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第1章過去と前世と贖罪と

39・地獄の宴

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これはなんだ。どうしてこんなことになっているんだ。
目の前の光景が信じられなかった。
一歩も動けない。
瞼を動かすことも、指の1つも動かせなかった。
空気がまるで意思を持ったように重く、
男の――いや、その場にいる全員の動きを支配していた。

弱そうな少女だと思っていた
その少女の存在を知った時、
男は早速部下に命じて、チームに入らないかと勧誘させた。
しかしあっさりと断られ、
それ以後しつこく何度も勧誘したが、少女が頷く事はなかった。
しまいには力ずくで手に入れようかと、
適当なチンピラを集めて襲撃させたが、
いつも失敗してばかりだった。

そんな時だった。その女の存在を知ったのは。
名前をエドナと言うらしい。
調べて見れば相当腕が立つ剣士だったらしいが、
今はどういうわけか剣士を辞め、魔法使いになっているらしい。
その女の後をつけ、まぁ途中で気がつかれたが、
この時のために多額の金を投資して買った、
昏睡魔道具を使って眠らせ、近くの空き家に連れ込んだ。

そしてあの少女のことについて、知っていることを吐けと拷問した。
だが女はどれだけ拷問したとしても、何も言わなかった。
しまいにはこちらの方が折れ、
部下の1人が欲情したのか彼女を襲おうとしたが、
いきなり女が吐いたので、それに怒った部下が殴る蹴るの暴行をした。
少女には女を慰み者にしたと言ったがそれは嘘だった。
少女を絶望させるためにそんな嘘をついたのだ。
男は女というのはただ男に支配されるだけのものだと思っていた。
脆弱で、頭も弱い、そんな生き物なのだと。
だから殴ったとしても何も問題は無い、そう男は思っていた。

だからあの女を材料に少女と交渉しようと思った。
計画は上手くいくはずだった。実際に上手く行きかけていた。
相手は女。それも魔法がなければ何も出来なさそうな少女だった。
計画が成功しない理由がない

そう思っていたのに――

男の額を滝のような汗が流れる。
“これ”は一体何だ?

完全にそれはあの弱弱しそうな少女の面影はなかった。
黒い、ひたすら黒い人の形をした生き物。
全身を黒い炎のようなものに包まれ、もはや顔の判別すら出来ない。

「ねぇ」

たった一言。
それなのにまるで世界に轟かんとする程の影響力を持っていた。

「エドナに酷いことをしたのは誰?」
「ヒッ…」

気がつけば目の前に少女らしき黒い顔が近づいて来ていた。
さっきまで何メートルか離れていたのに、
今ではもう目の前にいた。

「そうか、お前ら全員か。死ねよ」

少女の体を取り囲んでいる黒い炎が勢いを増した。
――男に分かったのはそれだけだった。
気がつけば顔を殴られ、体が吹き飛んでいた。
衝撃のまま男は体を壁に激突させる。
その時、横から激突したため、腕の骨が砕けた。
その痛みに男は声すら出なかった。

「お前も死ね」

そして少女が次々に男の仲間に暴行を加えていく、
ある者は鼻を砕かれ、
ある者は腕の骨を砕かれ、ある者は足を砕かれた。
その一撃一撃に容赦の欠片もなかった。

「これで少しは分かったか?
自分のしでかしてしまったことの恐ろしさが」

少女の体を取り囲んでいる黒い炎がますます大きくなる。
まるで悪魔、いやそれ以上だった。

「でもこれだけじゃダメだ。ただ殺すだけじゃダメだ。
生きて苦しめよ。
お前は苦しめよ。
そうじゃなきゃ、意味がない」

そう言うと少女は片手を高く上げる。

「術式展開。〈呪いたる我が言の葉よ〉」

その瞬間、少女の片手に魔法陣のような円が浮かぶ。
だがそれはドス黒い血のような赤だった。

「〈祖は蛇にして、毒なり、毒は独となり、孤独を成せ〉」

男は痛みに呻きながらガタガタと震えた。
男の中の本能が猛烈に警報を発していた。
この場に居たらいけない。
少女にそれをさせてはいけない――と。
だが体は動かない。指の1本も動かない。
だからそれは止まることなく、続いた。

「〈血脈は欠脈となり、失われよ。痛みよ。支配せよ〉」

本来であればセツナは詠唱など魔法を使う時に必要では無い。
だがこれは詠唱が必要だ。
それはつまりセツナでも詠唱が必要になる程の、
強力な魔法であるということの証明だった。

「〈お前は愛されない、お前は喜ばれない、お前は作れない、
お前は殴れない、お前は悦べない、呪いよ、支配せよ。
体を支配し、縛るのだ。
何人たりとも、それを解くことは、ならぬ〉」

セツナの上にある魔法陣が怪しく、黒く、輝いた。

「〈発動せよ。《呪(カ…)》〉」

その時、セツナの足を誰かが掴んだ。
ここまで緊迫した空気の中、動ける者があるのか――。
そう思ってセツナが足元を見ると、
いつの間にか起きたらしいエドナがセツナの足を掴んでいた。

「セツナ…」

ボロボロで、どう見ても動けるような状況でもないのに、
這ってここまで来たのか、
彼女は今にも泣きそうな表情してた。

「助けて…」

その瞬間、事切れたようにエドナは倒れた。

「エドナさんッ!」

それで我に帰ったのか、セツナが身に纏っていた黒い炎が跡形もなく消える。
詠唱も中断されたので、魔法陣も消えた。

「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!」

気がつけばセツナは泣いていた。
エドナに縋って泣いていた。
自分でもどうしてかわからない程、
激しく号泣し、それが止まる事はなかった。

「私、私…」

ただ泣いて、そして叫んだ。

「“また”あなたを苦しめてしまった!!」

その言葉の意味すら、セツナには理解出来なかった。
気がつけばガイが呼んだらしき、
たくさんの人がこの空き家に入ってきたが、
それでもずっとセツナは号泣し続けた。



「困るんだよね」

冷たい視線が私を見下ろす。
久しぶりに訪れた真っ暗闇の空間。
地獄神に問い詰めたいことがあったはずなのに、
その言葉は何一つとして浮かんでこなかった。

「君はもう少しで取り返しのつかないことをしてしまうところだった」

そう言われ、私はうなだれるしかなかった。
あの時、何をしようとしたのか――実を言うとあまり覚えていない。
だが殴った時の嫌な感触はまだ手に残っている。

「君は彼らを呪おうとしていた。ただ殺すよりも酷い呪いをね。
君はあの男達に男性としての機能を全て殺すをかけようとした」
「こ、殺す呪い?」
「二度と性交渉は出来ない。子供も作れない。
筋力もそこらの10の少女しかない。
女性にも愛されない。男性にも愛されない。
ただ1人で孤独に永遠に生きる呪い。
そういうことをしようとしたんだよ」

それを聞いて私はぞっとした。
そんなの――そんな恐ろしいことを――私はしようとしたのか?

「まぁそれ以前に、
フラッシュバックをしていたことも影響しているだろうね…」
「フラッシュバック?」

何のことだそれは。
そう思っていると地獄神は大きくため息をついた。

「もしあの呪いが成就していれば、
君は人を殺すよりも、途方もないカルマを負っていた。
暴行ぐらいなら、正当な理由があれば、
ボクも見逃すけど、呪いばかりはそうもいかない。
成就していれば、いくらボクでも君を地獄に落とさないといけなかった」
「そんなことが…」
「だからエドナ・オーウェンに感謝するんだね。
彼女があの時止めてくれなければ、君は地獄に落ちていた」
「あの…」

エドナのことを聞いて、私は絞り出すように声を出した。

「もう辞めたいです…」
「辞めるとは?」
「私、このまま地獄に行きます。その方が良いような気がして…」
「何故?」
「今回の事でわかったんです。
私はこんな力を持つべきじゃない。
こういう事はもっと物語の主人公みたいに、
強くて勇気があって、精神的にも強い人がやるべきなんです」

漫画などでは主人公が最強の力を持っていることはよく見かける。
そういう主人公達は精神的にも強くて、みんなの憧れの的だ。
だが私は無理だ。私はそういう力を持つにふさわしくない。
だってこんなにも精神的に未熟で、気をつけていてもドジをしてしまう。

そして――本当に取り返しのつかないことをしてしまった。
女性にとってそれがどれだけ辛いことであるのかは理解している。
私はもうエドナには会わない。会わせる顔がない。
だから、もう地獄に落ちた方がいいのかも知れない。
いや、最初からさっさと地獄に落ちていればよかった。
そうすればエドナは苦しまずに済んだのに――。

「自分の苦しみ=人の苦しみではないよ」

でもあの時、どれだけ彼女は恐怖を味わったのかは想像出来る。
きっと怖かったはず、痛かったはず、
やっぱり私は彼女と関わらない方がいい。

「その考え方は傲慢だ」

その時、私の心を読んだのか地獄神が冷たくそう言い放った。

「そもそも君の世界の価値観で、
この世界の人間を見てはいけない。
君の世界はとても平和だった。
犯罪も少なく、事件に巻き込まれることもほとんどない。
でもこの世界はそうじゃない。
犯罪は起きるし、事件に巻き込まれることもよくあることだ。
だいたい彼女は君とは違う。
あえて冒険者と言う厳しい職業を選び、
そしてそこで生き抜いてきた女性だ。
これぐらいの苦しみで折れるような人間じゃない」
「ですが、私は…自分を許せないんです…」

あの男達は私に半殺しにされたので、
冒険者としてやっていけなくなるかもしれない。
でも私は絶対にあいつらを許さない。
それぐらいは当然の報いだと思っている。
だが1番許せないのは、
事前にそのことを考えておかなかった自分だ。
少し考えればわかることだったのに、
その対策を何もしなかった自分が許せない。

「許せないから、どうするの?
それで地獄に落ちて何が変わると?」
「何も変わらないかもしれません。
でもこういった能力は私が持つのにふさわしくないと思います。
最強魔力もチートスキルも、ふさわしい人が持つべきなんです。
私みたいにドジでうっかりしていて、
人を不幸にすることがある人間がやるべきじゃない」

そうだ――。よくよく考えてみれば元々私はただの女子高生だ。
ただの女子高生が勇者になれるか? 大統領になれるか?
否、こういった能力は私にふさわしくない。
だからもう辞めたい。辞めるべきなんだ。

「これは――見事にあの男と逆だな」
「え?」

何を言ったのか聞こえないぐらいの小声で地獄神はそう言った。

「それに…君はとてつもない思い違いをしている。
カルマを精算するのは、君じゃないとダメなんだよ。
そうじゃなければ地獄に落ちてしまうから」

それにと地獄神は続けて言った。

「だいたい君の言うような人間がボクのような力を持っても、
何にもならないよ。
清廉潔白、聖人君子、弱気を助け強きをくじく、
そんな人間が君に与えた能力を持って、どうするの?」
「それはそう言う人の方がもっとこの力を良い風に利用出来るから…」
「君の世界で宝くじがある。最高金額は1億円だ。
当然のごとく多くの人間が宝くじを買う。
でもほとんどの人間は当たらない。
これは何故だと思う」
「倍率が高すぎるからですか?」
「いいや、宝くじが当たって大金を手にしてしまったら、
人間が変わってしまうからだよ。
芸能界でも急に売れて大金を手にしてしまう人間は多い。
それで調子に乗って、ふざけたような発言をして叩かれたり、
あるいは女性問題などのトラブルを引き起こす。
それで世間から叩かれまくって、姿を消す。
これは君の世界でよくある光景だ。
多くの人はそこで調子に乗っている人物を、
調子乗ってるからいけないんだと言う。
だがどうして調子に乗るのか…これはどうしてかわかる?」
「回りにちやほやされて、いい気になるからですか?」
「そうだよ。宝くじにしても売れっ子芸能人にしても、
急に大きなお金が入ってきたら、
気分が良くなって、調子に乗ってしまう。
そして人格が変わる人は、本当に変わってしまうんだよ。
それまで取り立てて普通の人だったのが、傲慢な人間になってしまう。
急に大きな大金を手にしても、
大きな力を手にしてもそれは同じことなんだ」
「でも私はもうちょっとで、
取り返しのつかない事をしてしまうかもしれませんでした。
だから私は地獄に落ちた方が――」
「甘えるな」

その声色の冷たさに、私は驚いて顔を上げる。
地獄神は冷たい眼差しで私を見ていた。

「地獄は君が思っているような生ぬるい場所じゃない。
君がイメージしている地獄は、
この世界の地獄からしたら天国のような場所だよ。
それに君が地獄に落ちたら、
君を助けるためにありとあらゆるものを失ったあの者が報われない」

あの者…? 誰の事だ?
そう思っていると、地獄神は大きくため息をついた。

「本当は最初、ボクは君を地獄に落とすつもりだったんだよ」
「私を?」

まさかの告白に私は驚いた。

「そう。君が死んだ時、多くの死者がそうであるように冥府に訪れた。
本来であればそこで裁きを受け、地獄行きが再転生かを決めるのだけど、
君の判決をめぐって、冥府の神々が2分する騒ぎになってしまってね」
「どうしてそんなことが?」
「全く前例がないことだったんだよ。
他人のカルマを移された人間なんて今までに居なかった。
だから冥府の神々が君の判決を決めあぐねてしまったんだ。
そして最終的にボクに判断をゆだねた。
その時はボクは君を地獄に落とすつもりだった。
でもそれをしなかった。いや出来なかった。これがどうしてかわかる?」
「わかりません…」
「それだけは止めてくれ、何とかして君を助けてほしい。
そう嘆願した者が居たんだよ」
「それって誰のことですか?」

だが地獄神はその質問に答える事はなかった。

「とにかく、君が地獄に落ちたいという願いは却下だ。
さぁそろそろ地上に戻る時間だ」
「ちょっと、待っ――」

地獄神が私に杖を向けた瞬間、私は地上に戻って来ていた。



相変わらずと言うべきか、
地獄神は肝心なことを何も教えてくれない。
謎が解けるどころか増えるばかりだ。
記憶のことについて結局何も聞けなかった。
私は大きくため息を吐くと、ベットから体を起こした。
部屋の中は暗く、その宙に何かぼんやり光るものがあった。

「目が覚めたのか」

その時、光から見知った声がした。
そうか妖精の羽は暗いところでは光るんだった。
だがその事実さえも、今の私にはどうでもいいものだった。

「…私は取り返しのつかないことをしました」
「お前のせいじゃない…って言ってもお前は自分を責めるんだろうな」
「…そういえば、エドナさんはどうなりましたか?」
「今、腕の良い治療師に見てもらっている。
あの男達もそうだよ。
みんな生きてるけどしばらくは絶対安静だろうな」
「そうですか…」

あの後、泣いて泣いて泣き疲れて、私は眠ってしまった
だからあの後どうなったのか、よく覚えていない。

「私…居ない方がいいですよね」
「どうしてそんなことを言うんだ?」
「だって私のせいで、
エドナさんに取り返しのつかないことをしてしまいました。
もう合わせる顔もないです…」
「お前が責任に感じる必要は無い」

その時、ドアが開いて廊下の明かりがこちらに入ってきた。
そこに立っていたのはギルドマスターだった。

「ギルドマスター…どうしてここに」
「お前をここに運ばせたのは俺だぞ、忘れたのか」

そう言うとギルドマスターは部屋の明かりをつけた。
するとそこはさっきは暗くて気がつかなかったが、
よく見ればこの部屋は私の部屋では無い。

「ここはどこですか?」
「ギルドにある宿泊所だ。覚えていないのか」
「ごめんなさい。よく覚えていません」
「とりあえず話を聞かせてくれないか。何があったんだ」

そう言われたので私は起こったことをそのまま伝えた。
あの男達がエドナを誘拐して暴行したこと。
それを見た私は怒りに任せて、男達を半殺しにしてしまったこと。
ギルドマスターはじっと腕を組んでそれを聞いていた。

「なるほどそんなことがあったとはな」
「私は追放処分ですよね」
「なぜそんなことを聞く?」
「だってあの人達に酷い目に合わせました」
「それはあいつらの自業自得だ。
それに状況が状況なだけに、今回は仕方がないだろ。
俺だって、家族があんな目に会ったら、
相手を半殺しどころか確実に殺すだろうからな」

そう言うとギルドマスターは大きくため息を吐いた。

「すまなかったな…俺がよく見ていなかったからこんなことになった」
「そんな…ギルドマスターのせいじゃありません」
「いや俺のせいだ。あいつらは腕の立つ冒険者だったんだが、
同時に問題行動を数多く引き起こしていてな。
追放処分にしようかと思っていたが、腕が立つ冒険者だったからな。
辞めさせた時の損失を考えると、それは出来なかった。
ただでさえ今は魔族が来るという噂のせいで、
冒険者が他の町に流れてしまっている。
だから様子を見た方が得策かと思った。
だがこんなことになるとは、完全に俺の落ち度だ」

じゃあ、間接的とは言えやっぱり私のせいじゃないか。
私が軽率な行動をしてしまったために、エドナを苦しめてしまった。

「…ごめんなさい」
「なぜ謝る。悪いのはあいつらだろう」
「私は取り返しのつかないことをしてしまいました。
もっとよく考えていれば、
もっと想像力を働かせていれば、こんなことにはならなかったのに」
「お前は何でそう自虐的なんだ。
起こってしまった事を後から悔いても仕方がないだろう。
問題は後でどうやって償うか、それだけだろう」
「償えるでしょうか…」

私はもうエドナから罵られても、
エドナに憎まれても仕方がないと思っている。
私のせいであんなことに巻き込まれてしまった。
エドナと関わらなければ良かった。
そうすれば彼女は不幸にならずに済んだ。

「ギルドマスター」

その時、唐突に部屋の扉が開き、イザベラが現れた。

「エドナが目を覚ましたよ」
「エドナが…」
「それでセツナに会いたいって言ってるんだけど、どうする?」

エドナが私に…きっと恨んでいるはずだ。
罵られるだろうか、
怒られるだろうか、
あるいは泣きつかれるだろうか。
私は本当に取り返しのつかないことをしてしまった。
彼女に会う資格は無い。会ってはいけない。
もうこれ以上エドナと関わらない方が彼女のためだからだ。

「会いません。私にはその資格がありません…」
「資格ってどういうことだ?」

その時、いぶかしげにギルドマスターはそう言った。

「私は、私と関わったせいでこんなことになってしまった。
もうこれ以上、関わらない方がきっと彼女のためなんです…」
「嬢ちゃん…気持ちは分かるが、
当の本人が会いたいと言っているんだ。会ってやれ」
「でも…」
「お前に出来る償いはそれしかないと思う。
黙って離れることじゃなくて、ちゃんと向き合うんだ」

その厳しいながらも愛情がこもった言葉に、私はうなだれた。

「会いにいこうぜ。後のことはそれから考えればいいだろう」

ガイにもそう言われ、私は覚悟を決めた。

どんなに罵られても、どんなに憎まれても、
それでも会いに行こう。それしか私に出来る償いは無い。

そうして私は部屋を出て、エドナの居る場所に向かった。
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