跪くのはあなただけ

沈丁花

文字の大きさ
上 下
37 / 57

ep35

しおりを挟む
「そ、そのようなことは自分でっ…ぁっ…

んっ…、ゃぁっ… 」

「動くな。怪我をする。」

激しい情交を交わした後一葉は腰が立たなくなり、紅司に抱きかかえられるようにしてバスルームへと連れていかれた後、壁に手をつき尻を突き出すような態勢にされた。

まだ熱の残る一葉の肌表をぬるま湯が優しく滑っていく傍らで、後孔は紅司の指によって執拗にまさぐられている。

彼の愛欲をたっぷりと注がれたそこは彼の指をすんなりと飲み込み、指の動きに合わせてちゅぷちゅぷと淫らな音を立てていく。

それが恥ずかしくて自分でやると言っているのに、紅司は全く聞いてくれない。

「ぁぁっ…、やっ…/// 」

しかも彼の指は中の白濁を掻き出すような動きとともに一葉の前立腺を的確にかすっていき、いやらしい声が漏れてしまう。

ただ掻き出すだけの行為なはずなのに、感じてしまう自分が憎たらしい。

「感じているのか?かわいいな。」

耳朶に絡みつくような紅司の囁きに、敏感になった身体はびくりと跳ねる。

意地悪だ、と思った。先程まであれほど激しく交わっていた場所を弄られて、感じないはずはないのだから。

「ぁっ…、いやっ…!!」

彼の指はどんどん奥に入っていき、ぐりぐりと容赦なく一葉の中をえぐる。

彼が指を抜くとともにどろりとした液体が伝った感覚は、排泄感にも似た快感で、ちゅぽ、と指が抜ける音とともに、一葉は盛大に身体を痙攣させた。

視界がぐらりと揺らぎ、甘やかな吐息を漏らしながらその場に倒れこみそうになる。

「はぁっ…、ぁっ…んっ…、、、 」

ぐったりと力の脱けた一葉を容易く抱え込み、紅司は愛おしげに笑った。

立っているのがやっとのところでさらに達したことで、もう一葉には自らの意思で立つ気力さえも湧いてこない。

「…いじがわるいっ…ですっ……っ 」

思わず睨みつけてしまった。しかし、

「許せ。やっと一緒になれたんだ。」

照れ臭そうに言われては、毒気が抜かれ、これ以上何も言い返せなくなる。

もうどうとでもしてくれと、一葉は全身の力を抜いた。

小さな子どもが親に歯磨きをしてもらう時のように、バスルームの段差に腰かけた紅司の膝に寝かされて、隅々まで身体を洗われていく。

こんな格好、赤子みたいで恥ずかしい。しかし決して嫌ではなかった。

もちもちと泡立ったきめ細やかな泡を、紅司の手が一葉の身体に滑らせていく。その腕にに紅色の腕輪が見える。

ふと、それがとても愛おしくて、一葉は彼の手を取り腕輪にそっと指を触れた。

「…離さないからな。」

紅司が一葉の目を見て笑う。その黒い瞳から、軽いglareが放たれた。

動きを止めたり、威嚇したりする類のものではない。

Subを喜ばせるための、ご褒美のglare。一葉はそれを感じ取り、わずかに腿をすり合わせた。

わずかな痛みをむしろ気持ちよく感じるように、軽いglareはSubにとっての快感となる。

紅司ほどのDomが放つものなら、長時間発しれいればそれだけで腰が砕けそうなほどの快楽を与えることも可能だ。

その甘やかな刺激に身体を震わせながら、一葉は紅司の頬に手のひらを当てて、

「…あなたにとって不要になるその日まで、必ずそばにいると誓います。」

と静かに告げた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

処理中です...