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第2部
帰省⑦
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「「ありがとう(ございました)。」」
「いいのいいの!ゆっくり話してきてねー!」
由良さんと一緒に雪菜さんの車を降りると、同時に玄関のドアがガチャリと開いた。
「ママおかえり!早く行こ!!」
「あのね、僕、ちゃんとお洋服畳めたよ!!」
「おいおい、友希、晴真。もう少し落ち着いてくれよ。幹斗君が困ってるだろー?あはは、ごめんね、幹斗君。」
勢いよく飛び出てきた2人は雪菜さんの子どもで、友希ちゃん、晴真君の姉弟だ。
そして後から呆れ口調で出てきたのが雪菜さんの旦那さん。旅行に行くと言っていたのは本当だったようで、みんな大きな荷物を抱えている。
友希ちゃんは俺の存在に気がつくと、父親に荷物を預けてから躊躇いがちにこちらへと近づいてきた。
「幹斗君、久しぶり。」
…大きくなったな、友希ちゃん。
気まずそうに目を伏せながら上擦った声で話す彼女を前に、俺と別れるたび行かないでと泣いていた昔の姿を思い出し、なんだかひどく懐かしく思う。
彼女が生まれたばかりの頃は雪菜さんがよく祖父母のところに来ていたから、ミルクをあげたり一緒に遊んだりをよくしていたのだ。
「うん、ひさしぶり。旅行楽しんできてね。」
「うん。」
またね、と手を振って彼女が車に乗る。
続いて晴真くんが車に乗り、旦那さんは由良さんと簡単な挨拶を交わしてから車に乗って行った。
「娘さんの方とは仲がいいの?」
4人を乗せて車が出た後、由良さんに尋ねられ、首を縦に振る。
仲がいい、というよりは、良かった、という方が正しいかもしれないけれど。
「友希ちゃんが3歳くらいまではよく遊んでいたんです。でも何年も会っていなかったので、大きくなっていてびっくりです。」
「そうか。小さい子と一緒に遊ぶ幹斗君も見たかったな。きっと可愛い。」
由良さんがぎゅっと目を細め俺を見る。
そんなに優しく見つめられてしまったら、“可愛いのは小さい子ですよ”って、返したいのに言いにくい。
「そろそろ行こうか。」
顔を赤くして固まっている俺に彼が爽やかに告げ、俺は少し緊張しながらも家のドアの前に立った。
「いいのいいの!ゆっくり話してきてねー!」
由良さんと一緒に雪菜さんの車を降りると、同時に玄関のドアがガチャリと開いた。
「ママおかえり!早く行こ!!」
「あのね、僕、ちゃんとお洋服畳めたよ!!」
「おいおい、友希、晴真。もう少し落ち着いてくれよ。幹斗君が困ってるだろー?あはは、ごめんね、幹斗君。」
勢いよく飛び出てきた2人は雪菜さんの子どもで、友希ちゃん、晴真君の姉弟だ。
そして後から呆れ口調で出てきたのが雪菜さんの旦那さん。旅行に行くと言っていたのは本当だったようで、みんな大きな荷物を抱えている。
友希ちゃんは俺の存在に気がつくと、父親に荷物を預けてから躊躇いがちにこちらへと近づいてきた。
「幹斗君、久しぶり。」
…大きくなったな、友希ちゃん。
気まずそうに目を伏せながら上擦った声で話す彼女を前に、俺と別れるたび行かないでと泣いていた昔の姿を思い出し、なんだかひどく懐かしく思う。
彼女が生まれたばかりの頃は雪菜さんがよく祖父母のところに来ていたから、ミルクをあげたり一緒に遊んだりをよくしていたのだ。
「うん、ひさしぶり。旅行楽しんできてね。」
「うん。」
またね、と手を振って彼女が車に乗る。
続いて晴真くんが車に乗り、旦那さんは由良さんと簡単な挨拶を交わしてから車に乗って行った。
「娘さんの方とは仲がいいの?」
4人を乗せて車が出た後、由良さんに尋ねられ、首を縦に振る。
仲がいい、というよりは、良かった、という方が正しいかもしれないけれど。
「友希ちゃんが3歳くらいまではよく遊んでいたんです。でも何年も会っていなかったので、大きくなっていてびっくりです。」
「そうか。小さい子と一緒に遊ぶ幹斗君も見たかったな。きっと可愛い。」
由良さんがぎゅっと目を細め俺を見る。
そんなに優しく見つめられてしまったら、“可愛いのは小さい子ですよ”って、返したいのに言いにくい。
「そろそろ行こうか。」
顔を赤くして固まっている俺に彼が爽やかに告げ、俺は少し緊張しながらも家のドアの前に立った。
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