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番外編 〜2人の夏休み〜
異国の地で⑧
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結局コアラを見ることはできないまま、気がつけば木がなく開けたカンガルーのエリアに入っていた。
コアラはあんなに探しても全く見えなかったのに、カンガルーは数え切れないほどたくさんいて少し驚く。
それも彼らと俺たちの間に柵はなく、カンガルーたちは自由に飛び回っている。
大小様々な大きさのカンガルーがいて、特に子供が可愛らしい。
小さいのにぴょんぴょんと跳ねていて、叶うならば抱っこして撫で回したいくらいだ。
そんなことを思っていたら、なぜか大きな手が俺の頭の上に乗せられた。
「…?」
見上げれば由良さんが微笑ましげに目を細め俺を見つめている。
「ごめん、可愛くてつい。」
「!!」
可愛いのはカンガルーであって決して俺ではないのに、どうして俺の頭を撫でるのか。
心臓がうるさく鳴って苦しい。
「まっ、周りに人がっ…。」
抗議しようとした俺の唇を由良さんが人差し指で塞ぐ。
ただでさえドキドキしているのに甘いglareを放ちながらそんなことをされたら、顔が真っ赤になってしまう。
「誰も見てないよ。」
悪戯っぽく彼が笑うから、そんなはずがないと周りを見渡せば本当に誰も俺たちの方など気にしておらずそれぞれ別の方向を見ていた。
「写真は撮りましたか?そろそろ野鳥のエリアに行きましょうかねぇ。ここでしか見られない珍しい鳥がたくさん見られますよ。」
「あっ、写真…!!」
寺本さんの声でまだ写真を撮っていないことに気がつく。
「幹斗君、こっち見て。」
「えっ?」
由良さんに言われ振り向くと、かしゃりとシャッターの音が鳴った。
状況が飲み込めず混乱している俺に由良さんがスマホの画面を見せてくれる。
画面には親子のカンガルーと俺と由良さんが綺麗に一枚に収められていた。
特に俺が変に写っているというわけでもなく、そしてカンガルーはとても可愛く写っている。
由良さんはもともと格好いいので当然画面の中でも格好いい。
「あの…。」
「ん?」
「後で俺にもください。」
「もちろん。LINEでこの旅行のアルバムを作ろうね。」
「はい!」
“行きますよー”、という寺本さんに慌てて駆け足でついていく。
その後野鳥エリアで見た鳥はとても綺麗で、結局コアラは見られなかったけれど、自然公園での観光はとても楽しく終わり、ご飯を食べた後はもう一つのツアーに参加するために山の方へと向かった。
コアラはあんなに探しても全く見えなかったのに、カンガルーは数え切れないほどたくさんいて少し驚く。
それも彼らと俺たちの間に柵はなく、カンガルーたちは自由に飛び回っている。
大小様々な大きさのカンガルーがいて、特に子供が可愛らしい。
小さいのにぴょんぴょんと跳ねていて、叶うならば抱っこして撫で回したいくらいだ。
そんなことを思っていたら、なぜか大きな手が俺の頭の上に乗せられた。
「…?」
見上げれば由良さんが微笑ましげに目を細め俺を見つめている。
「ごめん、可愛くてつい。」
「!!」
可愛いのはカンガルーであって決して俺ではないのに、どうして俺の頭を撫でるのか。
心臓がうるさく鳴って苦しい。
「まっ、周りに人がっ…。」
抗議しようとした俺の唇を由良さんが人差し指で塞ぐ。
ただでさえドキドキしているのに甘いglareを放ちながらそんなことをされたら、顔が真っ赤になってしまう。
「誰も見てないよ。」
悪戯っぽく彼が笑うから、そんなはずがないと周りを見渡せば本当に誰も俺たちの方など気にしておらずそれぞれ別の方向を見ていた。
「写真は撮りましたか?そろそろ野鳥のエリアに行きましょうかねぇ。ここでしか見られない珍しい鳥がたくさん見られますよ。」
「あっ、写真…!!」
寺本さんの声でまだ写真を撮っていないことに気がつく。
「幹斗君、こっち見て。」
「えっ?」
由良さんに言われ振り向くと、かしゃりとシャッターの音が鳴った。
状況が飲み込めず混乱している俺に由良さんがスマホの画面を見せてくれる。
画面には親子のカンガルーと俺と由良さんが綺麗に一枚に収められていた。
特に俺が変に写っているというわけでもなく、そしてカンガルーはとても可愛く写っている。
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「あの…。」
「ん?」
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「もちろん。LINEでこの旅行のアルバムを作ろうね。」
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