6 / 35
本編
6.
しおりを挟む
ように思われたが早くもお悩みが発生する。
今日からオリビアには護衛を、メリッサにはお世話をしてもらうことになったのはいいが、迷惑をかけてしまうことは目に見えている。
「ご朝食にいたしましょう。」
僕にとって苦痛の時間がやってくる。
毎日食べてないわけではなかった。でも食べれる時と食べれない時の違いが自分でもよく分からないから食べるのが怖い。
あぁ、どうしよう。僕が吐くとお母さんは絶対ぶってくるんだ。ルー達にもめんどくさいって思われたくない…
ルーの肩に顔を埋めてぐるぐると考えてしまう。
「よしよし。大丈夫だよ、モモ。」
「ルー……」
強ばっていた体から少し力が抜けて落ち着いていく。
「オリビアにもメリッサにもわかってもらっているから。何も迷惑じゃないから俺たちに何が嫌なのか教えて?」
「…ご飯、食べたくない…。吐いちゃうかもしれないし、そしたらいっつもお母さん怒るからできるだけ食べないようにしてた。」
「よく言えました。頑張ったね。じゃあこれからの約束を決めよう。」
約束?
「モモは少し栄養が足りてないみたいなんだ。だから1回の食事で一口は何か口に入れよう。それが出来たらもし吐いちゃったとしてもたくさん褒めてあげるから。」
1口、だけ…。それだけ食べるだけでいいんだ。
それなら頑張って見ようかな。
「…うん 、頑張る…。」
「えらいね。もちろん食べれそうならもっと食べるんだよ?」
「うん、分かった。」
その後、メリッサが部屋に朝食を持ってきた。
基本みんな城の中にいくつかある食堂で食べるらしいけど、僕は部屋で食べるみたい。
ダイニングテーブルに行き、椅子に座らされると思いきやルーの膝の上に乗せられた。目の前には朝食がならべられている
「じゃあはい、あーん。」
どうやら食べさせてくれるみたいだ。この様子だと決定事項らしい。
「あ……んぅ、」
スープが1口、口に入って来た。
なんとか頑張って飲み込む…良かった、今日は戻って来そうにない。
「気持ち悪くない?」
「うん、食べれた…。」
「いい子、頑張ったね。」
よしよしと撫でられると嬉しくてたまらない。
その後は3口ぐらい食べ、そこで限界が来てしまったが、僕にとっては大きな進歩だ。
ルーに食べさせてもらったからだろうか。久しぶりに美味しいと感じることができた。
朝食を終えるとお風呂に入れてもらった。メリッサに洗ってもらったんだけど入る前にルーが嫌そうな顔してた。僕もちょっと恥ずかしかったから頑張って慣れよう。
着替えもメリッサがやってくれた。
白の生地に金色の刺繍が施された服の上に、袖がふわっと広がったこれまた白のローブだ。
髪の毛も綺麗に編まれ、綺麗な飾りも着いている。
「っ……可愛い!モモ様可愛すぎます!」
メリッサがさっきからずっとこんな感じなんだけどなんで?
とりあえずソファーに座っているルーの隣に僕もちょこんとすわる。
「モモ可愛い。今日は庭の散歩でもしようか。城の中を案内しようかとも思ったんだけど体調が心配だからそれはまた今度ね。」
「おさんぽ……?したい!」
この部屋から出るのは初めてなので楽しみだ。
「じゃあ行こうか。抱っこはする?」
「んー…眠くなっちゃうからやめとく。手は繋いでもいい…?」
「もちろん。疲れたら言ってね?」
「ふふ、はぁい。」
ルーは心配性って事がだんだん分かってきた。
さすがに散歩するだけじゃ疲れないよ
ルーに手を引かれ部屋のドアを開けると護衛部隊の人がふたりたっていた。
「あ…おはよう、ございます。」
「っ、……神子様、おはようございます。」
一瞬固まったあと、慌てて跪いて挨拶をされた。
「あ、の……はじめまして。モモです。これからよろしくお願いします。」
言えたっ!護衛部隊の人は30人くらいいるみたいだけどなるべくはやく顔を覚えたいな……
「「はい!全力で護らせていただきます!!」」
少し歩くとすぐに庭に着いた。
「うわぁ、きれい…」
目の前には見たことの無い景色が広がっていてそれ以外の言葉がでて来なかった。
「ここの庭は王城の中でも1番大きな庭なんだ。気に入ってくれたみたいで良かったよ。」
「ねぇ、もっと奥まで行ってもいい?」
「ふふ、もちろん。」
一つ一つの花をじっくり見ながら庭を歩いていく。
「ルー。」
「ん、なに?モモ。」
「世界ってこんなにも綺麗なんだね。」
「そうだよ。でも俺にとってはモモが1番綺麗だよ。」
「ふふ、なにそれ。」
少し歩いてからルーにもう戻ろうと言われたので部屋に戻ることにした。
もうちょっと見たかったのに、むぅ
今日からオリビアには護衛を、メリッサにはお世話をしてもらうことになったのはいいが、迷惑をかけてしまうことは目に見えている。
「ご朝食にいたしましょう。」
僕にとって苦痛の時間がやってくる。
毎日食べてないわけではなかった。でも食べれる時と食べれない時の違いが自分でもよく分からないから食べるのが怖い。
あぁ、どうしよう。僕が吐くとお母さんは絶対ぶってくるんだ。ルー達にもめんどくさいって思われたくない…
ルーの肩に顔を埋めてぐるぐると考えてしまう。
「よしよし。大丈夫だよ、モモ。」
「ルー……」
強ばっていた体から少し力が抜けて落ち着いていく。
「オリビアにもメリッサにもわかってもらっているから。何も迷惑じゃないから俺たちに何が嫌なのか教えて?」
「…ご飯、食べたくない…。吐いちゃうかもしれないし、そしたらいっつもお母さん怒るからできるだけ食べないようにしてた。」
「よく言えました。頑張ったね。じゃあこれからの約束を決めよう。」
約束?
「モモは少し栄養が足りてないみたいなんだ。だから1回の食事で一口は何か口に入れよう。それが出来たらもし吐いちゃったとしてもたくさん褒めてあげるから。」
1口、だけ…。それだけ食べるだけでいいんだ。
それなら頑張って見ようかな。
「…うん 、頑張る…。」
「えらいね。もちろん食べれそうならもっと食べるんだよ?」
「うん、分かった。」
その後、メリッサが部屋に朝食を持ってきた。
基本みんな城の中にいくつかある食堂で食べるらしいけど、僕は部屋で食べるみたい。
ダイニングテーブルに行き、椅子に座らされると思いきやルーの膝の上に乗せられた。目の前には朝食がならべられている
「じゃあはい、あーん。」
どうやら食べさせてくれるみたいだ。この様子だと決定事項らしい。
「あ……んぅ、」
スープが1口、口に入って来た。
なんとか頑張って飲み込む…良かった、今日は戻って来そうにない。
「気持ち悪くない?」
「うん、食べれた…。」
「いい子、頑張ったね。」
よしよしと撫でられると嬉しくてたまらない。
その後は3口ぐらい食べ、そこで限界が来てしまったが、僕にとっては大きな進歩だ。
ルーに食べさせてもらったからだろうか。久しぶりに美味しいと感じることができた。
朝食を終えるとお風呂に入れてもらった。メリッサに洗ってもらったんだけど入る前にルーが嫌そうな顔してた。僕もちょっと恥ずかしかったから頑張って慣れよう。
着替えもメリッサがやってくれた。
白の生地に金色の刺繍が施された服の上に、袖がふわっと広がったこれまた白のローブだ。
髪の毛も綺麗に編まれ、綺麗な飾りも着いている。
「っ……可愛い!モモ様可愛すぎます!」
メリッサがさっきからずっとこんな感じなんだけどなんで?
とりあえずソファーに座っているルーの隣に僕もちょこんとすわる。
「モモ可愛い。今日は庭の散歩でもしようか。城の中を案内しようかとも思ったんだけど体調が心配だからそれはまた今度ね。」
「おさんぽ……?したい!」
この部屋から出るのは初めてなので楽しみだ。
「じゃあ行こうか。抱っこはする?」
「んー…眠くなっちゃうからやめとく。手は繋いでもいい…?」
「もちろん。疲れたら言ってね?」
「ふふ、はぁい。」
ルーは心配性って事がだんだん分かってきた。
さすがに散歩するだけじゃ疲れないよ
ルーに手を引かれ部屋のドアを開けると護衛部隊の人がふたりたっていた。
「あ…おはよう、ございます。」
「っ、……神子様、おはようございます。」
一瞬固まったあと、慌てて跪いて挨拶をされた。
「あ、の……はじめまして。モモです。これからよろしくお願いします。」
言えたっ!護衛部隊の人は30人くらいいるみたいだけどなるべくはやく顔を覚えたいな……
「「はい!全力で護らせていただきます!!」」
少し歩くとすぐに庭に着いた。
「うわぁ、きれい…」
目の前には見たことの無い景色が広がっていてそれ以外の言葉がでて来なかった。
「ここの庭は王城の中でも1番大きな庭なんだ。気に入ってくれたみたいで良かったよ。」
「ねぇ、もっと奥まで行ってもいい?」
「ふふ、もちろん。」
一つ一つの花をじっくり見ながら庭を歩いていく。
「ルー。」
「ん、なに?モモ。」
「世界ってこんなにも綺麗なんだね。」
「そうだよ。でも俺にとってはモモが1番綺麗だよ。」
「ふふ、なにそれ。」
少し歩いてからルーにもう戻ろうと言われたので部屋に戻ることにした。
もうちょっと見たかったのに、むぅ
66
お気に入りに追加
4,361
あなたにおすすめの小説
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【BL】婚約破棄で『不能男』認定された公爵に憑依したから、やり返すことにした。~計画で元婚約者の相手を狙ったら溺愛された~
楠ノ木雫
BL
俺が憑依したのは、容姿端麗で由緒正しい公爵家の当主だった。憑依する前日、婚約者に婚約破棄をされ『不能男認定』をされた、クズ公爵に。
これから俺がこの公爵として生きていくことになっしまったが、流石の俺も『不能男』にはキレたため、元婚約者に仕返しをする事を決意する。
計画のために、元婚約者の今の婚約者、第二皇子を狙うが……
※以前作ったものを改稿しBL版にリメイクしました。
※他のサイトにも投稿しています。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる