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番外編 〜2人の夏休み〜
準備と飛行機⑦
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「幹斗君顔色悪いけど大丈夫…?」
心配そうな声と共に片手を握られ、やっぱり気づかれたかと苦笑する。
下降を始めてから着陸が怖くて怯えているのだ。
隠したつもりだったが由良さんには分かってしまったらしい。まず彼に隠し事をしようとした時に気づかれなかった試しがないけれど。
「…着陸、ちゃんとできるか怖くて…。確率論的に大丈夫だということはわかっているのですが…。」
白状すると目の前の紫紺の瞳がぎゅっとやさしく細められる。
ああ好きだな、とその吸い込まれそうな藍を見つめていると、くしゃりと頭を撫でられた。
大好きな手の温もりにひどく安心する。
「眠れそう…には見えないね。少し話そうか。」
「はい。」
「最近大学はどう?悩みはない?」
「ありません。…由良さんが無くしてくれたから。」
「僕はなにもしていないよ。幹斗君が頑張っただけ。」
「そんなこと…。」
自然と繰り返される会話の中で、気づかないうちに恐怖は消えていた。
“間も無く着陸いたします。”
アナウンスが聞こえても、由良さんが会話中に何度か甘いglareを注いでくれたおかげでだいぶ気持ちが落ち着いていて。
がくんと着陸の衝撃が走ると共に安心して窓の外を見る余裕ができた。
現地の気温や時刻についてアナウンスが流れていく。
見たことのないような広大な景色が広がる周囲に異国に来たことを実感し、感情が高まりすぎて声が出ない。
くすり、と横から笑い声が聞こえた。
由良さんが楽しげに口を押さえている、
「えっ、俺、何かしました??」
「なにもしていないよ。興奮しているのがかわいくて。」
「…!!」
笑う理由も笑う姿も格好いいけれど心臓に悪い。
顔を真っ赤にして俯けば、再び大きな手に頭を撫でられた。
心配そうな声と共に片手を握られ、やっぱり気づかれたかと苦笑する。
下降を始めてから着陸が怖くて怯えているのだ。
隠したつもりだったが由良さんには分かってしまったらしい。まず彼に隠し事をしようとした時に気づかれなかった試しがないけれど。
「…着陸、ちゃんとできるか怖くて…。確率論的に大丈夫だということはわかっているのですが…。」
白状すると目の前の紫紺の瞳がぎゅっとやさしく細められる。
ああ好きだな、とその吸い込まれそうな藍を見つめていると、くしゃりと頭を撫でられた。
大好きな手の温もりにひどく安心する。
「眠れそう…には見えないね。少し話そうか。」
「はい。」
「最近大学はどう?悩みはない?」
「ありません。…由良さんが無くしてくれたから。」
「僕はなにもしていないよ。幹斗君が頑張っただけ。」
「そんなこと…。」
自然と繰り返される会話の中で、気づかないうちに恐怖は消えていた。
“間も無く着陸いたします。”
アナウンスが聞こえても、由良さんが会話中に何度か甘いglareを注いでくれたおかげでだいぶ気持ちが落ち着いていて。
がくんと着陸の衝撃が走ると共に安心して窓の外を見る余裕ができた。
現地の気温や時刻についてアナウンスが流れていく。
見たことのないような広大な景色が広がる周囲に異国に来たことを実感し、感情が高まりすぎて声が出ない。
くすり、と横から笑い声が聞こえた。
由良さんが楽しげに口を押さえている、
「えっ、俺、何かしました??」
「なにもしていないよ。興奮しているのがかわいくて。」
「…!!」
笑う理由も笑う姿も格好いいけれど心臓に悪い。
顔を真っ赤にして俯けば、再び大きな手に頭を撫でられた。
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