跪くのはあなただけ

沈丁花

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ep21

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紅司はやけに丁寧に一葉を着替えさせた。

ショーツもブラジャーも丁寧につけられたから、結果大して似合いもしないであろう女性用下着を着けた姿を紅司にすみずみまで見られてしまった。

しかも、つけてみてわかったのだがこれはセクシーランジェリーというやつで、胸の突起と後孔には穴が開いているのだ。

局部を隠す下着としての機能を失ったそれはある場面を除いて意味をなさないもので、

それを身につけている羞恥に一葉は泣きそうになる。

それで完全に勃起しているのだから、自分も自分だ。

今の一葉は膝丈のナース服姿。

意外にもその生地はしっかりしていて、上から下までボタンで留めて切るようになっている、病院から取り寄せたかのように平凡な作り。

ぎゅっと紅司に抱きしめられると、いつもの仄かな香水の香ではなく、今自分が纏っているのと同じシャンプーの匂いがする。

「やはり似合うな。」

紅司が雄の色気を含んだ声でそう言った。

「…あまり見ないでください。」

羞恥に目を逸らして恨みたっぷりにそう告げたが、紅司はその言葉を無視して一葉を姿見の前に連れて行った。




「ほら、look見ろ.」

そう言って一葉の顎を掴み、鏡を向かせて、紅司はcommandを放った。

否応無しに見せられた鏡には、自分とは到底信じられない、信じたくもない人の姿が映っている。

紅をさしたような真っ赤な唇に、ほんのり桃色に火照った頬。

青い目はとろりと溶けるような色を帯びていて…。

そこにあったのはSub性に染まりきった、娼婦のような自分の姿だった。

目を逸らしたくても、commandによりそらすことが叶わなくて、鏡ごしに映る紅司をキッと睨む。

「これはさっき他の男の名前を呼んだ仕置だ。」

そう言って、紅司の節ばった右手が、服の上から一葉の胸の突起に触れるか触れないかの場所を撫でた。

「はぅっ!!ぁっ…、ゃっ… ///」

突然の刺激に、声が漏れる。

開発もしていないのにこんなに感じるはずがない。

おかしいと思い記憶を辿ると、御誂え向きに空いたブラジャーの穴から乳首に怪しげな液体を垂らされたことを思い出す。

くにくにとそこを執拗にいじられ、服に擦れる痛みの伴った刺激に翻弄された。

気持ちよくてたまらない。

快楽に溺れてだんだんどうでもよくなってきた一葉は、自らの雄に手をのばしかける。

「主人の許可なしに、いけない子だ。」

途端、紅司の声とともにふわりと宙に身体が浮いて、何かと思えば紅司に抱き上げられていた。

そのままよくわからないうちにベッドのような椅子のようなものの上に横たえられて、

「もう少しこの衣装を楽しむとするか。」

「…?」

怪しげな響きを持った紅司の言葉に、朦朧とした意識の中で一葉はぽかんと口を開けた。
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