは、官能に蕩けた金色の瞳から涙を流しながらティアを見つめた。

「アルフィたちが待ってるわ。そろそろ出ましょう」
「そ、そんな……ティア……」
 湯船から立ち上がって出ようとしたティアに、アンジェは縋り付いた。全身を駆け巡る凄まじい官能が、出口を求めてアンジェの中で狂ったように暴れ回っていた。
「どうしたの? 早く行かないと、アルフィに文句を言われるわよ」
「ティア……まって……」
 大粒の涙を流し、口元からトロリと涎を垂らしながら、アンジェがティアを見上げた。ブルブルと全身を震わせているその姿は、誰が見ても肉慾の続きをねだっていることが分かった。

「アンジェがやめてって言ったから、やめてあげたのよ」
 ニッコリと微笑みを浮かべると、ティアはアンジェに優しく告げた。
「そんな……意地悪……しないで……」
「意地悪? アンジェの言うとおりにしているわよ。それとも、やめて欲しくなかったの?」
 そう告げると、ティアは再びアンジェの秘唇に指を差し入れた。そして、鉤状に折り曲げると敏感な膣壁を抉りながら指を出し入れした。

「あ、あっ、あぁああ! そ、そこ……、だめぇ……い、いやぁ!」
 プシャッ、プシャッと秘唇から飛沫を吹き出しながら、アンジェは首を激しく振って悶えた。長い銀髪が淫らに舞い乱れ、美しい顔から涙と涎が垂れ落ちた。
「いやなのね。じゃあ、やめてあげる」
 再びアンジェが昇りつめようとした瞬間、ティアは秘唇から指を抜き放った。そして、ニヤリと笑みを浮かべると、アンジェの顔を覗き込んだ。

「あ……あっ……ティア……」
 ガクガクと全身を震わせながら、アンジェがすがるような眼でティアを見つめた。
「どうしたいの? はっきり言いなさい」
「意地悪……しないで……」
「いきたいなら、ちゃんとお願いしてくれないと分からないわ」
 ぐちゅっと音を立てて秘唇に指を差し込むと、ティアは再び激しく抜き差しを始めた。鉤状に折り曲げた指で敏感な膣壁を擦りながら、親指で陰核を捏ね回し始めた。

「ひぃいいい! い、いいっ! い、いっちゃう! い、いく……」
 何度も寸止めをされた女体は、外と内の両方から弱点を責められると一気に絶頂への階段を駆け上がった。だが、ティアはアンジェが歓喜の頂点を極める寸前で、またしても指を抜いた。

「あぁ……い、いやぁ! ティア、お願いっ!」
 全身に鳥肌を立てた裸身をビクッビクッと痙攣させながら、アンジェが大粒の涙を流しながらティアにすがった。
「どうして欲しいの? はっきり言いなさい」
 ティアはアンジェの口から恥ずかしい言葉を聞きたがった。その言葉を口にすることが、潔癖なアンジェにとってどれほどの恥辱であるかを、ティアはよく知っていた。

「いや……お願い……」
「いきたいなら、いかせてくださいって言いなさい」
「そんな……こと、言えません……」
 真っ赤に染まった顔を背けると、アンジェは全身を駆け巡る官能の嵐を抑えるように両手で自分の体を抱きしめた。

「そう。なら、早く出ましょう。そろそろアルフィが怒り出す頃よ」
「ま、まって……ティア、お願い……です」
 妖精のような美貌から涙と涎を垂れ流しながら、アンジェがティアにすがりついた。肉慾の限界を超えていることは、痙攣を続けている躰を見れば一目瞭然だった。

「ここには、アンジェと私しかいないわ。どうして欲しいのか、はっきりと聞かせて」
「いかせて……」
 囁くような小声でアンジェが告げた。
「聞こえないわ。もっと大きな声で言って」
「いかせて……ください。気が狂いそうなんです……。お願いします、ティア……」
 官能に蕩けきった瞳から大粒の涙を流すと、アンジェがティアを見つめて言った。

「アンジェ、浴槽に腰掛けて、大きく足を広げなさい」
 求めていた言葉を聞くと、ティアはニヤリと笑ってアンジェに告げた。
「はい……」
 言われたとおりにアンジェは浴槽の縁に腰を下ろすと、両足を広げた。秘唇からネットリとした愛液が垂れ落ちた。

「びっしょりね。いやらしいわ、アンジェ」
「いや……言わないでください」
 恥辱のあまり、アンジェは真っ赤に染まった顔を背けた。
 ティアは秘唇に顔を近づけると、尖りきった陰核をペロリと舐め上げた。

「ひぃいっ!」
 たったそれだけで、アンジェは顎を突き上げると総身を大きく仰け反らせた。
「もう一度聞きたいわ、アンジェ。どうして欲しいの?」
「ティア……意地悪しないで……」
「言いなさい」
 くちゅくちゅと秘唇を撫で上げながら、ティアが告げた。

「ひっ! あ、あっ……だめっ……」
「言いなさい」
「い、いかせて……ください。お願いします……」
 アンジェがそう告げた瞬間、ティアは指を二本差し入れると鉤状に曲げて激しく抜き差しを始めた。同時に舌を小刻みに振るわせながら、剥き出された陰核を転がすように舐め廻した。

「あ、あっ、ひぃいいい! す、凄いぃい! いいぃい! い、いくっ! いくぅうう!」
 待ち望んでいた歓悦に、アンジェは総身をビクンッビクンッと震わせると一気に絶頂の極みに駆け上がった。脳天を凄まじい雷撃が襲い、全身を痺れさせると四肢の先端まで官能の嵐が駆け巡った。
 プシャアアっと秘唇から大量の愛液を噴出すると、アンジェは壮絶な愉悦を噛みしめた躰を脱力させて、グッタリとティアにもたれかかった。

「はっ……はぁ……は、はぁ……」
 ビクンッビクンッと痙攣しながら、アンジェは熱い息をせわしなく吐いた。凄絶な歓悦で全身が蕩けて、指先まで痺れきっていた。
「まだいきたい?」
 真っ赤になった耳元で、ティアが囁いた。
「はぁ……はぁあ……もう……むり……です……」
 フルフルと顔を横に振りながら、アンジェは小声で答えた。

「そろそろ行かないと、本当にアルフィが怒り出すわ。立てる?」
「腰が砕けて……むりです……」
 凄絶な官能に蕩けきった瞳でティアを見つめると、アンジェが小さく首を振った。
「待っててね、中級回復ポーションを持ってくるわね」
 そう告げると、ティアはアンジェを浴槽に寄りかからせてから浴室を出て行った。

(ティアに愛されるって、凄く気持ちいい……。全身が蕩けて溶けちゃったみたい……)
 ビクンッビクンッと痙攣を続けながら、アンジェは幸せそうな笑みを浮かべた。エルフとしてはまだまだ半人前だったが、百六十五年という長い人生の中で、これほどの悦びを感じたことはなかった。最愛の人に愛されるという意味を、アンジェは初めて噛みしめていた。

 長命族であるエルフは、総じて性に淡泊だった。無理に子孫を残さなくても、自身が長生きなので当然であった。
 アンジェも、性体験は幼馴染みのオリヴィアと数度しか経験したことがなかった。それも、お互いの躰を重ねて多少の快感を得る程度だったのだ。アンジェは絶頂という感覚を長い間知らずに生きてきた。

 それが、ティアと知り合ってから抱かれるたびに何度も絶頂を極めさせられ、アンジェの性感はこの数日で急速に開発されていった。その上、処女もティアに捧げ、今やアンジェは身も心も最愛のティアの物になったという喜びを感じていた。

(ティア、好きです。愛してます。あなたに何かあれば、あたしは迷わずにこれを使います)
 アンジェは左の二の腕にしている白銀の腕輪を愛おしそうに撫でた。
 それは伝説の種族ハイエルフに伝わる『エルフの涙』と呼ばれる秘宝であった。自らの命と引き換えに、死せる愛する者を蘇らせることが出来る究極の魔道具であった。
 アンジェはいつかその日が来ることを、幸せの絶頂の中で予感していた。
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