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第4章起業しましょう。そうしましょう
186・魔王の試練①
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そして翌朝、町の広間に行くとそれはたくさんの人が集まっていた。
【セツナ VS キース
~魔王の試練を勝つのは誰だ~】
そう横断幕には書かれていた。
「何かすごいことになってるな」
「そうなのだ」
ガイとイオがそう言った。
「こ、これはどういうことですか」
そうオリヴァーさんの隣に居る伯爵夫人に話を聞く。
「よく来たな。セツナ」
そう何てことの無い顔で伯爵夫人は言った。
広間には何かの舞台が出来ていた。
「Sランク冒険者であるキースと、
町の英雄であるセツナが戦うんだ。
これは町として一番面白い見世物になるに違いない」
「え、キースさんってSランク冒険者だったんですか。
そんな人に勝てるんでしょうか」
「まぁこの勝負は最初からキースを諦めさせるためのものだから、
お前に少し有利に作ってあるから大丈夫だ」
そう伯爵夫人は小声で言った。
「しかしものすごく人が集まってますね」
「まぁSランク冒険者と町の人気者のお前が戦うんだ。
これは大きな見世物になるだろう。いやせねばならない!
町の住民の中にはどっちが勝つか賭ける奴も出ているし、
屋台も普段より客は多いし、
これで経済が活性化すること間違いなしだ!」
「ハハハ…商魂たくましいですね」
完全に物見遊山じゃねーか。
まぁ確かに私も当人じゃなかったら、
面白い見世物だと思うけどさぁ…。
そう思っているとキースがやってきた。
「ふん、逃げずに来たようだな」
「きゃあ、かっこいいわー!」
「素敵ー!」
現れたキースに黄色い声援が飛ぶ。
黄色い声援は町の女の子達が飛ばしていた。
まぁキースは顔が良いし、Sランク冒険者だからな。
熱視線を送る女の子の気持ちは分かる。
「それで勝負は何をするんですか」
その時広間に黒衣の服を着て仮面をかぶった女と、
エドナが現れる。
「エドナさんその格好は…」
「聞かないで、無理矢理着せられたのよ」
エドナは何故かピンクのドレスにティアラを付けていた。
そして黒衣の女はもしかしてフォルトゥーナ?
「ワハハハ、よくぞ来たな。勇者よ!」
「フォルトゥーナ、何言っているの?」
「我は魔王なり! フォルトゥーナなどではない!
お前達よ。よくぞ我が城に来た」
「城? 城なんてどこにもないぞ」
確かにガイの言うとおりだ。城なんてここにはない。
「我は魔物の頂点に君臨する魔王なり!
お前達は我が誘拐したエドナ姫を、
助けに来た勇者…という設定です」
「ああ、なるほど、そういうことですか」
なるほど普通に勝負をするより、
こういった設定があると面白いかもしれない。
「ではこれより試練を行う!
試練は全部で三つある。
最初は知恵の試練から始める。
全ての試練に打ち勝てば姫を解放しよう」
やれやれやっと試練が始まるのか。
負けないように気をつけないとな。
「それでは舞台にある台の前に立ってくれ。
知恵の試練は早押しクイズ対決だ!」
そうフォルトゥーナが言った。
台には早押しボタンが置いてあった。
あれ、そういえば昨日勝負に使うからって、
色々創造スキルで作らされたが、
まさか勝負で使うためだったのか?
「これから3問、問題を出す。
問題が分かったらその早押しボタンを押すんだ。
ただしもし間違ったら、
もう1人の対戦相手が一回答えるまで、問題には答えられない。
問題はエドナ姫に関する問題だ。
ではお前達の愛と友情を試してもらうぞ。
知恵の試練を開始する!」
そうフォルトゥーナは高らかに宣言した。
「では第1問。エドナ姫の好きな色は何か?」
「はい!」
ピコンとキースが私よりも早く早押しボタンを押した。
「赤だ!」
するとブーと音が鳴る。
「不正解だ」
「そんな昨日着ていた服は赤だったろ!?」
「ああ、あの服は安売りしていたのを買っただけだから、
別に色が好きで買ったわけじゃないわ」
エドナがそう補足した。
「じゃあ、私の番ですね。
エドナの好きな色。それは青です」
「正解だ」
「え、よく分かったわね」
「エドナってコップとか小物系は青が多いんですよね。
だから青が好きなんだと思いました」
「へーよく気がついたな。俺は全然気がつかなかったけど」
「くっそ、こんなはずじゃ…」
ガイがのほほんとそう言った。
それとは対照的にキースは悔しそうな顔をしていた。
「では第2問。エドナ姫の好きな食べ物は何だ?」
「はい!」
するとキースがまた私よりも早く答えた。
「そんな物は存在しない!」
「ほぅ、何故だ?」
「俺がどれだけエドナと一緒に食事を食べたと思う。
だがどんな物を食べてもエドナは無反応だった。
だから好きな食べ物は無い!」
「残念。不正解だ」
ブーと音が鳴った。
「そんな馬鹿な…」
「あのね。昔の私はリアクションが薄いだけで、
ちゃんと好きな食べ物はあったのよ」
エドナがそう補足する。
「ではこの問題、セツナは分かるか?」
「はい、好きな食べ物はお肉です」
「理由は?」
「エドナさんはお肉を食べると、
いつも嬉しそうにしていましたから、
特にその中でも鶏肉が好きです」
「正解だ」
「くそっ」
またも正解した私にキースが悔しそうな顔でにらみつける。
「それでは第3問。エドナ姫の趣味は何か」
「はい!」
するとまたまたキースが早押しボタンを押した。
「そんな物は存在しない!」
「趣味が無い。つまり無趣味ということでいいか?」
「そうだ。エドナはいつもつまらなそうにしていたからな。
趣味は無い!」
「残念。不正解だ」
またブーと音が鳴った。
「な、何だってー!!」
キースはショックのあまり膝から崩れ落ちる。
私は早押しボタンを押した。
「はい、答えは体を鍛えることと、読書です」
「正解だ。知恵の試練はセツナの勝ちだ!」
フォルトゥーナがそう言うと周囲から歓声がが上がった。
よし知恵の試練はクリアした。
次はどんな試練が来るんだ?
そう私はわくわくしたのだった。
「では次の試練は…」
フォルトゥーナがそう言うと会場に
3メートルはある石の巨人が現れたのだった。
【セツナ VS キース
~魔王の試練を勝つのは誰だ~】
そう横断幕には書かれていた。
「何かすごいことになってるな」
「そうなのだ」
ガイとイオがそう言った。
「こ、これはどういうことですか」
そうオリヴァーさんの隣に居る伯爵夫人に話を聞く。
「よく来たな。セツナ」
そう何てことの無い顔で伯爵夫人は言った。
広間には何かの舞台が出来ていた。
「Sランク冒険者であるキースと、
町の英雄であるセツナが戦うんだ。
これは町として一番面白い見世物になるに違いない」
「え、キースさんってSランク冒険者だったんですか。
そんな人に勝てるんでしょうか」
「まぁこの勝負は最初からキースを諦めさせるためのものだから、
お前に少し有利に作ってあるから大丈夫だ」
そう伯爵夫人は小声で言った。
「しかしものすごく人が集まってますね」
「まぁSランク冒険者と町の人気者のお前が戦うんだ。
これは大きな見世物になるだろう。いやせねばならない!
町の住民の中にはどっちが勝つか賭ける奴も出ているし、
屋台も普段より客は多いし、
これで経済が活性化すること間違いなしだ!」
「ハハハ…商魂たくましいですね」
完全に物見遊山じゃねーか。
まぁ確かに私も当人じゃなかったら、
面白い見世物だと思うけどさぁ…。
そう思っているとキースがやってきた。
「ふん、逃げずに来たようだな」
「きゃあ、かっこいいわー!」
「素敵ー!」
現れたキースに黄色い声援が飛ぶ。
黄色い声援は町の女の子達が飛ばしていた。
まぁキースは顔が良いし、Sランク冒険者だからな。
熱視線を送る女の子の気持ちは分かる。
「それで勝負は何をするんですか」
その時広間に黒衣の服を着て仮面をかぶった女と、
エドナが現れる。
「エドナさんその格好は…」
「聞かないで、無理矢理着せられたのよ」
エドナは何故かピンクのドレスにティアラを付けていた。
そして黒衣の女はもしかしてフォルトゥーナ?
「ワハハハ、よくぞ来たな。勇者よ!」
「フォルトゥーナ、何言っているの?」
「我は魔王なり! フォルトゥーナなどではない!
お前達よ。よくぞ我が城に来た」
「城? 城なんてどこにもないぞ」
確かにガイの言うとおりだ。城なんてここにはない。
「我は魔物の頂点に君臨する魔王なり!
お前達は我が誘拐したエドナ姫を、
助けに来た勇者…という設定です」
「ああ、なるほど、そういうことですか」
なるほど普通に勝負をするより、
こういった設定があると面白いかもしれない。
「ではこれより試練を行う!
試練は全部で三つある。
最初は知恵の試練から始める。
全ての試練に打ち勝てば姫を解放しよう」
やれやれやっと試練が始まるのか。
負けないように気をつけないとな。
「それでは舞台にある台の前に立ってくれ。
知恵の試練は早押しクイズ対決だ!」
そうフォルトゥーナが言った。
台には早押しボタンが置いてあった。
あれ、そういえば昨日勝負に使うからって、
色々創造スキルで作らされたが、
まさか勝負で使うためだったのか?
「これから3問、問題を出す。
問題が分かったらその早押しボタンを押すんだ。
ただしもし間違ったら、
もう1人の対戦相手が一回答えるまで、問題には答えられない。
問題はエドナ姫に関する問題だ。
ではお前達の愛と友情を試してもらうぞ。
知恵の試練を開始する!」
そうフォルトゥーナは高らかに宣言した。
「では第1問。エドナ姫の好きな色は何か?」
「はい!」
ピコンとキースが私よりも早く早押しボタンを押した。
「赤だ!」
するとブーと音が鳴る。
「不正解だ」
「そんな昨日着ていた服は赤だったろ!?」
「ああ、あの服は安売りしていたのを買っただけだから、
別に色が好きで買ったわけじゃないわ」
エドナがそう補足した。
「じゃあ、私の番ですね。
エドナの好きな色。それは青です」
「正解だ」
「え、よく分かったわね」
「エドナってコップとか小物系は青が多いんですよね。
だから青が好きなんだと思いました」
「へーよく気がついたな。俺は全然気がつかなかったけど」
「くっそ、こんなはずじゃ…」
ガイがのほほんとそう言った。
それとは対照的にキースは悔しそうな顔をしていた。
「では第2問。エドナ姫の好きな食べ物は何だ?」
「はい!」
するとキースがまた私よりも早く答えた。
「そんな物は存在しない!」
「ほぅ、何故だ?」
「俺がどれだけエドナと一緒に食事を食べたと思う。
だがどんな物を食べてもエドナは無反応だった。
だから好きな食べ物は無い!」
「残念。不正解だ」
ブーと音が鳴った。
「そんな馬鹿な…」
「あのね。昔の私はリアクションが薄いだけで、
ちゃんと好きな食べ物はあったのよ」
エドナがそう補足する。
「ではこの問題、セツナは分かるか?」
「はい、好きな食べ物はお肉です」
「理由は?」
「エドナさんはお肉を食べると、
いつも嬉しそうにしていましたから、
特にその中でも鶏肉が好きです」
「正解だ」
「くそっ」
またも正解した私にキースが悔しそうな顔でにらみつける。
「それでは第3問。エドナ姫の趣味は何か」
「はい!」
するとまたまたキースが早押しボタンを押した。
「そんな物は存在しない!」
「趣味が無い。つまり無趣味ということでいいか?」
「そうだ。エドナはいつもつまらなそうにしていたからな。
趣味は無い!」
「残念。不正解だ」
またブーと音が鳴った。
「な、何だってー!!」
キースはショックのあまり膝から崩れ落ちる。
私は早押しボタンを押した。
「はい、答えは体を鍛えることと、読書です」
「正解だ。知恵の試練はセツナの勝ちだ!」
フォルトゥーナがそう言うと周囲から歓声がが上がった。
よし知恵の試練はクリアした。
次はどんな試練が来るんだ?
そう私はわくわくしたのだった。
「では次の試練は…」
フォルトゥーナがそう言うと会場に
3メートルはある石の巨人が現れたのだった。
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