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※これ以降お届けするプレイは、危険ですので決して真似しないでください
「うわぁ… 」
部屋の中に入った瞬間、思わずため息と共に声が漏れた。
暗い青を基調とした内装は、“マリンホテル”という名の通り深海の中を思わせる。
中央にある大きな貝殻ベッド、壁一面にプロジェクターで映し出された波。
そして何より目を引くのは、ドアを開けた途端に視界に映り込む、階段のついた大きな水槽。高さは俺の背よりも高い。
「…本当にいいんだね…?」
もう何度もいいと言っているのに、背中側にいた由良さんが再び確認してくる。
「俺がしてほしいんです。」
振り返り、由良さんを見上げてきっぱりと言った瞬間、視界に彼の瞳が映りこんだ。この部屋と同じ、海の底のような深い青。
「わかった。でも無理になったら絶対に言うんだよ。僕もしたことがないから、無理をさせてしまうかもしれない。」
困ったような、でも期待もしているような、難しい表情で由良さんが言った。
「初めてなんて、嬉しいです。」
「…そんなに煽らないで。」
「んぅっ… 」
立ったままぐっと引き寄せられ、噛みつくようなキスをされる。
余裕のない表情の由良さんが、俺は嬉しくてたまらないし、さらに今からのプレイを思うと、期待を隠せずにはいられない。
この部屋の水槽には、水すら入っていない。入っているのは頑丈そうな檻が一つだけ。
その檻に入るのは、魚ではなく、人だ。
この水槽は、臨死調教用に作られたもの。鍵付きの檻に人を入れて逃げ道を奪い、その周りから水を満たしていく。
苦しくても檻の中ではどうすることもできず、ただもがきながら、相手が水を抜くのを待つしかない。
つまり、相手に命を委ねることで、深い忠誠を示す。それがこの調教の醍醐味である。
「一応システムを確認しておこうか。」
由良さんが説明書を読みながら、檻に鍵をかけ、赤いボタンを押した。
少しずつ中に水が満たされていく。もう一度赤いボタンを押すと水が止まり、赤いボタンの下にある青いボタンを押すと、排水が始まる。
俺は自分がこの中に入っていることを考え、ぞくりとした。
水が檻を全て覆ったとき、俺は呼吸ができなくなる。
そして由良さんの助けなしには、そこから出られないのだ。
…どうしよう、それって絶対に、気持ちいい。
「…くん、幹斗君?」
突然身体が揺さぶられ、自分がぼうっとしていたことに気がつく。
「僕が見たところシステムに不具合はなさそうだけれど、大丈夫?」
「はい。」
「本当に無理だと思ったら、セーフワードのかわりに檻を3回内側から叩くこと。
僕もそうならないように気をつけるけど、一応、ね。」
俺は再び首を縦に振った。
身構え過ぎたとも思うが、このくらい注意を払ってくれた方が、安心して任せられる。
「プレイの前に何か食べておく?」
「…いえ、来る前に軽く食べたので…。由良さんが食べるの、待ってます。」
「僕も少し入れてきたから、プレイの後にしようか。…じゃあ、始めていい?」
「よろしくお願いします。」
「幹斗、kneel. 」
圧を持った低い声が防音の室内に轟く。
俺は吸い込まれるようにして、由良さんの足元に跪いた。
「うわぁ… 」
部屋の中に入った瞬間、思わずため息と共に声が漏れた。
暗い青を基調とした内装は、“マリンホテル”という名の通り深海の中を思わせる。
中央にある大きな貝殻ベッド、壁一面にプロジェクターで映し出された波。
そして何より目を引くのは、ドアを開けた途端に視界に映り込む、階段のついた大きな水槽。高さは俺の背よりも高い。
「…本当にいいんだね…?」
もう何度もいいと言っているのに、背中側にいた由良さんが再び確認してくる。
「俺がしてほしいんです。」
振り返り、由良さんを見上げてきっぱりと言った瞬間、視界に彼の瞳が映りこんだ。この部屋と同じ、海の底のような深い青。
「わかった。でも無理になったら絶対に言うんだよ。僕もしたことがないから、無理をさせてしまうかもしれない。」
困ったような、でも期待もしているような、難しい表情で由良さんが言った。
「初めてなんて、嬉しいです。」
「…そんなに煽らないで。」
「んぅっ… 」
立ったままぐっと引き寄せられ、噛みつくようなキスをされる。
余裕のない表情の由良さんが、俺は嬉しくてたまらないし、さらに今からのプレイを思うと、期待を隠せずにはいられない。
この部屋の水槽には、水すら入っていない。入っているのは頑丈そうな檻が一つだけ。
その檻に入るのは、魚ではなく、人だ。
この水槽は、臨死調教用に作られたもの。鍵付きの檻に人を入れて逃げ道を奪い、その周りから水を満たしていく。
苦しくても檻の中ではどうすることもできず、ただもがきながら、相手が水を抜くのを待つしかない。
つまり、相手に命を委ねることで、深い忠誠を示す。それがこの調教の醍醐味である。
「一応システムを確認しておこうか。」
由良さんが説明書を読みながら、檻に鍵をかけ、赤いボタンを押した。
少しずつ中に水が満たされていく。もう一度赤いボタンを押すと水が止まり、赤いボタンの下にある青いボタンを押すと、排水が始まる。
俺は自分がこの中に入っていることを考え、ぞくりとした。
水が檻を全て覆ったとき、俺は呼吸ができなくなる。
そして由良さんの助けなしには、そこから出られないのだ。
…どうしよう、それって絶対に、気持ちいい。
「…くん、幹斗君?」
突然身体が揺さぶられ、自分がぼうっとしていたことに気がつく。
「僕が見たところシステムに不具合はなさそうだけれど、大丈夫?」
「はい。」
「本当に無理だと思ったら、セーフワードのかわりに檻を3回内側から叩くこと。
僕もそうならないように気をつけるけど、一応、ね。」
俺は再び首を縦に振った。
身構え過ぎたとも思うが、このくらい注意を払ってくれた方が、安心して任せられる。
「プレイの前に何か食べておく?」
「…いえ、来る前に軽く食べたので…。由良さんが食べるの、待ってます。」
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「よろしくお願いします。」
「幹斗、kneel. 」
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