強く握って、離さないで 〜この愛はいけないと分かっていても、俺はあなたに出会えてよかった〜

6-13

「これ… 」

「受け取ってくれる？」

不安なのを必死で隠したような、ぎこちない笑顔で由良さんが言う。

俺の手に渡されたのは、collarカラー（首輪）だった。

collarはDomが自分のパートナーであるSubに贈るもので、これをつけているとSubは自分には相手がいると示すことができ、Domからすれば他のDomへの牽制になる。

渡されたcollarはわずかに青がかった黒。由良さんの瞳と同じ色。

視界の中の、由良さんの顔が涙でぼやけた。

「これからも、よろしく、おねがいします。」

鼻声になりながら、由良さんに渡されたcollarを差し出す。

Domに支配権を与えるのはあくまでSub、と言う考えから、collarはSubがDomに渡してから付けてもらうのが慣例だ。

「ありがとう。」

由良さんの手が、俺のうなじを緩く擦る。

俺は腹部にまだ由良さんの熱を感じながら、その刺激に身を震わせた。

「あはは、きつくなった。」

由良さんが笑いながらcollarをつけてくれる。

「… 」

図星なことが恥ずかしくて、なんとなく俯いた。

けれどすぐに顔を上げて、そのままどちらからともなく溺れるようなキスをして。

やがて流れるように律動が再開され、俺のナカで由良さんが果てて、俺も同時に由良さんの手の中で、2回目の射精を味わった。