跪くのはあなただけ

沈丁花

文字の大きさ
上 下
22 / 57

ep20

しおりを挟む
着替えを終えた紅司を前に、一糸まとわぬ姿となった一葉は羞恥で震えていた。

プレイが施される歓喜にツンと上を向いて勃ち上がる自らの性器が恥ずかしい。

だから一葉はぺたんと床におすわりの体勢をとり、自らの陰部を両手で覆った。

こんな状況でなければいつまでも見惚れてしまいそうなほど、紅司の医師の装いは格好いい。

黒には白が似合う。

真っ白な白衣に、紅司の艶やかな黒髪がやけに美しく映えていて。

その下にまとったスクラブの、V字に開いた襟元からのぞいた鎖骨はひどく色っぽい。

まるで病院から抜け出てきたみたいだ。

白衣もスクラブもすごく似合っていて、首からぶら下がる聴診器もおそらく本物。

鍛え上げられた体躯も、スーツの時よりずっとわかりやすく浮き出ていた。

そんな彼を前に裸でいることすらとんでもない羞恥だったが、それ以上に、目の前の下着を纏いワンピース型のナース服を着るのは躊躇われる。

「どうした、早くしないと風邪をひく。」

…わかっているくせに。

紅司はあたかもそれを着ることが当たり前のようにそう告げた。

寝間着を脱ぐのはcommandで強制された分身体が勝手に実施したが、目の前の衣服を纏うとしたら、それは自分の意思である。

…無理だ。絶対に無理だ。

あのレースショーツを纏いなどすれば、そそり勃った雄の部分が大きく盛り上がり、可愛らしい華奢な作りのそれにテントを張るだろう。

「仕方ないな。着せてやる。」

「嫌「Shush静かに.」

嫌だと抵抗する一葉の言葉をcommandで封じそっと床に押し倒すと、紅司はレースショーツを見せつけるように広げ、一葉の片足を持ち上げた。

赤子がオムツをつけられるような屈辱的な体勢に、一葉は足をじたばたさせて抵抗を示すが、紅司の腕はびくともしない。

一葉は抵抗するたびに左右に振れる芯を持った雄棒を、両手で必死に覆い隠す。

そうしている間にもするすると一葉の肢体をショーツが這い、だんだん股間に近づいていく。

これほどとんでもない屈辱を味わってなお、一葉の身体は喜んで、雄は萎えるどころか余計に膨らんでいった。

どうして、と混乱しながらたまらず、性器を覆っていた両手を伸ばし、紅司の手を止めた。その時、

「本当に嫌になったらこの部屋から全力で逃げろ。俺を振り払って構わない。動きは止めないと約束しよう。」

一葉の目をじっと見つめ、紅司は優しくそう告げた。

…それがセーフワードの代わりというわけか。

ずるい、と思ったのはそれを言った途端、紅司の力が少しだけ弱まったこと。

振り払おうと思えばふりはらえる程度の力。

すぐにでも振り払ってこの空間から逃げ出そうと思ったが、

その力で、柔らかな声で、

「綺麗だ。全部見せて。」

と囁いて、紅司が一葉に覆いかぶさり、くちゅっと愛おしげに口内を犯してきたから、

なんだか逃げるに逃げられなくて、一葉は彼をじっと睨みながら抵抗することを諦めた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

処理中です...