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番外編 〜2人の夏休み〜

動物園でのコアラとの出会い⑦

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彼はこんな部分まで綺麗なのだと、手に納めてみて改めて感じた。

形の良い屹立の筋や先端に丁寧に舌を這わせながら彼の反応をじっと伺う。

しかしプレイ中の彼はほとんど感情を表に出さないため、感じているのか見て取ることは全くと言っていいほどできなかった。

ほとんどしたことがないから、もしかしたら興醒めさせてしまっているのかもしれない。

不安になって彼の瞳を見つめる。

褒められたいとかそういうわけではない。でも由良さんが気持ち良くないのは嫌だ。

すると彼の手が伸びてきて雑に頭の上に乗せられる。

「大丈夫、ちゃんとできているよ。そのまま口に含んでみて。」

その声はなんの感情も含まない平坦なものだったが、言葉からはちゃんと彼が俺を見ていてくれることが感じ取れて泣きそうになった。

言われた通りに彼の雄を口の中に含むと口の中が彼の熱で満たされ脳がふわふわと気持ちよくなる。

わずかに歪んだ彼の唇から漏れたため息は熱を帯びていて、彼も感じているということを教えてくれた。嬉しい。

口の粘膜が彼の熱と擦れ合い、その感覚が心地いい。

「幹斗。」

夢中になって口を動かしているとふと名前を呼ばれ、それとともに口の中の熱が引き抜かれた。

「ぁっ…。」

…どうして?下手だった?

そういえば途中から彼の様子を伺っていなかったから、例えば歯が当たったりしてしまったのだろうか。

そうしたらもう、これはさせてもらえない…?

生温かい液体が頬を伝う。

泣いたって仕方がないのに、自然と泣いてしまっていた。

由良さんの前ではつい泣き虫になってしまう、そんな自分が俺は嫌い。

「ごめっ…?」

謝ろうとした途端に上をむかされ、驚いて涙が引っ込んだ。

「苦しいと思うけれど、今からもっと奥まで入れるね。苦しくて耐えられなくなったらなったら必ず全力で抵抗すること。できる?」

…苦しいけれど、もっと奥まで…。

glareを放ちながら持ちかけられた魅力的な響きに抵抗を示さず頷けば、由良さんが“むしろご褒美だったかな”、と苦笑いを浮かべる。

冷たいglareと端正な唇が描く緩やかな弧にどうしようもなく惹きつけられ、心臓がうるさい。

「挿れるよ。口を開けて。」

凛とした低い声が鼓膜を震わせ、俺は餌を待つ雛鳥のように大きく口を開いた。

由良さんが俺の後頭部に手を当て、俺の中に再び彼の熱を挿入する。

早く奥までして欲しいのに、それは焦らすように酷くゆっくりと中を進んだ。

彼の熱、声、視線。

その全てに過敏になり、思考が彼に支配される。

触れられてもいない下腹部が、どうしようもなく甘く疼いた。
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