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第2部
捧げる愛⑧
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表情をじっと見て痛がっていないことを確かめながら、ゆっくりと奥まで挿入する。
最後までつながったところで彼が両手を伸ばしてきたから、彼の背中に手を回し、僕の膝の上に乗せた。
「苦しくない?」
頷く代わりに小さく喘ぎ声が返ってくる。
しばらく奥に入れたまま僕のものを包み込む温かな中をゆるゆると探っていると、突然幹斗君が僕の着ているTシャツの裾に手をかけた。
「ん…?」
ぐいぐいと裾をたくし上げようとする愛くるしい姿に、彼の考えていることがわかって胸が締め付けられるような愛おしさを覚える。
僕も同じだ。ぴったりと互いの間に何もない状態で肌を重ねたい。
自分のシャツを脱ぎ、幹斗君のシャツも全て脱がせ抱きしめ肌を重ねると、幹斗君は安心したようにふわりと笑んで、再び快楽に溺れるように艶めいた吐息を漏らし始めた。
上気した頬、赤くなった唇から漏れる小さな喘ぎ、生理的な涙に濡れた睫毛。
全てが一枚絵のように綺麗な彼の身体の中で、ふと首元のcollarの上に囲むようにできた紫色の痕が目に入った。
そのほかにも手首や足首にまだ痛々しく昨晩の痕跡が刻まれていて。
ふつふつと怒りと悲しみが湧き上がってくる。
そんな僕の感情を悟ったのか、幹斗君がゆっくりと僕の頬に手を添えてきた。
僕より一回り小さな手は温かい。
…お風呂でこの痕を見たときはあんなにも苦しそうにしていたのに。
この子を守ってやれなかった自分に腹が立たつと同時に、優しい手の温かさで負の感情が包み込まれ、すっと気分が落ち着いた。
「…本当に君は。
自分がこんなにも傷ついているのに僕のことを考えてくれるんだね。優しすぎる。
そういうところも愛しいよ。」
彼が話さない代わりに、普段なら言葉にしない感情まで声に出してみる。
彼はそれを聞いて泣きそうにぎゅっと目を細めた。
目を瞑り口づけを強請る彼に、僕の方から唇を重ねる。
力なく開いた唇の隙間から舌を入れると、彼も拙い舌づかいで答えてくれた。
「ね、一緒にここでイこうか。」
頭を撫でてやりながら、半端に固くなっている幹斗君の雄をゆるく握って問いかける。
しばらく迷うように首を傾げた後、彼は小さく頷いた。
「いい子。上手だね。」
彼の脇に手を入れ、ゆっくりと中から熱を抜いていく。
抜ける瞬間、幹斗君の中の締め付けが強くなり、“んんっ… ”と可愛い声が漏れた。
「たくさん一緒になれたね。」
甘いglareを放ち、もう一度彼の頭を撫でる。
彼はぜえぜえと肩で息をしていて、まだ快楽から抜け出せていないらしい。
その状態のまま互いの熱をひとまとめにして擦り上げれば、彼はすぐに絶頂を極め、くたりと僕の身体にもたれかかった。
柔らかいタオルで白濁を拭った後で、彼の白い首筋や胸、さらに腕や腿にまでたくさんの所有印を刻んだ。
彼が朝起きて鏡に姿を映した時、自分の身体を好きでいられるように。
そう願いを込めながら。
最後までつながったところで彼が両手を伸ばしてきたから、彼の背中に手を回し、僕の膝の上に乗せた。
「苦しくない?」
頷く代わりに小さく喘ぎ声が返ってくる。
しばらく奥に入れたまま僕のものを包み込む温かな中をゆるゆると探っていると、突然幹斗君が僕の着ているTシャツの裾に手をかけた。
「ん…?」
ぐいぐいと裾をたくし上げようとする愛くるしい姿に、彼の考えていることがわかって胸が締め付けられるような愛おしさを覚える。
僕も同じだ。ぴったりと互いの間に何もない状態で肌を重ねたい。
自分のシャツを脱ぎ、幹斗君のシャツも全て脱がせ抱きしめ肌を重ねると、幹斗君は安心したようにふわりと笑んで、再び快楽に溺れるように艶めいた吐息を漏らし始めた。
上気した頬、赤くなった唇から漏れる小さな喘ぎ、生理的な涙に濡れた睫毛。
全てが一枚絵のように綺麗な彼の身体の中で、ふと首元のcollarの上に囲むようにできた紫色の痕が目に入った。
そのほかにも手首や足首にまだ痛々しく昨晩の痕跡が刻まれていて。
ふつふつと怒りと悲しみが湧き上がってくる。
そんな僕の感情を悟ったのか、幹斗君がゆっくりと僕の頬に手を添えてきた。
僕より一回り小さな手は温かい。
…お風呂でこの痕を見たときはあんなにも苦しそうにしていたのに。
この子を守ってやれなかった自分に腹が立たつと同時に、優しい手の温かさで負の感情が包み込まれ、すっと気分が落ち着いた。
「…本当に君は。
自分がこんなにも傷ついているのに僕のことを考えてくれるんだね。優しすぎる。
そういうところも愛しいよ。」
彼が話さない代わりに、普段なら言葉にしない感情まで声に出してみる。
彼はそれを聞いて泣きそうにぎゅっと目を細めた。
目を瞑り口づけを強請る彼に、僕の方から唇を重ねる。
力なく開いた唇の隙間から舌を入れると、彼も拙い舌づかいで答えてくれた。
「ね、一緒にここでイこうか。」
頭を撫でてやりながら、半端に固くなっている幹斗君の雄をゆるく握って問いかける。
しばらく迷うように首を傾げた後、彼は小さく頷いた。
「いい子。上手だね。」
彼の脇に手を入れ、ゆっくりと中から熱を抜いていく。
抜ける瞬間、幹斗君の中の締め付けが強くなり、“んんっ… ”と可愛い声が漏れた。
「たくさん一緒になれたね。」
甘いglareを放ち、もう一度彼の頭を撫でる。
彼はぜえぜえと肩で息をしていて、まだ快楽から抜け出せていないらしい。
その状態のまま互いの熱をひとまとめにして擦り上げれば、彼はすぐに絶頂を極め、くたりと僕の身体にもたれかかった。
柔らかいタオルで白濁を拭った後で、彼の白い首筋や胸、さらに腕や腿にまでたくさんの所有印を刻んだ。
彼が朝起きて鏡に姿を映した時、自分の身体を好きでいられるように。
そう願いを込めながら。
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