37 / 261
6-12
しおりを挟む
「んっ…ぅぐっ… 」
「痛くない?大丈夫?」
問いかけに対し、俺はうなずいく。
充分に解されたそこは、ゆっくりと侵入してくる由良さんの熱を、それほどの痛みはなく受け入れた。
由良さんの端正な顔をしかめさせるのが快楽なのか、痛みなのか、それ以外なのか、心配になって覗き込むと、気持ちいいよとキャラメルみたいな甘い声で告げられた。その言葉に安心する。
指を曲げられた時のような快楽はないけれど、由良さんと1つになっているというその事実にひどく満たされて、思わず頬が緩む。
「動くよ。」
くぐもった由良さんの声と共に、ゆっくりと奥を揺さぶられる。
「ぁっ、うぅっ… 」
ずんずんと中をかき回すような刺激は由良さんがそこを満たしていることを感じさせてくれる。そして何度も繰り返されるうちに、次第に快感へと変わっていった。
「うぅっ…、あぁっ、ぁっ…んっ、んんーーっ…!!…ぁっ、はぁっ…んっ… 」
身の内に留めておくことのできない熱を逃がそうと、必死に声を漏らすけれど、それでも熱の湧く速度の方がずっと大きくて間に合わない。
「気持ちいい?痛くない?」
由良さんの声を耳が拾っても、快楽に蹂躙された脳は言葉を理解する能力すら失っていて、ただ首を縦に振ることくらいしか俺はできなくて。
でも、…ああ、幸せだ。
思えば、由良さんと会うまでは満たされないSub性の暴走に怯えながら望まないプレイをする日々の連続で、特に学校や家庭環境ではほとんど悩まされることはなかったけれど、俺の人生は空っぽだったのかもしれない。
それがこんなに満たされているなんて。
幸せで、でもこの幸せを失うのはすごく怖い。
今死んでしまえたらいいだなんて、そんな恋愛漫画の主人公みたいな台詞にも、今なら納得できるどころか、むしろ共感してしまう。
「…!?幹斗君?痛いっ!?」
焦ったような由良さんの声がして、自分の頬から涙が溢れていたことに気がついた。
「…幸せで、嬉しくて。」
心配かけないようにそう紡ぐと、由良さんは、たまらなく愛おしい、とでも言っているような表情をして、深く深く、息もできないほどに深く、俺の口の中を支配した。
そのままうなじに手を添えられ、繋がったまま身体を起こされ、向かい合った状態でぎゅっと抱きしめられる。
そして、
「幹斗君、大好き。愛してる。」
マシュマロみたいに柔らかく言われた。
由良さんの身体は程よく筋肉がついて逞しくて、その中にいると安心して、安心しているのに心臓が煩くて落ち着かない。
ふと、由良さんがヘッドボードの方へと手を伸ばす。
ゴムが破けでもしたのだろうかと不思議に思っていると、自分でも気づかないうちに由良さんの肩に回していた腕を、そっと解かれた。
片方の手に、ひんやりと冷たい、ツルツルとして柔らかい何かが握らされる。
その正体に気付いて、俺は驚きに目を見開いた。
「痛くない?大丈夫?」
問いかけに対し、俺はうなずいく。
充分に解されたそこは、ゆっくりと侵入してくる由良さんの熱を、それほどの痛みはなく受け入れた。
由良さんの端正な顔をしかめさせるのが快楽なのか、痛みなのか、それ以外なのか、心配になって覗き込むと、気持ちいいよとキャラメルみたいな甘い声で告げられた。その言葉に安心する。
指を曲げられた時のような快楽はないけれど、由良さんと1つになっているというその事実にひどく満たされて、思わず頬が緩む。
「動くよ。」
くぐもった由良さんの声と共に、ゆっくりと奥を揺さぶられる。
「ぁっ、うぅっ… 」
ずんずんと中をかき回すような刺激は由良さんがそこを満たしていることを感じさせてくれる。そして何度も繰り返されるうちに、次第に快感へと変わっていった。
「うぅっ…、あぁっ、ぁっ…んっ、んんーーっ…!!…ぁっ、はぁっ…んっ… 」
身の内に留めておくことのできない熱を逃がそうと、必死に声を漏らすけれど、それでも熱の湧く速度の方がずっと大きくて間に合わない。
「気持ちいい?痛くない?」
由良さんの声を耳が拾っても、快楽に蹂躙された脳は言葉を理解する能力すら失っていて、ただ首を縦に振ることくらいしか俺はできなくて。
でも、…ああ、幸せだ。
思えば、由良さんと会うまでは満たされないSub性の暴走に怯えながら望まないプレイをする日々の連続で、特に学校や家庭環境ではほとんど悩まされることはなかったけれど、俺の人生は空っぽだったのかもしれない。
それがこんなに満たされているなんて。
幸せで、でもこの幸せを失うのはすごく怖い。
今死んでしまえたらいいだなんて、そんな恋愛漫画の主人公みたいな台詞にも、今なら納得できるどころか、むしろ共感してしまう。
「…!?幹斗君?痛いっ!?」
焦ったような由良さんの声がして、自分の頬から涙が溢れていたことに気がついた。
「…幸せで、嬉しくて。」
心配かけないようにそう紡ぐと、由良さんは、たまらなく愛おしい、とでも言っているような表情をして、深く深く、息もできないほどに深く、俺の口の中を支配した。
そのままうなじに手を添えられ、繋がったまま身体を起こされ、向かい合った状態でぎゅっと抱きしめられる。
そして、
「幹斗君、大好き。愛してる。」
マシュマロみたいに柔らかく言われた。
由良さんの身体は程よく筋肉がついて逞しくて、その中にいると安心して、安心しているのに心臓が煩くて落ち着かない。
ふと、由良さんがヘッドボードの方へと手を伸ばす。
ゴムが破けでもしたのだろうかと不思議に思っていると、自分でも気づかないうちに由良さんの肩に回していた腕を、そっと解かれた。
片方の手に、ひんやりと冷たい、ツルツルとして柔らかい何かが握らされる。
その正体に気付いて、俺は驚きに目を見開いた。
11
お気に入りに追加
697
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる