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パートナー試験
パートナー試験①
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「えっ、幹斗パートナー試験まだやったことないの?こんなに長く付き合ってるのに??」
定食屋さんのカウンター席で隣でご飯を食べていた谷津が、突然驚いたような声をあげた。
“パートナー試験”とはなんだろう。単語すら聞いたことがない。
「なにそれ、東弥知ってる?」
谷津とは反対側の隣に座っていた東弥に尋ねると、彼はなぜか困ったように微笑んだ。
「知ってるけど、知らないSubには意味を教えちゃいけないことになってるんだよね。ほら、小学生にサンタさんの正体教えちゃダメみたいな。」
「なるほど…。」
正直ますます気になるが、確かに小学生がサンタさんの正体を尋ねるのはあまり良くない。
「静留君はやったことあるの?」
気になって聞いてみる。このくらいの質問なら許されるだろう。
「うん。…あんまり思い出したくない記憶っていうか、結果から言うと試験自体が失敗したんだけど…。」
東弥が表情を顰め、言いにくそうにそう答えた。
「…た、たいへんそうだね。」
「うん。静留が可愛くてどうにかなりそう。」
「何それ惚気?惚気なの!?おっちゃんエスプレッソちょうだい!!」
店長が“そんなもの置いてねーよっ!!”、と谷津に向かって返事をする。
なんだか可笑しくて、俺は東弥と顔を見合わせ笑ってしまった。
大学生最後の秋。相変わらず俺は今でも東弥と谷津とこうして仲良くしている。
定食屋さんのカウンター席で隣でご飯を食べていた谷津が、突然驚いたような声をあげた。
“パートナー試験”とはなんだろう。単語すら聞いたことがない。
「なにそれ、東弥知ってる?」
谷津とは反対側の隣に座っていた東弥に尋ねると、彼はなぜか困ったように微笑んだ。
「知ってるけど、知らないSubには意味を教えちゃいけないことになってるんだよね。ほら、小学生にサンタさんの正体教えちゃダメみたいな。」
「なるほど…。」
正直ますます気になるが、確かに小学生がサンタさんの正体を尋ねるのはあまり良くない。
「静留君はやったことあるの?」
気になって聞いてみる。このくらいの質問なら許されるだろう。
「うん。…あんまり思い出したくない記憶っていうか、結果から言うと試験自体が失敗したんだけど…。」
東弥が表情を顰め、言いにくそうにそう答えた。
「…た、たいへんそうだね。」
「うん。静留が可愛くてどうにかなりそう。」
「何それ惚気?惚気なの!?おっちゃんエスプレッソちょうだい!!」
店長が“そんなもの置いてねーよっ!!”、と谷津に向かって返事をする。
なんだか可笑しくて、俺は東弥と顔を見合わせ笑ってしまった。
大学生最後の秋。相変わらず俺は今でも東弥と谷津とこうして仲良くしている。
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