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1章 王都ルーデリー 出会い編

1‐46 ジーモの目的

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 ジーモ邸は本社の近くにある一軒家だった。
 家政婦さんが数名いるが、常駐ではないらしい。
 もっと豪邸をイメージしていたが、いたって普通の2階建てだ。

「私の目標はこの町をもっと大きくすることなんです!」

 晩餐会を終えた後、女性陣を先に返してジーモと男二人で酒を酌み交わす。
 
 近くの良い宿をジーモが押さえてくれたらしい。

「そのためにも、ぜひグリーグ島を制覇してください!
 あそこに街が出来たら、この町の重要度は今の比ではなくなるでしょう。」

 この町に来るまでの2つの村でジーモが人気だった理由も恐らくそれだろう。
 彼は周辺の村や町を巻き込んで発展しようとしているのだ。

「人口の流出はこの50年で大きな問題になって来てます。
 ルーデリア全土で人口が減ってるのはこの町を含めて南側だけなのです。
 今回のグリーグ島奪還作戦は私たちが国に提案した事なんです。」

 なんと、発起人の一人だったとは。

「同時に、人の往来が増えると問題も増えます。
 上級冒険者は比較的人格者が多いですが、私自身信頼できる味方が欲しくて冒険者に護衛をお願いしているのです。」

「俺たちは合格ですか?」

 試されていたという事だろう。

「合格どころか、そのまま商会で直接雇用したいくらいです。」

「雇用はされないけど、力にはなるよ。」

「ありがとうございます。
 ぜひ、これを持って行ってください。」

 そういってジーモは名刺サイズの鉄板に俺の名を刻み、魔力を込め差し出す。

「これは?」

「うちのお得意様である事を証明するものです。」

 つまりどういう事だろう。

「グリーグ島には私の商会の支部、とはいっても今は一人しかいないのですが、一応ありまして。
 物資の定期配達と、冒険者からの買い取りを冒険者ギルドと合同で行ってます。
 コレがあればすぐにわかるのでいろんな交渉をスムーズにできます。」

「必要な物資なんかも依頼しやすくなるってことですね?」

「そういう事です。
 これからも、是非ごひいきに。」

ーーーーーーーーー
 
 その後は他愛もない話で盛り上がり、いい所で切り上げ宿へと向かう。

 ジーモの書いてくれた地図のおかげで、方向音痴の俺でも迷わずたどり着く。
 何せ徒歩5分程度の距離だ。

 部屋は3つ取ってくれていたようだ、女性陣が各部屋二人ずつで、俺に一部屋のつもりたっだと思う。
 が、自分の部屋へ入るとナツキとリーズはお酒を飲みながら待っていたようだ。

「おかえりなさい。」

 部屋へ入って早々キスをされる。
 旅の道中ではなかなかすることが出来なかったので、ナツキも随分と溜まっていたようだ。
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