152 / 261
第2部
楽しみだった日④
しおりを挟む
「くはっ…、はぁっ…、はぁっ…んぐっ… 」
ちかちかと閃光が瞬いて、呻き声と共に気づいたら御坂の肩に嘔吐していた。
ひどい動機がする。
それが空気が不足したからなのか、身体が死の恐怖に直面したからなのかはわからないけれど。
「何をするっ…!…ああ、このシャツ高かったのに…。まあいい。ここまですればもういいだろう。仙波君の気も済んだかな?」
「ええ。すっきりしました。相手が男っていいですねぇ。あんまり加減しなくていいですし。」
「じゃあ拘束を解いてあげてくれ。私はシャワーを浴びてくるよ。」
「俺も浴びてから帰ろうかなー。」
満足そうな話し声が聞こえて、少ししたあと拘束が解かれた。
「…かえらなきゃ…。」
何も考えることができなかったが、ただひとつ、家に帰りたいという強い思いがあった。
重たい身体を無理やり持ち上げ荷物を持って外に出る。
どう帰ったのかも覚えていないが、気がついたら家の前に立っていて。
…あ、電気つけっぱだったか…。
中に入ると電気がついていて、ああやってしまったなと思う。
まあ忙しかったし仕方ないか。ともかくすごく眠い。早く寝たい。
…風呂…もうこのままでいいや…
…あれ、コーヒーのにおい…
「幹斗君おかえりなさい。早めに終わったから夜のうちに帰ってきて…
その顔どうしたの。何かあった?」
目の前にずっと会いたかった主人の顔が映し出されて再会の喜びに涙が出そうになったけれど、彼の戸惑う顔を見て、先ほどまで自分がしていたことの重大さを理解した。
抵抗したとはいえ、由良さん以外のDomにプレイをされた。そんなの浮気と同じ裏切りだ。ありえない。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい 」
謝罪の言葉だけが洪水のように口から溢れ出してくる。
ごめんなさい、謝るから捨てないで。そばにいて。
裏切った挙句そんなことを願う浅ましい自分に腹が立った。
「幹斗君は悪くない。わかるよ。だから落ち着いて。」
焦りを帯びた由良さんの声。
壊れたように謝る俺を彼は強く抱きしめて。
上をむかされ、甘いglareを注がれた。
紫紺の瞳が切なく揺れる。
ひさしぶりの由良さんのglare。嬉しくて、気持ち良くて、
でも明らかに誰かにプレイをされたとわかるこの姿の俺に、彼はこんなにも優しいglareを注いでくれるんだと思ったら、
涙と共にまた謝罪の言葉が口をついて、
繰り返すのが止まらなくなった。
ちかちかと閃光が瞬いて、呻き声と共に気づいたら御坂の肩に嘔吐していた。
ひどい動機がする。
それが空気が不足したからなのか、身体が死の恐怖に直面したからなのかはわからないけれど。
「何をするっ…!…ああ、このシャツ高かったのに…。まあいい。ここまですればもういいだろう。仙波君の気も済んだかな?」
「ええ。すっきりしました。相手が男っていいですねぇ。あんまり加減しなくていいですし。」
「じゃあ拘束を解いてあげてくれ。私はシャワーを浴びてくるよ。」
「俺も浴びてから帰ろうかなー。」
満足そうな話し声が聞こえて、少ししたあと拘束が解かれた。
「…かえらなきゃ…。」
何も考えることができなかったが、ただひとつ、家に帰りたいという強い思いがあった。
重たい身体を無理やり持ち上げ荷物を持って外に出る。
どう帰ったのかも覚えていないが、気がついたら家の前に立っていて。
…あ、電気つけっぱだったか…。
中に入ると電気がついていて、ああやってしまったなと思う。
まあ忙しかったし仕方ないか。ともかくすごく眠い。早く寝たい。
…風呂…もうこのままでいいや…
…あれ、コーヒーのにおい…
「幹斗君おかえりなさい。早めに終わったから夜のうちに帰ってきて…
その顔どうしたの。何かあった?」
目の前にずっと会いたかった主人の顔が映し出されて再会の喜びに涙が出そうになったけれど、彼の戸惑う顔を見て、先ほどまで自分がしていたことの重大さを理解した。
抵抗したとはいえ、由良さん以外のDomにプレイをされた。そんなの浮気と同じ裏切りだ。ありえない。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい 」
謝罪の言葉だけが洪水のように口から溢れ出してくる。
ごめんなさい、謝るから捨てないで。そばにいて。
裏切った挙句そんなことを願う浅ましい自分に腹が立った。
「幹斗君は悪くない。わかるよ。だから落ち着いて。」
焦りを帯びた由良さんの声。
壊れたように謝る俺を彼は強く抱きしめて。
上をむかされ、甘いglareを注がれた。
紫紺の瞳が切なく揺れる。
ひさしぶりの由良さんのglare。嬉しくて、気持ち良くて、
でも明らかに誰かにプレイをされたとわかるこの姿の俺に、彼はこんなにも優しいglareを注いでくれるんだと思ったら、
涙と共にまた謝罪の言葉が口をついて、
繰り返すのが止まらなくなった。
1
お気に入りに追加
693
あなたにおすすめの小説
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる