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番外編 〜2人の夏休み〜
異国の地で②
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“窓の外を見てください。公園でバーベキューをしていますね。ここには無料のバーベキュー場が沢山あるんですよ。こちらの人は皆さんバーベキューが大好きなんです。
あとは、そうですね…。水道水は飲むことができます。日本では当たり前ですが、これも凄いことなんですよ。”
“あっ、あちらにはたくさんの家が並んでいますね。広大な土地を利用して家を2軒以上持っている世帯も多いです。
退職したらその家を賃貸に出してキャンピングカーを買ってオーストラリアを一周したりする方もいらっしゃいますね。一周にはゆっくりまわれば何年もかかるそうですよ。”
担当の人が運転をしながらマイクでいろいろな知識を話してくれ、とても楽しい。
「凄い、一周に何年もだって。楽しそうだね。」
話を受けて由良さんが楽しそうに俺に耳打ちする。
「そうですね。福島県みたいな形をしているのに、不思議です。」
至って真面目な回答をしたのに横で由良さんが口を押さえて楽しそうに笑った。
「…俺、なんか変なこと言いました…?」
「いや、幹斗君がずっと飛行機のルートマップを不思議そうに見てた理由が分かった気がして…っ!」
彼の声が震えている。
ルートマップって、飛行機の画面に表示される今どの辺にいますって表すやつだよね?俺、何かしたっけ…?
…あっ…。
よくよく思考を巡らせ、急に恥ずかしくなった。
そういえばルートマップでのオーストラリアが福島県にしか見えず、ここからここまで飛行機で1時間もかかるなんて不思議だなと呆然と考えていた気がする。
「わ、忘れてください!!」
「どうして?かわいいのに。」
「うぅっ…恥ずかしいからだめです…。」
真っ赤になっているであろう顔を思わず手で押さえたが、その手はあっけなく由良さんによって剥がされてしまった。
代わりに子供にするみたいに優しく頭を撫でられる。
…調子、狂う…。
耐えきれずに少しだけ窓を開けると、涼やかな春風が吹き込んできた。
これから行く場所が全て初めての場所だと思うとわくわくする。
でも心臓が持つかどうかだいぶ不安だ。
あとは、そうですね…。水道水は飲むことができます。日本では当たり前ですが、これも凄いことなんですよ。”
“あっ、あちらにはたくさんの家が並んでいますね。広大な土地を利用して家を2軒以上持っている世帯も多いです。
退職したらその家を賃貸に出してキャンピングカーを買ってオーストラリアを一周したりする方もいらっしゃいますね。一周にはゆっくりまわれば何年もかかるそうですよ。”
担当の人が運転をしながらマイクでいろいろな知識を話してくれ、とても楽しい。
「凄い、一周に何年もだって。楽しそうだね。」
話を受けて由良さんが楽しそうに俺に耳打ちする。
「そうですね。福島県みたいな形をしているのに、不思議です。」
至って真面目な回答をしたのに横で由良さんが口を押さえて楽しそうに笑った。
「…俺、なんか変なこと言いました…?」
「いや、幹斗君がずっと飛行機のルートマップを不思議そうに見てた理由が分かった気がして…っ!」
彼の声が震えている。
ルートマップって、飛行機の画面に表示される今どの辺にいますって表すやつだよね?俺、何かしたっけ…?
…あっ…。
よくよく思考を巡らせ、急に恥ずかしくなった。
そういえばルートマップでのオーストラリアが福島県にしか見えず、ここからここまで飛行機で1時間もかかるなんて不思議だなと呆然と考えていた気がする。
「わ、忘れてください!!」
「どうして?かわいいのに。」
「うぅっ…恥ずかしいからだめです…。」
真っ赤になっているであろう顔を思わず手で押さえたが、その手はあっけなく由良さんによって剥がされてしまった。
代わりに子供にするみたいに優しく頭を撫でられる。
…調子、狂う…。
耐えきれずに少しだけ窓を開けると、涼やかな春風が吹き込んできた。
これから行く場所が全て初めての場所だと思うとわくわくする。
でも心臓が持つかどうかだいぶ不安だ。
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