42 / 97
1章 王都ルーデリー 出会い編
1‐41 出発、そして魔物の種類
しおりを挟む
「では皆さん、宜しくお願いします。」
「商人ジーモ」のあいさつから旅は始まる。
「まず向かうのはルーダという村です。」
馬車は全部で四台、ジーモを筆頭とした小さな商人グループで、カルドラとルーデリーを定期的に行き来しているらしい。
そのうちの一台を俺たちの専用としてもらい出発する。
馬車の荷台は想像以上に揺れる。
街道が整備されている道はともかく、多くは未舗装の場所を走る。
大商人や軍の関係者なんかは、ショックを軽減する装置の付いた馬車を使うそうだが、量産化されていない為、なかなか高額で手が出せないらしい。
「私達が運ぶのは主に手紙や購入依頼があった物程度なので、なくてもそれほど困りはしません。」
ーーーーーーーーー
馬車に揺られてどのくらいだろうか。
酔って気分が悪くなった為しばらくおとなしくしていたが、落ち着いてきたところで疑問が湧く。
「ナツキがあんまり心配ないとは言ってたけど、なかなか魔物って襲ってこないんだね。」
「そうですね、基本的には魔物にも2種類います。」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
大きく分けて
①ダンジョンで生まれた魔物
②動物が後から魔物になるケース
があるらしい。
①のダンジョンで生まれた魔物は比較的凶暴で、人を襲う性質がある(親であるダンジョンの養分を確保する為と考えられている)
②動物が魔物になるケースでは元が動物である為、見た目に若干変化があっても行動原理が変わらない。
人間が魔人になるのと同じで、害がない場合は特に対処もしないらしい。
そして少しだけ厄介なのが、狼や熊のような人を襲う動物が魔物化した場合。
対処に慣れた冒険者であればさほど問題なく倒せるが、子供や戦い慣れていない人が襲われるケースも無くは無いらしい。
ちなみにグリフォンやペガサスのように、もともと動物だったものが魔物として進化を遂げて種族として定着した生き物もいるらしく、同種の魔物が交尾した場合は魔物がうまれるそうだ。
大きな街はダンジョンを資源として発展しているケースが多い為周辺に強い魔物が出現しやすいが、ダンジョンが近くにない町は比較的穏やかで、一番怖いには盗賊の類だとか。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「ダンジョン化してはいないけど、魔力濃度の高い場所では動物の魔物化が起こりやすいので、そういう意味では魔物の絶対数自体は少なくありません。」
なるほど、魔物と動物の境界線は体内に魔石があるか無いかだけで、魔物でも人になつくものは動物のように飼ったりもするのか。
ーーーーーーーーー
ルーダ村までは3日かかる。
日が暮れてきたところで野営の準備を整え、皆で食事を取る。
「それにしても珍しい組み合わせですね。
グリーグ島へ向かう人達に護衛についてもらえるなんて、ついてました。」
ジーモ達一行はまだ若く、戦闘力に乏しい。
年長のジーモでも40歳という若さで、平均年齢は35歳。
全員のレベル平均も28と高くない為、弱い魔物程度なら何とかなるが、連携を取ってくる盗賊には手も足も出ないそうだ。
「こちらこそありがたいです。
馬車を丸ごと一台使わせてもらって助かってます。」
移動中の聖水の補充などを見られずに済むのは助かる。
「商人ジーモ」のあいさつから旅は始まる。
「まず向かうのはルーダという村です。」
馬車は全部で四台、ジーモを筆頭とした小さな商人グループで、カルドラとルーデリーを定期的に行き来しているらしい。
そのうちの一台を俺たちの専用としてもらい出発する。
馬車の荷台は想像以上に揺れる。
街道が整備されている道はともかく、多くは未舗装の場所を走る。
大商人や軍の関係者なんかは、ショックを軽減する装置の付いた馬車を使うそうだが、量産化されていない為、なかなか高額で手が出せないらしい。
「私達が運ぶのは主に手紙や購入依頼があった物程度なので、なくてもそれほど困りはしません。」
ーーーーーーーーー
馬車に揺られてどのくらいだろうか。
酔って気分が悪くなった為しばらくおとなしくしていたが、落ち着いてきたところで疑問が湧く。
「ナツキがあんまり心配ないとは言ってたけど、なかなか魔物って襲ってこないんだね。」
「そうですね、基本的には魔物にも2種類います。」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
大きく分けて
①ダンジョンで生まれた魔物
②動物が後から魔物になるケース
があるらしい。
①のダンジョンで生まれた魔物は比較的凶暴で、人を襲う性質がある(親であるダンジョンの養分を確保する為と考えられている)
②動物が魔物になるケースでは元が動物である為、見た目に若干変化があっても行動原理が変わらない。
人間が魔人になるのと同じで、害がない場合は特に対処もしないらしい。
そして少しだけ厄介なのが、狼や熊のような人を襲う動物が魔物化した場合。
対処に慣れた冒険者であればさほど問題なく倒せるが、子供や戦い慣れていない人が襲われるケースも無くは無いらしい。
ちなみにグリフォンやペガサスのように、もともと動物だったものが魔物として進化を遂げて種族として定着した生き物もいるらしく、同種の魔物が交尾した場合は魔物がうまれるそうだ。
大きな街はダンジョンを資源として発展しているケースが多い為周辺に強い魔物が出現しやすいが、ダンジョンが近くにない町は比較的穏やかで、一番怖いには盗賊の類だとか。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「ダンジョン化してはいないけど、魔力濃度の高い場所では動物の魔物化が起こりやすいので、そういう意味では魔物の絶対数自体は少なくありません。」
なるほど、魔物と動物の境界線は体内に魔石があるか無いかだけで、魔物でも人になつくものは動物のように飼ったりもするのか。
ーーーーーーーーー
ルーダ村までは3日かかる。
日が暮れてきたところで野営の準備を整え、皆で食事を取る。
「それにしても珍しい組み合わせですね。
グリーグ島へ向かう人達に護衛についてもらえるなんて、ついてました。」
ジーモ達一行はまだ若く、戦闘力に乏しい。
年長のジーモでも40歳という若さで、平均年齢は35歳。
全員のレベル平均も28と高くない為、弱い魔物程度なら何とかなるが、連携を取ってくる盗賊には手も足も出ないそうだ。
「こちらこそありがたいです。
馬車を丸ごと一台使わせてもらって助かってます。」
移動中の聖水の補充などを見られずに済むのは助かる。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
おしっこ我慢が趣味の彼女と、女子の尿意が見えるようになった僕。
赤髪命
青春
~ある日目が覚めると、なぜか周りの女子に黄色い尻尾のようなものが見えるようになっていた~
高校一年生の小林雄太は、ある日突然女子の尿意が見えるようになった。
(特にその尿意に干渉できるわけでもないし、そんなに意味を感じないな……)
そう考えていた雄太だったが、クラスのアイドル的存在の鈴木彩音が実はおしっこを我慢することが趣味だと知り……?
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる