跪くのはあなただけ

沈丁花

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ep53

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「一葉。」

拘束が解かれ、低い声に呼ばれた。反射的に声の方に顔を向けると、待ったなしに熱く口付けられて。

ひんやりとした液体が、問答無用で流し込まれていく。一葉はそれを乳飲み子のようにためらいなくこくこくと飲み干した。

…冷たくて、美味しい。そこで初めて、喉が渇いていたことに気がつく。

「さあ、続きだ。」

次の瞬間、いたずらにそう囁かれて。

「んんっ!!」

突然、先ほどまでのプラグを凌駕する質量のものが内部から後孔を圧迫した。それとともに、身体がふわりと宙に浮く。

否、浮いたわけではない。紅司に背後から持ち上げられているのだ。彼の腕が膝の裏に入り、一葉は幼児に小用を足させる時のような体勢を強いられる。

つまり、足を開き性器を前に突き出すような体勢だ。ちなみに、窓は一葉の目の前にある。

窓の外からはおそらく、紅司の雄がぴったりと入った結合部まで丸見えだ。

「こ、紅司様、これは流石にっ… んんっ!!」

暴れた身体を力で抑えられ、言葉を紡ごうとした唇は唇に塞がれて。

「いいじゃないか。もっとたくさんの人に見てもらった方が気持ちいいだろう?」

…あれ、頭の中がぼーっとする。身体が疼いて熱い。

…奥が、切ない…。

身体の底からいきなり湧いてきた確かな性衝動に、一葉は疑問を覚えた。

「やっと効いてきたな。」

いたずらに笑う、楽しそうな声。

効いてきた…、先ほど飲まされた液体に何か入っていたのだろうか。否、次第にそんなことなどどうでもよくなってきて。

「…んっ…、あぁっ…!!」

ずるりと紅司の雄が引き抜かれたかと思うと、一葉の浅部の感じるところを幾度も、紅司の雄の先端部の段差にえぐられる。

気持ちいい。まぎれもない快楽だ。…でもそこじゃない。もっと深いところに欲しい。

紅司の雄を中に誘い込むように、中がうねったのが自分でもわかった。

「…いやらしい穴だな。引きちぎられそうだ。

ほら、みんなに見せつけてやろうな。」

その言葉に窓の外を見てみると、ぞろぞろと帰り出した中高生が一葉たちの部屋の方向を指差しで眺めていて。

でも、見られて何が悪い?気持ちよくて何が悪い?

おかしくなった脳は、快楽のみに従順で。

「あぁっ…!!」

紅司の雄が一葉の中を一気に穿った。ぐりぐりと中を抉るように侵されて、一葉の口からはひっきりなしに喘ぎ声が漏れる。

気持ちよくてたまらない、どうしよう…。

「あぁっ、あぁんっ…!!そこ、もっとぉ…っ!!」

加速するピストンに合わせ、だらしなく腰がうねる。

不特定多数に見られているという背徳感と、主人に所有されているということを見せつけている多幸感。

どうにかなりそうだ。全て、気持ちいい。

「そろそろだな。」

低い声が耳元で囁いた、その瞬間。

波打つような強い収縮とともに、熱い愛液がふんだんに一葉の中に注がれた。中で紅司の雄もまた、収縮を繰り返しているのを感じる。

「ぁっ…!!」

ずるり、引き抜かれる瞬間も、気持ちよくて。その後紅司がカーテンを閉めると、やっと得られた安心感にほっと胸をなでおろす。

しかし、それだけでは終わらなかった。

「いい子にできたな。」

一葉は抱きかかえられたままベッドまで連れて行かれ、そっと降ろされる。そして紅司の端正な顔が一葉の股間に近づいて…。

「い、いけません紅司様っ!!」

Stop動くな.いい子にできたご褒美だ。」

この部屋の中に入ってからはじめてのcommandだった。

いやいやと口では反抗するものの、正直な一葉の身体はその刺激を求めてしっかりと反応している。

それを、片手で髪を耳にかけた紅司がためらいなく咥えた。

…ああ、主人にこんなことをさせてしまうなんて…。

紅司の口淫は驚くほどに巧みで、一葉はものの数秒でその中に勢いよく白濁を放った。

ゴクリと飲み込んだ彼の唇の端に、わずかに残った一葉の精。てらてらと光った彼の唇を、それが余計に妖艶に映して。

「こ、紅司様…、キス、ください…。」

ひどくそこに食らいつきたくなった。自分の放ったものだと分かっていて尚、それを拭うのは自分の役割であると。

間をおかず彼の唇が近づいてきて、その端に一葉は自らの舌を押し付ける。

…濃厚な、雄の香りがした。

good boy.いいこだ

脳が溶かされるような甘い声が耳元で囁かれる。それに合わせて、大きな手で優しく頭を撫でられる。

「あとはやっておくから、ゆっくり寝ていなさい。」

その言葉を最後に、一葉は心地よい眠りに落ちていった。
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