強く握って、離さないで 〜この愛はいけないと分かっていても、俺はあなたに出会えてよかった〜 

沈丁花

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パートナー試験

パートナー試験④

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長い人差し指の先端がそっと俺のうなじを滑る。

丁寧に髪を乾かしてもらうのは、今も昔も変わらないプレイ前の儀式となっている。

ドライヤーの熱で火照る身体、風の音以外に何も響かない室内。

由良さんも俺も黙ってこれからの行為に思いを馳せている、この時間が俺はとても好きだ。

今日はどんなプレイをするのだろう。そして由良さんにどんなふうに忠誠を示すことができるのだろう。

考えながら身体の中心が小さく疼く感覚が、とても心地いい。

やがて風の音が止むと、彼が無言で立ち上がる。

向こう側から部屋の明かりを調整する音が響き、照明が2段回落とされると同時に窓から注ぐ月明かりが主張を始めた。

満月を映した紫紺の瞳は、冷たく揺らいでいる。

「始めようか、幹斗。kneelおすわり. 」

glareとともにワントーン低い声で名前を呼ばれ、背筋が震えた。

冷たい視線も、凛とした低い声も、どうしようもなく俺のSub性を刺激してくる。

本能的に彼の足下に跪けば、開いた状態の股の間に彼の足が入ってきた。

そのままぐりぐりと性器を刺激される。

「はぁっ…んっ…ぅっ…。」

初めてのことに驚くとともに、快楽に逆らえず声が漏れた。

生理的な快楽だけではない。

今少しでも彼が足に力を込めたなら、確実に強烈な痛みが体を襲う。それをわかっていて尚この状況に身を委ねる行為が、彼に忠誠を示しているようでひどく気持ちいいのだ。

それに、仮に踏み潰されたとしても、その痛みさえ彼から与えられるものならば悦びに変換されてしまうかもしれない。

そのくらい、彼にならなんでもしてほしいと望んでいる。

やがて蓄積された熱が解放を求めて迫り上がってきた。

「ぁっ…、イっちゃ……?」

達することを伝えようとする途中で突然刺激が止み、混乱する。

あと少しで解放されそうだったのに、それをできなかったから、逃すことのできなかった熱の代わり生理的な涙で視界がぼやけた。

見上げた先、由良さんは変わらず無表情で俺を俯瞰している。

その視線の冷たさに背筋を震わせながら、俺は次の命令を求め、縋るように彼を見つめた。
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