167 / 261
第2部
泣かないで⑥
しおりを挟む
「…またそうやって。」
欲望を噛み潰したような声で由良さんが紡ぎ、入り口に雄があてがわれ、一気に奥まで挿入された。
「あぁっ…!!」
大きく声が漏れる。
こんなふうにはじめから一気に挿入されたのは初めてだ。
十分に解れたそこはすこしも抵抗なくその熱を飲み込んだが、ゴム越しではない肌の感覚にまだ空洞の内壁を一気に擦り上げられた大きすぎる刺激に、一瞬なにが起こったのかがわからず混乱する。
雄の動きと共に快楽の波が迫り上がる。
中が強い収縮を繰り返し、口はだらしなく開き、唾液が口端からこぼれて伝った。
「かわいい。挿れただけでイってしまうなんて。」
由良さんは口元に妖艶な笑みを浮かべ、俺の唾液を彼の舌で拭う。
心臓が壊れそうなほど煩い。
彼は色っぽくて格好良くて、心臓がいくつあっても足りないと思う。
「まだ頑張れる?」
額に汗を浮かべながら彼がじっと俺の目を見て言った。
まだこんなに硬さを帯びているのに、彼はきっと俺が首を横に振ったら少しの抵抗もなく中から去っていくのだろう。
…そんなの嫌だ。まだ繋がっていたい。
俺が頷くのを確認して、彼がありがとうと低い声で囁く。
底無しに甘くて、声を聞くだけで達してしまいそうなのを必死で堪えた。
「苦しくない?大丈夫?」
頭を撫でながら紡がれる優しい言葉に力なく頷く。
奥を揺すられるたび、ゆっくりとした抽挿が繰り返されるたび、甘美な刺激に体が震えた。
ふと、由良さんが俺の中を揺すりながら、まだ少し残った首の痕に指先で触れ、その部分に唇を重ねる。
「…もう痛くない…?」
憂いを帯びた少し掠れた声。
「痛くない…けど… 」
「けど…?」
…いや、何で逆接を続けたんだ俺…。
多分快楽で脳が麻痺しているのだ。これ以上なにも言うまいと口を押さえる。
「Say, 幹斗。」
しかしcommandを発されれば呆気なく手を外し口を開いてしまった。
「…上書き、してほしい…。…気持ち悪いから…。」
由良さんは俺が苦しむことを嫌う。
プレイの仕置きとして叩かれることはあっても、それはきまって臀部だ。傷が残りにくいからだろう。
けれど、御坂にプレイをされたとき、これが由良さんだったら、と頭の片隅で考えていた。
由良さんはこんなことしないけれど、もし由良さんが俺の首に手をかけるなら、由良さんに全てを委ねているようできっととても気持ちいい。
「…それは、僕に首を絞められたい、と言うこと?」
彼は結合部の動きを止め、繋がったまま俺を彼の膝に座らせるような体勢にしたあと、困ったように首を傾げて俺の瞳をのぞいた。
俺は黙って頷いて、でもいいです、と笑ってはぐらかす。
だっておかしい。されて嫌だったことを、由良さんにならされたいなんて。
しかし由良さんは少し考えるようにしたあと、“いいよ”、と優しく頷いてくれた。
躊躇いがちに俺の首の両側から彼の手のひらが被せられる。
彼に首を覆われている感覚に、むしろ安心する自分がいた。
「怖くない?」
「由良さんなら怖くない。」
キッパリと言い切れば彼は緩く笑んで。
そのまま俺の頸動脈のあたりを親指と人差し指の間で押さえた。
欲望を噛み潰したような声で由良さんが紡ぎ、入り口に雄があてがわれ、一気に奥まで挿入された。
「あぁっ…!!」
大きく声が漏れる。
こんなふうにはじめから一気に挿入されたのは初めてだ。
十分に解れたそこはすこしも抵抗なくその熱を飲み込んだが、ゴム越しではない肌の感覚にまだ空洞の内壁を一気に擦り上げられた大きすぎる刺激に、一瞬なにが起こったのかがわからず混乱する。
雄の動きと共に快楽の波が迫り上がる。
中が強い収縮を繰り返し、口はだらしなく開き、唾液が口端からこぼれて伝った。
「かわいい。挿れただけでイってしまうなんて。」
由良さんは口元に妖艶な笑みを浮かべ、俺の唾液を彼の舌で拭う。
心臓が壊れそうなほど煩い。
彼は色っぽくて格好良くて、心臓がいくつあっても足りないと思う。
「まだ頑張れる?」
額に汗を浮かべながら彼がじっと俺の目を見て言った。
まだこんなに硬さを帯びているのに、彼はきっと俺が首を横に振ったら少しの抵抗もなく中から去っていくのだろう。
…そんなの嫌だ。まだ繋がっていたい。
俺が頷くのを確認して、彼がありがとうと低い声で囁く。
底無しに甘くて、声を聞くだけで達してしまいそうなのを必死で堪えた。
「苦しくない?大丈夫?」
頭を撫でながら紡がれる優しい言葉に力なく頷く。
奥を揺すられるたび、ゆっくりとした抽挿が繰り返されるたび、甘美な刺激に体が震えた。
ふと、由良さんが俺の中を揺すりながら、まだ少し残った首の痕に指先で触れ、その部分に唇を重ねる。
「…もう痛くない…?」
憂いを帯びた少し掠れた声。
「痛くない…けど… 」
「けど…?」
…いや、何で逆接を続けたんだ俺…。
多分快楽で脳が麻痺しているのだ。これ以上なにも言うまいと口を押さえる。
「Say, 幹斗。」
しかしcommandを発されれば呆気なく手を外し口を開いてしまった。
「…上書き、してほしい…。…気持ち悪いから…。」
由良さんは俺が苦しむことを嫌う。
プレイの仕置きとして叩かれることはあっても、それはきまって臀部だ。傷が残りにくいからだろう。
けれど、御坂にプレイをされたとき、これが由良さんだったら、と頭の片隅で考えていた。
由良さんはこんなことしないけれど、もし由良さんが俺の首に手をかけるなら、由良さんに全てを委ねているようできっととても気持ちいい。
「…それは、僕に首を絞められたい、と言うこと?」
彼は結合部の動きを止め、繋がったまま俺を彼の膝に座らせるような体勢にしたあと、困ったように首を傾げて俺の瞳をのぞいた。
俺は黙って頷いて、でもいいです、と笑ってはぐらかす。
だっておかしい。されて嫌だったことを、由良さんにならされたいなんて。
しかし由良さんは少し考えるようにしたあと、“いいよ”、と優しく頷いてくれた。
躊躇いがちに俺の首の両側から彼の手のひらが被せられる。
彼に首を覆われている感覚に、むしろ安心する自分がいた。
「怖くない?」
「由良さんなら怖くない。」
キッパリと言い切れば彼は緩く笑んで。
そのまま俺の頸動脈のあたりを親指と人差し指の間で押さえた。
1
お気に入りに追加
693
あなたにおすすめの小説
犬用オ●ホ工場~兄アナル凌辱雌穴化計画~
雷音
BL
全12話 本編完結済み
雄っパイ●リ/モブ姦/獣姦/フィスト●ァック/スパンキング/ギ●チン/玩具責め/イ●マ/飲●ー/スカ/搾乳/雄母乳/複数/乳合わせ/リバ/NTR/♡喘ぎ/汚喘ぎ
一文無しとなったオジ兄(陸郎)が金銭目的で実家の工場に忍び込むと、レーン上で後転開脚状態の男が泣き喚きながら●姦されている姿を目撃する。工場の残酷な裏業務を知った陸郎に忍び寄る魔の手。義父や弟から容赦なく責められるR18。甚振られ続ける陸郎は、やがて快楽に溺れていき――。
※闇堕ち、♂♂寄りとなります※
単話ごとのプレイ内容を12本全てに記載致しました。
(登場人物は全員成人済みです)
先生を誰が先に孕ませるかゲーム
及川雨音
BL
複数ショタ×おっぱい有りマッチョ両性具有先生総受け
おっぱいとおしりがデカいむちむちエロボディー!
強姦凌辱調教洗脳脅迫誘導だけど愛があるから大丈夫!
ヤンデレ気味なショタたちに毎日日替わりで犯されます!
【書いていくうちに注意事項変わりますので、確認してからお読みいただくよう、お願い致します】
*先生の肉体は淫乱なのですぐ従順になります。
*淫語強要されます。
*複数プレイ多め、基本は一対一です。ギャラリーがいるのはプレイの一環です。ある意味チームプレイです。
*詳しい女性器・生理描写が有ります。
*ゴミを漁る、トイレ盗撮、ハッキングなど犯罪とストーカー行為をナチュラルにしています。
*相手により小スカ、飲尿、おもらし、強制放尿有ります。
*相手により赤ちゃんプレイ、授乳プレイ有ります。
*パイズリ有り。
*オモチャ、拘束器具、クスコ、尿道カテーテル、緊縛、口枷、吸引機、貞操帯もどき使います。
*相手によりフィストファック有ります。
*集団ぶっかけ有り。
*ごく一般的な行動でも攻めにとってはNTRだと感じるシーン有ります。
*二穴責め有り
*金玉舐め有り
*潮吹き有り
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる