上 下
207 / 311
第3章謎の少女とダンジョン革命

178・湯屋

しおりを挟む
「ぐふふふ」
「どうしたの?」
「出来たんですよ。例のアレが」
「アレって何?」
「湯屋ですよ。お風呂!」

私が伯爵夫人に頼んでいた湯屋。
それが今日オープンするのだ。

「しかしずいぶんと時間がかかりましたね」
「まぁ建物って完成するまで、
時間がかかるのが普通だからね」
「ふふふ、楽しみですみんなで行きましょうよ」
「そうね。行ってみましょう」

そうしてみんなで湯屋に行くことにした。

「うおー、すごい人です」

湯屋の前には人だかりが出来ていた。

「みんなオープンするのを楽しみにしていたんじゃないの」
「そうですね。あ、開きました」

続々と人が湯屋の中に入っていく、私達も後に続いた。
入り口で料金を支払い、鍵をもらう。
そして女湯に入って、
脱衣所で服を脱いで裸になって扉を開けた。

「うぉー、すごいです」

湯屋の中は広く、そこに色々な種類の湯があった。
普通の浴場に、薬が入れられた薬湯、
ジャグジーが備えられたジャグジー風呂。
サウナ、そして露天風呂もあった。

「これはすごいわね」
「実はこの湯屋を動かしている魔道具って私が作ったんですよ」
「え、そうなの?」
「はい、私が作りました。
この水をお湯にする装置も私お手製のものです」
「…才能の無駄遣いね」
「むー、いいじゃないですかー。
好きなことに才能が使えるって良いことですよー」
「それよりこのジャグジー風呂ってすごいわね。
疲れが溶けて消えるようだわ」
「ふふふ、私の自信作ですから」

そう渾身のしたり顔でそう言うとイオが口を開いた。

「ところでセツナは年末はどう過ごすのだ?」
「え、うーん特に考えていませんけど、
まぁ家でゆっくり過ごすことになるかもしれません」
「私は年末は実家には帰らないのだ」
「え、何でですか?」
「実は獣人の村では風習があって、
年末には悪い霊が出るから、
年末と年越しの間には、
村の外に居る人を村の中に入れたらダメなのだ」
「ああ、だから帰れないんですか」
「だから年末には村には入れないのだ。
だから今年の年末はセツナ達と過ごすことになると思うのだ」
「はい、よろしくです」

そうしてお風呂を堪能すると、
お金を払って牛乳を飲む。

「くー、冷えた牛乳は最高です」
「確かにおいしいわね」
「ふぅ、頼んだかいがありました」

そうして牛乳瓶を箱に捨てると、今度はマッサージを受けることにした。

「マッサージお願いします」
「はい、分かりました」

マッサージを行うのは機械ではなく人の手で行う。
500円で10分ぐらいで施術をしてもらえる。

「はぁ、極楽ですう」
「確かにこれはすごくいいわね」

マッサージを受けていると本当に疲れがどこかに行ってしまった。

「しかしこの湯屋はすごいわね。
女湯と男湯にちゃんと別れているし、
お湯も凄かったし、これ繁盛するんじゃないの」
「確かにそうですよね」

それから湯屋は評判が評判を呼び。
疲れがとれる湯屋として繁盛していくのだが、
それは別の話だ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

150年後の敵国に転生した大将軍

mio
ファンタジー
「大将軍は150年後の世界に再び生まれる」から少しタイトルを変更しました。 ツーラルク皇国大将軍『ラルヘ』。 彼は隣国アルフェスラン王国との戦いにおいて、その圧倒的な強さで多くの功績を残した。仲間を失い、部下を失い、家族を失っていくなか、それでも彼は主であり親友である皇帝のために戦い続けた。しかし、最後は皇帝の元を去ったのち、自宅にてその命を落とす。 それから約150年後。彼は何者かの意思により『アラミレーテ』として、自分が攻め入った国の辺境伯次男として新たに生まれ変わった。 『アラミレーテ』として生きていくこととなった彼には『ラルヘ』にあった剣の才は皆無だった。しかし、その代わりに与えられていたのはまた別の才能で……。 他サイトでも公開しています。

魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました

うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。 そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。 魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。 その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。 魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。 手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。 いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。

あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!

リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。 聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。 「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」 裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。 「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」 あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった! 、、、ただし責任は取っていただきますわよ? ◆◇◆◇◆◇ 誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。 100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。 更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。 また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。 更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

推しが死んでショック死したけど、目を覚ましたら推しが生きてる世界に転生したんだが?~せっかくなので、このまま推しの死亡フラグをへし折ります~

八雲太一
ファンタジー
オタクのOL、小宅愛衣こと、コヤケさんはこの日もいつものようにアニメ鑑賞を楽しんでいた。 推しがいる生活に一喜一憂し、今日も日ごろの疲れを吹き飛ばす──はずだった。 しかし、アニメのなかでなんの脈絡もなく、推しが殺されてしまう! なんで!? どうして!? やり場のない怒りと不安と、受け止めきれない事実に、ストレスが限界突破してコヤケさんはショック死してしまう── が、次に目を覚ましたのはなんと推しが住んでいた世界だった!! しかも時間が戻ってる! そして、ちゃんと推しが生きてる!! ならば、考えるよりも前にやるべきことは決まっていた。 これは、ひとりのオタクが推しの死亡フラグをへし折るために奮起する物語である──! ※本作はカクヨム様にも掲載しています。  気軽に「へしふら」と略してくださいな(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎

勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~

竹間単
ファンタジー
【勇者PTを追放されたチートなユニークスキル持ちの俺は、美少女と旅をする】 役立たずとして勇者パーティーを追放されて途方に暮れていた俺は、美少女に拾われた。 そして俺は、美少女と旅に出る。 強力すぎるユニークスキルを消す呪いのアイテムを探して――――

勇者に大切な人達を寝取られた結果、邪神が目覚めて人類が滅亡しました。

レオナール D
ファンタジー
大切な姉と妹、幼なじみが勇者の従者に選ばれた。その時から悪い予感はしていたのだ。 田舎の村に生まれ育った主人公には大切な女性達がいた。いつまでも一緒に暮らしていくのだと思っていた彼女らは、神託によって勇者の従者に選ばれて魔王討伐のために旅立っていった。 旅立っていった彼女達の無事を祈り続ける主人公だったが……魔王を倒して帰ってきた彼女達はすっかり変わっており、勇者に抱きついて媚びた笑みを浮かべていた。 青年が大切な人を勇者に奪われたとき、世界の破滅が幕を開く。 恐怖と狂気の怪物は絶望の底から生まれ落ちたのだった……!? ※カクヨムにも投稿しています。

処理中です...