跪くのはあなただけ

沈丁花

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ep33

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「あぅ、っ…やっ、あぁぁぁっ!!!」

突然、律動が早くなった。腰を掴まれズンズンと容赦なく奥を貫かれる感覚に、一葉はひっきりなしに嬌声を漏らす。

それでも紅司の腰の動きは遅くなるどころか容赦無く加速していき…

「やぁっ…!おくっ…!!やだ、イくっ…!!」

大きな喘ぎ声と同時に、宣言通り一葉の内部はどくどくと収縮を繰り返した。

互いの腹部に挟まれる位置にあった一葉の雄もまた、たらりとだらしなく白い液体をこぼしていて。

同時に、紅司の放った熱い液体が、一葉の内部に勢いよく放たれた。

「ぁっ… 」

ずるり、紅司が雄を抜く瞬間もまた、快楽で声が漏れた。結合部から出てきた雄は、白濁で妖艶に光っている。

しかしその快楽が終わると、どうしようもない虚しさに包まれた。

もう一度、中に欲しい。

快楽がなくなったことが嫌なわけではない。最奥までの繋がりが解けて、言葉で表すことのできない寂しさのようなものに包まれたのだ。

不安になる。繋がっていないと、そばにいないと、怖い。

せめて抱きしめて欲しいと願った。

しかしそんな一葉の思いをよそに、紅司の両手はしがみついた一葉の身体を優しく剥がしていく。

決して振り払えない強さではなかったが、一葉は渋々紅司に従って彼の身体から離れた。

ひたり、と、まだ熱を持った手のひらに何か変わった冷たい感触のものが握らされる。

それを一瞥して、一葉ははっと紅司を見上げた。

「これ… 」

「Colorだ。赤がいいと言っていたから、このデザインにした。もし俺に主導権を預けられると思ったなら、お前の手から俺に渡して欲しい。」

そういえば、紅司が目を覚ました日、紅司のSubになると誓った後に、もしColorをつけるなら何色がいいかと聞かれた記憶がある。

一葉は、迷いなく赤と答えた。紅司の名前に入っている紅の文字を想像させるから。

革製の首輪の裏側に小さくCynthiaシンシア、とロゴが入っている。

1つ何百万はくだらないColorの最高級ブランドだ。通常なら数ヶ月先まで予約でいっぱいのはずなのに、どうやって手に入れたのだろう。

そして表には、Kの文字。考え過ぎかもしれないが、これは一葉と紅司、2人の名前の頭文字だ。

一葉はその1つ1つに紅司の思いを感じ取り、幸せで涙が溢れそうだった。

愛のあるプレイも、セックスも、Colorも、自分には全て初めてで。

「お願いします。」

彼の手にそれを渡して、彼に背中を向けた。
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