上 下
54 / 261

8-12

しおりを挟む
君付けで呼ばれるようになったら、プレイ終了の合図。

無機質な塊が抜けたばかりの後孔は、熱を求めてまだ甘く疼いていている。

まだズボンを履いたままの由良さんのそこに目をやると、ニット地を押し除けて、窮屈そうに屹立していた。

こんなに苦しそうなのに、どうして何もしようとしないのだろう。

引き寄せられるようにして服の上からそこへ手を添え、彼の瞳を覗く。

「誘ってるの?」

由良さんが耳元でふわりと甘く囁き、自分が何をしているのか自覚して、俺は思わず顔を覆い隠した。

自分から誘うだなんてはしたない、と思うから、何もいえずに黙ってしまう。

けれど次第に、“由良さんに気持ち良くなってほしい”、という従属欲と、“由良さんのコレが欲しい”、という身勝手な欲望が、泉のように湧き上がって、ぐちゃぐちゃに混じり合って俺の脳を満たしていった。

ねえどうなの?と由良さんが額に口づけを落としながら問いかけてくる。

プレイは終わったはずなのに、ちょっとだけ意地が悪い。

「…由良さんのここ、欲しい…です…。」

俯きながらなんとか紡いで、自分がそれを言いきったことに驚いた。

今までは“求めても意味がない”と思っていたから、こんなふうに図々しく自分から相手にしたいことを求めたのは、初めてで。

「僕も幹斗君のナカ、入りたい。…プレイで無理させちゃったけど、体力は大丈夫?辛くない?」

由良さんの瞳は熱っぽくて、低く掠れた声も色っぽい。

俺から求めたのにそんなふうに求め返されたことが、とても嬉しくて、しっかりとうなずく。

「後ろを向いて、お尻をこっちに向けて、……そう、上手。その方が辛くないから。」

指示通りの体勢をとると、後ろから優しく抱きしめられ、頭を撫でられた。

彼の身体が俺の背中に貼り付いていて、その熱がとても気持ちいい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子
BL
Dom/subユニバース ★が多くなるほどえろ重視の作品になっていきます。 ぼちぼち更新

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

おとなのための保育所

あーる
BL
逆トイレトレーニングをしながらそこの先生になるために学ぶところ。 見た目はおとな 排泄は赤ちゃん(お漏らししたら泣いちゃう)

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

ドSな義兄ちゃんは、ドMな僕を調教する

天災
BL
 ドSな義兄ちゃんは僕を調教する。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...