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2章

2‐17 シルフィ歓迎会 ☆

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 ナツキたちが帰ってくる頃にはすっかりひが暮れていた。

 三人は荷馬車を力技で引いている。

 荷台には大きめの水瓶(みずがめ)10個、それと調味料がいくつか。

 3つは飲料用で、残りは生活用らしい。

 それと果実酒の瓶が10本も!

 「聖水」で中和できるので、俺意外には全部飲み水でもある。

「壊れた荷馬車をアンナが直す事を条件に格安で譲ってもらいました。」

 ナツキがそう言うとアンナは胸を張る。

「ま、大したことないさね。」

「ありがとう、助かるよ。」

 そう言って自分より大きなアンナの頭を撫でる。

 まだ慣れていないようで、少しだけ気恥ずかしそうだ。

ーーーーーーーーー

 周囲の罠の確認を終えたナツキは戻ってきてすぐ

「今日は私一人で見張りを担当するので飲んでいいですよ。」

 それを聞いてリーズは嬉しそうにお酒に口をつける。

「ありがと!
 愛してる!」

 そう言ってキスしようとするが逃げられてしまう。

 リーズとナツキの二人で作った罠(結界?)に魔力反応があると、二人に伝達が行くようになっている。

 二人ともお酒に弱いわけではない為、少しぐらいなら平気だと思うがナツキは真面目過ぎる。

「なので、私の分をください…」

 そう言って空いた容器を用意して俺の前に準備する。

 真面目というよりお酒よりおしっこという事か。

 皆の前で堂々とイチモツを取り出し、ナツキの準備した容器におしっこを注いでいく。

 ミーシャとアンナは目を背けたり、チラチラ見たり気にはなるようだ。

「こっちの準備もできてるよ。」

 リーズはテーブルに肉を乗せていく。

 シルフィの前には一番大きく切られた肉を出す。

「じゃあ新しい仲間と、お肉とお酒にかんぱーい!!!」

ーーーーーーーーー

 お酒が進むと当然尿意が込み上げてくる。

 食事をすっかり終え談笑の最中、俺の尿意に気付いたナツキは直接咥えようと机の下に入り俺のズボンをずらす。

「待て。」

 犬に指示するようにナツキを止め、立ち上がり空いた酒瓶に尿を詰める。

 自分でもびっくりするが、瓶が丸々2本満タンになるほど出た。

 ミーシャとアンナのお酒の残ったグラスを見る。

 ナツキはすぐに理解し二人のグラスにおしっこをつぎ足す。

 ナツキの好物「聖水割り」だ。

 リーズはというと、お酒で気持ちよくなってシルフィに抱き着き撫でまわしている。

「今日はこの子と寝る!」

 初めてのペットを飼った子供の用に駄々をこねたのがおかしかった。

 そんなリーズを放っておいて、お酒の入った自分のグラスを手に取る。

「ナツキばかりじゃなくて二人の経験値もあげなくちゃな。」

 そう言うとアンナは頷く。

「お酒と混ぜても効果あるの?」

 ミーシャは疑問を口にする。

「大丈夫。
 世界で一番おいしいお酒です。」

 そういう事ではないと思うが。

「摂取するだけで経験値になるから問題ないよ。」

 補足して、「仲間」を歓迎する宴が始まる。
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